シニアが、もう一度輝く社会の実現を目指して|株式会社クオリティ・オブ・ライフ

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シニアが、もう一度輝く社会の実現を目指して|株式会社クオリティ・オブ・ライフ

人生100年時代を迎え、ミドルシニア人材の活躍がますます重要になっています。株式会社クオリティ・オブ・ライフ代表の原正紀氏は、経験や専門性を持つシニアと企業をつなぐ独自の事業を通じて、「人生二毛作社会」の実現に取り組んできました。なぜシニア支援に力を注ぐようになったのか。そして、AI時代における新たな活躍の場をどのように描いているのか。これまでの歩みや事業への想い、今後の展望についてお話を伺いました。

この記事の目次

    【会社概要】

    株式会社クオリティ・オブ・ライフ
    2006年設立。「個人の人生の質(充実)の向上が、企業の成長に繋がる」という理念を社名に冠し、個人にフォーカスした人材ビジネスを展開。設立当初は若年層の就労支援(ジョブカフェ等)が中心、現在は事業全体の約半分をミドルシニア領域が占める。

    その他、新卒・若手支援、外国人材支援、公共事業受託など、幅広い領域で社会課題の解決に伴走し、独自のプラットフォームとノウハウで人と企業の最適なマッチングの創出を目指す。

    【代表プロフィール】

    原 正紀
    1959年、東京生まれ。機械系メーカーを経て株式会社リクルートに入社、大手企業向けのHR事業の営業責任者を歴任。30代半ばのニューヨーク滞在を機に、自身のキャリアを見つめ直し、中小企業診断士の取得や大学での非常勤講師、執筆活動を開始。

    40代で退職して独立、2006年にクオリティ・オブ・ライフを設立。現在は経営者としての活動に加え、高知大学や筑波大学等での客員教授や講師、国や自治体の委員、NPO法人での留学生支援など、一つの枠にとらわれずキャリアを横へと広げる「キャリアストレッチ」を自ら体現し続けている。

    キャリア支援事業との出会い、そして起業

    私が「キャリア」というものに関心を抱くようになった原点は、前職のHR事業で大手企業を担当していた30代前半の頃に遡ります。ある顧客企業にお願いして、45歳前後の課長クラスに向けた「キャリア研修」を見学させていただいたのです。

    そこで私は大変な衝撃を受けました。日本のビジネス界を牽引する優秀な方々であるはずなのに、「とりあえずあと10年は今の会社で頑張りますよ」と、自身の10年後、20年後のキャリアを全く主体的に描けていなかったからです。

    リクルートで「独立や転職が当たり前」という環境で働いていた私にとって、それは大きな違和感でした。「自分自身のキャリアとは何か?」それを突き詰めるため、私は32歳の時に上司に無理を言って、社内制度「ステップ休暇」を利用し、1か月間、単身ニューヨークへと渡りました。

    知人紹介のカメラマンのアパートを借りながら、これまでの人生の棚卸しやキャリアデザインをしたのです。子どもの頃から1つに集中するより色々するのが好きだった自分。一つ一つはものになっていなくとも、根底には「多様なことを並行して全力でやるのが好きだ」という本質がありました。

    私はこれを、単なる副業ではなく、すべてを本業のように横へ広げていく「キャリアストレッチ」と名付けました。この自己理解が、後に中小企業診断士やキャリアコンサルタントの資格を取得し、大学で教鞭を執り、40代で起業へと至るその後の私のキャリアの大きな原動力となったのです。

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    迫り来る「人生二毛作社会」の危機感と使命

    早期退職制度を利用して独立し、フリーランスとしてコンサルティングや公共事業の支援などに携わる中で徐々に仲間が増え、2006年にクオリティ・オブ・ライフを設立しました。

    起業当初は若者のキャリア支援を中心に行っていましたが、2011年頃、縁あって経済産業省の方と共に『人生二毛作社会』という本を上梓したことが、ミドルシニア支援に本腰を入れる決定的な転機となりました。

    当時はITバブル崩壊やリーマンショックの余波でリストラが相次ぎ、ビジネスの第一線で活躍してきたミドルシニア層が次々と組織から押し出されていく時代でした。人口減少と高齢化が急激に進む日本において、彼らが活躍の場を失い、社会保障に依存する側に回ってしまえば、若い世代に過酷な負担を強いることになり、社会モデルそのものが確実に破綻します。

    「シニアができるだけ長く、生き生きと働ける社会を創らなければならない」これは単なるビジネスチャンスではなく、日本の未来を救うための社会的使命であると確信しました。

    そこから経産省や東京都の担当者、企業の人事、大学教授などキーパーソンを集めた「二毛作会議」を立ち上げ、2年間にわたってこれからの社会に向けたシニア活用のアイデアを徹底的に議論し、現在の事業の礎となるヒントを得ていきました。

    プロフェッショナルと企業を繋ぐ2つの架け橋

    現在、当社のミドルシニア向け事業は大きく2つの独自のサービスへと進化し、年間100件を超えるプロジェクトが全国で動いています。

    一つ目は、「生涯プロフェッショナル・Engun」です。これは、大手企業等で特定の専門分野において10年以上の経験を持つプロフェッショナル人材と、経営課題を抱える中小企業を業務委託等の形でマッチングするサービスです。

    現在、50代を中心とした約6,000名弱の皆様にご登録いただいています。事業立ち上げ当初は、中小企業側も「外部の知らないシニアに手伝ってもらう」という発想に乏しく、正直苦労しました。

    その後、金融機関との連携を通じた企業のご紹介、中小企業庁の補助金制度(専門家派遣費用が3回まで無料になる制度)などを活用して、経営者の皆様の心理的ハードルを下げることにより、少しずつ成功事例を積み重ね、皆様の理解を広げていきました。

