創業以来120年間、躍進を支える"進取の気質"

当社は1901年創業者の平山金吉が、ここ成田の地で自ら天秤棒を担ぎ、材木業を営むことでスタートしています。別の土地から婿入りした金吉は、地域で認められる存在になるためにも、創業当時から進取の気質で事業に取り組んだと聞いています。当時、この地域では最大かつ最新の蒸気エンジンで動く丸太の裁断機の導入で周囲を驚かせたり、地域の住人のために公衆浴場を開業したりと、次々に新たな挑戦を続け、地域に根差していきました。

3代目の私の父、金吾の代には建設事業会社（平山建設）を立ち上げ、地元の中学校の建設を皮切りに、地域に根差した総合建設会社としてスタート。その後、独自の技術開発により「高品質、低コスト」を実現した鉄筋コンクリートマンション"ハイハウス"を展開し、2026年度には148棟4079世帯の施工実績を達成する予定です。

開発当初は12世帯や24世帯の小規模な物件が中心でしたが、最近では100世帯を超える大型物件も多数手がけるように。建物の高層化に不可欠な免震構造の追求など、高品質なものづくりの実現に日夜努力を続けています。また、これまでのマンション建設事業を応用し、「もうひとつのわが家へ！」をモットーに2000年に開業したセンターホテル成田をはじめミートイン成田など、企画から施工、運営まで当社で一環して担うホテル事業をグループで展開しています。

当社は、地元成田の「ふるさとづくり、街づくり、建物づくり」を大切にすることを通じ、成田の発展と共に成長し、また今後も進化し続けていきたいと考えています。

【Youtube】成田の平山建設ってどんな会社！？

「成田にあってよかった平山建設」そんな会社を目指して

当社では「私たちのモットー」という5箇条の理念を掲げて、全社でその実現に向けて取り組んでいます。社内ではそれぞれの漢字を取って「心美信禮創（しんびしんれいそう）」と呼んでいます。その第一条は「心を込めて社会に奉仕することが私たちの使命です」。

創業以来120年、明治・大正・昭和と大きな変化の中でも、当社が成長し続けることが出来たのは、"ふるさと成田"の存在があってのことと考えています。常に奉仕の心で地元成田と向き合うことで、徐々に地元の皆様にも受け入れられ、800年を超える歴史のある和菓子屋さんや成田山参道の再開発関連事業、成田駅東口の大型開発事業、ホテル開発事業などにも繋がっています。

私が入社して営業部門を任された当初、前職では味わったことのなかった中小企業の「壁」や事業拡大の焦りから、営業エリアを首都圏全域にまで拡大させたことがありました。相応に業績の拡大には繋がりましたが、建設の仕事は受注して終わりではありません。竣工後のフォローも含め、本来の"平山建設らしさ"の発揮にはエリアの拡大が、足かせになることを実感しました。

当時坐禅の師匠からいただいた「脚下照顧」は、私が最も大切にしている言葉の一つです。成田の発展こそ当社の発展。以降、成田に根差した事業展開により、仕事全体の八割は地元成田での仕事になっています。「平山建設が成田にあってよかった」そう言われる会社づくりを目指しています。

"社員一人一人の幸福"の実現。向き合うコミュニケーションこそが肝

当社のような中小企業にとって「人」の問題は、最大の事業戦略の一つと考えています。社長就任の年、「全力で社業に打ち込む私の後姿を見せることこそ、社員との信頼構築に繋がる」そう信じて臨みましたが、当時30数名の会社で6名の社員が退職。「全従業員の物心両面の幸福の追求」という盛和塾（当時）の稲盛塾長の教えを胸に全力で臨んだつもりだっただけに、本当にショックでした。

社員の退職を機に振り返ってみると、私は「社員が求める幸せとは何なのか？本当に社員が当社での仕事を通じて、幸福の実感が出来ているのか？」など、十分に社員の想いを理解できていない自分に気づかされました。そこからは一転、社員と向き合うことを大切にするようになりました。一人一人の仕事への想いや不安を徹底的に受け止めた上で、私の想いを伝えるようにしたのです。

