60代女性 事務系の転職体験談 | 65歳を過ぎても、自分の実力を証明できれば希望の仕事につける

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60代女性 事務系の転職体験談 | 65歳を過ぎても、自分の実力を証明できれば希望の仕事につける

ご主人とお二人で暮らす神田さん(66歳・仮名)。いくつかの会社を経験したのち、マニュアルを作成する会社を立ち上げるなどビジネスの第一線で活躍してきましたが、60代半ばを超えてからデスクワークに就くことが難しくなってきたそう。それでも希望の仕事に就くために行った活動についてお話を伺いました。

この記事の目次

    オイルショックの余波で内定取り消し。その後、複数の会社を渡り歩くキャリアを歩む

    高校までを神戸で過ごしたのち、西日本の国立大学へ進学。社会体育を専攻していたので、人事労務分野でその知識を活かそうと考え、就職活動では大手の企業から内定をいただきました。

    しかし、当時の日本はオイルショックの真っ只中。業績悪化の余波で特に女子学生の内定が多く取り消され、社会問題にもなっていました。その中で私も、多分にもれず内定取り消しの憂き目に。

    その後、求人が残っていた百貨店に就職。富裕層を対象とした販売・接客業務に就きました。待遇に不満はなし、それなりの面白みも感じました。しかし、サービス業に従事するよりも、「これまで培った自分の能力を発揮したい」という漠然とした思いは高まっていました。

    勤めて3年ほど経過した頃、高校時代の後輩からお誘いが。それは外資系の商船会社で秘書をやらないか、というもの。興味を感じ転職することに決めました。

    そこではユダヤ人マネージャーの秘書として、スケジュール調整や本国へのテレックスの配信、海運経理などの業務を担当。年にボーナスが5回出るほど、高い収入をいただくことができました。

    しかし、その国の文化・価値観にどうしても馴染めない自分に気づき、疲れを感じてしまいました。加えて、今後の商船業界の状況などを考えた結果、再度の転職に踏み切ることにしました。ここでも勤務したのは3年ほどでした。

    その後入社したのは医療機器の開発会社。社長秘書として採用されました。秘書とはいえ、少人数の会社であったため、様々な業務に関わることに。社長が作成する論文作成の手伝いや、取り扱う製品の説明を行うマニュアル作りなど。

    おかげで、パソコンの知識、それとマニュアル作成のスキルが身につきました。このときの経験がその後の私のスキルの源泉となりましたね。

    マニュアル作成という経験を武器に、会社を立ち上げるという決断を下す

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    入社して3年が経過した頃、所属していた会社が人材派遣会社を設立することに。私はそこへ転籍となり、しかも取締役に就任することになりました。とはいえ、行う業務はいわば一兵卒。仕事を探し受注する営業から、業務を行える人材の派遣にまで関わることになりました。

    その頃よく受注していたのはデータの入力業務、そしてマニュアル作成の業務でした。とはいえ、働くスタッフにデータ入力の仕方を教えるのも、マニュアル作成の流れを指示するのも私。「これなら自分でやったほうが早いかな」という意識も芽生えるようになりました。

    そんな姿を見ていた取引先から「独立しませんか」という打診が。詳しく聞くと様々な会社からマニュアル作成の引き合いが来ているが、依頼する先に困っているとのこと。

    転籍となった人材派遣会社にいても自身のキャリアにプラスに働く期待感がなかったこともあり、独立することを決意しました。35歳の頃のことです。

    幅広い仕事に対応できるスキルと知識を身につける活動が、多くの人脈を作っていく

    立ち上げてすぐの頃は、もっとスキルを高めることや人脈作りのため、テクニカルライターの集まりに参加するなど、積極的な活動を開始。当時はバブルの真っ最中。独立した私に仕事を回してくれる方も見つかり、安定した収入も確保できていました。

    当時は、パソコンが普及してきた頃であり、伴ってネットワーク関連の仕事も増えていた時期でした。それらの仕事が受けられるようになるといいな、と考えていたところ、伝手を作ることに成功。大手の企業からマニュアル作成の仕事をいただくことができました。

    しかし、マニュアル制作の打ち合わせには主任研究員の方などが出席するため、当時の私の知識では何を話しているのかも理解が追いつかないほど。そんな悩みを抱えていた時、大手メーカーに所属するネットワークのエンジニアと知り合いました。

    それからはお客様と打ち合わせをした後、週末になったらエンジニアに相談。その繰り返しで作成したマニュアルは、「素人でもわかりやすい」という高い評価をいただきました。
    イラストを多く盛り込んだことから海外でもわかりやすいと評価を受け、多くの国で利用いただいたものもあります。

