生活機能が低下してしまう!? 「生活不活発病」の原因と対策とは

  • ライフプラン・人生設計
生活機能が低下してしまう!? 「生活不活発病」の原因と対策とは

体力の衰えも感じてきたし、仕事を辞めたらのんびりすごそう――そんな定年後の生活を考えている方もいるのでは。 しかし、定年後には生活不活発病を発症するリスクが。人生100年時代を楽しく生きていくための生活スタイルを考えてみましょう!

この記事の目次

    生活不活発病とは?

    生活不活発病とは?

    久しぶりにスポーツをしたら、捻挫(ねんざ)に。。 病院で患部を固定してもらい、しばらく安静にしていたら、すっかり筋肉が落ちてしまった――これって、ケガをした人の「あるある」ですよね。

    生活不活発病とは、このように長期間にわたって身体を動かさない生活をすることで、身体機能が低下し、心身にさまざまな症状が出ること。名前にある通り、"生活"が"不活発"になることが原因で起こる病気や症状を指します。

    生活不活発病になると、立ち上がったり、歩いたり、階段の上り下りをしたりといった日常生活のあらゆる動作が辛くなってきます。そして、症状はこれだけではありません。

    実はこの病気の怖さは、心身のあらゆる機能を低下させることにあります。日常の動作だけでなく、心肺機能や消化器の機能が低下したり、血栓症にかかったり、さらには周囲に無関心になったり、うつ状態になるなど、精神の機能が低下するリスクもあるのです。

    特に高齢者や持病のある人は、生活不活発病になりやすいと言われています。

    pixta_27488870_M.png

    要注意なのはどんなタイプ?

    「いやいや、自分は体力に自信があるから。まだまだ若者には負けないよ!」と思っているみなさん。年齢を重ねるに連れて、「体力が落ちてきた」と実感したことはありませんか?

    たとえば体重が減ってきたり、筋肉が落ちてきたり、身体のだるさや疲労感を常に抱えていたり――。このような「体力の衰え」や「疲れやすさ」といった加齢によりよる身体機能の衰えは、高齢者が健常な状態から要介護に移行する中間のプロセスとして「フレイル」と呼ばれています。

    つまり、ごく普通の生活をしていたとしても、自分は健康だと思っていても、ミドルシニア世代はいずれ要介護状態に陥るリスクがあるわけです。そして生活不活発病は、たとえ健康な人であっても、生活が不活発になれば十分に発症する可能性があることを忘れてはなりません。

    特に、インドア派の皆さんは要注意。「仕事のない日は家に引きこもり、一日中ベッドの中でだらだら」といった生活をしていると、あっという間に体力が低下してしまいます。

    体力が落ちて、さらに外に出るのがおっくうになり、気がつくと「身体を起こすのもしんどくなってきた」なんてことも起こりかねません。このような悪循環に陥らないためにも、早めの対策を取りましょう。

    生活不活発病の主な症状とは?

    では、生活不活発病になると、どのような症状が出てくるのでしょうか。「全身に影響する症状」「身体の一部に起こる症状」「精神・神経の働きに関する症状」の三つに分けることができます。

    【全身に影響する症状】
    心肺機能低下や消化器機能低下、尿量の増加など

    【身体の一部に起こる症状】
    筋力低下、廃用性骨萎縮、皮膚萎縮、血栓症など

    【精神・神経の働きに関する症状】
    うつ状態、知的活動低下、周囲への無関心、自律神経不安定など

    これら心身のさまざまな症状が同時に少しずつ起こり、結果として、次のような日常の生活動作に支障が起きてくるのです。

    ・筋肉が落ち、関節の動きが悪くなった
    ・座っているだけなのに、なんだか疲れる
    ・時々、立ちくらみがする
    ・食欲が低下し、便秘になる
    ・物忘れが増えてきた
    ・やる気が出ない

    生活不活発病が起こる原因は

    pixta_33977682_M.png

    退職を機とした生活の変化が、生活不活発病を引き起こす?

    周囲を見渡してみると、60代でも生き生きと生活している人もいれば、40代でも家に閉じこもって生活不活発病予備軍のような生活をしている人もいます。なぜ、このような違いが出るのでしょうか? ここでは、生活不活発病が起こる原因を探っていきましょう。

    【原因①】することがない
    退職など環境の変化が原因ですることがなくなり、身体を動かす機会が一気に減った。

    【原因②】動けない・動かない
    病気やケガで安静状態。身体を動かすことができない状態が続く。

    【原因③】やる気がない
    外に出なくても生活ができる等の理由から、生活の動作が減ってしまう。


    これらの原因の中でミドルシニア世代が最も注意したいのは、【原因①】です。退職を機に一気に生活動作が減り、生活不活発病を引き起こす要因となってしまうためです。

    仕事をしていれば、外に出る用事があるうえに、人と関わりながら仕事をする中で、時にやりがいを感じることも。

    しかし、退職によって外出するための理由がなくなってしまうと、自然と周囲との関わりも途絶え、1日のほとんどを家の中で過ごすように。結果として生活不活発病を引き起こしてしまうのです。

    生活不活発病を予防・改善するには?

    pixta_34239151_M.png

    冒頭で説明したとおり、生活不活発病は"生活"が"不活発"になることで起こります。つまり、"生活"を"活発"にすることが、生活不活発病を予防・改善する上で最善の方法です。

    生活不活発病にならないためにも、また、生活不活発病になった場合は少しでも改善できるよう、日々の生活動作の見直しを行っていきましょう。

    活発な生活を長続きさせるコツは、苦手なことに我慢して取り組むのではなく、好きなことや楽しいことに取り組むことが大切です。

    【生活不活発病予防・改善のポイント】
    ・規則正しい生活を送る
    ・こまめに身体を動かす
    ・「年だから無理は禁物」と思わない
    ・趣味を楽しむ
    ・外出する機会を増やす

