会社都合と自己都合の退職の違いとは?メリット・デメリット手続きや失業給付まで紹介
- 転職・退職ノウハウ
- 公開日:2026年7月 2日
退職には「会社都合」と「自己都合」の2種類があり、どちらになるかによって退職後の手続きや失業給付の待機期間などが異なります。今回は会社都合退職と自己都合退職の違いや誰が決めるのか、メリット・デメリット、よくある質問まで紹介します。
この記事の目次
会社都合退職と自己都合退職とは
退職には「会社都合退職」と「自己都合退職」の2種類があります。まずは、それぞれに該当する退職理由の具体的な例を紹介します。
会社都合退職
会社都合退職とは、会社の事情によって退職を余儀なくさせることです。以下のような例が、会社都合退職に該当します。
- 会社の倒産
- リストラ
- 不当な給与カットや未払い
- 希望退職制度を利用した退職
- 派遣や有期雇用の雇い止め (※更新希望の有無などの条件あり)
また、以下のような内容で退職をする場合は、自己都合ではなく会社都合になる可能性があります。
- 雇用契約書と仕事内容が大きく異なるために自分から退職する
- いじめや嫌がらせなどの理由で退職をする
- 勤務地が遠方で通勤が不可能になった
- 慢性的な残業が改善されない
これらの理由で退職をする際は、自分の意思に反して退職せざるを得なかったとして、会社都合退職や特定受給資格者として認定される場合があります。特に会社が倒産したり解雇を宣告されたりして退職した場合、特定受給資格者として失業保険の支給などが行われます。
自己都合退職
自己都合退職とは、労働者側が個人的な都合で退職するケースのことです。主に以下のような理由が該当します。
- 結婚・子育て・転居などのライフイベント
- 自分の病気や家族の介護
- キャリアアップや待遇改善
自身のキャリアアップや結婚、介護などの家庭の事情で退職をする場合は自己都合退職です。
病気・怪我・家庭の事情など、本人の意思だけでは避けられない理由で退職した際は、特定理由退職者に分類される可能性があります。特定理由退職者に該当すると、失業保険を受給する際に、一定の配慮が認められます。
会社都合と自己都合の退職後の違い
会社都合退職と自己都合退職では、退職後にもそれぞれ違いがあります。手続きなども変わるため、事前に知っておくと安心して対応を進められます。
失業保険
会社都合と自己都合では、以下のように失業保険の給付開始や給付期間に違いがあります。
| 会社都合 | 自己都合 | |
| 支給開始 | 7日間経過後 | 7日間経過後+1〜3ヶ月 |
| 受給期間 | 90〜330日 | 90〜150日 |
| 国民健康保険税 | 最長2年間軽減 | 通常納付 |
会社都合退職の場合、失業保険の支給は離職票を提出し、求職申し込みをした7日経過後から開始します。受給期間は年齢や被保険者であった期間によって異なりますが、最短で90日間です。
自己都合退職の場合は、失業保険の支給は離職票を提出し、求職申し込みをしてから7日経過+1〜3ヶ月の給付制限が設けられています。受給期間は年齢に関係なく、被保険者であった期間によって90〜150日と決まっています。
ただし、特定理由退職者に該当する場合は、給付制限が免除されるケースがあります。受給資格も、自己都合退職は離職前に12ヶ月以上の被保険者期間が必要ですが、多くの特定理由退職者は6ヶ月に短縮されます。
受給期間も90〜330日になり、会社都合で退職した時と同様のサポートを受けられるため、事前に自分はどの区分に該当するか確認してみてください。
退職金
退職金は会社によって制度がないこともありますが、ある場合は勤続年数や退職理由によって金額が決まるのが一般的です。そのため、自己都合で退職をすると、会社都合で退職をする時よりも退職金が少なくなるケースも。
ただし、確定拠出年金など年金形式で支払われる際は、原則退職理由による金額の差は生じません。詳細は会社によって異なるので、就業規則を確認してみてください。
履歴書の経歴内容
退職の方法は、履歴書への書き方にも違いがでます。会社都合退職の場合は「会社の都合により退職」、自己都合退職の場合は「一身上の都合により退職」と記載するのが一般的です。会社都合で退職した際は、備考欄に「業績不振のため」などの理由も添えておくとスムーズに転職活動が進むでしょう。
面接の際、会社都合退職でも自己都合退職でも理由を深く聞かれることはあります。特に、会社都合の際はどうしてそうなったのか、理由が「解雇された」場合、問題を起こしていないか、個人の業績はどうだったのかなどを詳しく聞かれる可能性も。
自己都合退職の場合、短い期間で何度も退職を繰り返していると、理由を追求されるでしょう。退職の種類によって面接時に聞かれる内容が異なるため、入念に準備をしておくと安心です。
退職手続き
会社都合と自己都合では、退職手続きの流れも異なります。
会社都合で退職する場合、原則退職願や退職届は必要ありません。法律上、会社側は30日以上前に従業員へ解雇を通知する必要があるため、通常は前もって退職を知らされます。解雇の通知があったことを残すためにも、「解雇予告通知」や「解雇理由証明書」を発行してもらうと安心です。
自己都合で退職する場合は、退職願や退職届が必要です。退職の旨を伝えるのは、法律上退職日の2週間前で問題ありません。しかし、業務の引き継ぎや取引先への周知を円滑に進めるために、1ヶ月〜2ヶ月前には会社へ伝えておくといいでしょう。事前に就業規則を確認しておくと、退職時のトラブルも避けられます。
会社都合退職と自己都合退職は誰が決めるのか

