60歳からでも収入増! 選択を間違えないための自己整理の重要性
- ライフプラン・人生設計
- 公開日:2026年6月22日
年金だけに頼る老後は本当に安心なのか。物価上昇や長寿化が進むなか、収支のバランスが崩れるケースが増えています。本記事では、老後資金の現実や不安の要因を整理しつつ、収入を組み合わせて安定した暮らしを実現するための具体策を解説します。
この記事の目次
年金だけの収入に頼るのは、難しいケースが増えている
人生100年時代を迎えた現代で考えておかなくてはならないのは、収入に関することです。
長く生きられるようになったということは、退職後に必要となる生活費も当然多くなっていきます。定年を迎えてからの老後期間は平均的には男性では約16年、女性では約22年とされています。
総務省「家計調査」によれば、年金受給している高齢夫婦の毎月の平均世帯収入は約21万円で、そのうち約19万円が公的年金などの社会保障給付です。一方で、平均支出は約26万円と収入を上回っています。
一例として、老後の期間が65歳から85歳までの20年間だと仮定した場合、この差額分の約5万円が赤字として毎月積み上がり、1,200万円ものお金が足りない計算になってしまうのです。
なお、26万円はあくまでも平均的な支出金額です。趣味や嗜好品なども楽しみながらゆとりある老後生活を送るためには、月額で約39万円前後が必要だとされています。
豊かに楽しみながら生きていくためには、より多くの老後の資金が必要になってくるのは明らかでしょう。
老後の生活が不安になる要素とは?
現在の日本では、物価上昇が予測できないほどのスピードでおとずれています。この物価上昇は、老後の生活を脅かす要因となります。なぜなら、物価高は貯蓄も目減りさせてしまうからです。
例えば2%の物価上昇が続けば、現在1万円のものを買うのに、5年後には約1万1,000円、10年後には1万2,000円が必要となります。実際に、ほとんどのシニア世代が経済面での不安に「物価の上昇」を挙げており、物価高の日本において年金や貯蓄だけに頼る生活に不安を抱えているのです。
厚生労働省によれば、年金のみで生活できているシニア世帯は約40%とのこと。つまり、残りの約60%は年金以外の収入源を確保しながら生活していることになります。
令和流!収入を組み合わせることで、生活を安定させる
かつての日本では「年金と貯蓄」で老後を過ごす人がほとんどでした。しかし、物価高や少子化の影響で、年金だけに頼っていては生活できない時代となったのです。
これからの時代は、公的年金だけに頼らず、あらゆる収入を組み合わせて生活を安定させることが重要となります。一本柱では崩れてしまいがちな財政も二本、三本と収入の柱を持つことで、強固で安定的な収入を得ることができるでしょう。
年金にも種類がある
年金一つにとっても、国からもらえる公的年金と自分で積み立てていく私的年金があります。年金についても、複数の制度を活用してリスクヘッジをしておく、という選択肢があるのです。
確定拠出年金
決まった額を積み立て、その資金を運用していきます。「企業型」と「個人型」の2種類があり、企業型では企業が掛金を拠出し(場合によっては従業員拠出もあり)、年金口座に積み立てていくものです。個人型ではiDeCoが代表的です。
個人年金保険
個人年金保険とは、生命保険会社と契約を結び、決められた期間受け取ることができるものです。受け取る期間が決まっている確定年金や、一生涯受け取ることができる終身年金などがあります。
指定した口座から引き落とされるように設定することも可能なため、貯金が苦手という方でも始めやすい特徴があります。
60代から収入を増やす方法とは?