そうすると徐々に社員の行動が変化し始め、目標達成に対する一体感が生まれ、積極的な提案や創意工夫する取り組みがうまれるように。お陰様で就任時から10年後には、3倍もの業績を残すことができました。「向き合うコミュニケーション」の重要性を痛切に感じた瞬間でもありました。

事業の成長と共に、従業員数も70名を超えるまでに拡大。それでも採用の難易度はますます高まるばかり、人手不足は建設業界全体の深刻な問題です。2019年に施行された労働時間短縮に向けた「働き方改革関連法」も建設、物流の両業界は5年の猶予期間を国が設定せざるを得ない状況でした。（2024年問題）

DX化推進による働き方の大改革への挑戦

今後の労働人口の減少も見据えて、従来の発想を大きく切り替え、社員からも応募者からも「選ばれる会社」への変革が必要な時代になりました。現場での仕事の進め方、組織内のコミュニケーションの在り方、組織の進化が求められています。当社がまず取り組んだのは、法案施行に先駆けて徹底した「DX化による働き方改革の推進」。

東日本大震災の被災により、オンプレミスサーバーのリスクを痛感したことを機に「クラウド化による業務の見える化」、「ITツール、AIの活用による業務の自動化、効率化」に取り組みました。併せて進めたのが、現場に根差していた一方通行な報告、連絡のコミュニケーションの在り方を、クラウドの活用によるフラットな「共有」のコミュニケーションへの変革です。

長年「紙」に慣れ親しんだベテラン社員の抵抗があった中、仕組みづくりと併行して全社員に「DX推進に向けた教育プログラム」の提供による理解浸透を徹底的に進めました。また、現場のDX化の推進は社内のみに留まらず、NTT東日本と提携して協力会社にも広げ、工事にかかわる全ての人に同様の働き方改革を行い、相乗効果が生まれる環境づくりの実現を目指しました。

このような取り組みを通じて長時間労働を大幅に改善し、2024年問題を1年前倒しで遵法ラインまでの改善を実現することができました。社員の業務負荷の軽減により、高齢者の身体的負担も低減され、70歳を超える社員も今まで以上に元気に活躍してくれています。

リモート社員（プロ人材の活用）活用への挑戦

労働人口の減少、働く意識・働き方の多様化など、当社を取り巻く環境変化のスピードが上がり続ける中、従来型の新卒採用中心の人材マネジメントだけでは、これからの事業成長を支える組織づくりは困難と考えています。"正社員"のみに留まらず、事業戦略推進に必要な契約形態、さまざまな特性を持った最適なチームで課題解決を進める。従来より自由な発想で、組織を進化させていくことが必要です。

その一環でスタートしたのが「リモート社員制度」です。「リモート社員制度」とは、当社が抱える事業戦略上の課題を、その道で十分な経験を積み、課題解決のスキルを有するプロ人材に、"業務委託契約"でチームの一員として責任ある仕事を担っていただく制度です。現在、人事採用部門で2名、設計部門で3名の「リモート社員」が活躍しています。

設計部門では、すでに設計業務全体の6割のボリュームの仕事を担っていただいていて、「リモート社員」は不可欠な存在となっています。また、人事採用部門でも新卒採用チームの指導的役割を果たしていただき、採用全体のプロセスの再設計、面接～内定者のフォロー内容の見直し、採用HPの全面刷新などを当社の人事担当と共に行っています。

その結果、昨年まで2,3名に留まっていた新卒採用数を7名に拡大、悩みの種だった内定辞退も最小限に押さえることができ、入社前にしっかりと当社への動機づけがされた人財の採用が実現されました。

リモート社員制度の成功のカギは、社風とのマッチングとDX化によるフラットなコミュニケーション

思った以上に成果に繋がっている「リモート社員制度」。ここまでの成功のカギは２つあります。1つ目は、社風に合う人材の選抜です。当社の抱える課題に相応しい経験スキルをお持ちであることは必要条件です。今回それ以上に重視したのは、当社の課題を理解し、共に課題解決に向かって汗をかいてくださる方であることです。

