老後資金不足を乗り越える！人生100年時代にシニアが働きながら楽しむ趣味のすすめ

人生100年時代は、働かなくては生きていけない

現在の日本では65～69歳の男性の6割以上、女性の4割以上が何らかの仕事に就いているといいます。また、70歳代前半でも男性の4割弱、女性の2割以上が仕事を続けているといいますから、人生100年時代に入りシニアになっても働き続けることはもはや当然のこととなりつつあります。

老後2,000万円問題が巷で話題になり、老後に必要なお金を捻出するために働くという選択をする方も多いかもしれません。夫が65歳以上、妻が60歳以上の夫婦のみの無職の世帯では年金収入だけでは足りず、毎月約5万円の赤字が出てしまうという試算もあるほどです。

つまり、公的年金だけでは生活費が足りないために、老後資金は自分で準備しなければならなくなったことが、シニアになっても働き続ける大きな理由になっているのです。

このような状況になったのも、日本では高齢化が進み、寿命がひと昔前よりも延びたからに他なりません。平均寿命は今や男性で81.09歳、女性では87.13歳です。長寿化が進んだ今、セカンドライフを自分らしく楽しみ、豊かに過ごすためにも、長く働くことは必須になってきているのです。

※データ元：内閣府「令和7年版高齢社会白書」、厚生労働省「令和６年簡易生命表の概況」

ハツラツと働くために、趣味時間が重要となる！？

皆さんには、趣味や生きがいがあるでしょうか。多様化の今、様々なコンテンツが街中には溢れ、"推し"という言葉がもてはやされるほど、多趣味な時代となりました。そんな趣味や生きがいに触れる時間は、働くことにおいて重要だとされています。

なんと、人生において生きがいがあるか、ないかの違いで７年後の生存率が10％も異なるそうです。また、生きがいがあることによって長生きするだけでなく、将来介護が必要になる確率が40%低くなるのだとか。

75歳以上のシニアに至っては外出の機会が多いほど身体機能を維持しているといいますから、生きがいや趣味の時間を持つだけで健康的に生きることに繋がることがわかっていただけるかと思います。

「お金をかけている（かけたい）商品やサービス」について聞いたところ、女性は50～70代の全年代で「家族と楽しく過ごす」がトップとなり、男性の50、60代では「自分の趣味やこだわり」が1位、70代では「家族と楽しく過ごす」が1位との結果だといいます。

趣味のある生活を送るシニアたちは、自分一人だけで楽しむよりも家族と友人たちと楽しめる趣味に打ち込んでいるようですから、趣味や生きがいを持つことで生活そのものの満足度も大きくなるようです。

データ元：ADK「生活者総合調査2024」

シニア世代が趣味を持つメリットとは？

趣味があることで、どのようなメリットがあるのでしょうか。

ストレスの発散

仕事をしていると、どうしても感じてしまうのがストレスです。どんなに好きな仕事でも、ストレスはゼロとは言えません。そして、そんなストレスを溜めてしまうとよく眠れなくなってしまい、体に不調をきたすなど心や体に対して悪影響を及ぼしかねません。

しかし、趣味があれば、仕事のストレスを発散できたり、気持ちの切り替えを行ったりすることができるようになるため、上手にオンとオフの切り替えを行えるでしょう。

世界が広がる

趣味に没頭することで、今まで知らなかったジャンルについて知れたり、違う世界観を覗けたりすることも。そうして趣味が深まると多角的な視点を養うきっかけにもなり、会話力が鍛えられます。

また、同じ趣味を持つ人との交流で、年齢や性別やバックグラウンドの違う知り合いが増えることにも繋がります。そうした人脈が広がることから、ビジネスチャンスが生まれることも。まさに、趣味が実益も兼ねることにも繋がるのです。

シニア世代が趣味を見つける方法とは？

仕事が趣味になってしまっているという無趣味な人が増えている、現代。では、趣味はどのように見つけたらよいのでしょうか。

若い時の興味から探す

若い頃に興味があったことを再開することで、趣味に繋げることができます。昔、少しだけ習ったピアノやギターなどを再開させるだけで趣味として始めることができるからです。タンスや物置を調べてみて、眠っている楽器や道具を取り出してくるのも、趣味のヒントを得られるきっかけになるかもしれません。

