平均30分の面接時間。その流れを理解して、効果的に自分をアピールをしよう!
企業が中高年層を採用する場合、応募者の職務経験などがそれぞれ異なることから、ほぼすべてのケースで個人面接が課されます。面接では実際に面接官と対面して質問に受け答えしていくため、企業側にとって、「書類の信憑性や書類では汲み取ることのできない応募者の印象や人柄なども含めて、採用したい人材かどうか判断できる」というメリットがあります。
一般的に、面接時間はおよそ30分程度。そのうち、面接官は最初の5分から10分程度で職務経験や退職理由、志望理由などを質問し、応募者への印象や評価をある程度、固めていきます。つまり、面接の前半が合否のカギを握ると言っても過言ではありません。
面接中盤は、面接前半の返答内容をもとに、さらに踏み込んだ質問がされます。また、面接官から自社の事業内容や入社後の職務説明なども、面接中盤にされることが多いです。面接前半で応募者への印象や評価をある程度固めた面接官は、中盤の返答内容をもとに、採否の判断をさらに固めていきます。
そして、採用の意欲を固めた面接官は、面接終盤で、「応募者は、本当に当社に入社する意思を抱いているのか」を見極めます。最後まで気を抜くことなく、入社意欲を言葉と態度で示すことが大切です。
質問内容 | 面接官の思考 | |
---|---|---|
入室〜5分 | 職務経験・退職理由・志望理由 | 採否の印象を持つ |
5分〜20分 | 会社・職務質問・突っ込んだ質問 | 採否の判断の確証を持つ |
最後の5分 | 応募者からの質問 | 入社意欲を見極める |
「マズイ 失敗した!?」と感じた時のリカバリー法
「面接前半の受け答えが合否のカギを握る」と前述しましたが、もし、上手に答えられなかった場合は、どうすれば良いのでしょうか。実際、質問に答えた直後の面接官の表情、その場の空気感などから、「失敗した!」と感じた経験がある方もいらっしゃることでしょう。
とはいえ、前半の失敗は残りの面接時間を使って修復可能です。諦めず、その場の状況に応じて、臨機応変に返答内容を工夫していきましょう。
例えば、職務経験や志望動機を答えたとき、面接官の反応などから「応募企業が求める内容になっていなかった」と感じた場合。その後の質問で職務経験や志望動機に関する質問を改めて受けたら、「先ほどは申し上げませんでしたが、前職では......」といった具合に、説明をし直してみましょう。
多くの場合、面接の最後に質疑応答の時間を設けてくれるので、応募者である皆さんから面接官に質問をして、軌道修正を図ってもかまいません。
軌道修正をする際に気をつけたいのは、具体例を出しながら説得力のある説明をすること。漠然とした答えでは信憑性がなく、面接官は共感してくれないかもしれません。
逆に、皆さん自身の経験を具体例として示せば、それが裏付けとなり、面接官も「即戦力として期待できるかどうか」を判断しやすくなります。具体例を示しながら応募企業のために何ができるか、どう貢献できるかを説明しながら「入社後、成果を出せる人材」であることを上手にアピールしましょう。
面接官が応募者の入社意欲を見極める面接終盤も、リカバリーできるチャンスです。「質問はありませんか?」と聞かれた際に、「ありません」と答えたら、会社への興味・関心が薄いと捉えられてしまいかねません。
入社意欲があることを伝え、入社により会社にどう貢献できるかを積極的にアピールしましょう。
面接官の印象を悪くしてしまう"返答・態度"とは!?
