定年後の再就職はみんなどうやって探しているの?仕事の探し方について

  • キャリアを考える

長かった仕事人生を終えて、いよいよ定年退職。これからはゆっくりとした生活を送りたいところですが、年金を満額で受給できるのは65歳から。「まだまだ元気だし、定期的な収入を稼ぐためにも、働きに出よう!」という方に向けて、60歳からの仕事や再就職についてご紹介いたします。

定年後の就職先を探す方法、5選!

定年後の再就職先を探す方法は、大きく5つ挙げることができます。

再雇用制度の活用

1つ目は、一度退職をしてから再び同じ会社に雇用される「再雇用制度」の活用です。近年、企業側は希望者がいれば再雇用することを義務化されたため、最も一般的な選択肢かもしれません。慣れ親しんだ環境・仕事内容のため、スムーズに働くことが可能です。しかし雇用条件は見直される場合が多いため、年収が現役時代の約20%~50%程度低下することも。さらにポジションも大きく変更されてしまうため、中にはストレスを感じる人もいるようです。

知人からの紹介

2つ目は知人からの紹介です。知人から仕事内容や職場環境などを詳しく聞くことができるため、比較的働きやすく、理想的な転職方法と言えるかもしれません。そのため、人材を求めている知人がいれば、打診してみるのもいいかもしれません。

人材紹介会社の活用

3つ目は民間の人材紹介会社の利用です。顧問などの仕事も紹介会社によっては扱っているため、いろいろな仕事から選択することができ、選択肢は幅広いです。しかし、自分の経験・スキルと企業側のニーズが噛み合わなければ紹介自体受けることができないため、紹介会社任せにするのは注意が必要です。

シルバー人材センターの活用

4つ目はシルバー人材センターの活用です。地域毎に1つずつ設置されています。公益社団法人として運営されているため信頼できますが、仕事の紹介を受けるには2~3000円程度の年会費がかかります。多くの仕事が時給・日給などの給与ベースではなく、配分金(報酬)の形式を取っているため、高い収入を期待することはやや難しいかもしれません。

シルバー人材センターのしくみ

シニア向け求人情報サイトの活用

5つ目は求人情報サイトで仕事を探すことです。これまで求人情報サイトは若年層向けのサービスが主であり、シニア向けの求人情報サイトは不足していました。しかし、マイナビミドルシニアなどのサービスも出てきており、様々なシニア向けの求人を探すことが可能になりました。

60代以上活躍中の求人・転職情報

こちらの記事も参考になります。
60代女性に関する調査。仕事の探し方と、求人を見つけた後の行動について
60代男性に関する調査。仕事の探し方と、求人を見つけた後の行動について

どんな仕事が人気なの?

65歳以上の74.2%は非正規で働いている!

再雇用制度を利用せずに60歳からの仕事探しを行う場合は、一体どのような職業に就くことが多いのでしょうか。職種は様々ですが、平成28年版厚生労働白書によると65歳以上の74.2%は非正規での仕事についており、嘱託社員やアルバイトのような働き方が多いといえます。

正社員として働くことも場合によっては可能ですが、誰にも負けないほどの強みがあることや、フルタイムで働き続ける体力などが求められるため、ハードルは高めです。

シニア層が求められる職種は?

人気の職種としては、ビル管理やマンション管理があげられます。これは経験値の高さや、人当たりのよさといったシニアならではの要素が、雇用主から魅力的とされるためです。しかし競争率は高いため、ビル管理であればボイラー技士や消防設備士といった資格を、マンション管理であれば、建築物環境衛生管理技術者やマンション管理士といった資格を保有しておくと就職が決まりやすくなる傾向があります。

ビル・設備管理の求人・転職情報

マンション管理の求人・転職情報

ほかに人気の高い職業としては警備員があげられます。初めての場合は、仕事に関連する法律を学ぶ基本教育と実務研修をそれぞれ15時間ずつ受ける必要がありますが、基本的にはこれだけで警備員として働くことが可能です。求人ニーズは高いため、スムーズに仕事を決められるケースが多いです。

施設警備の求人・転職情報

シニア層を積極的に雇用している企業も

一方で、資格がなくても外食や販売などで働く方法もあります。たとえば、モスバーガーやドン・キホーテなどの企業では、シニア層を積極的に雇用しています。もともとは若年層の人材不足によってシニア層へ雇用をシフトしたという背景があるのですが、シニア層のほうが無遅刻無欠勤で働いてくれる人が多く、さらに朝早い時間帯も苦にならないなどの強みも発揮されています。お客さんからの評判もいいということで、安定した雇用が続いています。

