中高年の転職。職務経歴書の自己PRはどう書くのが正解?

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中高年の転職。職務経歴書の自己PRはどう書くのが正解?

「自己PR」が苦手なみなさん。豊富な社会経験を持つミドルシニア世代の強みを意識して自己PRを考えると、内容がグンッと際立ちますよ。キャリアの棚卸しをしっかり行って、採用担当者に選ばれる自己PRを書きましょう!

この記事の目次

    自己PRを考えるための準備。まずはキャリアを棚卸し

    若者にはない、中高年の強みとは

    中高年のみなさんが転職や再就職をするにあたって、まず考えてほしいのが「ライバルは同世代だけではない」ということです。求職者の中には、自分より若い人も含まれます。

    そのため、職務経歴書の自己PR欄を書く際には、「さまざまな年代、さまざまなバックグラウンドをもった求職者の中から、自分を選んでもらう」という視点を持つことが必要です。

    豊富な人生経験・社会経験がアピールポイントになる

    では、20代や30代の求職者と比較したとき、中高年の求職者にはどのような強みがあるのでしょうか。

    それは、社会経験です。
    中高年のみなさんは、若い世代より多く生きてきた分、豊富な社会経験があります。さらに大きく捉えると、仕事だけでなく人生経験そのものが豊富にあります。そして、この豊富な人生経験・社会経験こそが、他の世代に差を付ける「最大のアピールポイント」になります。

    「結婚以来、パートしかしてこなかったから―」
    「親の介護で、長いこと仕事から離れていたし―」

    仕事の経験がそれほどなくても、「人生を生き抜いてきた」という実績が、中高年のみなさんにはあります。平凡と感じられるような経験であっても、その経験を通じて学び取ったことや気付いたことがあるはずです。

    人生で身につけたスキルやマインドが、転職活動の土台になる

    管理職として部門を統括したり、地域のコミュニティで責任者を務めたりするなど、年を重ねるにつれてリーダーシップを発揮する機会もあったことでしょう。

    さまざまな立場や年代の人々と関わり、一人ひとりの気持ちをくみ取りながら考えを一つにし、目標を成し遂げる――そんな経験を通じて、相手の立場に立つ姿勢や、相手を思いやる気持ちが自然と育まれてきたのではないでしょうか。

    長い人生の中で学び取ってきたスキルやマインドは、生きる力そのもの。転職活動も含めて、人生の様々なシーンで活かすことができるはずです。

    異業種への転職や未経験からの就職は、十分な情報収集がポイント

    異業種への転職や未経験からの就職など、「内定は難しいかな」と感じる求人の場合、どうすればよいでしょうか。

    そんなときは、転職活動の準備を丁寧に行っていくことです。「この業界に就職したい」「この仕事に就きたい」と狙いを定め、希望する業界や職種、さらには応募先企業についても十分な下調べをすることで、次の一手が見えてきます。

    豊富な人生経験を持つ中高年のみなさんには、採用担当者の立場になって考える視野の広さがあります。過去に自分が身につけてきたスキルと、応募先企業が必要としているスキルを照らし合わせていくことで、アピールすべきポイントが見えてきます。

    さらに、自分の希望にマッチした求人が見つかるまで根気強く情報を収集したり、良い結果が出なくても、焦らず、へこまず、冷静にチャレンジし続けていく粘り強さもまた、長い人生の中でみなさんが身につけてきた大切なスキルといえるでしょう。

    キャリアの棚卸しをして、自分の武器を見つける

    気になる求人を見つけたら、まずはキャリアの棚卸しをやってみませんか。キャリアを一つひとつ振り返っていくことで、異業種や未経験の仕事にも応用できる何かが見つかるかもしれません。

    その何かを軸に、自己PRを組み立てていくことで、他の年代に差を付ける魅力的な内容にすることができるはずです。

    特にコミュニケーションスキルやマネージメントスキルは、多くの業種や職種で求められる汎用的なスキルです。異業種や未経験の仕事に就きたい方は、この二つのスキルを意識しながら、キャリアの棚卸しを行うことをオススメします。

    実践! 職務経歴書と自己PRのポイントとは?

    読まれる、選ばれる自己PRを目指す

    キャリアの棚卸しを行い、採用担当者にアピールするポイントが見えてきたら、自己PRの文章を組み立てていきましょう。

    同じ内容でも、表現の仕方次第で相手に与えられる印象が変わります。じっくり考えて、採用担当者に選んでもらえるような内容を目指しましょう。

    読みやすい文章で簡潔に書く

    自己PRを書く上で最も大切なのが、「読みやすい文章にすること」です。どんなに素晴らしいアピール要素があっても、読んでもらえなければ、その内容は採用担当者の心に届かないからです。

    自己PRを書いたら、採用担当者の立場になって文章をチェック。わかりにくい文章や誤解を与えやすい文章があったら、修正していきましょう。

    書き方だけでなく、文字数にも配慮しましょう。経験豊富な中高年の場合、自己PR文も長くなってしまいがちです。仮にアピールしたい内容が3つあるのなら、まずは箇条書きで説明し、その後、補足の文章を入れると簡潔かつ読みやすい内容になります。

    応募先企業で活かせるスキルを軸に据える

    みなさんがアピールしたいと思った内容をそのまま書き連ねるのではなく、「応募先企業にアピールできるもの」を絞り込んでいきましょう。特に異業種や未経験の仕事に応募する方は要注意です。

    転職したあと、応募先企業で働いている自分自身をイメージしてください。みなさんがこれまで身につけてきたスキルの中で、どのスキルを活かせると思いますか?

