50代女性の転職体験談 | 老後の年金をより多く得るために正社員という選択。そのために私が行ったこと

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50代女性の転職体験談 | 老後の年金をより多く得るために正社員という選択。そのために私が行ったこと

二人のお子様は巣立ち、ご主人と二人暮らしの小松田さん(仮名)59歳。長くご自宅で英会話教室を運営した後、50代から外で働くことに。しかし、長く個人事業主であったため厚生年金には未加入。少しでも多くの年金を獲得するためにも「正社員」の仕事にこだわり、59歳にしてその座を獲得したアプローチについてお話を伺いました。

この記事の目次

    教師を目指すも断念。いくつかの職を経たのち専業主婦に

    東海地方にて高校まで過ごした後、大阪の大学へ進学。父が教師であったこともあり、教師の道を志し教職課程は履修しましたが、学校が荒れていることが社会問題になっていた時期でもあり、自分には向かないかもと断念。

    学校に求人票が来ていた建設会社を見つけ、ここなら大阪で働けると考え、事務として卒業と同時に入社。そこでは3年ほど働きました。

    もともと視力がよくないこともあり、眼科に通っていたのですが、その際に「眼科検査技師」という存在を知りました。「これからの時代、腕に職をつけたほうが食べていける」と考え、検査技師になるため眼科へと転職しました。

    転職先は個人の眼科で、先生の助手として勤務しながら資格を取得。さあこれからキャリアを積もう、と考えていた矢先に母から地元に戻って来て欲しいという強い催促が。やむなく退職し、地元へ戻りました。

    その後、半年ほど地元の眼科で働いた後、寿退社。1年後には長女を、その3年後には次女を出産し、専業主婦となったのです。

    自宅で英会話教室を運営しながら、パソコンスキルを身につける

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    専業主婦とはなりましたが、働きたい気持ちはずっと持ち続けていました。学生時代に様々な国へ旅行に行っていたため、日本語教師の資格を取ろうと思い立ち学校へ通うように。そこである人と知り合いになりました。

    その人は自宅でフランチャイズの英会話教室を運営していたのですが、旦那さんの転勤で東京へ行くことが決定。誰か後を引き継いでくれる人を探している状況でした。

    下の子は3歳になったばかりだけど、自宅でならば子どもを見ながら働ける。そのメリットを魅力的に感じ、33歳のときに英会話教室を運営することを決意しました。

    久しぶりに仕事をするのは楽しいもの。教え子が成長していく様子を感じられるのもこの仕事の魅力でした。とはいえ、少人数の教室のため収入は多くはないのが実情。多いときでも月に10万程度。もう少し稼ぎたいという思いはありました。

    授業は夕方のみのため、自分の時間は確保できる。ならば、何かスキルをつけようと考えていたときにwindows95が発売されたのです。

    これからはきっとパソコンスキルは必要とされるはず。そう考えてスクールへ通い勉強した結果、マイクロソフトオフィススペシャリストの資格を取得。その後は、英会話教室を運営しながら教室のHPも作ったり、地域のパソコンスクールで講師をしたりと着実にスキルをつけていきました。

    そのような生活を送るなか、気づけば40代後半に。そんな中、個人事業主の夫が、東京に拠点を移すことを決断。15年続けた英会話教室を閉じ、東京へと旅立ちました。

    東京へ移動してからはパソコンスキルを活かして正社員の職に

    東京へ越してきたのは2008年のこと。新たに自宅で英会話教室を始めようかと考えましたが、大学生となった娘からの反対があり断念。では外で働きに出ようと思い求人サイトで仕事を探しました。

    仕事探しの軸は「正社員」「月給20万以上」「家から45分以内で通勤できる」の3つ。当時はパソコン教室の採用は一定数あったことと、経験があったこともあり48歳でしたが、すんなりと正社員として採用されました。

    ところが半年程度働いた頃、貸し会議室の会社を運営する知人から相談があり、事務のできる人を探していると。向こうは私がパソコンスキルがあること、そして英語もできることを把握していたため、ぜひ来てくれないかというお誘いを受けたのです。

    過去に世話になったこともあるため、引き受けることに。正社員として採用され、ボーナスも出る。しかも、残業もほぼない安定した働きやすい職場だったこともあり、結果的に8年間勤めました。

    しかし、楽である反面、仕事のやりがいをあまり感じなくなるように。そんなときに、大学の研究室で事務をしていた友人から、仕事を辞めるので後任をお願いできないか、という相談が。

    その仕事は、単年契約のアルバイト。もちろん今よりも給料は下がることは目に見えており、夫に相談しても転職することに反対されました。しかし、この機会を逃したらこんな面白そうな仕事には就けない。どうせ働くならばやりがいのある仕事に就きたいという思いで、転職することを決めたのです。

    やりがいを優先し大学の研究室に入るも、待遇向上を求めて転職を決意

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    そうして大学の研究室事務の仕事に就いたのですが、学会の仕切り・プログラムの作成、さらに会報誌の作成や会員への発送など業務内容が幅広いうえに、難易度が高く忙しい。繁忙期は残業も多く、土日に出勤することもしばしば。

    自分に新たなスキルがつき成長もやりがいも感じられる。しかし、貢献に給料が見合わないとも感じていました。そうして、働いてそろそろ2年が経とうという時期、今後のことを考えました。

    私は58歳。60歳になってしまえば仕事探しはより厳しくなる。ならば、少しでも早くから正社員として勤められる仕事を探した方がよいのではないか。加えて、ブランクを空けたら働く意欲が下がると考え、働きながら求人サイトを眺めるようになったのです。

    今回は「家から近いこと」「土日が休み」ということを軸として、できれば正社員で働けるということを条件に探しました。近い将来に年金を受給することを考えると、少しでも多く受給するために社会保険に入りたい。その思いがあり、正社員の求人を希望していたのです。

    仕事探しからほどなくして見つけたのがIT業界で技術者の派遣を扱う会社でした。ここならば、「自分のITスキルや経験が活かせる」ことと、「学生から教授まで幅広い世代と対応してきたコミュニケーション能力」のそれぞれが活かせるのではと考えて応募。面接でもその部分をPRしたところ、無事採用となりました。

    59歳で正社員になれたのは、経験・スキルを的確にアピールできたから

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    こうして、59歳での転職でも正社員として働ける環境を手にすることができました。企業が募集している背景を読み取り、そのうえでこれまでの経験を噛み砕き伝えたことが、採用の決めてとなったのだと思っています。

    今は、クライアント企業へ送りだす技術者へのビジネスマナーや社会人としての振る舞いなどを教育する講師の役割を担当。定年がない会社のため高齢の社員も働いており、長く勤められるという期待は持っています。

    しかし、何があるかわからない時代。経営が傾いてしまえばまた仕事を探す必要も生まれるかもしれない。そうした場合に備えて、仕事が決まった今でもマイナビミドルシニアのメールマガジンは受信を継続。シニア層でもOKな求人を日頃からチェックすることで、転職市場の把握を続けています。

    まとめ

    年は重ねたけれど、まだまだ体は元気。できれば自分の経験やスキルを活かせる仕事にこれからも就いていきたい。そのためには若い世代に負けないように常に学び続けて行かなければならないな、とも感じています。

    少なくとも65歳まで。できればそこから先も。自分の経験が直接的に活かせる希望に沿った仕事に就き続けて、社会の役に立ち続けていきたいと思っています。

    ※年齢は2019年10月取材当時のものです

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