40代女性の転職体験談 | やりたいことだけやってきた。それが、今となり家計の助けとなるように
- 自分の相場を知る
- 公開日:2019年9月25日
中学生二人と小学生の育ち盛りのお子様3人と暮らすシングルマザーの河合さん(仮名)43歳。独学で取得した宅建士の資格を活かして不動産の会社に勤めるなか、教育費のために月5万円を追加で稼ぐ方法を模索。選んだ方法についてお話を伺いました。
この記事の目次
ママになっても働き続けたいけど、受け入れてくれる職場が見つからない。
空手の部活に打ち込んでいた高校時代。大学に進学するつもりはなかったため、当時お菓子作りが好きだったこともあり、調理系の専門学校へ進学。卒業後は都心のイタリアンレストランへ就職しました。
しかし、働き始めてすぐ「自分は料理を提供するよりも、される方が好き」ということに気づいてしまいました。毎日が多忙だったこともあり、結局そのレストランは半年ほどで退職。その後はアルバイトや父から紹介された医療事務の仕事などをしていました。
そうする中、20代半ばで結婚。すぐに第一子を授かり、2年後には第二子を出産しました。その間は専業主婦だったのですが、ずっと家にいるのが合わない性分。「せめて自分のお小遣いくらいは自分で稼ぎたいな」という思いが湧くように。
夫はあまり乗り気ではありませんでしたが、貯蓄のためという理由でなんとか理解を得て、子どもを保育園に預けて働きに出ることにしたのです。
しかし、当時は今よりもなかなかパートの仕事も見つけにくい状況。「子どもが熱を出したらどうするの?」など、なかなか働くママを受け入れてくれる職場も多くはありませんでした。
資格を活かした仕事に就くも、興味を持っていた美容業界へ転職。
そんな中でようやく見つけたのが、住宅展示場の一般事務の仕事。この仕事を選んだのには理由があります。
子育てしているときに「何か始めたい」と感じ、「宅地建物取引主任者(現:宅地建物取引士)」の資格を独学で勉強し、合格したのです。せっかく取った資格なのだから、活かしたい。そうして不動産業界で仕事を探し、やっと採用された仕事でした。
ですが、働き始めてわかったのは、とても暇だということ。特に平日、行うことは展示場の掃除ばかり。お客様が来場することは稀。その分、楽ではありました。
しかし、ここに居たら自分は成長できない。そう感じて2年ほど働いた後、別の仕事を探すことにしたのです。しかし、なかなか不動産業界で、ママを受け入れてくれる求人は見つからない。
その時、興味があったのは美容。資格を活かすことは一旦横に置いて、好きなことを仕事にしてみようと考えました。そうして、美容部員の求人に応募したところ、無事採用。とはいえ、雇用ではなく売上に応じた歩合がメインの個人事業主でした。
勤務先は、駅にほど近い路面店。働く前はお客様にメイクやスキンケアを行うのが主な仕事かと思っていましたが、多くは駅前でのビラ配り、各家庭へのポスティングなど営業活動でした。とはいえ、それは苦ではなく、むしろ楽しみを感じるほどでした。
そんな形で1年ほど働いていたのですが、第三子をその頃妊娠。出産をきっかけに退職し、再度専業主婦に戻ることとなったのです。33歳のときでした。
雇用ではなく、個人事業主としてイベントの主催者を行うように。
第三子が生まれ、半年ほど経った頃。また働きに出たいことを夫に相談したところ、「自分で何かやってみたら」との回答が。自分の周囲に個人事業主をしている人も多かったことや、家にいる時間も増やせるため「それもありか」と頭が切り替わりました。
そうして、様々な起業セミナーへ顔を出すように。そこで出会ったのが小規模イベントの主催を行う個人のイベントプロデューサー。話すなかで意気投合。ノウハウを聞くうちに「自分でもできるかも!」という根拠のない自信が湧いてきました。
当時興味があったのは、美容と健康。このテーマに興味のある人達に対してイベントを企画。Webや身の回りで告知を行い、イベントの運営を行うようになりました。
