老後の三大不安とは?解消するための特効薬とは?
- ライフプラン・人生設計
- 公開日:2018年12月11日
高齢化の進展とともに、老後について考える機会も増えています。「老後破綻」や「下級老人」など、老後の不安をかきたてる言葉もよく耳にするようになりました。不安の要因をよく理解して、不安にとらわれ過ぎずに解消するための方法を考えてみましょう。
この記事の目次
老後の不安、もやもやを解消しよう
老後のことを考えると、漠然とした不安感に襲われるという人は少なくないようです。このもやもや解消のためには、まずは不安の正体を知ること。多くの人を悩ませている老後の不安とは、具体的にどのようなものなのでしょうか。
みんなは何が不安なの?
近年国内で実施されたアンケート調査によると、どの調査においても、老後に不安を感じている人は成人全体の8割を超える結果が出ています。調査対象によっては9割にも達し、きわめて多くの人が老後の生活に何らかの不安を感じていることが明らかになっています。
では、その不安とは具体的に何が要因となっているのでしょうか。メットライフ生命による調査(『老後を変える』 全国 47 都道府県大調査)によると、「お金」「健康」「認知症」「介護」がランキングの上位を占めています。中でもトップは「お金」の不安。「老後には1億円必要」といった、いたずらに不安を煽るような情報が世間に溢れていることも一因です。公的年金への不信感も、無関係ではないでしょう。
それぞれで異なる不安のかたち
不安の内容は、一人ひとりの置かれた状況によっても変わってきます。たとえば専業主婦の場合には、お金の不安が大きいという調査結果が出ています。これは、自分自身に現金収入がないことが背景にあると考えられます。
自営業の人も、お金の不安が中心になるようです。サラリーマンと違って将来の収入が予測できず、退職金もありません。自営業は定年がないというメリットがありますが、ケガや病気で働けなくなってしまうと収入が途絶えてしまいます。老後の資金が国民年金だけだとすれば心もとないはずです。
国際結婚をしている人の不安は、さらに特殊です。「老後はどこに住むのか」「親の介護はどうしたらよいか」「医療や年金は十分か」など、不安の種はワールドワイドになります。
独身で一人暮らしをしている場合には、たとえ今は楽しく過ごしていても、はたして老後は?と不安になる人が少なくありません。お金のことだけでなく、健康面での不安も出てきます。
老後の「三大不安」とは?
50歳を過ぎたころから、「老後」は現実的な近い将来となり、老後への不安も差し迫って感じるようになるものです。いろいろ悩んでいるうちに、中には抑うつ状態になってしまうことも少なくありません。老後の不安を見くびることなく、その正体を見きわめて対応していきたいものです。
老後の不安の内容については、一般に、「お金」「健康」「孤独」の三つを「三大不安」と呼び、問題意識をもって考えられるようになってきました。一つずつ詳しく見ていきましょう。
お金に対する不安
まずは、世間でもよく取り上げられる「お金」の不安です。老後の資金については、自分が何歳まで生きるのかがわからないために、必要以上に心配が募るものです。今の貯金や想定される退職金および年金だけで老後を安心して暮らしていけるのかどうかは、多くの人にとって大きな関心事であることはまちがいありません。
現在の住まいが賃貸である場合は、老後に賃料の支払い負担が発生。持ち家の場合でも、住宅ローンの残債があれば返済計画が残ります。多くの収入が期待できない老後には、どちらの場合も大きな不安材料になってしまうのです。衣食住のなかでも住まいは生活の基盤であるため、悩みは深刻です。
健康に対する不安
「健康」への不安は、老いとともに体の不具合が出てくるもので、それにつれて不安も年々大きくなります。そして、病気の中でも、今の時代もっとも大きな懸念は認知症です。各種アンケート調査でも、「認知症」と特定して不安要因に挙げられていることでもわかります。
認知症を始めとする病気は、医療費のやりくりからお金の不安と密接につながります。特に、十分な貯蓄がなく、限られた年金だけを頼りにせざるを得ない家計では、即座に生活は困窮してしまいまうのでは、と不安は計り知れないでしょう。
孤独に対する不安
「孤独」への不安は、人間関係が疎遠になることで引き起こされます。特にサラリーマンの場合には、退職して会社との関係が絶たれると、社会とのつながりが急激に少なくなるため、この状況に陥りがちです。かつてであれば、家族の人数が多いため親族との交わりなど一定の社会との関わりがありましたが、核家族が主となった現代ではそうもいきません。
特に、子どものいない夫婦が配偶者に先立たれて一人になったり、子どもが独立していればなおさらです。高齢者が家に閉じこもり、社会的に孤立してしまう「独居老人」は、いまや社会問題にもなっています。
老後の不安を解消するためには?
老後の不安の正体がつかめたら、どうすればその不安を解消できるかを一つずつ考えていきましょう。大事なのは、当事者意識をもって能動的に考え、行動していくことです。
老後の不安にはどうやって向き合う?
お金の不安へは、早くから意識して備えることで、解消の可能性はかなり上がります。まず最初にすべきことは、現在と老後の収支を把握すること。
特に退職金と年金支給額を知り、老後の生活の収支を「見える化」しておけば、老後のための貯蓄必要額もおのずと想定できるはずです。加えて、自分、そして家族の介護が必要になる事態を想定し、備えておけば憂いは減らせるはずです。
そして、年金保険料の支払いを滞りなく続けていくことは非常に重要です。年金だけでは備えは十分とは言えませんが、定期的な収入があるかどうかで老後の資金計画は大きく異なります。会社勤めの方はともかく、自営業の方などは注意しましょう。
健康への不安対策は、健康維持のために自己管理をきちんと行なうこと。食事に注意して運動を続け、定期的な健診を欠かさず受けるようにしましょう。
孤独への対策は、「人との交流」がカギとなります。趣味でも仕事でも、地域活動やボランティアでもかまいません。社会的に孤立してしまう状態をいかに避けるかが重要です。サラリーマンの場合には特に、定年前から積極的に準備しておくことが望まれます。
三大不安を解消する特効薬は「働くこと」!
この老後の「三大不安」を一挙に解消できるとして、最近注目されているのが、老後にも仕事を持って働き続けること。
お金の面では言うまでもありません。年金に加えて、たとえば5万でも10万円でも収入があれば、生活はぐっと楽になり、気持ちにもゆとりが生まれます。
健康面を見ても、家で何もせずにじっとしているより、適度な仕事がある方が生活に一定のリズムが生まれるため、心や体の健康に良い影響を及ぼします。通勤が適度な運動になるという面もありますね。
働いていれば外に出る用事も生まれるため、人との関わりが生まれ、孤独にも陥りにくくなります。
なんと言っても、やりがいを感じながら毎日を過ごすことで、心の若さを保つことができます。
まとめ
人生を悔いなく全うするには、老後の不安を上手に克服していきたいもの。さまざまな対策とともに、老後もできるだけ働き続けることを選択肢に加えてもよいかもしれませんね。元気で不安のない老後を目指して、今からできる準備を始めてみましょう。
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