    DSC_0020.jpg

    ちなみに、相談をしていたエンジニア、実は今の夫です(笑)。定期的に相談する時期を過ごすうち関係は深まり、私よりも一回り以上年下でしたが、結婚することになりました。

    結婚後、夫は他のメーカーからスカウトを受け転職したのですが、新たな勤務先で働きながら私のマニュアル制作を一緒に担当し、ダブルワークのような働き方に。売上は何倍にも増えましたが、やはり忙しすぎました。

    結局、入社したメーカーを退職し、二人でマニュアル作りに集中することにしたのです。

    リーマンショックをきっかけに、派遣で働くことを選択するも、年齢の壁を実感。

    順調だったマニュアル制作の仕事も、リーマンショックの影響は避けられず。マニュアル作成の依頼は激減し、今後のことを考えるべきタイミングがやってきました。

    そうして2011年、ついに会社を畳むことを決断。夫はネットワーク系の会社へ技術者として転職を決めました。私はというもの、その時58歳。収入はともかく、自身のスキルを磨き続けていたい思いが強かったため、派遣会社に登録。様々な企業に派遣され、テクニカルライターとしてマニュアル作成業務に携わりました。

    しかし、異変が起きたのは65歳を過ぎてから。それまではほぼ切れ目なく紹介されていた仕事の紹介が、ピタリと止まったのです。

    この年齢になって仕事の間にブランクが生まれると、次の仕事が紹介されにくいこともあり、意に沿わない仕事も受けたこともありました。しかし、テクニカルライターの仕事どころか、デスクワークの仕事自体が紹介されないようになったのです。

    やはり、これも年齢によるものか。そう感じましたね。

    とはいえ、これからも働き続けたい。できれば自分の知識や経験が活かせる仕事で。清掃などの仕事もあるけれど、やはりデスクワークの仕事に就き続けたい。

    どうすればよいかを考え、東京都が主催するシニア就労を促進する会に参加したり、シニア就労を歓迎しているという企業の面接を受けたこともありましたが、そこでのシニア就労は名ばかりで、やることといえば新聞を畳むような雑用のみ。シニアが戦力として見られていない現実を目の当たりにしました。

    希望の仕事に就くには力を証明するしかない。そのために行ったこと。

    多くの求人に応募するも、書類すら通らないことが続きました。

    そのなかで出会った介護系の会社にはこう言われました。「あなたの立派な経歴は書類で拝見しました。しかし、私達が知りたいのは昔取った杵柄ではなく、今の能力なのです」と。

    これまでパソコン関連の仕事を多く経験してきたことを伝えても、PCスキルを備えていることが認められない。そのため、パソコンを使用する事務の仕事に就くことができない。年齢だけで足切りされてしまう。そのことには少なからずショックを受けました。

    とはいえ、気落ちしていても何も始まらない。デスクワークの仕事に就くための、対策を練りました。

    まずは考えたのは、自分のパソコンスキルを証明するということ。そのため「MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト」の資格を取得。直近で取得していることがわかれば、実力も伝わるだろう、と考えたためです。

    そして、目指す業界は介護業界に絞りました。理由は人手不足であること、そしてこれまで受けた選考でも反応が良かったこと、そして業界全体のPCリテラシーが低めであることに目をつけました。

    そう決めた後、介護事務の資格も取得(入社してから非常に役に立ちました。オススメの資格です)。そうした甲斐もあり、無事に介護事務として採用されることができました。

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    65歳を過ぎてからの仕事探しで感じたことは、「自分の力を証明すること」が必要だということ。これまでの経験は理解されなくて当たり前。だからこそ、理解させるアプローチが必要なんです。

    「そんなことしてまで」という気持ちもあるかもしれません。だけど、それをすることで希望の仕事に就く確率が上がるならば、やる。私は、それを選びました。

    そして、落ちたからといって簡単にくよくよしないこと。「100社、200社ダメでも、最終的に望む仕事に就ければよい」そう考えて活動したのが功を奏したのだと思います。

    デスクワークの仕事に就くため選んだ介護の業界ですが、社会におけるこの仕事の重要性を改めて認識するようになりました。この仕事を通して、より社会の役に立ちたい。よりよい社会を残したい。

    その思いで現在は社会福祉士の資格の取得を目指しています。やはり、仕事を通じて学びを深めていくことは、人生における大きな刺激ですね
    ※年齢は2019年5月取材当時のものです

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