50代女性の転職体験談 | 自分の年代を採用する求人市場感は、メールマガジンで把握する!
- 自分の相場を知る
- 公開日:2019年10月16日
ご主人と二人のお子様と暮らす井川さん53歳(仮名)。建築業界で事務の仕事を長く経験されてきましたが、50歳を過ぎての転職活動で年齢の壁を感じました。それを乗り越え新たな仕事に就くまでについてお話を伺いました。
この記事の目次
13年間の専業主婦生活。しかし、働きたい気持ちは常に持っていた
近畿で生まれた私。幼い頃に父を亡くし、兄弟三人を母が一人で育てあげてくれました。とはいえ、経済的に裕福ではないため、地元の短大へ進学。新卒時は建材メーカーへ応募し、入社が決まりました。
建材メーカーでは事務として受発注業務や電話応対などを担当。入社して8年ほどして社内結婚。翌年、出産をきっかけに退職。その後、夫の転勤で東北へ引っ越しし、そこで第二子を出産。都合13年に渡って専業主婦として暮らしました。
しかし、働きに出たい気持ちは常にありました。社会とのつながりを家庭以外でも持っていたい、お金を自分で稼いで自立したい。このような気持ちは、いつも働く母の姿を見ていたことの影響なのかもしれません。
とはいえ、子どもがまだ小さいことや、いつ夫が転勤になるかわからない状況。パートで半年ほど働いたことはありましたが、腰を据えて働くことはできませんでした。
東北に8年ほど住んだ後、東京へと転勤。そうして下の子が小学4年生、上の子が中学生となり、子育ても少し一段落。今なら働きに出られるかも、と感じたのが39歳のときでした。
久しぶりの働く毎日は、充実感を感じられた
ハローワークで仕事探しを開始。子どもに何かあったときすぐに家に戻れるよう、家から遠くない地域で仕事を探しました。
そうして見つけたのが建設会社での事務の仕事。亡くなった父も、母も建設業界で働いてこともあり、業界に親近感を持っていたため応募。無事採用となりました。
契約社員として採用され、勤務時間は10―14時の短時間。配属されたのは人数が少ない部署であったため、事務作業の他に地権者との交渉など幅広く業務を担当しました。
一体感のある部署だったこともあり、頼られることにやりがいを感じ、充実して働いていました。なんと言っても、久しぶりに家から離れ働く日常は楽しいもの。生活にもハリがあり、楽しさを感じていました。
しかし、残念ながら5年経った時点で契約は満期となり退職。3ヶ月ほどゆっくりした後、仕事探しを再開。ハローワークで見つけた建設会社の事務の仕事が決まりました。
この仕事はアルバイトなのですが、契約が変則的。6ヶ月働いた後に一度契約が終了。そして半年休んだ後にまた半年の契約が結ばれるというもの。仕事自体は面白く、働く環境も満足していたのですが、1年のうち6ヶ月しか働けないというのも生活のリズムも悪いため、新しい仕事を探すこととしたのです。
50歳での仕事探し。年齢不問は建前ばかり。厳しさを実感する
またハローワークで仕事探し。見つけたのは建設会社の工事現場に常駐する現場事務でした。初めての現場仕事で不安はありましたが、これまで「建設業界で事務仕事していたのなら大丈夫」という面接での言葉を信じ、入社を決意。契約社員として採用されました。
働いて感じたのは、現場の仕事は忙しいということ。朝は8時半から始業で、帰るのは21時頃。事務は自分一人のみ。さらにこれまで経験したことのない経理を担当するようになったためやることは多く、遅く残業することもしばしばでした。
ちょうどその頃娘が受験を控えていたこともあり、家に居てあげたい気持ちが強かったのですが、なかなかそうもいかない状況に。もどかしさを感じましたね。
そんな忙しい日々を5年間過ごした後、契約が満了。お願いすれば契約を延長してくれる望みは高かったのですが、完全なる男社会で過ごしていたため、違う環境で働きたいという思いがあり、退職を選びました。