    外出して身体を動かすのはいいけれど、家に帰ってきた瞬間、疲れて何もできなくなってしまうんだよね――家に引きこもりがちな生活をしていた人の場合、最初は確かに辛いかもしれません。それでも、毎日少しずつ続けていくことが大切です。ゆっくりお風呂に浸かるなどして、一日の疲れを取りましょう。

    人生100年時代においては、仕事を続けることが最も効果的?

    pixta_24062725_M.png

    家から出ない人の多くは、「そもそも外に出る用事がない」という人が多いもの。特に退職した人の場合は、その傾向が強いのではないでしょうか。それでは、どうすれば外に出る用事を作れるのでしょうか?

    その答えの一つは「再就職」です。

    定年退職後も自分に合った仕事を探し、働き続ける人はたくさんいます。また、新しい職場には、新しい出逢いがあります。仕事をすることで「会社に貢献している」「社会参加している」という実感も得ることができます。

    仕事を見つけるのが難しい、という方であれば、パート・アルバイトがオススメです。「長年部長を勤めた自分がアルバイトなど..」と考える方もいるかもしれません。

    まとめ

    人生100年時代における退職後の時間はとても長いもの。体面やこだわりを捨てることで、新しい楽しみが見つかるのであれば、それはきっと悪くはないでしょう。

    もちろん、社会との関わり方はそれぞれ。地域活動やボランティアに参加したり、習い事を始めるのも、良い方法でしょう。人生100年時代、皆さんの人生を輝かせるためにも、外に出る機会を積極的につくって、社会と関わっていきましょう。

    マイナビミドルシニアに会員登録(無料) マイナビミドルシニアに会員登録(無料)

    記事をシェアする

    • Twitter
    • Facebook
    • Line

    関連する求人

    60代からのお仕事

    あなたへのオススメ記事

    中高年の半数以上が地方移住に興味あり!理由や移住支援金ランキング

    中高年の半数以上が地方移住に興味あり!理由や移住支援金ランキング

    地方移住は生活費を抑えられたり、自然に囲まれた生活を送れたりと、ミドルシニア世代にも多くのメリットがあります。今回は地方移住に興味がある人の割合から、移住支援金制度の概要をご紹介します。地方移住を検討している人は、ぜひ最後までお読みください。

    • ライフプラン・人生設計
    • 2024年12月18日
    人口構造の変化と人材不足が引き起こす「2030年問題」とは?

    人口構造の変化と人材不足が引き起こす「2030年問題」とは?

    人口の変化によって日本の社会や経済に影響を及ぼすとされている、2030年問題。少子高齢化が進み、それによって引き起こされるさまざまな社会問題の総称を指しています。2030年問題では、日本の労働市場の大きな転換点となるとされており、日本で生きる私たちが向き合わなくてはならない課題です。本日は2030年問題をより深堀していきましょう。

    • ライフプラン・人生設計
    • 2024年12月12日
    実家の遺産を相続したくない | 相続放棄の流れや注意点を解説

    実家の遺産を相続したくない | 相続放棄の流れや注意点を解説

    ミドル・シニア世代で親や親族の遺産相続に関して悩んでいる人は多いのではないでしょうか。今回は遺産相続の放棄を検討している人に向けて、相続を放棄する際のメリットやデメリット、検討している人の意見などをご紹介します。

    • ライフプラン・人生設計
    • 2024年12月 9日
    2024年10月から年金が増えるって本当?在職定時改定で増える人・減る人、収入別シミュレーションもご紹介

    2024年10月から年金が増えるって本当?在職定時改定で増える人・減る人、収入別シミュレーションもご紹介

    令和4年から開始した在職定時改定制度は、65歳以上の在職中の老齢厚生年金受給者の年金額を毎年10月に改定し、過去に納めた保険料を年金額に反映させる仕組みの制度です。在職定時改定制度について、基本情報から年収別シミュレーション、注意点などを解説。また、在職定時改定後に再就職する際の確認ポイントも紹介します。

    • ライフプラン・人生設計
    • 2024年12月 6日
    65歳になっても年金が受け取れない?年金をもらえる条件や受け取る方法をご紹介

    65歳になっても年金が受け取れない?年金をもらえる条件や受け取る方法をご紹介

    国民年金保険は、20歳から60歳未満までの人に加入義務がある制度です。原則65歳になると受給ができますが、場合によっては受給年齢に達しても受け取れないことがあります。今回は、年金制度の基本から受給要件について、年金を受け取るためのポイントなどをご紹介します。

    • ライフプラン・人生設計
    • 2024年11月20日
    ミドルシニア・シニア世代を襲う突然の出費!特別費を上手に管理&資金を準備する方法

    ミドルシニア・シニア世代を襲う突然の出費!特別費を上手に管理&資金を準備する方法

    ミドル・シニア世代は、突然の病気やリフォームなど、急な出費が必要な場面が増えてくる可能性があります。今回は普段の生活費とは別に必要となる、特別費の準備方法や管理方法をご紹介します。家計管理や急な出費に備えるために、ぜひご一読ください。

    • ライフプラン・人生設計
    • 2024年11月15日

    おすすめ・シリーズ記事

    人気記事ランキング

    おすすめの求人はこちら

    活躍中の年代から探す
    雇用形態から探す
    募集条件から探す
    働き方から探す
    福利厚生から探す
    職種から探す
    マイナビミドルシニアに会員登録(無料) マイナビミドルシニアに会員登録(無料)