理想と現実の差は2倍以上?老後資金の実態とは
- ライフプラン・人生設計
- 公開日:2026年6月16日
老後資金はいくら必要なのか・・・多くの人が気になりながらも、明確な答えを持てていないテーマです。「2,000万円問題」をきっかけに関心は高まりましたが、実際には生活水準やインフレの影響によって必要額は大きく変わります。本記事では、ミドルシニア世代の現状データをもとに、老後資金の考え方と将来に備えるポイントをわかりやすく解説します。
この記事の目次
老後に必要な資金とは?
2019年に「老後生活の不足金は2,000万円」というニュースが取り沙汰されたのは、皆さんも記憶に新しいのではないでしょうか。
年金受給年代を迎えた無職の夫婦において、「月の不足額は平均約5万円」という前提に20~30年の老後生活があると仮定すれば、約2,000万円が不足してしまうというのが、老後資金2,000万円問題です。
だからこそ、シニアを目前に控えたミドルシニア世代はより"老後資金"について意識するのでしょう。今のうちに老後生活に欠かせないお金について真剣に向き合っておけば、後ほど慌てないで済みます。
ミドルシニア世代の金融資産額は、1,000万円未満が53.0%と過半数を占め、全体平均は、1,725万円とのこと。しかし、ミドルシニア世代に「安心だと思える老後の資金額」を聞くと、「4,000万円ほどは必要」と回答しています。現実資産と理想の資産額の差は2倍以上あるのです。
老後の資金について「不安」と答えているミドルシニア世代は、7割近くに上ります。具体的な不安点に関しては「介護・医療費」などが上位を占めています。私たちが年齢を重ねて不安に思うことは、やはりお金のことと言えるでしょう。
老後資金を考える際には、インフレの影響を頭に入れておく
老後資金を考えるにあたり、考えておかなくてはなららないのがインフレの影響でしょう。インフレとは、物の値段が上がる一方で、現金の価値が下がる現象のことです。
物価が上昇すると、これまでとは同じ金額では買い物ができなくなります。例えば、2%のインフレが発生した場合、現在1万円の物を買うためには約15,000円が必要とされています。
つまり、現時点で老後の資金を十分確保していたとしても、インフレが起きてしまえば貯蓄は目減りしてしまいます。そのため、資産を用意するにあたっては、インフレの影響もしっかりと考えておかなくてはならないのです。
実際に、2025年に発表された「令和7年版 高齢社会白書」では、全国の60歳以上の男女2188人を対象に経済的な面での不安について行った調査をした結果、60歳以上の約75%が「物価が上昇すること」を経済的不安として挙げています。
データ元:内閣府「令和7年版 高齢社会白書」
老後の資金確保には、資産運用という選択肢もある

インフレの影響を受けづらい資産を確保するためには、資産運用という選択肢を頭に入れておきましょう。
資産運用とは、自分のお金を預貯金や投資に回して効率的にお金を増やすことです。資産運用の種類には、銀行などにお金を預ける預貯金、株式や投資信託などの金融商品を購入する投資などがあります。
ミドルシニア世代は、若年層よりも収入面にも余裕が出てくる時期です。そのため、貯蓄や投資に回せるお金も少しずつ確保しやすくなります。老後の資金に不安を抱えている方は、まずは少しずつ資産運用を始めることを検討してみましょう。
資産運用のメリットとは?
資産運用をすることで、どのようなメリットがあるのでしょうか。
不労所得に繋がる
資産運用を行うことによって、不労所得を生み出すことができます。株式投資では、配当金で一定の収入を確保できる可能性があります。今は健康でも、いつ働けなくなるかもわかりません。そのため、不労所得の確保は老後の資金形成の一つの賢い選択肢といえるでしょう。
複利効果がある
複利効果とは、資産運用によって得た利子を元本に加えて重ねて投資をしていくと、雪だるま式にお金を増やせる可能性があることを示します。
運用で得た利益を再投資することで、利益がさらに利益を生み、資産が加速度的に増えるとされています。最初は少額の金額で資産運用していても、気付けば資産が急激に増えているなんてことも。
インフレに対応できる
資産運用は物価が上昇する、インフレに対応できます。例えば、物価が上昇すると相対的にお金の価値が下がりますが、資産運用を賢く行えば物価の上昇にも動じることなく資産を増やしていけるのです。
資産運用のデメリットとは?
