休眠口座(休眠預金)とは?仕組みや古い通帳を見つけたらやるべき3つのこと
- ちょっと得する知識
- 公開日:2026年10月19日
実家の片付けや終活、遺品整理などをきっかけに、長年使っていない古い通帳が見つかることもあるでしょう。預金を引き出せるのか、どうしたらいいのかと迷っている人も多いはず。今回は一定期間取引がない「休眠預金」の仕組みや対象となる条件、預金がどうなるのかをご紹介します。古い通帳を見つけたときに確認・対応したい3つのことや、休眠口座になるのを防ぐ方法なども解説。休眠口座の対応に困っている人、休眠口座があるか知りたい人は、ぜひご一読ください。
この記事の目次
休眠口座の仕組み
休眠預金とは、原則として2009年1月1日以降に最後の取引(異動)があり、その後10年以上、入出金などの取引がない預金等のことです。法律上は『休眠預金等』と呼ばれます。
政府広報によると、過去の実績では10年以上取引のない預金が毎年1,200億円程度発生し、その後500億円程度が払い戻されていました。眠ったままのお金を活用するために、2018年1月に「休眠預金等活用法」が施行されました。
法律では2019年1月以降に発生する、休眠預金を民間での公益的な活動に支援すると定めています。休眠預金となっているか確認する際は、口座番号が記載されている書類を用意して金融機関へ問い合わせてください。
休眠口座の対象となる条件
休眠預金の対象には以下のように、なるものとならないものがあります。
| 休眠預金の対象 | 休眠預金の対象外 |
|
- 外貨預金 - 譲渡性預金 - 金融債(保護預かりなし) - 財形貯蓄 - 仕組預金 - マル優口座 - 2007年9月30日(郵政民営化)以前に郵便局に預けられた定額郵便貯金等 |
普通預金などは10年間取引がないと、休眠預金となってしまいます。一方で、外貨預金や財形年金などは、休眠預金の対象ではありません。自分の持っている口座が、どちらに該当するかを一度確認しておいてください。
2007年9月30日以前の郵便貯金は取扱いが異なる
2007年9月30日以前に預け入れた定額郵便貯金・定期郵便貯金・積立郵便貯金等は、休眠預金等活用法の対象ではありません。
これらは旧郵便貯金法の規定が適用され、一定期間を過ぎると権利が消滅し、払い戻しを受けられなくなる場合があります。古い郵便貯金の通帳や証書が見つかった場合は、早めにゆうちょ銀行または郵便局の貯金窓口で確認しましょう。
休眠口座になりそうなら通知が届く
10年間取引がない場合、いきなり休眠口座とされるわけではありません。金融機関は、最後の取引から9年が経過し、10年6ヶ月が経過するまでの間に、「公告」と預金者への「社のウェブサイトなどで知らせることです。
それとは別に、残高1万円以上の預金者に対して、登録されている住所やメールアドレスへ直接通知を発送します。登録している住所やメールアドレスが正しい場合は通知」を実施します。
公告とは、近いうちに休眠預金になりそうな預金全体のリストを、自、休眠口座になる前に金融機関からの通知を受け取れます。しかし、住所の変更登録をしていない人や、預金残高が1万円未満の場合は通知の送付はされません。
休眠預金はどうなるのか

休眠預金となったお金は、どうなっているのか知らない人も多いでしょう。以下では、休眠預金の活用方法と、休眠預金の引き出しなどに関する内容をご紹介します。
民間公益活動に活用
休眠預金となったお金は、金融機関から預金保険機構に移管されます。
移管後は民間団体を通して、子ども若者支援・生活困難者支援・地域活性化等支援の3分野おいて、社会課題の解決に取り組むNPO法人などの民間団体への支援に活用されます。このほか、新型コロナウイルス感染症拡大による社会的課題の解決や、SDGsの達成にも役立てられています。
なお、移管された資金については、将来の預金者からの払戻し請求に備えるための準備金などを確保したうえで、民間公益活動に活用されます。金額は減ってしまいますが、移管後も元々取引を行っていた金融機関で引き出し可能です。
