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求人を探す(6/6)

良い求人を見つけるためのノウハウ

求人探しで壁にぶつかったとき、まず最初に行う対策とは!?

充分な準備をして転職活動に臨んだのに、なかなか内定を得られない。こんなとき、どのような対策をとればいいのでしょうか。三つのタイプの「①経験を活かしたい」を希望している方の場合、企業が求めるスキルや経験があったとしても、企業がミドルシニア層と若年者の求職者を比較して、より安い賃金で雇用できる若年者を選ぶこともあり、不採用になるケースがあります。

「厳しい」と感じるかもしれませんが、これが現実だと受け止めて、内定を獲得するための戦略を考えていきましょう。

まずは、就職活動の軸を再検討してみましょう。希望する業界・職種、待遇や福利厚生などの条件、勤務地、雇用形態など、転職にあたっての希望条件を事前に整理してきたことと思いますが、この条件から見直しをはかっていきましょう。妥協できる条件があれば、その条件を検索軸から外して、改めて求人を探してみましょう。

条件を緩めれば、より多くの求人がヒットします。その中から気になる企業が見つかったら、積極的に応募を行い、企業へ自分の意思を伝えましょう。

採用市場の動向をにらみ、戦略的に行動してみる

希望する条件を緩めても気になる企業が見つからない場合は、さらに視野を広げるなどの対策が必要です。特に「①経験を活かしたい」と考えている人の場合、時期やタイミングなどの理由から求人自体が少ないこともあり得ます。思い切って「②経験にこだわらない」タイプに変更して、様々な業界や職種を検討するのも一つの手です。また、採用市場の動向を分析して、求人の多い業界や職種に応募する方法もあります。

下のグラフをご覧ください。「有効求人」は世に出ている求人の数。「有効求職」は求人に対して応募のあった数。「有効求人倍率」は数字が低くなればなるほど、求人に対する競争率が高いことを示しています。

数字を見ると、一般事務や製造技術者は競争が高い反面、保安や接客・給仕の仕事は競争率が低くなっています。そのため、経験がない方でも多くの人材を必要としている業界であれば、「経験不問」としているケースもあり、入社後スキルを高めることができます。求人数が多ければその分、採用される確率も高まるので、「①経験を活かしたい」にこだわらず、「②経験にこだわらない」転職活動を行うこともぜひ、検討してみましょう。

求人数が多くても経験を生かせる仕事に就けないからとやる気がない態度で臨めば、採用には至りません。これまで経験したことがない仕事にワクワクして臨む姿勢が大切です。

  有効求人 有効求職 有効求人倍率
一般事務の職業 141,082 457,628 0.31
製造技術者 9,532 18,263 0.52
建築・土木・測量技術者 55,873 12,152 4.6
医師、薬剤師等 18,748 3,642 5.15
社会福祉の専門的職業 97,987 42,729 2.29
介護サービスの職業 208,332 62,053 3.36
接客・給仕の職業 124,577 34,574 3.6
保安の職業 72,696 11,084 6.56
自動車運転の職業 105,083 40,118 2.62
建設躯体工事の職業 19,994 2,155 9.28
運搬の職業 64,928 45,585 1.42
清掃の職業 89,942 45,844 1.96
  • 厚生労働省発表:一般職業紹介状況(平成29年6月分)>職業別一般職業紹介状況[実数](常用(含パート))より抜粋

どうしても譲れない条件は、希望条件登録を活用しよう。

マイナビミドルシニアでは、火曜と金曜に新しい求人情報が掲載されていきます。そのため、「先週、サイトにアクセスしたときはなかったけれど、今、改めて検索してみたら、希望にマッチした企業がヒットした!」といったこともあり得ます。「良い求人を最高のタイミングで見つける」ために、サイトの機能を活用してみましょう。

本サイトの「希望条件登録」は、その名の通り、希望条件に合う新しい求人がサイトに掲載されたタイミングで登録したアドレスにメール通知が届くというもの。使い方は簡単です。まずはマイナビミドルシニアに会員登録をして希望する条件を登録し、「希望条件にあった求人が登録されたらメールでお知らせする」にチェックを入れましょう。

このように、希望条件登録の機能を活用すれば、皆さんが求めている情報を見逃さずに済みます。それでもメール通知が少ないと感じる場合は、こだわるところはこだわる、そして譲れるところは柔軟な気持ちで見直しを図り、あなたの希望にかなった求人を見つけてください。

思い込みを捨てたら、希望にかなう求人が見つかった!~敢えて経験を活かさない道を選んだEさんの場合

転職活動を始めた頃は本当に大変でした。長年、ホテルに勤務してきたので、できれば同じ業界がいいなと思っていたんです。おもてなしを極めてきた自信もありますし、正直、スムーズに転職先が見つかると思っていました。しかし蓋を開けてみると、全然うまくいかない。応募した企業からことごとく良い返事をいただけなくて。それで、条件を大幅に緩めたんです。多少通勤時間がかかってもよいだろうと、妥協した部分もたくさんあります。どうしても譲れなかったのは、給与です。遅くに結婚したので、子どもがまだ小さいんです。まだまだ稼がないといけませんからね。

給与に関する条件は譲れない。ならば、どの条件なら譲ることができるか。いろいろ考えた結果、業界そのものを再検討することにしました。これまでの経験を活かしたいのはやまやまですが、わがままは言っていられません。そして再度、検索し直したところ、一気に求人数が求人数が増え、外食チェーンの店長候補として転職できました。

転職は夢物語ではないんですよね。現実のものと受け止め、冷静に判断することが大切です。私の場合、業界の見直しを決意するまでに時間がかかりましたが、それでも、別の業界を視野に入れたことで、新たな可能性が拓けました。給与もほぼ前職と変わらない条件で転職できたので、この結果に十分に満足しています。
(木更津市 Eさん 46歳)

まとめ

  • 求人探しで行き詰まったら、希望する条件を再検討してみる。
  • 思い切って、未経験の業界を検討するのも有り。
  • 採用市場を分析して、人材を必要としている業界・企業を探し出す。

記事作成日:2017年10月3日
文責:マイナビミドルシニア編集部

監修者情報

監修:谷所健一郎(やどころけんいちろう)さん

有限会社キャリアドメイン 代表取締役 キャリア・デベロップメントアドバイザー(CDA)。
1万人以上の面接と人事に携わった経験から、執筆、講演活動にて就職・転職支援を行う。ヤドケン転職道場、キャリアドメインマリッジ、ジャパンヨガアカデミー相模大野を経営。
主な著書「再就職できない中高年にならないための本」(C&R研究所)ほか多数。