定年退職とは?知っておきたいあれこれ
- 転職・退職ノウハウ
- 公開日:2019年7月25日
定年退職とは多くの人が知っている言葉ですが、実際に退職に伴う手続きや、退職後の生活の変化などをイメージできる人は少ないのではないでしょうか。今回は、定年退職にまつわる手続きをはじめ、知っておきたい情報についてご紹介します。
この記事の目次
自分自身の定年退職に向けて
まだまだ先だと思っていても、50歳を超えると意識せざるを得なくなる定年退職。気になる点として、退職金の金額や、退職時の挨拶、退職後の再雇用などがありますが、実際は退職に伴う手続きが煩雑ということも理解しておく必要があります。
自身の定年退職に向け、知っておきたい情報をまとめました。
定年退職のルールを知っておこう
まず最初に、定年退職の制度について解説します。この制度は、それぞれの会社も就業規則などで定められた年齢を超えると、自動的に雇用関係が終了するというもの。
以前は多くの企業で定年の年齢は60歳でしたが、2013年に「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(高年齢者雇用安定法)」が改正され、再雇用または定年年齢を引き上げることが義務付けられました。
定年退職する日ですが、法律上は定年年齢に達した誕生日の前日から定年退職とすることが可能となっています。しかし、定年年齢のいつの時点で定年退職とするのかは、それぞれの会社により異なっていますので、気になる方は就業規則を確認しておきましょう。
退職後に自分で手続きすることは多く存在する
注意すべき点としては、退職で会社を離れるため、これまで会社がすべてやってくれていた健康保険や年金などの手続きを、すべて自分が行なわなければなりません。
「退職後にゆっくり手続きすればいい」と思うかもしれませんが、実は在職中に終わらせておかなくてはならないものもたくさんあります。主なものは以下の内容です。
年金関係
「年金手帳の有無の確認」「雇用保険被保険者証の有無の確認」
雇用保険関係
「失業手当申請用の写真の準備」「離職票の受取時期、受取方法の確認」
健康保険関係
「健康保険証の扱い、資格喪失証明書の受取方法の確認」
そのほか、退職金を受け取るにあたり、「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出することも必要になります。会社の財形貯蓄や積立などを利用している場合、解約もしておかないとなりません。マイホームをローンで購入した人は、団体生命保険などの解約が必要になる場合もあるでしょう。
定年退職後の生活の支えとなる年金は、退職後、自ら請求の手続きを行わなければなりません。会社が年金手帳を保管している場合も多いため、手帳の所在を前もって確認しておきたいところです。退職後もまだ働き続けたいのであれば、再雇用制度などは整っているかもチェックしておきましょう。
事前に把握し、早めの準備を心がけるのが重要
定年退職に関する手続きは、まずは自身がその内容について知り、決められた事項を決められた期日までに行うことが大切です。うっかりしていると、本来、もらえるべきお金がもらえなかったり、有利な制度が使えなかったということも考えられます。
退職準備はいつからという定義はありませんが、退職が近づくと慌ただしさが増し、なかなか物事が進みません。やるべきことをチェックしておき、1年以上前からゆっくりと準備していくと、ゆとりをもって定年を迎えることができるのではないでしょうか。
考えよう、定年退職後の生活
以前は定年退職後というと、年金をもらってのんびり余生を過ごすといったイメージが強かったようです。しかし現在の公的年金の支給年齢は、原則65歳。60歳に定年を迎えた人の場合、その間働かなければ、無収入の5年間が生じてしまいます。
退職金がもらえるとはいえ、5年間無収入で暮らすのはなかなか経済的に厳しいもの。そのため、退職後も再雇用制度などを利用して働き続ける人も多くなっています。再就職をめざし、失業保険(雇用保険)を受給しながら求職活動を行う人も増えているようです。
定年を過ぎても、まだスキルを磨きたいという場合は、ハローワークの職業訓練を受けるという方法もあります。希望者すべてが受けられるというわけではありませんが、新しい能力を身につけてから就職したいと考えているのであれば、利用を検討してみましょう。
また、お金の計算も大切です。今のうちから、定年退職後には、一月にどのくらいの支出がかかるのかを計算したり、退職金の使い道なども考えておきましょう。そして退職後の働き方やお金の使い方、年金はいつ、どのくらいの金額が支給されるのかも把握しておきます。
退職後に「こんなはずではなかった」とならないように、できるだけ早めから情報を入手しておくのがおすすめです。
まとめ:スケジュールを組み、計画的にやるべきことをこなしていこう
定年退職に際して発生するさまざまな手続きのポイントをお伝えしました。
大きな規模の会社では人事や総務がやるべきことをリストにしているケースも多いので、まずは確認をしてみましょう。
そのうえで、自分でやらなければならないことが分かれば、自らTODOリストを作成したうえで、スケジュールを組んで確実にタスクを完了させていきましょう。