50代男性 営業の転職体験談 | 会社でくすぶるくらいなら転職を。こだわりを捨てれば、選択肢は広がる

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50代男性 営業の転職体験談 | 会社でくすぶるくらいなら転職を。こだわりを捨てれば、選択肢は広がる

工学部を卒業後、メーカーで様々な国に駐在経験を持つ小松田さん(仮名)58歳。早期退職に応募した後、入社した企業でミスマッチを感じ、57歳にして再度の転職を選びました。転職を成功させたポイントや、中高年の転職において重要な準備などについてお話を伺いました。

この記事の目次

    開発部門から営業へ異動。配属先はドイツ、その後イスタンブールへ

    埼玉県で生まれ育った私。理系科目が得意だったことから工学部へ進みましたが、人と接することが大好き。いわゆる理系なタイプではなかったため、珍しいキャラクターだったかもしれません。

    就職活動では繊維メーカーなどを受けましたが、大学に求人票が来ていた世界シェアの高い機械メーカーに興味を覚え、受けたところ内定。多くの理工系の同期と共に、入社後は開発部門へ配属されました。

    入社当時の飲み会にて人事部長に、「文系だったら営業に配属したのに」と言われたことがありました。なかば冗談だと思っていましたが、それが本音だったことを知ったのは5年ほど経った頃のこと。なんと営業へと異動に。しかも、赴任先は国内ではなく、欧州の販売拠点であったドイツでした。

    当時は結婚したばかり。ドイツ語どころか英語も自信はありませんでしたが、「面白いことになった」とポジティブに捉えました。モノづくり以上に人とのコミュニケーションに興味を覚えてきたこともあり、自分を成長させるためにはもってこいの機会だと感じました。

    そうして、新婚早々ドイツへ赴任。欧州各国に存在する販売代理店への講習会やアフターフォロー、展示会の開催など、販売支援活動に精を出しました。滞在中にベルリンの壁が崩壊する瞬間にも立ち会うことができ、毎日の生活に刺激を感じていました。

    ドイツに住んで3年ほど経った頃、イスタンブールへ新規の事務所を設立する計画が持ち上がり、初代の所長として赴任することが決まりました。当時のトルコは発展途上そのもの。

    トルコ語も使えなかったため生活にも不安を感じましたが、思い切って仕事に取り組んだところ、シェアを拡大する大きな成果を残すことができました。

    帰国後、初めての転職活動。海外で活躍できる環境を再び探し求める

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    トルコで一定の成果を出した後、会社から帰国を命じられました。トルコでシェアを拡大することはできたものの、世界的に円高が進み、日本の製品はなかなか海外で売れなくなってきた時期でした。

    帰国してからは国内拠点にて海外事業を担当していましたが、海外での販売が縮小傾向になるなか、社内では出向や転籍などの人員整理の噂が流れるように。どことなく社内の雰囲気も淀んでくるのを感じました。

    当時、私は34歳。「35歳の壁」という転職の通説もあったことから、「このまま雰囲気の悪い会社に残るよりは、いっそ転職を」という考えが膨らみ、新聞の求人広告などで情報収集を開始。

    見つけたメーカーへ応募し、「海外営業として活躍したい」という思いを伝えたところ、とあるBtoB製品を扱うメーカーから内定を獲得。社内からの強い引き止めはあったものの、13年在籍した会社から新しい環境に身を移すことを決めました。

    そうして転職した会社で3年ほど国内の事業所を経験した後、当社の予定通り海外へ駐在。行き先はイギリスでした。場所は片田舎でしたが、多くの国際企業とのビジネスはやはり刺激的。転職してよかったという思いを感じながら仕事をしていました。

    しかしながら、丸三年経った頃、帰国の辞令が。会社として成長させたい事業を担当してほしい、という理由によるものでした。国内に戻されたという不満は感じましたが、新たな事業の成長のため気持ちを切り替えることにしました。

    その後は、本社・関東・北海道と様々な地域で営業を推進。リーダーとして精力的に活動したことが功を奏したのか、各地で大きな成果を残すことができました。

    くすぶりから脱却するため、早期退職を受け入れることを選択

    各地を歴任した後、本社へ異動。大きな案件を担当するなどしていましたが、何かこれまでと違和感が。それは多くのことを自分の裁量で決められた支社と違い、社内調整が必要な本社での仕事に戸惑いを感じていたためだったのかもしれません。

    そんな時期に、業績悪化を理由に早期退職の募集が行われたのです。このこと自体は初めてではなく、リーマンショックの時期にも200名規模の募集が行われたのですが、当時の社内で魔女狩りのような雰囲気が蔓延したことを思い出しました。

    「前回、自分は指名されなかった。だけど今回はどうだろう」。なんとなく今回は自分が選ばれるのでは、という不安もありました。しかし、それ以上に自分がくすぶっているという実感があり、それをなんとかしたいという気持ちを抱えていたのです。

    妻に相談したところ、一度目の転職時には「やりたいことがあるのなら」と理解を示してくれましたが、54歳での転職には不安を感じていることを伝えられました。役職定年のない会社であったため、確かに60歳まで在籍すれば経済的に困ることはありません。

    しかし、会社にしがみつく気持ちはない。だったら退職することでインセンティブの出るこの機会をチャンスと捉え、ずっとやりたかった海外営業の仕事に就くために転職活動をしよう。そう心を決めたのです。

    妻も最終的に理解をしてくれたため、19年勤めた会社に別れを告げるべく、早期退職の応募に手を上げることを決めたのです。

    苦しい転職活動を経て内定を獲得。しかし、契約と実情に大きな齟齬が

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    早期退職が確定した後、特別有給消化の期間に入りました。早期退職者サポートとして会社が用意した再就職斡旋の会社があったため、話を聞いてみましたが、どこか頼りなさげ。自分で活動することを選びました。