    「このスキルなら、応募先で活かせそう」と思ったものを軸に据えた内容にしていきましょう。応募先によって自己PRの内容をカスタマイズしていくことが大切です。

    具体例を盛り込んで、説得力のある内容にする

    自己PRの内容に具体例を盛り込むと、説得力のある内容になります。「社内で表彰された」「前年比110%の売上を達成した」など、具体的な数値や実績、エピソードを盛り込んでみましょう。

    面接で聞かれることを想定する

    職務経歴書の自己PR欄に書かれた内容について、面接時に確認されることも考えられます。特に、「コミュニケーション力に自信があります」「いつも笑顔で接客しているとお客様に褒めていただきました」「明るく前向きな性格です」など、ヒューマンスキルに関するアピールは、面接時に判断される可能性が高いです。

    そのため、面接時の受け答え次第では、「明るさが強みと書いてあるけど、ずいぶんと陰気な感じの人だなぁ」などと、ネガティブな印象を抱かれてしまうかもしれません。

    逆に考えれば、面接は自己PRの内容が間違いないことをアピールする最大のチャンスでもあります。「想像していた以上に笑顔が素敵な応募者だな」「ここまで前向きな人なら、うちの会社のムードメーカーになってくれそう」など、より良い印象を抱いてもらえるよう、面接時は細心の注意を払いましょう。

    締めの挨拶にも、気を抜かないことが大切です。明るい笑顔で「本日はお忙しい中、お時間を割いていただき、ありがとうございました」と挨拶をしてお辞儀をする。その立ち居振る舞いを通じて、みなさんの良さをさらにアピールすることができます。

    嘘は書かない、言わない

    最後に、嘘は書かないこと。たとえば、取得していない資格を書いたり、参加していないプロジェクト名を書いたり――。嘘であることがわかると、採用が取り消しになってしまうことも有りえます。社会人として、誠実な振る舞いを心がけましょう。

    書類と面接。自己PRの内容は変えるべき?

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    職務経歴書に書いた内容について、面接で聞かれることもある――この状況を想定して、書類と面接それぞれの自己PRについて考えていきましょう。

    職務経歴書の自己PR例

    ・タスク管理ツール導入による作業効率化
    ・プロジェクトメンバーの育成

    ○○年○月~××年×月まで、社内プロジェクトのマネージャーを務め、進捗管理を中心に、メンバーの育成にも従事しました。タスク管理ツールを導入して各工程を見直し、工数削減を実現。人材育成に関しては、メンバーのモチベーションを高めることを第一に考え、定期的に面談を実施したほか、メンバーが相談しやすい環境づくりに努めました。

    面接での自己PR例

    面接官
    「タスク管理ツール導入による作業効率化について、詳しく教えてください」

    求職者
    「当時、私が携わっていた社内プロジェクトは10年以上前に発足したもので、工程管理による作業効率化が課題としてありました。そこで、私自身が複数案件を管理する際に使用していたタスク管理ツールを、チーム内のタスク管理に応用。新ツールの導入に対して抵抗を感じているメンバーもいたため、全員と面談を実施し、一人ひとりに『作業の効率化』と『工数削減』が目的であることを説明しました。さらに、メンバーの意見を採り入れて、より操作性の高いツールにカスタマイズにしました。導入後は各タスクにかかる時間を分析し、メンバーの負担も考慮した上で、作業配分を組み直していったところ、最終的には必要最小限の工数で目的を達成することができました」

    このように、面接では職務経歴書の自己PR欄に書かれている内容を深掘りした質問が出ることが多くあります。そのため、自己PR欄に書いた内容をよく読んで、「この部分を突っ込んで聞かれたら、こんな風に答えよう」と、シミュレーションしておくことをオススメします。

    シチュエーション別! 自己PRサンプル集

    たとえば、営業職として10年以上経験を積んできた方が方向転換をして、飲食業を目指す場合。SEやインフラエンジニアとして活躍してきた方が、営業職を志望している場合。これまで重ねてきた経験も、これから先の仕事に対する要望も、人それぞれです。

    マイナビミドルシニアでは、ケース別に自己PRのサンプルを用意し、自己PRを作成する際のチェックポイントや具体的なアドバイスを紹介しています。

    これまでと同じ職種への転職を考えている方はもちろん、過去の職歴とは異なる仕事を目指している方、パートの仕事を志望している方など、さまざまなケースを想定して、豊富なサンプルを用意しています。カバーしている職種・業界も、営業、総務、人事、事務、SE、医療、介護、飲食など多岐にわたります。

    さらに、「アルバイトやパートの経験が多い場合」「しばらく無職だった場合」「ずっと1つの会社に勤務後、初めて転職する場合」など、シチュエーション別のサンプルも紹介しています。自己PRの作成で困った時には、ぜひ参考にしてください。

    ミドルシニアのための転職成功ガイド 自己PRの書き方
    https://mynavi-ms.jp/guide/manual/document/pr/pr_sample_00/

    まとめ:転職は、人生をさらに輝かせていく「きっかけ」になる

    よく、旅には「旅の準備をしている時」「旅をしている時」「旅の記憶を振り返っている時」の3つの楽しみがあると言いますが、転職も旅と似ているかもしれません。「転職したら、こんなことがしたいな」「こんな風にキャリアアップできたらいいな」と、想像をふくらませていくと、あっという間に時間が経ってしまいますよね。

    「ずっと受付の仕事をしてきたけれど、実は運転が好き。長く働ける運送業に転職したい!」――転職は、人生のターニングポイント。転職が、みなさんの人生を前向きに変えていく「良いきっかけ」になることを祈っています。

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