【広告】ミドルシニア社員 採用事例インタビュー |警備の仕事こそ、経験豊富なシニア層が輝く職種
- ミドルシニア社員 採用企業インタビュー
- 公開日:2019年8月 7日
ミドルシニア層の社員を採用し、活用している企業様へお話を伺うインタビュー第三弾。シニア層の積極採用が多い警備業界の中でも、独自の制度を設けて注目を集めているのが優成サービスです。テレビや新聞など多くのメディアでも取り上げられている独特の施策と、それを実施する理由について八木正志会長にお話を伺いました。
この記事の目次
「ハイブリッド警備」を始めたことで、従業員に「仕事への誇り」が生まれた
---ユニークな警備会社として様々なメディアに取り上げられていますね。
特徴として取り上げられるのは「警備業」だけではなく、「建設業」の許可も取得し、警備業務と建設業務を併せて請け負う当社のスタイルです。「ハイブリッド警備」という名称をつけ、このスタイルを推進しています。
---なぜハイブリッド警備を推進されているのでしょうか。
警備のニーズが多い建設現場において、現場の片付けは重要な業務ですが、片付けの業務は建設業の認可を受けている会社ではなければ携われません。
「ならば、警備も建設現場の手伝いもできる会社にしてしまえばよいのでは」と考え、認可を取得するために行動を起こしたのです。
---ハイブリッド警備によってどのような効果がありましたか。
ビジネス的な観点から言うと、独自の付加価値をサービスとして提供できる会社となりました。他社と競合することがないため、買い叩きも起きません。そうして、サービスの質を認めてくれる企業様と、継続したお付き合いをさせていただくケースが増えました。
---ビジネス面以外にも効果はありましたか。
警備業は、現場で「旗振り屋」として軽んじられることもある存在です。しかし、ハイブリッド警備を始めて現場の手伝いも行うようになってからは、建設会社から「単なる下請けではなく、パートナー」として扱われるように。
現場でぞんざいな扱いをされず、相手から信頼されることで「自分の仕事への誇り」が生まれるように。そうして多くの従業員がモチベーション高く働けるようになったことこそ、最も大きな効果と言えるでしょう。
体力面さえサポートすれば、警備の仕事は高齢になっても働き続けられる
--- いつ頃からミドルシニア層の採用を行っているのか教えてください
今年で創業30年ですが、創業当時から多くのシニア層が働いています。現在は従業員の7割が65歳以上。最高年齢は76歳です。
--- 76歳という高齢でも、警備という体力仕事に就くことは可能なのでしょうか
長く現場仕事をしてきた方はシニアといえど、必ずしも体力に不安があるわけではありません。むしろ、熱中症になるのは若い人が多いくらいです。
暑さ対策用にメッシュ加工の制服なども用意しており、体力的な負荷を低減するよう会社としてもサポートしています。
--- 警備の仕事は年齢が関係ないということでしょうか
私はそう思いますね。警備の仕事は「現場が大変」という先入観が強いですが、本質は人を相手にするサービス業。相手の気持ちを理解し、その場に適したサービスを提供する仕事です。
長く人と接してきた経験のあるシニア層は、コツさえ掴んでしまえば大いに活躍することが期待できます。
---雇用形態について教えてください
しっかり稼ぎたい場合、社員として週5日のフルタイム勤務。体力的に無理ない範囲で働きたい場合、アルバイトとして週2・3日の勤務など、個々人の希望に合わせて、働き方を選択してもらっています。副業も認めています。
まじめに業務に取り組む従業員を、正当に評価することが信頼につながる
--- 採用のフローについて教えてください
提出書類は履歴書のみ、書類選考は行っていません。面接で確認しているのは「これまでどのように働いてきたか」「これからどのように働きたいか」という二点です。
--- ミドルシニア層で採用される方の傾向を教えてください
当社は業界一般の水準より高いサービスの提供を目指しているため、従業員に求めるモラルやマナーも業界一般よりも高い水準にあります。
そのため、同業他社で漫然と警備の仕事に就いてきた経験者よりも、長くサラリーマンとして実直に働いてきた方のほうが長く活躍するケースが多いです。
--- 入社後はどのような教育を行っているのでしょうか
新たに警備業務に従事させようとする警備員に行う教育(新任教育)。それと、警備業務に従事している警備員に行う(現任教育)を行っています。さらに全員がAED普通救命講習も受講しています。
さらに、資格の取得には力を入れており、現場で役立つ交通誘導検定の取得者は全体の60%以上。資格取得後は手当を支給し、その努力に報いています。
大切なことは努力した従業員を正しく評価すること。すべての従業員を一緒くたに評価してしまうと「正直者がバカを見る」という意識が働いてしまう。そうすると、会社に対する不信感が生まれてしまうので要注意です。
