国民年金だけでは生活できない!年金生活の実態と不足を補うちょうどいい働き方
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- 公開日:2026年5月 7日
国民年金は老後の最低限の生活をサポートするためには、欠かせない制度です。しかし、受給額は多くなく、物価高騰や住宅ローンなどの影響で家計が苦しいと回答するシニアも多数います。そこで今回は、国民年金だけで生活している人の割合から、平均支給額を解説します。国民年金だけで生活できるか知りたい人、具体的な老後の生活を考えたい人は、ぜひご一読ください。
この記事の目次
国民年金だけで生活できている人の割合
老後生活を考えるうえで気になるのは、国民年金だけで生活ができるのか、実際に生活している人はいるのかどうかです。
「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」によると、公的年金のみで生活をしている高齢者世帯は全体の43.4%です。約半数の高齢者世帯にとって、主な収入源は年金であるとわかります。
ただし、この数字には厚生年金を受給している世帯が含まれています。そのため、国民年金だけで生活している世帯は、さらに少ない割合になるでしょう。残りの6割以上の方は年金以外に仕事・貯蓄・退職金などの収入源を用意しており、足りない分を補っています。
国民年金の平均支給額
国民年金の平均支給額について、厚生労働省のデータを見てみましょう。
| 令和5年度(月額) | 令和6年度(月額) | |
| 国民年金 | 57,700円 | 59,431円 |
| 厚生年金 | 147,360円 | 151,142円 |
国民年金・厚生年金ともに、令和5年度よりも支給額が増加しています。しかし、近年の物価上昇や医療費などを考慮すると、生活に十分な金額ではありません。生活のためには、年金以外の収入源を確保しておく必要があるでしょう。
年金受給世帯の生活費

年金受給世帯では、どのくらいの生活費が毎月かかっているのか見てみましょう。
総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、消費支出は1ヶ月で約26万円、65歳以上の単身世帯では、約15万円となっています。
国民年金のみを受給している場合、夫婦二人世帯なら受給額は約5.9万円×2=約11.8万円です。生活費から収入を引くと、毎月約17万円が不足します。単身世帯の場合は、生活費から収入を引くと不足額は約10万円です。
65歳以上の世帯で、特に支出の多い項目は以下の通りです。
• 食料:29.8%
• 住居:6.4%
• 光熱・水道:8.5%
• 家具・家具用品:4.8%
• 被服及び履物:2.2%
• 保健医療:7.2%
• 交通・通信:10.8%
• 教育:0.0%
• 教養娯楽:9.9%
• その他:20.4%
特に多いのは食費で、次いで交通や通信・教養娯楽・水道や光熱費となっています。住居費は少ない傾向にありますが、賃貸の場合は持ち家よりも出費が増える可能性があります。
年金だけでは生活が苦しい理由
「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」によると、高齢者世帯の55%以上は"生活が苦しいと感じている"と回答しています。どうして生活が苦しいと感じるのか、年金だけでは収入が足りないと感じる理由を解説します。
物価高騰の影響
近年、物価高騰が続いており、食品・光熱費・生活用品など日常生活に必要な項目の支出が増えています。住宅ローンの金利も上昇するなど、全世帯で支出額が以前よりも多くなる傾向にあります。
しかし、物価高騰のペースに対して、年金支給額の上昇ペースが追いついていないのが現状です。そのため、年金収入だけに頼って生活している人にとっては、赤字分を補うのが難しく、節約をしても支出を補いきれない状態になっている人が増えています。
病院や介護の費用
年齢が上がるにつれて、病気や怪我のリスクや持病の悪化など、健康状態が悪くなる可能性が増加します。通院の頻度が増えると、その分医療費もかさみます。
また、介護が必要になると施設やヘルパーの利用料などの費用も発生します。治療費や介護の費用は長期的に続く支出であるため、年金以外にも貯蓄や資産を用意していないと生活が苦しいと感じるでしょう。
住宅ローンや修繕費用
定年退職を迎えて年金受給が始まる年齢になっても、住宅ローンの支払いが終わらないという人もめずらしくありません。給与収入が無くなった後も、毎月まとまった支出があるのは家計を圧迫する要因の1つです。
また、住宅ローンの支払いは終わっていても、劣化の目立つ箇所の修繕や、バリアフリーへのリフォームなどで費用が必要になります。工事をする際は数十万円〜数百万円のお金がかかるケースもあるため、年金だけでは収入が足りず、苦しいと感じる人も多くいます。
収入が減る
年金受給世帯はすでに定年退職を迎えている人が多く、収入額が大幅に減ります。そのため、これまでと同じ生活水準では家計が苦しいと感じるケースが増えてきます。
収入が少ないのに支出が増えること、貯蓄が少しずつ減っていくことで不安を抱く人も多くいます。経済的な不安が常につきまとう点も、精神的に苦しいと感じる要因の1つでしょう。
支援などで支出が増える
子供や孫がいる世帯の場合、教育費や仕送りなどの支援を行うケースもあります。定年退職後は収入が減ってくるため、これまでと同様の支援を行うのは難しくなるでしょう。場合によっては、仕送りのために節約したり、貯蓄の取り崩したりといった方法を取る必要も出てきます。
