【広告】ミドルシニア社員 採用事例インタビュー | 人生経験が活きるマンション管理の仕事
- ミドルシニア社員 採用企業インタビュー
- 公開日:2019年7月17日
ミドルシニア層の社員を採用し、活用している企業様へお話を伺うインタビュー第一弾。今回お話を伺った大和ライフネクスト株式会社様には、多くのシニア層が新入社員として毎年入社されています。採用に至るフロー、そしてモチベーションを向上させるための独自の取り組みなどについて、人材開発部の皆様にお話を伺いました。
この記事の目次
責任ある仕事だから正社員で雇用。それが質の高い人材を集めることにつながっている
--- いつ頃からシニア層の採用を行っているのか教えてください
40年以上マンション管理業務を行っていますが、立ち上げ時期からシニア層が多く活躍しています。
--- この40年の中で応募されるシニア層に変化はありましたか
志望動機として、かつては年金の足しにしたいという方が多かったです。しかし現在では「仕事を通じて長く社会に関わっていたい」というお気持ちを持った方が増えてきた印象です。
「勤務できるのであれば貴社の規定に従います」というスタンスが過去は多かったですが、近年では面接の中でワークライフバランスを意識した質問が多くなったように思います。加えて、雇用上限の引き上げに伴い、これまでよりも上の年代の方からの応募も増えていますね。
--- 貴社でシニア層を採用している職種を教えてください
管理業務に関わる多岐にわたる職種で採用を行っていますが、多くを占めるのは、やはり「マンション管理員(フロントマネージャー・以下FM)」です。
当社におけるFMの役割は「受付・清掃などの日常業務」にとどまらず、お住まいの皆様からの幅広いお困りごとに対応。マンションの理事会や総会にも支店の担当者と一緒に出席し、住民の声を形にするという役割を担います。
豊富な人生経験と、そこで培われた人間力を持つシニア層ならではの力が活きる業務と言えます。
--- 雇用形態について教えてください
責任ある業務をお任せすることから、FMは基本正社員雇用としています。正社員雇用という点に安心感を感じてくださるためか、多くの質の高い人材から応募をいただいております。
業務理解が深まればマッチングが高まる。大切なのはコミュニケーション
--- 採用のフローについて教えてください
求人サイトや広告経由のWeb・電話応募が最初の接点です。その後、募集を行うエリアによっても異なりますが、必ずしも書類選考は挟まず、選考会にお呼びして仕事の説明をする機会を設けています。
作業員的な役割だけではなく、お客様との折衝などが必要なFMの業務をご説明。説明を行うと「こんな多岐にわたる仕事だと思いませんでした」と辞退される方もおられます。しかし、長くやる気を持って働いていただくためには、この時点での相互理解は不可欠であると考えているため、ご説明に時間を費やしています。
業務内容を大枠理解していただいた後、面接にて傾聴力やコミュニケーション能力などをこちらも確認しています。
--- 選考を通過された次は?
二次選考会にお越しいただきます。その中で「業務体験会」に参加いただき、シミュレーションルームで実際の現場業務を体験いただきます。以前入社した方が現場へ出たところ、高所恐怖症で脚立に登れないということがありました。こちらとしても、働く側も、想定していなかったケースでした。
このようなミスマッチを防ぐためには、現場業務を知ってもらうことが一番。そう考えて、事前の体験会を設けるようになりました。そうして、FM業務を理解し、納得いただいた方にのみ面接へ進んでいただいております。
--- 最終の面接ではどのようなことを確認されますか
お客様と適切なコミュニケーションが取れるか。報連相を的確に行えそうか。このようなポイントをやはり確認しています。その上で「お客様と常時接するFMは会社の顔である」という責任をご理解いただき、誠実に対応してくれる方かどうかを見定めています。
--- 採用に至る方の過去経歴など傾向について教えてください
「適切なコミュニケーションが取れる方」ということが基準であるため、特定の経歴などは無く、様々な方がいらっしゃいます。営業やサービス業など、これまで対人折衝経験がある方はイメージがつきやすいですが、長年エンジニアだった方などの採用も多くあります。
シニア社員と若い社員が、互いに尊重しあうことで信頼関係を構築
--- 入社後の配属までの流れについて教えてください