では、資産運用のデメリットはどのような点にあるのでしょうか。
元本が割れてしまう可能性がある
資産運用は、必ず儲かるといったものではありません。そのため、場合によっては利益を得られずに元本割れする可能性も。さらに、掛金が保証されるわけではないため、資産運用に失敗した場合は損失が出てしまうことも覚悟しましょう。
ある程度時間が必要になる
資産運用は短期間で大きな収益を上げるものではないため、長い期間をかけて資産を増やしていくものです。短期間でお金を増やすというよりは、じっくり時間をかけてゆっくり資産形成するものだと心得ましょう。そのため、早く大きなお金を手に入れたい方には不向きと言えます。
常に勉強しておく必要がある
資産運用をするには、情報収集が欠かせません。資産運用する個人の弛まぬ努力が必要になります。最新の情報を手に入れ、自身の判断力も必要になるため、学習意欲のない方には合わないものかもしれません。
資産運用のポイントを抑えておこう

資産運用を行う際には、いくつかポイントを抑えておくようにしましょう。
なるべく分散投資をする
資産運用を失敗しないためには、投資先を分散させる必要があります。投資先を限定しないことで、価格変動による影響を抑えられます。
また、株価が下がったとしても別の金融商品の価値が上がれば、運用資産のトータルでは損失が出ることにはならないため、資産運用を行う場合には分散投資をするようにしましょう。
一括投資は避ける
全ての資産を投資するのはリスクにしかなりません。そのため、退職金などのまとまったお金を一括投資することはやめておきましょう。投資は毎月コツコツ行うことで、将来大きなお金を手に入れることができるものと理解しておきましょう。
ハイリスクな資産運用はしないようにする
老後に向けて資金を早く作りたいという焦りがあったとしても、資産運用にはハイリスク・ハイリターンの商品は向いていません。一般的に、資産運用の利回りは数%程度だということを覚えておいてください。
ミドルシニアが始めるべき運用
ミドルシニア世代からでも始められる資産運用には、どのようなものがあるのでしょうか。
NISA(少額投資非課税制度)
NISA(ニーサ)とは、少額からの投資を行う人のために2014年からスタートした「少額投資非課税制度」のことです。購入した金融商品から得られる利益も非課税です。
国が定めた基準を満たす投資信託やETFを対象とする「つみたて投資枠」と、上場株式やETFなどを対象とする「成長投資枠」があり、併用も可能です。
iDeCo(個人型確定拠出年金)
iDeCoは、毎月一定額を積み立てて老後に受け取る資産を形成できます。60歳になるまで資産を引き出せないという特徴はありますが、掛金全額が所得控除の対象です。また、運用益も非課税なので、老後の資金を作ることに向いています。
シニアたちは老後の資金をどう工面しているのか?
内閣府によれば、全国の60歳以上の男女に収入不足に直面した場合の対応策を聞いた結果、以下のような対策をしていることがわかります。
1位 節約等により支出を減らす 約55%
2位 貯蓄を取り崩している 約40%
3位 仕事をして収入を得る 約30%
60歳以上の男女の1カ月当たりの生活費は「20万~25万円未満」がおよそ20%と、最も高い割合を占めています。次いで「30万円以上」が約20%、「15万~20万円未満」約15%となっているとのこと。
この生活費を維持するためにも、私たちはなるべく健康寿命を延ばして働けるようにしておかなくてはならないでしょう。そのために、まずは健康的な生活を心がけ、健康寿命を延ばしておく必要がありそうです。
まとめ
ミドルシニア世代の半数以上の不安はお金のことでした。あとで焦らないように、老後の資金対策はなるべく早く始めるようにしましょう。