現在は交通誘導検定を取得したかを主眼においた評価をしていますが、何度受験しても落ちてしまう従業員も存在するため、その他の資格も評価対象としています。
その結果、移動式クレーン、玉掛け、施工管理者の資格を保有している従業員も多く存在しています。
「従業員が働きやすい環境を作る」その結果、新しい事業が生まれた
--- シニアが働きやすい環境づくりのための工夫を教えてください
先程紹介した暑熱対策のメッシュ加工制服の他に、雨天や夜間の現場でドライバーからの視認性を高める大きめの反射板がついた安全長靴など、装備品にも工夫を凝らしています。
現場の立ち仕事は健康管理が何より大切。本人に自覚症状がない場合もあるため、現場に出る前の血圧測定を義務付けるほか、産業医に委託して従業員の健康管理を実施しています。
当社のような小規模な事業所では産業医の選任義務はありません。しかし、現場は日曜日が休みのことが多いため、仕事がない日に受診できる環境を整えることは会社としての責任と考え、産業医契約を行っています。
これらの取り組みが評価され、高齢者雇用開発コンテストにて優秀賞を受賞しています。
--- 他にも福利厚生などあれば教えてください
年を取ればトイレが近くなるものですが、警備の現場によっては近くにトイレがない場合も。シニアの従業員にとって、これは大きな問題でした。
「トイレがあれば従業員が働きやすくなる」そう考えた私は、現場に清潔なトイレを提供するため、水を使わずにおがくずで処理を行う「バイオトイレカー」を開発。現場に投入しました。
すると従業員だけではなく、建設現場でも話題となるように。東日本大震災の際、ボランティア活動で車椅子用のパワーリフトのついたトイレカーを石巻市へ持ち込んだところ、多くの被災された方から感謝のお言葉をいただくことができました。
その様子がメディアで取り上げられ、様々な自治体から話が聞きたいという依頼が発生。その反響で苫小牧市にトイレカーを購入いただいたほか、他の自治体からもトイレカーの貸出のご依頼をいただくように。東京マラソンなどの大きなイベントでも依頼をいただくようになりました。
もともと従業員が働きやすいようにと開発したトイレカーですが、意図せぬ方向で新たな事業として成長しています。
多角化した事業を助けてくれるのは、シニアが有する幅広い経験
--- 今後の会社の方向性について教えてください
建設現場の警備は工期が終われば終了してしまうため、安定的な事業になりにくい側面があります。そのため、経営の安定のためには事業の多角化も意識するようにしています。
トイレカーを開発した際に廃棄物について学んだことから、一般廃棄物処理業(収集・運搬)の許可を取得。ごみ収集の業務も受託できる環境が整いました。
このように様々な業務に取り組む当社のような会社では、シニア層が持つ多様な経験は貴重なものです。過去に近い仕事をしていた人が入れば、アドバイスをもらうことも可能です。
--- 長く働き続ける社員が多い理由について教えてください。
警備の仕事には人手が必要ですが、就きたい人は少ないのが現状。そのため、「どうすれば従業員が働き続ける会社になれるか」ということを常に考え続けてきました。
出した答えは大きく二つ。
一つは「働きやすい環境・待遇」を整えること。そのためトイレカーの開発や、産業医の整備といった福利厚生の充実。そして、資格取得者に対する手当の支給などを実施してきました。
しかし、それだけでは十分ではありません。待遇だけを考えるのであれば、他の業界へ行ったほうが改善される場合が多いからです。
そうして出したもう一つの答えは、「仕事・会社に対して、プライドを持てるようにする」こと。自分の仕事に誇りが持てれば、長く働きたい気持ちは自然と生まれるものです。
警備の仕事は「人を守る」という社会貢献性の高い仕事であること。そして、そのためには学びを続け、切磋琢磨を続けなければいけないということを伝え続けるようにしたところ、やりがいを持って働く従業員が増え、長い期間活躍してくれています。
シニア層の従業員は社会貢献に対する意識が高いため、このような事業との親和性は高いですね。
まとめ:シニア層活用を検討する企業へのメッセージ
シニア層の良いところは、自身がやりがいを感じられれば、これまでの経験を活かし、自分で考え、主体的に行動してくれることです。
当社では専任の営業社員を置いていません。しかし、各現場で働いている従業員が、「次回も○○さんにお願いしたい」という指名受注をいただいてくるケースも多くあります。これも営業目線を持ちながらサービスの提供ができる、経験豊富なシニアならではの効果なのではと思っています。
一を伝えれば、これまでの経験を活かして十も百も活躍をしてくれるシニア層は、社会貢献性の高さを感じれば、自発的にやる気を出すことも多いです。
そうした社会貢献性の高い業界であれば、シニア活用を実践してみることはオススメですね。
(2019年7月22日取材時点の内容です)