こちらの記事も参考になります。
老後の仕事、何にする?シニアに人気の仕事ランキング

経験を活かすべきか、求められる仕事につくべきか

60歳からの仕事を新たに探していくときには、どのような点に気をつければよいのでしょうか。

まずは、今までの経験を活かせる仕事を探すことが優先しがちですが、採用は相対的なものです。若者には知識や技能をどんどん身に付けていくポテンシャルがあり、雇用する側としても長く働いてくれる期待をしているため、やはり若者との競争には難しさがあります。

そこで今までの経験にとらわれずに、まずは自分にできることを列挙してみましょう。先ほど紹介した警備員や販売員といった仕事は、比較的仕事につきやすい職種です。働き始めるのにハードルが高ければ、再就職するのも大変ですから、まずは働き始めるのに敷居が高くない職種から探すことも検討するとよいでしょう。

自分の都合に合わせて働ける、という魅力も

そして同時に自分のライフスタイルを見つめ直すことも大切です。今まではひたすら仕事に取り組んできた生活も、これからは新しい生活へと変わっていくことになります。仕事を辞めても人生は長いのですから、第二の人生をどのように過ごしたいのかをじっくりと考えてみましょう。

その理想的な人生が送れるようにするためには、どのような働き方が適しているのかという視点から考えを進めることで、仕事も選びやすくなります。

前述の労働力調査によると、60歳以上の非正規労働者が現在の仕事に就いたもっとも多い理由は「自分の都合のよい時間に働きたいから」と答えており、仕方なくアルバイト、というよりも適度な働き方を実現できるのがアルバイトだった、と捉えています。

もちろん、必ずしも雇用される必要はなく、自営業などのような働き方も可能です。今までできていなかった夢を実現させるチャンスかもしれません。

業務委託の求人・転職情報

こちらの記事も参考になります。
「定年後の働き方の代表格!シニア歓迎アルバイトの探し方」

まとめ:理想的な第二の人生を送るために

定年後の再就職としては、再雇用制度の活用が一般的ですが、新たな仕事につく選択肢を選んだ方も多くいます。また、60歳からの仕事では、マンション管理や警備員、販売員が人気です。

しかし、どのような職に就くにしても大切なことは、自分には何ができるのか、そしてどのような人生を送っていきたいのかを追求することが大切です。

もしこれまでやりたいと思っていたことがあるのならば、これを機に挑戦するのもよいでしょう。

関連記事

シニア世代でも正社員で働きたい!正社員ならではのメリットを再確認 知っておきたい再雇用制度とその注意点【社労士監修】 老後は大丈夫?肩車型社会へ進む中で、未来のためにできること 定年後の貯金、徹底解説!不安を解消するにはいくら必要? 何歳になってもチャレンジできる人が輝ける・活躍できる会社にするため、再雇用制度の年齢を80歳に設定|ミドルシニア社員採用事例インタビュー

記事をシェアする

あなたへのオススメ記事

教育訓練給付とは?制度を活用して転職や起業など第2の人生を謳歌しよう

教育訓練給付は一定の条件を満たす雇用保険の被保険者が、厚生労働大臣指定の教育訓練講座を受講すると、終了までにかかった費用の一部を給付金として支給してもらえる制度です。ミドルシニアでも第二のキャリアを形成する際に活用できる制度のため、これからさらに上のキャリアを目指したい人にもおすすめの制度です。今回は、教育訓練給付の概要や教育訓練支援給付との違い、申請方法についてご紹介します。

  • キャリアを考える
  • 2024年11月18日

第二の人生をどう生きるか。55歳で考えたい定年後の過ごし方

ミドルシニア世代にとって気になることの1つは、定年後の第二の人生をどう過ごすかでしょう。特に定年が近づく55歳以降では、悩んでいる人も多くいます。今回は60歳以降も仕事を続ける人はもちろん、退職をして過ごす人に向けて、それぞれの生活に必要な準備、定年後の生活を充実させるためのポイントを解説します。

  • キャリアを考える
  • 2024年11月11日

同世代はどうやって仕事を探してる?|ミドル・シニア世代の仕事探し事情を調査 #1

ミドルシニア/シニア層を対象とした調査から、身近な人には聞きづらい同年代の仕事探し事情をチェックしてみませんか?今回は、ミドル・シニア世代がアルバイトをする目的や仕事の探し方、重視する条件などをご紹介します。

  • キャリアを考える
  • 2024年11月 7日

あなたにあった働き方を選ぶ