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求人を探す(1/6)

転職市場を理解しよう

バブル期以来の売り手市場到来!! 転職市場は中高年層を求めている!

45歳以上の転職者の比率 2006年と2016年の比較

転職や再就職を考えている中高年層の皆さん。皆さんが転職活動を行うにあたって、まず知って欲しいのが「転職市場の動向」です。年間、どのくらいの人々が転職活動を行っているのでしょうか。そもそも、企業はどのくらい中途採用を行っているのでしょうか。

総務省統計局が2017年に発表した「労働力調査」によると、2016年の転職者数は306万人であり、過去5年で最多。また、転職者数を年齢別に見ていくと、25~34歳の転職者が77万人でもっとも多いものの、35~44歳が60万人、45~54歳が50万人と一定の転職者が存在しており、転職には事実上の年齢制限があるとされる、いわゆる「35歳の壁」は当てはまらないことが見て取れます。

加えて、有効求人倍率の増加も、中高年層の転職を後押ししています。厚生労働省によると、2017年5月の有効求人倍率は、1.49倍(季節による変動要因を除く)。これは1974年以来の高水準であり、バブル経済期の最高値を上回っています。これらの数字からも、確実に雇用環境が改善していることがおわかりいただけるかと思います。

  • 出典元1:総務省調べ「労働力調査」より(転職者の定義は「就業者のうち前職のある者で過去1年間に離職を経験した者」)
  • 出典元2:厚生労働省調べ「一般職業紹介状況」より

若年層にはない中高年層特有の魅力を、企業は評価する!

日本の雇用市場が活況を帯びていることは、ご説明した通り。そのなかでも中高年層は、若年層にはない魅力をもった人材として着目されるケースが増えてきています。

そもそも、企業が中高年の採用活動を行うのは「退職・休職による欠員補充」と「業務拡大等のための増員」の二つが主な理由。そのため、「すぐにでも人材が欲しい」というのが現状です。そこで、企業は中高年層の"経験"に着目しています。豊富な社会経験を築いてきた中高年層の場合、仕事で確実な成果が出せると期待されているのです。

また、一定の社会経験を積んだ中高年層なら腰を据えて仕事に取り組むため、「若年層よりも離職の可能性が低い」などのメリットを感じて中高年層を採用するケースも多く、さらに管理職経験を生かしたマネジメント能力を必要としている企業もあります。

一定の社会経験を積んできた中高年の皆さんの中には、「若い子には勝てないよ......」と最初から諦めている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、上述のように、中高年層に大きな期待をかけている企業があることも事実。まずはこの事実をポジティブに受け止め、皆さん自身の魅力を企業にアピールしましょう。そうして中高年層ならではの強みを上手に伝えれば、きっと転職活動はうまくいくことでしょう。

企業側から見たミドルシニアの魅力

  • 経験を生かして即戦力として期待できる。
  • 求める職務能力だけでなくプラスアルファの能力が発揮できる。
  • 定着し安定した雇用が期待できる。
  • 豊富な経験から物事に動じない。

あなたはどのタイプ? 転職活動の三つのタイプを理解しよう

豊富な経験をもつ中高年層の場合、その経験を「次の転職先でどのように活かしていくか」を考えるのはとても大切です。そこで、次の三つのタイプに分けて転職を考えてみましょう。

  1. ①経験を活かした転職
  2. ②経験にこだわらない転職
  3. ③少ない勤務経験での転職

①は文字通り、これまでの経験を活かした仕事に就くこと。同業種・同職種を検討して、求人を絞り込んでいきます。②は逆にこれまでの経験にこだわらずに求人を探すこと。つまり、過去の経験で培ったスキルや社会性を、別の業種や職種で活かすことを目指します。最後に、③の勤務経験自体が少ない場合。家事や育児、介護などで家庭に入ってきた方や、非正規雇用での勤務が長かった方が、このタイプに当てはまります。

マイナビミドルシニアでは、三つのタイプ別に転職活動のHow Toをご案内していきますので、ぜひご参考にしてください。

まとめ

  • 活況の転職市場。中高年層の転職者も多数存在!
  • 即戦力として、企業は中高年層に大きな期待をかけている。
  • あなたはどのタイプ? 三つのタイプに分けて転職を考えてみよう。

記事作成日:2017年10月3日
文責:マイナビミドルシニア編集部

監修者情報

監修:谷所健一郎(やどころけんいちろう)さん

有限会社キャリアドメイン 代表取締役 キャリア・デベロップメントアドバイザー(CDA)。
1万人以上の面接と人事に携わった経験から、執筆、講演活動にて就職・転職支援を行う。ヤドケン転職道場、キャリアドメインマリッジ、ジャパンヨガアカデミー相模大野を経営。
主な著書「再就職できない中高年にならないための本」(C&R研究所)ほか多数。