中高年層の皆さんが面接を受けるにあたって、人事担当者が自分よりも年下、というのはよくあることです。そんなとき、特に長く管理職に就いてきた方には、転職活動中にも関わらず、まるで自分の会社の後輩のような態度で接してしまう方も。
「知らず知らずのうちに取っていた態度が、面接官に悪印象を与えてしまった」などということのないように、面接において陥りがちな事例をご紹介しましょう。
横柄な態度になっている
椅子にふんぞり返って座ったりと、態度や口調がぞんざいになってはいませんか。これは、公私ともに関わる人々の多くが年下になり、敬ってもらう機会が増えてきた中高年層によく見られる傾向です。一人の社会人として、改めて相手に失礼のない態度を取るよう心がけましょう。
気になる方も、「自分は大丈夫」と感じる方も、家族など近しい方に「横柄な態度になっていないか」聞いてみることをオススメします。また、スマートフォン等で自分の姿を録画し確認してみると、客観的に判断することができますよ。
自己主張ばかりで、面接官の話を聞かない
これも中高年層に多く見られます振る舞いです。面接官が自社の説明などをしているとき、真剣に聞いていますか? 面接官が説明している途中に話しを遮って、自分の話をするのはもってのほかです。
相手の話に熱心に耳を傾けながら、適度なタイミングで相づちを打つなどして、面接官の説明に共感している姿勢を示しましょう。
若い面接官に対して、ぞんざいな態度になる
「自分より明らかに年下だから」と、途端にぞんざいな態度になる方がいます。このような態度を取られたら、若い面接官はどのように感じるでしょうか。「入社後も、年下の社員に対してこのうな態度を取る」と受け止められれば低評価の判断材料となるだけでしょう。
逆に、年齢に関係なく、誰に対しても謙虚な態度を心がければ、その誠実な姿勢を面接官は高く評価してくれることでょう。
まとめ
- 面接時間は約30分。冒頭で面接官の心をつかみ、「採用したい人材」と思わせよう!
- 序盤で失敗しても修正可能。面接中盤から後半で、入社への意欲を伝えよう!
- 態度、表情、言葉づかい――立ち居振る舞いを振り返って、中高年層特有のミスを回避しよう!
記事作成日:2017年10月3日
文責:マイナビミドルシニア編集部
「パパ、それはヤバイよ」~転職活動を機に、初めて自分を客観的に見ることができるようになったGさんの場合
私は子どもの頃からグループのまとめ役を果たすことが多く、社会に出てからも臆せず積極的に発言してきましたし、役職に就いたのも早かったんです。部下を叱咤激励して部署全体のモチベーションを高めるなど、一定の実績も打ち出してきました。
50代に入ってからの転職活動ということで、私はこうした自分の強みをしっかりアピールしなければと思いました。単に「リーダーシップがある」と伝えるだけでは説得力が出ないので、様々なエピソードを交えてアピールに努めました。
もちろん、社会に出る前、20代の頃、30代の頃、40代の頃とそれぞれエピソードを用意し、時系列に沿ってわかりやすく説明するなどの工夫もしました。しかし、なかなか採用に至らない。
粘り強さも私の強みですからね。めげずに様々な企業を受け続けました。
それでも、少しずつ元気を失っていたんでしょうか。ある日、娘が声をかけてきたんです。「パパ転職活動うまくいっている?」と。思わずうなってしまいました。娘には弱みを見せたくないですからね。
「パパはこれまで勤めてきた企業にたくさん貢献してきたんだ」と胸を張ってみせたのですが、「そこがパパの良くないところだよ」とダメ出しをしてきて。
若い娘からすると、私の話し方は偉そうに感じられるようなんです。確かにこれまで受けてきた企業の面接官はいずれも年下で、そういう態度が出ていたのかもしれません。ただね、そう言われても、すぐには納得できませんよ。
そうしたら、私の気持ちを娘は気づいたんでしょうかね。スマートフォンで私の様子を撮影して見せてくれたんです。愕然としました。ふんぞり返っているし、物言いも乱暴で、こんなにひどい態度だったのかと。
さすがにこれはまずいと気づき、意識的に謙虚な受け答えをするようにしていきました。
「娘の指摘がキッカケで」なんて認めるのはしゃくですが、それでも、気づかせてくれたことに感謝しています。長く人生を重ねていくと、いろいろありますね。今回の件は、自分を振り返る良い機会になったと思います。
(北区 Gさん 54歳)