会社都合退職と自己都合退職は、誰がどのように決めるのか知らない人も多いでしょう。退職理由を決めるのは、失業保険と退職金など状況によって異なります。以下では、それぞれのケースを解説いたします。
失業保険
失業保険の給付は会社都合か自己都合かで内容が変わるため、分類が重要になります。どちらに該当するかの最終的な判断はハローワークが行い、該当する区分にて支給を行います。
具体的には、退職をすると所属していた会社が退職届の提出有無や退職理由によって、会社都合か自己都合かを離職証明書に記載してハローワークに提出します。その後、離職証明書の内容を元にハローワークが離職票を発行し、退職者には会社経由で届きます。
会社の判断に異議がある際は、ハローワークに申し立てが可能です。ハローワークに異議が認められれば、判断が変わるケースもあります。
退職金
退職金は、退職する会社の判断がそのまま最終決定となります。自己都合か会社都合か気になる場合は、人事部に直接相談や質問をしてみてください。
会社都合で退職となる場合は、会社側は30日以上前にその旨の通知、もしくは30日に満たない分の「解雇予告手当」の支払いが必要です。会社都合と判断された際は、併せて人事部に書面の発行なども確認しておくとスムーズに手続きが進みます。
会社都合退職のメリット・デメリット
会社都合退職となると、どのような変化があるのか従業員側のメリット・デメリットを紹介します。
会社都合退職のメリット
会社都合退職となると、主に以下のような失業保険や転職活動の際の支援などでメリットがあります。
- 失業保険の給付が早い
- 再就職へのサポートが多い
- 解雇予告手当を受けとれる
会社都合での退職と認められると、失業保険が離職票提出後から7日経過後には支給開始されます。また、給付も90〜330日と長く設定されているので、安心して転職活動を始められます。ハローワークや自治体での、無料のキャリア相談や職業訓練など、手厚いサポートが用意されているケースも多くあります。
もし、予告なく解雇される場合は、会社から平均賃金30日分以上の解雇予告手当の受け取りが可能です。即日解雇された場合は30日分以上、10日後に解雇予告されたら20日分以上が支給されます。
会社都合退職のデメリット
会社都合で退職となるのは、デメリットも存在します。
- 転職で不利になるケースがある
- 準備期間が短い状態で転職活動をする可能性
退職理由が「会社の業績不振」や「倒産」など、個人が関係しない場合は問題ありません。しかし、就労態度の問題や人間関係のトラブルなど、「普通解雇」や「退職推奨」などであれば、転職活動時に自己都合退職をした人よりも不利になる可能性があります。
また、準備期間を調整できる自己都合退職とは異なり、いきなり解雇となることもある会社都合退職では、短い準備期間で転職活動をする必要もあります。不安や焦りがあるなかで、活動を続けなければいけないのは、精神的な負担となります。
自己都合退職のメリット・デメリット
自己都合退職にもメリット・デメリットがあります。それぞれの詳細は以下で解説いたします。
自己都合退職のメリット
自己都合で退職すると、以下のようなメリットがあります。
- 自分のペースで転職活動できる
- ポジティブな理由を伝えられる
- 履歴書に「一身上の都合」と書ける
自分の意思で退職ができるので、転職活動を自分のペースで進められます。準備時間をしっかり確保できるため、履歴書や面接対策などを十分に行えるでしょう。
転職先との面接時には、新しいことへの挑戦やキャリアアップなど、ポジティブな理由で退職したことを伝えられるのもメリットです。転職回数の多さや短期離職などでなければ、理由を深掘りされることもありません。
自己都合退職のデメリット
自己都合退職となると、以下のようなデメリットもあります。
- 退職金が減る可能性がある
- 失業保険の給付まで時間がかかる
- 退職理由をネガティブに取られるケースも
退職金は勤続年数や退職理由を元に決定されることが多いため、自己都合では会社都合よりも減額されるケースがあります。失業保険も給付制限が設けられているので、退職後1〜3ヶ月は支給されません。
転職活動時も説得力のある説明ができなければ、仕事から逃げたのではないか?とネガティブに取られる可能性があるのは、自己都合退職のデメリットです。
よくある質問

会社都合退職や自己都合退職に関して、よくある質問を紹介します。
会社都合なのに退職届を出してほしいと言われたら、書かないといけない?
原則、会社都合の退職は退職届や退職願は不要です。退職届や退職願は、自分の意思で辞めたという証明になり、会社都合での退職を認められなくなるケースもあります。自己都合退職の扱いにされたくない場合は、提出を求められても断りましょう。
面接で自己都合退職なのに、会社都合退職と言ったらバレる?
転職活動時に、自己都合退職を偽って会社都合退職だと伝えても、離職票の提出を求められる場合や、 入社後の手続きの中で判明することも。離職票には離職理由が記載されていますし、失業保険の給付期間などからも気づかれる可能性があります。
嘘をついているとバレると信用を失い、内定取消などの処分が下るでしょう。面接の際は、嘘をつかず正直に伝えるようにしましょう。
まとめ
会社都合退職と自己都合退職の違い、メリット・デメリットなどご紹介しました。会社都合退職は、業績不振・倒産・解雇など個人の意思ではどうにもならない理由で、退職を余儀なくされるケースが該当します。
自己都合退職は、家庭の事情やキャリアアップなど自分の意思で辞めた際に該当します。仕事を辞める際には、会社都合となるのか自己都合になるのかで失業保険の給付条件が変わるため、会社に確認したうえで手続きを進めていってください。