預貯金契約通りに利子が発生する
休眠預金になっていても、口座を契約している間は預貯金の契約通りに利子が発生します。休眠預金となった後も、払い戻しの際には、元本に元の預貯金契約に基づく利子相当額を加えた金額を受け取ることができます。
休眠預金の引き出しは窓口のみ
休眠預金の払い戻しは、一般的にATMではなく金融機関の窓口などで手続きする必要があります。具体的な手続き方法や必要書類は金融機関によって異なるため、事前に確認しましょう。引き出す際は、通帳やキャッシュカード・届出印・本人確認書類が必要です。
引き出しについての期限は設けられていません。ただし、手続きには時間がかかるケースがあり、金融機関によっては数日かかる場合もあります。
休眠預金が復活できないなら手数料が発生する可能性
休眠預金になった場合は、取り扱いが金融機関によって2つに分かれます。具体的には、手続きをして元の口座を引き続き使えるケースと、払い戻しを受けて、引き続き口座を使う場合は新規口座開設が必要なケースの2つです。
場合によっては、長期間使用していなかった口座に対して、管理手数料の支払う必要があります。どのような対応になるかは、利用している金融機関に問い合わせてみてください。
亡くなった家族の休眠口座の対応方法
亡くなった家族が休眠口座を保持していた場合、対応方法を知らない人も多くいます。預金者が亡くなった場合は、通常の相続手続きと同様に金融機関へ死亡の事実を届け出て、口座凍結の手続きを行ってもらいます。
その後、戸籍謄本・法定相続情報一覧図・遺産分割協議書・印鑑証明書などの書類を提出し、解約・名義変更・払戻しを受けます。休眠口座だからといって特別な手続きは必要ありません。通常の相続手続きに沿って進めれば、休眠預金についても払い戻しを受けられます。
ゆうちょ銀行の場合も、最寄りの窓口や相続コールセンターへ名義人が亡くなったことを申し出ると、口座は停止設定され、その後相続手続きに進みます。
古い通帳を見つけた時の確認・対応ポイント3つ
片付けや遺品整理で古い通帳を見つけた場合、どのような対応をするのがいいか悩む人も多いでしょう。以下では、通帳を見つけた後にしておきたいことを3つご紹介します。
記帳して現在の残高を確認
まずは通帳を確認し、記帳できる場合は最新の残高を確認しましょう。長期間利用していない口座ではATMで記帳できない場合もあるため、その場合は金融機関の窓口などに問い合わせてください。まずは、いくら入っているのかを正確に把握します。
名義や住所の変更漏れをチェック
古い口座の場合、名義や住所が以前のままになっているケースはめずらしくありません。結婚によって姓が変わった、引っ越しで住所が変わったなどの場合は、現在のデータが反映されているか確認しておいてください。もし、漏れていると変更の手続きをする必要があるため、より手間がかかります。
解約か活用かを決める
休眠口座を解約するか、活用をするか決めます。残高が少ない場合や復活させる際に新規口座開設が必要な際は解約して、引き出すのもいいでしょう。ま
とまったお金が入っている場合は、そのまま活用して貯金や資産運用などに使うのもおすすめです。自分の資産状況や、口座管理の方法と照らし合わせながら、使いやすい方を選んでみてください。
休眠口座になるのを防ぐ4つの方法

休眠口座になってしまうと、引き出すのに手間も時間もかかります。以下では、休眠口座になるのを防ぐ方法を4つご紹介します。数年使用していない口座がある人は、ぜひ以下の方法で休眠口座になるのを防ぐ方法も検討してみてください。
使わない口座は解約する
引っ越しや就職などのタイミングで、使用する金融機関や口座が変わるのはめずらしくありません。口座を使わなくなり、休眠預金となってしまっても残高は減りません。しかし、引き出しには通常よりも時間がかかるのが一般的です。
場合によっては、口座管理手数料も発生するため、使う予定がない口座については解約するのがおすすめです。解約方法は金融機関によって異なり、窓口のほか、オンラインやアプリで手続きできる場合もあります。通帳やキャッシュカード・届出印・本人確認書類を用意して、手続きを進めてみてください。