    二つ目は、約5年前にスタートした「キャラバン隊」です。こちらは大手企業に在籍するミドルシニア社員を対象とした、セカンドキャリアを見据えた「越境学習」プログラムです。参加者は約半年間、まずはキャリアの基礎講座やコンサルテーションの手法を学びます。

    その後、複数の候補から自ら選んだ中小企業の経営課題に対し、週1回程度のオンラインや訪問を通じて、自力で解決策を練り上げ、最終的に経営者へ直接プレゼンテーションを行うという実践的な内容です。年間約100名の大手企業社員がこの「キャラバン隊」に参加し、外の風に触れることで意識改革を遂げています。

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    若手を育て、組織を変えるシニアの底力発揮のストーリー

    私たちのサービスを通じて、専門性の高いシニア人材が中小企業の現場に劇的な変化をもたらす瞬間に、私は何度も立ち会ってきました。

    象徴的なエピソードの一つに、大手エレクトロニクスメーカー出身の60代のシニア技術者の方の事例があります。彼は、業績低迷にあえぎ、新商品開発に行き詰まっていた中小の文具メーカーに派遣されました。彼は「文具」に関しては完全な素人です。

    しかし、商品開発のプロセスやプロジェクト運営の「型」については超一流のノウハウを持っていました。彼は社長に対し「私は文具のことは分かりません。ですが、御社の若手社員を集めてプロジェクトチームを作りましょう。私が彼らのアイデアを引き出します」と提案しました。

    そしてファシリテーターとして見事に若手たちを牽引し、彼らの意見をまとめ上げ、最終的に画期的な商品を開発。見事に業界のアワードを受賞するに至ったのです。

    社長は新商品の完成以上に「自社の社員だけでは絶対にできなかった。彼に来てもらったおかげで、何より若い人たちが目覚ましく成長した」と大いに喜んでくれました。結果として、そのシニア技術者の方には「今度は別の新規事業も手伝ってほしい」と、すぐさま新たなリピート依頼へと繋がりました。

    また、「キャラバン隊」の越境学習をきっかけに、それまで内向きだった思考が外へと大きく開き、プログラム修了後に自ら中小企業診断士の資格を取得して、一人コンサルタントとして見事に独立を果たした女性の事例など、人生の「二毛作目」を力強く歩み始める方々が後を絶ちません。

    看板を外した後に求められる「信頼を紡ぐ力」

    では、見事に人生の「二毛作」を成功させる人と、なかなかうまくいかない人の差は一体どこにあるのでしょうか。

    最大のネックとなるのは「売り物がない」という点です。長年の会社員生活の中で、確固たる知識、経験、技術といった専門性(提供価値)を自覚的に身につけていない方は、独立市場では非常に厳しい戦いを強いられます。まずは自分の強みを棚卸しし、「武器」を明確にすることが大前提です。

    しかし、「売り物」があっても売れない人がいます。成功する人に共通しているのは、「継続的に仕事を生み出していく力」を持っていることです。会社の看板が通用するのは、辞めてからせいぜい3年程度。その後は、自分自身の力で仕事を獲得しなければなりません。

    これは決して「ガツガツとした新規開拓の営業力」だけを指すのではありません。最も重要なのは、「人との信頼関係を築き、それを大切に育てていく力」なのです。

    最初の取引のきっかけを確実に掴み、期待以上の価値を提供して信頼を得る。その信頼関係が、次のリピートや新たな紹介へと繋がっていく。この「キープ力」こそが命綱です。営業職出身の方だけでなく、管理部門や技術部門出身の方でも、誠実に人と向き合い関係性を構築できる人は必ずうまくいく世界です。

    私たちは、真摯に実務を磨き込み、信頼されるアウトプットを出せるプロフェッショナルの方々が、自然とお声がけをいただけるような「活躍の場づくり」を全力で提供しています。

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    AI時代を越えて、活躍の舞台は学校・地域・そして世界へ

    現在、世の中では「AI失業」という言葉が現実味を帯びてきています。大手企業等での人員削減の動きも加速していますが、その最大の標的となっているのは、他でもないミドルシニア層です。この避けられない波の中で、私たちは社会総出で彼らの「受け皿」となる新たな活躍の場を開拓していかなければなりません。

    今後の展開として、当社の「生涯プロフェッショナル・Engun」や「キャラバン隊」といった確かな手応えのあるプロトタイプを、様々な機関と連携しながら社会全体へと広げていきたいと考えています。活躍のフィールドは産業界にとどまりません。

    例えば現在、国が進める「高校教育改革」において、実務経験のない教員をサポートするため、ビジネスの最前線で培ったシニアの知見をインターンシップの企画や実務教育に活かすというプロジェクトの提案も始まっています。教育、医療、福祉、公共といった非営利分野にも、皆様の専門性が求められる場所は無限に広がっています。

    また、個人的には日本のシニア活用のノウハウをグローバルに展開したいという思いもあります。留学生支援の活動で毎年東南アジアを訪れる中で、シニア対策は今後、世界的にニーズが高まる分野だと実感しています。台湾や韓国からも取材の申し込みをいただくことが増えました。いつか海外に拠点を持ちながら仕事をする、というのも私のささやかな夢の一つです。

    専門性を武器に、新たなフィールドへ挑戦したいとお考えの皆様。ぜひ私たちと共に、ご自身のキャリアを無限に横へと広げる「キャリアストレッチ」の旅を始めてみませんか。皆様の貴重な経験と知見を社会に還元する場を、私たちが責任を持ってご用意いたします。

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