はじめはなかなか人数も集まりませんでしたが、HPの作り方やWebに関する知識を着々と習得。多くのブログを見ながら、自己流のやり方を身に着けていったところ、徐々に人が集まるように。テーマもSNSの始め方など幅広いものを取り上げていきました。
金額的には多くの稼ぎにはならないものの、自分の時間とペースで運営できるので、働くというよりも趣味の延長のようなもの。楽しみながら4年間ほどイベント主催を行っていました。
ところが、人生いろいろあるもの。夫との間で色々と問題が生じ、離婚をすることになったのです。
親権を取るためには、安定した収入があることを証明しなければならない。早急に定職を見つけなければならない状況になったのです。
ダメ元で受けた不動産の仕事。面接の結果、すんなりと合格。
仕事探しを開始。できれば正社員の仕事、かつ資格の活かせる不動産の仕事が希望だったのですが、なかなかそのような仕事は見つからず。あっても不採用でした。
そのため、仕事探しの軸は「家から近く、勤務時間と、勤務曜日に融通がきく」という条件に絞ることに。収入も大切でしたが、子どもが出かけるのを見届け、子どもが帰ってきたら一緒にご飯を食べる。できれば休日も一緒に過ごす。家庭の時間を確保できることを何よりも優先しました。
そうして見つけたのが、エステの仕事。パートとしての契約でしたが仕事は仕事。無事、親権を確保することができました。
ほっと一息ついたのも束の間。その店がびっしりとお客様の予定が入っているため、なかなか休みが取りづらいということがわかったのです。もちろん仕事にも真摯に向き合うものの、子どもが熱を出すこともあれば、学校の行事に参加しなければならないことも。
子どもが三人いるためそのような事情があることは入社時に伝えていたのですが、休むたびに上司からのプレッシャーは強まるばかり。さらに給料も低い。そのため、次の仕事も検討したほうがよいかも、という考えに至りました。
考えたきっかけの一つは、下の子が小学校へ入学したこと。これまでよりも少し手がかからなくなった今なら、勤務時間を少し伸ばすこともできるかも。少し残業ができるならば、不動産系の仕事で資格を活かして働くこともできるかも、と思い、求人サイトでの仕事探しを再開したのです。
そして見つけた不動産会社のアルバイト。面接に行ったら「パートで働いてくれる宅建士を持っている人を探してた」とのこと。なんと一社目ですんなりと希望の仕事に就くことができたのです。
収入を増やす方法は、転職ではなく、副業を選択。
働き始めてわかったのですが、人件費を抑えるためにも、パートタイムでシフトの穴を埋めてくれる人を探していたとのこと。「フルタイムで働けます」というアピールをしなければ採用されないのでは、という思いは完全に取り越し苦労でしたね。
ありがたいのは、人事担当者も子育て中のため、突然の欠勤などにも理解があったこと。おかげで勤めても一年程度で退職していた私が、今の職場では3年が経とうとしています。
最近の悩みは子どもの教育費がかかるようになってきたため、もう少し収入を増やしたいということ。具体的には「月に5万円」を追加で稼ぎたい。
今の職場で正社員を目指すという選択肢もあります。しかし、給与と安定を得る代わりに拘束時間が増える。それは、家族と過ごす時間を確保したいという私の希望には沿いません。
そこで考えたのは、副業をすることでした。今の会社は正社員以外は副業が認められているため、以前行っていたイベントの仕事を再開。
以前は美容や健康が主でしたが、私も離婚や夫婦間のトラブルなど様々な経験をしてきました。その経験を活かして相談会を行うなど、イベントもレパートリーも増えているため、動員はそこそこ確保できるように。月に5万の目標はなんとか達成できそうです。
まとめ
興味だけで始めたイベントの仕事が、今は家計を助けてくれるなんて夢にも思いませんでした。もし、同じような悩みを抱えている方に相談を受けたら「やりたいことがあったら、やったほうがいい」。そういったことを伝えたいな、と思いますね。
※年齢は2019年9月取材当時のものです