面接で好印象を与えられるよう、ビジネスマナーは完璧に!
企業の採用担当者と皆さん自身が初めて対面する場となる個人面接。面接の前に気を引き締めるだけではなく、社屋に入る瞬間から「見られている」という意識をもって、細心の注意を払うことが大切です。
「冬場はコートを脱いでから受付に向かう」「携帯電話の電源をあらかじめ切っておく」など、ビジネスマナーを守るようにしましょう。
そして、第一印象を良いものにするためにも、「自分の強みをアピールして、是非採用してもらおう!」と前向きな気持ちで面接に臨みましょう。
当たり前のことですが、面接時の対応がぞんざいだと感じられれば、相手に悪い印象を与えてしまいます。採用担当者は、面接の受け答えだけでなく、挨拶や身だしなみのマナー、話すときの態度・仕草や表情、目線などもチェックしています。面接時の質問を想定して、受け答えの練習をすることはもちろん大切ですが、その前に、まずはビジネスマナーに沿った対応ができるようにしておきましょう。
特に中高年層の方の場合、入出時の挨拶が小さかったり、覇気がない傾向が見られます。無理に笑顔を作る必要はありませんが、元気よく気持ちを込めて挨拶をするだけで、相手の印象が良くなりますし、その後の面接もスムーズに進みやすくなります。
笑顔でハキハキとした受け答え――面接官に好印象を与えるポイントは?
では、面接官に好印象を与えるには、具体的にどのようなことを心がけていけばいいのでしょうか。例えば、入出時の挨拶の仕方。
下の図にあるように、姿勢を正し、背筋を伸ばした状態で角度を曲げると、きれいなお辞儀ができます。鏡を見ながら練習すると、知らず知らずのうちについていたお辞儀をするときの"癖"がわかり、きれいなお辞儀に正すことができます。
また、表情や話し方もこの機会に振り返ってみましょう。目線は下がっていませんか。「なかなか笑顔で話せない」という方は、口角を少し上げるだけでも、相手への印象が良くなります。
また、口を大きく開けずにボソボソと話してしまうと、印象が悪くなってしまいます。歯切れ良く話せるよう、下の図を見て是非、練習してみましょう。
転職面接では、面接時に会社概要や仕事内容の説明があるケースが多いので、無表情で説明を聞くのではなく、相槌を打ちながら興味のある表情を心がけることも好印象を与えるポイントです。
姿勢トレーニング
背筋を伸ばす
背中にものさしが入っているイメージで、胸を張り、肩を落とさずあごを引く。
背筋を伸ばしたまま、35度の角度でお辞儀をする。
背筋を伸ばした状態で、椅子に向かって歩く。
椅子に座る。お腹に力を入れて前かがみにならない。
背筋を伸ばし、顔は正面を見る。
表情・発声トレーニング
口角を意識して上げる(30秒間維持→5秒休み→30秒間持続)。
「アイウエオ」と腹筋に力を入れて明瞭に発声する(10回)。
入室時を想定し、立った姿勢で目を見開き、口角を上げて「失礼します」とお腹から声を出す(5回)。
次に口角を上げた表情で、目を見開き歯切れの良い声で氏名を名乗る。「〜と申します。よろしくお願いいたします」(3回)。
口角を上げた状態で、面接担当者の話を聞いているつもりで相槌を2回打つ。
イメージトレーニング
日ごろの対人関係でも、相手に好感を抱くように接する
- 厳しそうな面接担当者でも、実は思いやりがあり、温かい人だとイメージする。
- 忙しい中、自分のために時間を割いて面接をしてくれることに感謝する。
応募企業で活躍する自分の姿を想像する
- 生き生きと働く自分をイメージする。
- 素敵な仲間に囲まれ頑張っている自分をイメージする。
自分磨きを楽しんで、より魅力的な人間になろう。
「なぜ、ここまで身だしなみやマナーを気にしないといけないのか」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。「見た目だけで、自分を判断されたくない」という意見もありますが、「面接が面接官と対面し、自分を知ってもらう場である」とするならば、やはり、着古したヨレヨレのスーツよりも、クリーニングをしてパリッとしたスーツを着て臨みたいものです。
何よりも、面接する機会を設けてくれた応募企業に感謝の気持ちを抱くだけでも、面接での態度が変わってくるでしょう。そう、マナーや身だしなみは、相手への気持ちを見た目や態度というカタチとして示すものなのです。