集合研修と個別研修のそれぞれを設けています。集合研修は3日間。本社にてマンションに関する基本的な知識を学ぶための座学と、研修施設で実技を学びます。こちらは東京都の職業訓練校認定を受けており、高い水準の研修を設けています。
その後、所属拠点でのガイダンス等を経て、配属先で先輩と一緒に勤務をしながら、1~2日間の個別研修。これは現地の施設を用いて対応する設備などについて、細かな内容を学びます。
現場へ出てからも半年・1年後に振り返りのフォロー研修を設けています。
--- 過去に長い経歴を持ったシニア層、新たな仕事へすぐに溶け込めるのでしょうか
中には前職の経験へのこだわりが捨てきれず、苦労する方もいらっしゃいます。しかし、多くの方は第二の人生として気持ちを切り替えてから勤務に就かれますので、研修を経て仕事に慣れていただいています。
正社員採用であることに感謝の気持ちをお持ちいただける方も多く、高いモチベーションで業務に取り組んでいただいていますね。年配の方が積極的に活動している姿を見て、若手も良い刺激をもらっています。
--- 若い社員にとっては「年上部下」となりますが、マネジメントに関する注意点など設けていますか
画一的なマニュアルなどは特段作成してはいませんが、現場のFMから上がる要望に対してスピード感を持って対応するように指導しています。
お客様からの要望に一次対応するのがFMの仕事ですが、各担当支店のフロント担当者の確認を必要とする事柄も多くあります。真摯に業務対応するFMほど相談・要望が多くなるのですが、その相談・要望に対し早期の解決・指示を行うことで、FMからの信頼に繋がります。
つまりFMはシニア層という特別な存在ではなく、現場の最前線でお客様対応を行う重要な役割の担い手。互いの役割を尊重し、それぞれの責任を全うすることが、信頼につながるということを社内で共有しています。
--- FM職に対する評価制度は設けているのでしょうか
半年に一度、評価のタイミングを設けています。業績に対する貢献度や日々の業務の正確性などが評価のポイント。さらに年に1度行われるお客様向け満足度アンケートの結果も評価のポイントとしています。
これらの評価内容を主に支店長がフィードバック。対応に応じた評価をしています。自身の働きぶりに関して定期的な評価を設けていることが、働くモチベーションに繋がっていると感じています。
同僚との横のつながりや全社的なコンテストでモチベーションUP
--- その他でモチベーション向上につながる仕組みを設けているのでしょうか
「エリア会」という定期研修会を設けています。FMがエリアごとに集まり、連絡事項の共有などを行った後、新人FMからの悩みに答えるなど、その時々のテーマに関して議論を交わす会です。頻度は月に1回、1-2時間程度で開催しています。
FMは自宅から現場に出勤し、同僚と顔を合わせることのない働き方のため、定期的な情報共有は悩みの解決や業務効率の向上にも繋がります。
多くの場合、エリア会の後には自主的に飲み会が催され、親睦を図っているようです。上司部下ではないフラットな関係であることが居心地の良さを生むようで、退職してからも継続してお付き合いされている方も多くいらっしゃいます。
--- 他にも独自の仕組みがあれば教えてください
「KAGAYAKI-1 グランプリ」という、現場で生まれたアイデアを発表するコンテストを設けています。独自の清掃用具を作った方や、スマホによる確認作業の簡略化など、現場からのアイデアが非常に生かされています。
現場からの自発的なアイデア発信が多かったこともあり、ならば会社で共有しようとなったのがこの企画。受賞者には多くの社員が集まる場で表彰を行っています。
シニア層活用を検討する企業へのメッセージ
「KAGAYAKI-1 グランプリ」の事例でも見られるように、シニア層の特徴として「自分の経験を活かして、人の役に立ちたい」という思いの強さがあります。その思いを組織として企画化したことにより、業務は効率化。さらにモチベーションの向上にも役立っています。
このようにシニア層の声には、組織のパフォーマンスを向上させる多くのヒントも含まれています。そうした声に耳を傾ける姿勢を持つこと。それがシニア活用の推進を検討する企業に求められることかもしれません。
大切なのは期待していることを伝え、評価を行い、意見に耳を傾けること。そうすればきっと、良い結果につながると思います。
(2019年6月7日取材時点の内容です)