亭主元気で留守がいい?夫の定年退職後に多く発症する「主人在宅ストレス症候群」とは?

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亭主元気で留守がいい?夫の定年退職後に多く発症する「主人在宅ストレス症候群」とは?

「タンスにゴン」のCMで使われ、1986年の流行語にも選ばれた「亭主元気で留守がいい」。冗談のようですが、夫に対するストレスは社会的な問題になりつつあり、症例としても認知されています。熟年離婚も招く「主人在宅ストレス症候群」の症状と対処法を見てみましょう。

この記事の目次

    主人在宅ストレス症候群とはどのような症状?

    「主人在宅ストレス症候群」とは、夫が自宅にいることに対して妻がストレスを感じる病気の一種です。

    夫の存在によりストレスが生じ、ひどいときには心身の健康状態に不調をきたして日常生活に支障が起こることも。多くは夫の定年退職に伴うライフスタイルの変化を受けて生じる症状でしたが、定年前においても日々の生活で同様の症状が発生することもあるようです。

    夫の帰宅時間が近づくと何となく体調が優れない、日曜日が来るのがこわいといった漠然とした症状も、主人在宅ストレス症候群が疑われるサインと言えます。気をつけたい心身の変化をより詳しく見てみると、以下のような項目があげられます。

    • ・何となく心が晴れず、憂鬱になる
    • ・イライラが強く、何をしていても落ち着かない
    • ・不安障害や強迫性障害が疑われるメンタル不調
    • ・吐き気や胃腸の不快感
    • ・食欲不振 ・血圧が高くなる
    • ・動悸や息苦しさ、ぜんそく
    • ・お通じが滞る、またはお腹を下すなど過敏性腸症候群に似た症状

    「気の持ちよう」という単純な言葉で片づけるには余りにも辛い症状も多く、生活の質を妨げる要因です。更年期障害と併発すると症状を悪化させることもあり、夫婦にとって真剣に取り組みたい課題と言えます。

    どんな夫が原因になりやすい?

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    妻のストレスとなり得る夫の特徴としては「男は仕事・女は家事」と、昔気質の考えを持っている方が目立つようです。

    自分では何も動かず妻にあれこれ指図するため、女性に負担がかかります。お風呂に入る時にタオルや下着の準備を任せる、リモコンがすぐ側にあっても「とってくれ」と頼むといった、自己中心的な振る舞いが目立つ男性はやや注意が必要でしょう。

    自分の休日に妻が外出しようとすると途端に不機嫌になるといった、相手の行動を束縛するあり方も危険です。自分の飲み会や会社の付き合いは棚にあげて、妻を束縛する姿勢は不満をあおるリスクがあります。

    発症しやすい主婦はどんなタイプ?

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    もちろん、女性の方にも危険因子はあるようです。「夫を気遣うのは妻として当然」と、相手の顔色をいつも窺い行動していく結果として、知らず知らずのうちにストレスが溜まっていくケースがあります。

    「男性に家事をさせては主婦失格」と、家庭のことは何でも自分がやらないといけない状況に自らを追い込むことや、「夫がいるから家計が成り立つ」「妻は夫をたてるもの」など男性優位の関係を当然のもののように考える気持ちも、ストレス要因になるようです。

    このように夫婦の力関係が明確化していて、亭主関白を容認するあり方が続いている場合には、お互いの関わり方を見直していく必要があります。社交的で家庭以外の居場所を維持できている場合にはストレス発散できる可能性がありますが、社会的なつながりを持たない状況ではストレスは溜まる一方です。

    夫との関係を気にせずに愚痴を話せる友人がいるか、時間を忘れて打ち込める趣味があるかなどによっても、リスクの度合いは変わってきます。

    主人在宅ストレス症候群を回避するためにこころがけることは?

    症状が悪化した結果、最悪熟年離婚にまで至るケースもあります。夫が働いていることで夫婦のバランスを何とか維持していた状態が、毎日同じ空間にいることで妻の心に限界が来てしまうことが発端でしょう。

    対策としては、定年退職後にも何らかの仕事を続けるなど、以前と同じ関わり方を維持していく方法があります。フルタイムの仕事でなくとも、週に何日か働くスタイルのアルバイトをはじめるだけでも違うはずです。そうするなかで、2人で過ごす習慣へと徐々に切り替えていく助走期間を経ることにより、夫婦の関わり方を見直していくこともオススメです。

    現役時代の貯蓄で家計が安定しているようなら、妻の外出機会を提供するのも一案です。夫が留守番をしている間にカルチャースクールへ通うといった気分転換の時間を作ってあげると、ストレスを軽減できます。

    女性の側も夫中心のライフスタイルから一歩離れて、自分の人生を楽しむ気持ちが重要です。「留守番を任せる相手ができた」くらいの気持ちで退職日を歓迎し、家庭を離れてリフレッシュする時間を作りましょう。

    「熟年離婚」はお互いのリスクが高いため避けるべき

    熟年離婚を招く背景として、子どもの手が離れることも1つの要素にあげられます。男性が60歳〜65歳と定年退職を迎えると同じくらいのタイミングで、子どもの大学卒業・社会人デビューを迎える家庭も多々あります。

    「我が子が成人するまでは」と離婚を踏みとどまっていた女性も今後の身の振り方を考え始めるようになり「そろそろ私も」と、新しい生活への意欲を見せた結果です。夫の知らないところで妻が我慢しているケースは多く、他人事ではありません。夫婦の関係を今一度見直して、関わり方を改めていきましょう。

    まとめ:お互いを尊重し合う関係を築くことを心がけよう

    熟年離婚は25年間で約7割も増加している状況にあり、これから定年退職を迎える年代のご夫婦にとっても必ずしも無縁とは言い切れません。

    退職金で金銭的な余裕ができるとは言え、世帯が二つに分かれることは支出の増加を招くため、2人の生活を維持する手段としては心もとないケースが多く、熟年離婚の末に老後の貧困問題に直面する方もいます。

    縁あって結婚、長年連れ添ってきた相手とは、定年退職後も円満な家庭を築いていきたいと考えるのが通常でしょう。オシドリ夫婦とは言わないまでも、相手を尊重する気持ちを持つことが良い関係を維持するコツです。いつからでも遅くはないので、夫や妻との接し方を今一度見直してみてはいかがでしょうか。

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