支援が長期間続けば、その分生活費を圧迫し、老後の資金が不足する可能性が上がります。自分たちの生活を守りながら支援をするには、子供や孫への支援金額を無理のない範囲に設定してみてください。
年金をもらいながら働く方法

国民年金をもらいながら働くには、どのような方法があるのでしょうか。
以下では、定年後の主な働き方を4つ紹介します。自分にあった方法はないか、ぜひ確認してみてください。
①再雇用
現役の時に働いていた企業に再雇用してもらう方法です。給与や役職など、働き方は現役の頃と変わりますが、慣れた職場で働けるので、新しく仕事を探すよりも負担が少なくなるのがメリットです。
高年齢者雇用安定法では、企業に対して「65歳までの雇用機会の確保」と「70歳までの就業機会の確保」を義務付けています(70歳までは努力義務)。そのため、希望をすれば定年後も70歳までは同じ職場で働ける可能性があります。
慣れた環境で働きたい、これまでのスキルを活かしたいと考えている人は、現役時代の企業でそのまま働く方法を検討してみてください。
②再就職
現役時代と同じ勤務先ではなく、別の会社に再就職する方法もあります。これまでの経験やスキルを活かしつつ、新しい職場で新生活をスタートできるので、心機一転させたい人におすすめの働き方です。
しかし、再就職の際は希望する雇用形態や業務内容に就けない可能性もあります。思ったような仕事が見つけられずに妥協したり、無職期間が長引いたりといったデメリットもあります。
③フリーランス・個人事業主
定年後にこれまでのスキルを活かして、フリーランスや個人事業主として独立する方法もあります。挑戦したかった仕事に取り組めるうえ、働き方を自分で決められるなど、自由度高く仕事をできるのは、フリーランスや個人事業主の魅力です。
しかし、事前に入念な業務計画や準備を進めないと、開業後はしばらく収入がなかったり、開業資金で老後費用が不足したりなどのデメリットもあります。収入が不安定になりやすく、状況によっては赤字になることもあるので、独立する際は家族への相談や人脈の活用も検討してください。
④パート・アルバイト
年金や貯蓄である程度の生活費が賄える場合、パートやアルバイトで働く方法もおすすめです。月5万円や10万円の収入があれば、ゆとりを持った生活を送れる可能性があります。
少しでも貯蓄の取り崩しを防げれば、将来的に老後資金が不足するリスクも防げるでしょう。退職後の自由な時間を楽しみつつ、ある程度の収入も欲しいと考えている人は、パートやアルバイトでの勤務もおすすめです。
年金をもらいながら働く時の注意点
年金をもらいながら働く時には、収入金額に気をつけないと支給停止となる可能性があります。以下では、特に気をつけておきたいポイントを2つ紹介します。定年後に働き始めてから後悔しないよう、事前に確認してみてください。
①年金が減額される可能性
厚生年金に加入して働く場合、在職老齢年金制度によって年金が減額される可能性があります。減額されるのは、基本月額+総報酬月額相当額=51万円を超える場合です。たとえば、基本月額が10万円の場合、総報酬月額相当額(標準報酬月額+標準賞与額)を41万円以下に抑える必要があります。
収入を増やそうと働いているのに、年金が減額または支給停止されては意味がありません。年金ももらいつつ、厚生年金に加入して働く際は、月額が51万円を超えないように調整してください。
②手続きが増える
年金受給者の場合、確定申告の負担を減らすために「確定申告不要制度」が設けられています。以下の条件に該当する人は、確定申告の必要はありません。
• 公的年金等の収入金額の合計が400万円以下かつ、その公的年金等の全部が源泉徴収の対象である
• 公的年金等にかかる雑所得以外の所得金額が20万円以下である
年金受給をしながら給与を20万円以上受け取っていれば、確定申告が必要です。これまでのように年末調整だけでは済まない点は、注意しておきましょう。
年金受給世帯におすすめの仕事
年金を受給しながら働きたい人におすすめの仕事を紹介します。以下の3つは、未経験でも働ける可能性がありますので、興味がある人はぜひ候補として検討してみてください。
①警備員
警備員の仕事は、施設の巡回や駐車場の交通整理などがメインの業務です。未経験でも始めやすく、必要な資格の取得は会社でサポートしてもらえるなど、働きやすい環境が整っています。
勤務形態は日勤や夜勤などがあり、シフト制で柔軟に働ける職場も多くあります。シニアで働いている人も多いため、定年後でも始めやすいでしょう。
②マンション管理
マンション管理の仕事は、マンション内の設備点検や簡単な清掃などを行うのが主な業務です。平日の午前中のみなど短時間勤務の職場が多く、シニアにも人気の仕事です。周囲の人への対応力や気配りする力など、これまでの社会人経験で培った経験を活かせるのも魅力となります。
③接客業
コンビニ・スーパー・飲食店など、接客業も経験不要で始められます。コンビニやスーパーであれば、早朝や朝の時間帯を選んで働けるでしょう。
レジの打ち方や商品についてなど、覚えることは多いですが、マニュアル完備・OJTを実施しているところがほとんどですので、未経験でも安心して働き始められます。人との会話が好きな人や、自宅近くで働きたい人は、接客業も検討してみてください。
まとめ
国民年金だけで生活している人の割合や、平均受給額のほか、年金をもらいながら働く方法などを紹介しました。国民年金の平均受給額は月額で約5.9万円となっており、生活費の平均よりも10万円以上も少ないのが現状です。
収入を年金だけに頼っている人は少なく、定年後も働いたり貯蓄を切り崩したりして生活している人がほとんどです。年金をもらいながら働く際は、再雇用やパート・アルバイトなどで、減額される金額を越さないように調整を忘れないようにしてください。