そうして新たな仕事探しを始めたのが51歳のとき。娘も無事大学に入学したため、近場ではなく広い範囲で仕事を探せる。選択肢も増えたのだから、すぐに仕事は見つかるのでは、と思っていました。
しかし、仕事が決まらない。ハローワークで20社以上応募しましたが、面接に進めたのはたったの3社のみ。年齢不問と書いているにも関わらず、結局は年齢が理由で門前払いばかり。年を重ねてからの仕事探しの厳しさを実感しました。
自分の年齢でも採用される仕事が、メールマガジンから理解できた
友人に派遣の働き方を教えてもらい登録も行いましたが、どこか派遣という働き方に違和感を感じ、ハローワークで直接雇用の仕事を探し続けました。
ようやく採用が決まったのは、とある業界団体での事務の仕事。給与は最低賃金に近いものでしたがあまり文句は言えません。ひとまず置かれた環境で頑張ってみることにしました。そうして配属されたのは、10人程度の部署で全員が女性。これまでは男性しかいない環境だったのに、今度は真逆の環境。
前職の現場では忙しい毎日を過ごしていましたが、人間関係などでストレスを感じることはありませんでした。しかし、新しい職場はいわゆる女性社会。人のことを気にする人が多く、いつも誰かがイライラしている。人間関係のストレスを感じる職場でした。
「ようやく決まった仕事だし」と1年ほど続けていましたが、徐々に新しい仕事を探してもいいかなという気持ちが湧くように。しかし、前回の仕事探しの際、年齢に加えて「職歴にブランク」があったことがネックとなったため、働きながら次の仕事を探すことにしました。
そうしてスマホで「50代 求人」などと検索していたところ、求人サイトのマイナビミドルシニアを見つけたのです。
早速会員登録。メルマガで求人を受け取りながら、紹介される求人を見ているうちに、自分の年代が採用される仕事が理解できるようになってきました。
より好みして採用されないよりも、自分が必要とされる環境で働いていたい
そうしてマイナビミドルシニアを通して中高年の採用市場感を把握してからは、自然と事務の仕事にこだわるのをやめ、他の職種も見るようになりました。そして気になった求人5件に応募したところ、なんとそのうちの2つから内定をいただいたのです。
入社を決めたのはコールセンターの仕事でした。経験はありませんでしたが、長年電話応対はやってきたことを面接で伝えたところ、その経験を評価いただいたようです。そうして、女性ばかりの職場を退職し、新たな仕事を見つけることができたのです。
様々な求人サイトを閲覧しましたが、求人の種類も量も他の方がずっと多いものでした。でも、ハローワークで仕事を探していたときのことを思いだしました。年齢不問と書かれているのに、応募したら年齢で落とされる建前だけの年齢不問求人だったこと。
マイナビミドルシニアに掲載されている求人の種類は多くない。でも、採用される可能性があるのはこれらの仕事なんだ、ということを理解しました。送られてくるメールマガジンの求人を見ていると、中高年世代の職探しの現実を見ている気になります。
まとめ
これまでの会社のお友達と仕事探しについて話すこともありますが、この現実についての受け止め方は様々です。特に大学を出ている方などは「なんで私がそんな仕事に」という反応を示すこともあります。
しかし、私はより好みばかりして仕事に就けないよりは、自分を必要としてくれる環境で働き続けていたい。そうして、事務にばかりこだわっていた考えを変え、行動に移したところ仕事を決めることができました。これが今の身の丈にあった仕事なのだ、そう納得しています。
・・・しかし、正直なことを言うと、職場の方達が若い方が多いため、少し馴染みづらいなという気持ちも感じています。とはいえ、子どもがアルバイトを辞めようとしたときに「すぐにコロコロ仕事を変えないの!」と言った手前もあり、もう少し頑張ってみようと思います。
いざというときによい仕事を見つけられるよう、マイナビミドルシニアから送られてくる求人情報に目を通す毎日がこれからも続きそうです。
※年齢は2019年10月取材当時のものです