無理なく続けられるものか

せっかく趣味を行うのであれば、無理なく続けられる点も趣味選びには重要になります。趣味は定期的にできるものではないと長続きしません。また、経済的な負担は大き過ぎるものも趣味としてはおすすめできません。せっかく始めるのであれば、長く続けられ、経済的に負担のないものを選びましょう。

ネットを使って探す

最近では地域の社会人が集まって趣味のサークルを作っていることも。インターネットを活用すれば、そういった面白そうなサークルや団体に所属するきっかけをつくることができるでしょう。一人では長続きしない趣味も誰かと一緒に行うことによって続けることができ、2倍にも3倍にも楽しいものになります。

働きながら行える！シニア世代におすすめの趣味とは？

では、働きながら行える趣味にはどのようなものがあるのでしょうか。

ウォーキング

体への負担が軽いため、体力がないミドルシニアからでも負担なく始められるでしょう。また、用意する物も運動着や運動靴さえあれば始められるため、気軽にスタートすることができます。さらに、ウォーキングは有酸素運動なので、体重の減量対策や生活習慣病の予防にも役立ちます。

ゴルフ

ゴルフは、いくつになっても楽しめるスポーツの一つです。自然の中で思いっきり体を動かすことによって、リラックス効果があると言われています。また、定年後には毎日働くばかりではなく、平日でも休みを取ることは難しくないでしょう。老後には、プレー代が高くなる週末を避け、比較的価格が抑えられた平日の日程でプレーすることも可能です。

社交ダンス

競技人口が150万人以上いると言われている社交ダンスは、歳を重ねたからこそ始めると楽しい趣味の一つでしょう。レッスンに通ってくる人のほとんどが未経験者であることから、同じレベル感の仲間と趣味を楽しむことができます。社交ダンスは、友人や知り合いを作りやすい趣味としておすすめです。

水泳

水泳は、体力の維持や病気を防ぐ効果が高いスポーツです。また、泳ぐだけではなく、プールによっては歩行者レーンがあるため、水の中で歩くだけでも心地よい運動になります。ジムなど民間の施設に通うのもいいですが、市民プールや地域の住民に向けた学校の開放日を利用して行えば、コスパ良く続けられます。

旅行

旅行や温泉巡りは、大人の趣味として人気です。日帰りのバスツアーも気軽に行ける旅行の一つです。また、温泉は高血圧や動脈硬化、神経痛の予防などといったさまざまな効果や効能が期待できます。いくら元気だといっても、歳を重ねれば体は疲れやすくなるもの。そこで、旅行や温泉で体を労わることで働く意欲や気力を充電できるでしょう。

ピアノ

指先を動かすことで、認知症防止に繋がると言われるピアノも趣味としておすすめです。教室やスクールも数多くあり、通いやすいのも特徴です。最近では、YouTubeなどでもピアノの演奏を学ぶことができるので、まずは一人で始めたいという方にも向いていでしょう。

自分の好きな曲をまるまる一曲弾けるようになれば、達成感や充実度も感じられます。ピアノは高価だと思われがちですが、フリマアプリなどでは比較的安く手に入るものも多くあります。

英会話

何か新しいことを始めてみたいという方におすすめなのが、英会話です。近年、インバウンド需要が増えている日本では、英会話を条件に掲げた求人が多く存在します。例えば、そこまで流暢に英語ができなくても、日常会話ができればガイド役ができる観光地も。

趣味が実益を兼ねやすく、副業に繋がりやすいおすすめの習い事です。また、英会話スクールで知り合いが増えたり、外国人の友人が出来たりと普段は出会えない人たちと出会うことができるのも英会話を習う楽しみでしょう。オンラインレッスンも多くありますから、スキマ時間で始めることもできます。

まとめ

日本人は他国の方と比べ「真面目である」と言われることが多いです。人生において働くことはもちろん重要ですが、一番大切なのは、心身の健康です。"働く"を続けていくためにも、趣味の充実が大切になるでしょう。