    そうして複数の転職サイトへ登録。プロフィールを登録するものの、求める海外営業の求人でのスカウトはなし。自分でも10社ほど応募したのですが、そのほとんどが梨のつぶて。やっぱりこの年令での転職活動は思った以上に厳しいのだな、と実感しました。

    有給期間も経過し退職が差し迫った頃、関西に本社がある小規模メーカーが海外営業求人を知り、応募したところ書類が通過。面接も準備を重ねたこともあり、無事海外営業として内定を獲得することができました。正直、安堵の気持ちでいっぱいでしたね。

    しかし、それが誤りだったのかもしれません。内定を獲得したタイミングは、選ばれる側から自分で選択できる権利を持てる唯一のタイミング。このときに仕事内容、勤務場所などの条件をしっかりと吟味するべきだったのでしょう。

    とはいえ、退職の期日が迫っていたこと。そして、いち早く妻を安心させたい気持ちもあり、「ここで手を打とう」という気持ちになってしまったのです。

    そして、入社の初日。出勤して初めてわかったのは海外営業の拠点となる東京の事務所というのは、なんと役員が住むマンションの一室。東京の事務所は準備中とは聞いていましたが、まさかの実態。事務所の体をなしてはいませんでした。

    加えて、東京で勤務という条件だったにもかかわらず、入社して半年後には中部地方の工場へ異動。労働契約と異なることを役員に伝えたところ「これがうちのやり方。不満があれば労基でもなんでも相談して構わない」と、取り付く島もなし。

    古くから勤める従業員によれば、入社した海外営業はこのやり方に辟易し、皆すぐに退職しているとのこと。長く勤める会社ではないと判断し、在職しながら再度転職活動を行うことを決めたのです。入社して1年半ほど経過した頃のことでした。

    正社員にこだわりを捨てたら、選択できる仕事の幅が拡大。納得できる仕事に出会えた

    転職活動に時間を費やすことのできた前回とは違い、今回は勤務しながらの転職活動。まずは転職サイトに片っ端から登録。プロフィールを入力したうえで、「海外営業」「メーカー」「語学の活かせる仕事」「社会に貢献できる」という軸で網を張りました。

    さらに、今回は転職サイトだけではなく人材紹介会社も利用。外資系企業の求人を扱っている会社へ登録を行いました。

    加えて前回との大きな違いは、正社員にこだわることを辞め、契約社員まで検討材料に入れたことです。「優先すべきはどんな仕事ができるか。興味ある仕事に就けるのであれば、契約社員でも検討する」というこの判断が、結果的に功を奏しました。

    契約社員を検索の対象に入れたところ、紹介される求人の幅は大きく広がり、食指が動く求人が幾つも見つかりました。そうして20社ほどに応募し、幾つかの企業と面接を行い、最終的に内定をいただいた外資系企業に入社を決めました。

    その企業は原子力関連のサービスを扱う企業。事業の進捗によっては日本を撤退する可能性もあるため、正社員としての常時雇用はできない。そのため、契約社員とし雇用契約を結びたい、という説明を受けたときに、すごくフェアな印象を感じましたね。

    人件費を下げる目的での契約社員採用ではないことを説明してくれたこと。そして、働く人たちの多くも私と同年代が多いこと。契約社員であっても、多くの技術と経験を活かせる仕事であることに確信を持てたことが、サインした大きな理由です。

    しかも、提示されたのは単年ではなく3年契約。複数年を提示してくれたことも安心感を覚えましたね。

    55歳を過ぎての転職活動。長引くことを不安視していましたが、結局4ヶ月ほどで納得できる転職先を決めることができました。

    くすぶっていれば外に出る選択肢も。その際には自分の棚卸しが効果的

    入社を決めた会社は外資系企業ではありますが、働くフィールドは国内です。海外営業にこだわりを持っていた私がこの仕事に決めた理由は、この仕事を通じて社会に貢献できると感じたから。震災以降、原子力の問題はこの国において誰かが向き合わなければならない課題。ならば、自分がこれまでの経験、そして知識を活かしてその課題と向き合おう。

    そんな、かつて抱いたような気持ちを思い出させてくれたからです。

    もちろん、待遇は大事ですが、この仕事は給料を差し置いてでもやってみたい気持ちになりましたね。ありがたいことに十分な条件も提示してくれている。ならば、やらない理由は見つからない、という気持ちになりました。

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    正直、50歳を過ぎての転職活動は大変です。落ちても企業は理由を教えてくれない。いつまでも手探りの状態が続くため、気持ちが折れることもしばしばです。生活も不安定になるかもしれません。

    だけど、まだまだ成長したい、やってみたいことがあるならば、外の世界を覗きにいく価値はあると思うんです。これからまだまだ長く生きる100年時代。私は会社でくすぶっているよりは、新しいことに挑戦して良かったと思っています。

    私のように転職を検討している方は、早い段階で「自分の棚卸し」を行うことがオススメです。「これまでやってきたこと」、「自分ができること」、「自分がやりたいこと」を紙に書き出して整理していく。これを行えば、自ずと身の丈が把握できるため、高望みなどのミスマッチも避けられます。中高年の転職では必ずやったほうがいいでしょう。

    今の契約が終了するときは60歳。それまで周囲の人に誠意を持って向き合いながら、目の前の仕事に全力で向き合っていこうと思っています。
    ※年齢は2019年7月取材当時のものです

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