中小企業でまだまだ発展途上の当社、一方で社外の方だからこそ感じる当社ならではの空気感があると思います。当社の状況を十分に理解し、時には社員の視線にあわせて、しっかりとコミュニケーションをとっていただくことが、チームとして成果を出すために重要なポイントだと実感しています。

2つ目は、DX化によるフラットなコミュニケーションの仕組みです。今回の委託契約では、リモートで業務を進めていただくことが大半となります。チーム内での業務の進捗報告、共有をスムーズに進められたのも、すでに導入が進んでいたコミュニケーションツールのおかげです。また、現状のプロ人材は副業の方も多いため、リモートワークを前提とした業務依頼によって、より求める人材要件に合った「人」の選択肢が広り、より幅広い人材の活用につながったと考えています。

「リモート社員」の活用は、今後も拡大していきたいと考えています。プロ人材の活用が、当社社員の戦力化のスピードを上げる存在となったことを実感できました。今後、より一層の「リモート社員」の業務領域の拡大と、益々の活躍を期待しています。

"ふるさとづくり，街づくり、建物づくり"への更なるチャレンジで未来への懸け橋に

今後も当社は、成田で新たなチャレンジを続けます。実は成田には、子供たちが自由にのびのびと安全に遊べる大きな公園がありません。我々が子供の頃は、近所に自然も十分に残っており、森や野原が遊び場でした。しかし、空港の建設に伴うホテルや物流センターや宅地の開発で、自然の景色も随分変わっているのです。

ここまで数多くの住空間の提供を拡大してきた当社としては、現在の居住者の次世代を担う子供達が成長し、成田をふるさととして愛し続けてもらうために「子供時代を成田で過ごせて良かった」と思ってもらえる遊び場"プレイパーク"の開発を進めています。木登りや泥んこ遊び、水遊びなど、日常ではなかなかできなくなった遊びを通じて、子供達の冒険心を育み、誰もが楽しめる場所を提供したい。振り返って"ふるさと成田"の思い出として心に刻まれるような、空間の提供を進めていきます。

"街づくり"においても、増加を続けるインバウンドの皆さんが「帰国前に成田に寄らない訳にはいかない」と思っていただけること目指しています。地元の大学生と協働して、成田山の裏参道の空き家を活用した新たな街の魅力を創造するプロジェクトもスタートしました。

このような新たなチャレンジも、当社の社員のみならず、地元の大学生や先生方、NPO法人など、皆様とのネットワークが繋がることで、実現に向かうことができています。「リモート社員制度」もその一つです。お互いの持っているスキルや経験を、目標に向かって想いが繋がることで思い切り発揮できる。平山建設はそんな「場」でありたい。そういった組織の進化を目指しています。

成田をもっと多くの人が「ここをふるさとにしたい」と思う街にしたい。多くの人が、ここで仕事をし、家庭を築き、子供育てる。さらにその子供たちが、成田をふるさととして次の世代に繋いでいく。そんな未来の懸け橋となれるような会社にしていきたい、と私は考えています。

■リモート社員活用のポイント■

実際にリモート社員とともに働く、野澤 陽亮さん（総務部　総務課）にリモート社員活用のポイントを伺いました。

【ミドルシニア（リモート社員）に依頼している業務】
① 新卒採用全般（採用プロセス再設計、メディア選択、採用コミュニケーション設計、応募者フォロー　など）
② 採用ホームページの再設計、動画コンテンツの作成、HP運用管理など

【ミドルシニア（リモート社員）を活用して良かったこと】
・リモート社員の協力により、厳しかった採用で大きな成果を得られたと同時に、今後に向けたノウハウの蓄積ができたこと。
・成果：新卒採用人数が前年の2名から7名へ。一次接触者数が170名へ大幅に増加し、しっかりとした相互理解のもと企業・学生が共に納得感の高い採用活動が実現。
・現代の学生にとってより親和性の高いコミュニケーションツール活用への転換により、ホスピタリティの向上とコミュニケーションの深度の両立が実現できたこと。

【ミドルシニア層（リモート社員）活用のポイント】
・当社への理解を深め、当社のレベルに合わせて寄り添い、共に汗をかきながら、最終成果に繋がるまで本気で伴走頂いたことに感謝しています。