入出金の取引は行う
休眠口座は、10年以上動きのない口座・預金が対象です。具体的には、今後も預貯金などを利用する意思を示したと認められる取引がない口座を指します。休眠口座を避けるためには、以下のような取引を行っている必要があります。
- 入出金
- 振込による残高の異動
- 口座振替による残高の異動
- 手形・小切手の提示などによる第三者からの支払い請求
- 公告された預金などに対する情報提供の求め
また、以下のように、各金融機関が許可を受けた場合に異動となる取引もあります。
- 通帳や証書の発行・記帳・繰越
- 残高照会
- 契約内容・顧客情報の変更
- 口座を借入金の返済に利用する旨の申し出
- 預金などにかかる情報の受領
入出金や振替などを利用していると、休眠口座にはなりません。金融機関によっては、残高照会や記帳でも取引に該当するケースがあります。
住所やメールアドレスを変更する
預金残高が1万円以上ある状態で、9年間取引がないと金融機関から郵送かメールで通知がされます。通知を受け取って確認ができた場合は、休眠口座にはなりません。
しかし、住所やメールアドレスが変わっており、通知が届かないと休眠口座になってしまいます。手間ではありますが、住所やメールアドレスが変わった際は変更手続きをしておいてください。
金融機関の公告に対して情報提供を求める
休眠口座になりそうな預金がある場合、金融機関はホームページで「電子公告」を行います。公告には、休眠口座の対象となる可能性がある預金の最終異動日や預金保険機構への移管期限が掲載されます。
公告開始から移管までの間に公告に対して、照会を行うと休眠預金には該当しません。移管は公告開始日から2ヶ月〜1年の間に行われます。金融機関は、休眠預金となる可能性がある預金についてウェブサイトなどで公告を行います。
自分の預金が対象となっているか知りたい場合は、取引のあった金融機関に問い合わせましょう。
休眠口座に関するよくある質問
休眠口座に関するよくある質問を4つご紹介します。
休眠口座の引き出しに必要なものは?
休眠口座から残高を引き出す際は、以下の物を持って窓口へ行ってください。
- 通帳やキャッシュカード
- 届出印
- 本人確認書類
事前に金融機関のホームページなどで確認しておくと安心です。
通帳やキャッシュカードがなくても引き出せる?
通帳やキャッシュカードを紛失した場合でも、引き出しは可能です。本人確認書類など、金融機関が指定する書類があれば、対応してもらえるでしょう。詳細については、取引をしている金融機関へ問い合わせをしてください。
相続人でも引き出しができる?
預金者が亡くなった場合、金融機関所定の手続きを行えば、相続人でも預金の引き出しが可能です。必要書類は相続状況や金融機関によって異なりますが、戸籍謄本や法定相続情報一覧図、遺産分割協議書、印鑑証明書などを求められる場合があります。
口座残高の確認や凍結の手続きと併せて、休眠口座の対応も事前に確認しておくとスムーズに手続きを進められるでしょう。
休眠預金の引き出しには期限があるの?
休眠預金の引き出しには期限がありません。いつでも気づいた時に、金融機関の窓口にて引き出しが可能です。ただし、場合によっては引き出しまでに時間がかかるので、余裕を持って手続きを行うのがおすすめです。
まとめ
休眠口座の仕組みや休眠預金の活用方法などについてご紹介しました。休眠口座は10年間取引のない口座が対象です。休眠預金は民間公益活動のためとして、子ども若者支援・生活困難者支援・地域活性化等支援の3分野の活動に利用されます。
休眠口座はいつでも引き出しができますが、窓口での手続きが必要です。引き出しをする際は、通帳やキャッシュカード・届出印・本人確認書類を持って、手続きを行ってください。まずは、自宅に長く使っていない口座の通帳やキャッシュカードがないか、確かめてみてください。