逆に考えれば、身だしなみに気を配り、見た目を良くしていけば、「中高年層の皆さんの良さに気づく採用担当者が増える可能性がある」ということです。自分磨きだと思って、転職活動をするこの機会に是非、身だしなみを一通りチェックしてみましょう。スーツやカバン、靴など身につけるものをチェックするのはもちろん、無精ひげを剃ることも大切です。
また、なかなか気づきにくいのが体臭です。過剰に香水をつけたら逆効果ですが、清潔さを心がけるだけでも、相手への印象がグッと良くなります。
そして、もう一つ。中高年層の皆さんの場合、人柄や価値観といった内面も見た目にあらわれます。「今さら自分磨きしたって......」と諦めてしまっている人よりも、「少しでもより良い人生を送れたら」と前向きに努力している人を比べたら、後者の方がより魅力的に感じられるはず。
皆さんの人生を、これから先もキラキラと輝かせていくためにも、前向きな姿勢を忘れずに抱き、自分磨きを楽しみましょう。
男性
髪型
- 清潔感のある髪型に。フケや寝癖に注意する。
- 原則として派手なカラーリングは避ける。
顔
- 髭の剃り残し、目やにに注意する。
服装
- 紺系、グレー系のスーツが無難だが、地味になり過ぎると覇気がないイメージを与える。ネクタイは、派手過ぎない範囲で明るめのものを着用し、きちんと締める。
- ワイシャツは白でなくても構わないが、清潔感を意識する。
- 肩にフケがないことを確認する。
- ズボンはしわなく折り目がきちんと付いているものを着用する。
- 靴は磨いたものを履く。
女性
髪型
- ロングヘアは、一つにまとめてすっきりしたイメージに。
- カラーリングをしている場合、派手な色は避け、根本の色が目立たないようにする。
- 活動的なイメージを与えるよう、前髪の長さに注意する
- フケや寝癖に注意する。
顔
- ナチュラルで明るいメイクをする。
- 口紅の色も自然で明るいものにする。
服装
- 紺系、グレー系のスーツ、もしくはブラウスとスカートを着用する。
- スカート丈は、ひざの中心が隠れるくらいのものを着用する。
- 派手なアクセサリーやマニキュアは避ける。
まとめ
- 面接は採用担当者と初めて会う場。まずは身だしなみやマナーを心得よう!
- お辞儀の仕方や発声の仕方を練習するだけでも、相手への印象が変わる!
- 清潔感のある身だしなみを心がければ、魅力度がさらにアップ!
記事作成日:2017年10月3日
文責:マイナビミドルシニア編集部
趣味はおしゃれ!?~同窓会を機に、身だしなみに気を配るようになったHさんの場合
よく、「学生時代の友達は一生ものだ」なんて言いますが、社会に出るとなかなか会う機会がないんですよね。だから、中学の友達から同窓会の連絡が来たときは本当に嬉しかったですね。30年ぶりですよ。出席に丸をつけ、かつての仲間たちとの集いに向かいました。
「年取ったなぁ」「おまえもだろ」なんて言い合って、楽しかったですね。でも、帰りの新幹線の中で、車窓に映った自分を見て思ったんです。「自分が一番老けたな」って。なんか、かつての友達はみんな活き活きとしていたんですよね。同じ中学を卒業したけれど、今は住んでいる場所も違うし、そもそも仕事も人生もまったく違う。でも、みんな笑顔でまぶしかった。
自分は東京に出てきて、家族のためにがむしゃらに働いてきて。でも、みんなに笑顔で話せることなんて、何もなかった。同窓会ではみんなに言えなかったけれど、実は転職活動中で、内定がなかなかもらえなくて卑屈になっていて――。
なんかとてつもなく悔しくなって、それで翌日、デパートに行ってお店の人に勧められるがまま、スーツを購入。調子に乗ってそのまま散髪屋に向かいました。
おしゃれしたのなんて、何年ぶりでしょう。なんか気持ちまですっきりしてきました。家族の評判も良くて、道ですれ違った近所の人に驚かれちゃいましたよ。「見違えましたね」って。これ、褒め言葉ですよね? 以来、身だしなみに気をつけるように。心なしか、気持ちも前向きになったような気がします。
「来年も集まろうな」と約束したので、次の同窓会ではかっこよくなった自分を仲間に見せつけてやるつもりです。それまでに、新しい就職先が見つかるといいな......。
(江戸川区 Hさん 45歳)