多くの人にとって、定年を目の前に控えた60歳という年齢は「お金とどう向き合うか」を考える大きな節目の年になるでしょう。では、具体的に60代から収入を増やすためには、どのような方法や選択肢があるのでしょうか。
再雇用や転職
近年では、少子化によって人手不足になっているため、60歳以上の求人が増えています。ミドルシニアに特化した求人サイトや、シルバー人材センターなどシニア向け求人を探せる場所も増えています。
雇用形態も、正社員や契約社員、業務委託などご自身に合わせて選ぶことができます。特に、清掃スタッフや警備・巡回業務、マンション管理といった職場は、60代からの未経験者を積極的に雇い入れています。
パートやアルバイト
年齢を重ねると、身体的に無理がきかず健康と相談しながら働いていきたいと思う方も。そこで、正社員にこだわらないことで働きやすさや自由度を高めることができるでしょう。
「週3日勤務」や「短時間勤務」など、パートやアルバイトとして自分のペースで働くこともできます。さらに、最低賃金は毎年上がっています。そのため、正社員に囚われずとも、体力やライフスタイルに合わせながら収入を得ることができるでしょう。
資産運用
退職金や貯蓄がある方は、資産運用という選択肢もあります。運用する額は、5年以上口座にある手つかずのお金を用いるといいとされています。リスクは、資産運用では貯金などよりも高い利回りが期待できますが、元本保証がされていないことです。
ですから、FXや仮想通貨といった値動きの激しい金融商品は、60代からの資産運用には向かないかもしれません。元本は保証されていないものの、投資信託など比較的値動きがゆるやかなものを検討してみましょう。
兼業や副業
これまでの経験やスキルを活かし、兼業や副業にチャレンジするという選択肢もあります。週末だけ趣味を活かした料理教室を開いたり、手作り品をECサイトで販売したりするなど、オンラインを活用してみるのも良いでしょう。
独立する
これまでのキャリアで培ったスキルや人脈を活かし、独立や起業も選択肢の一つに入れておきましょう。近年では、インターネットを通じて仕事を受発注できるクラウドソーシングサイトもあるため、少ないリスクで始められる案件が増えています。
ただし、会社員のように毎月決まった給与が保証されるわけではないため、仕事がなければ収入はゼロになってしまうことを踏まえ、退職金を全てつぎ込んでの独立は避けるようにしましょう。
60代から収入を増やすためのポイント
自分軸を持つ
60代から収入を上げるためには、他人との比較はやめましょう。60代になれば、暮らしている環境も体力も平均値では測れない場合が多いです。もちろん、各家庭によって貯蓄額も生活水準も異なります。
そのため、「あの人の家はこうだから...」、「正社員でなくてはダメなのかも...」と他者比較や世間体ではなく、自分軸で収入を上げるようにしましょう。
年金との兼ね合いを考える
60代で働く際には、年金との兼ね合いも意識しておきたいポイントになります。一定の収入を超えると、年金の一部が減額されるケースもあるため、事前に確認しておくと安心です。
無理なく続けられるかを考える
60代の仕事探しで最も大切なのは、「無理なく続けられるかどうか」です。せっかく生活を豊かにするために働きはじめたのに、ストレス過多な生活だと自律神経の乱れや免疫力低下などが起こり、胃潰瘍や高血圧、うつ病といったかえって病気のリスクが高まってしまうことも。
60代から収入を増やすために働く場合は、職場の雰囲気や業務内容、通勤距離など、ストレスなく続けられるかといった観点で選ぶようにしましょう。
まずは"客観的に自分を見つめる"ことが何よりも重要
収入を増やすと一概にいっても、何から始めていいのか、何をやったらいいのかわからないことも。そこで重要なのは、いきなり収入を増やす行動をするのではなく、自身の現状を整理することです。
➀必要生活費を計算する
年金だけで老後の暮らしが不安なら、今のうちから自分にはどれだけの備えが必要なのかを知っておくことです。まずは、老後において必要とされる出費を確認しましょう。
食費や日用品費、光熱費、住居費などは老後になっても変わらない固定費として計算します。加えて、医療費や冠婚葬祭費、自宅のリフォーム費用などといった必要な時期になればかかってくる変動費も予測しておきます。
➁年金の受給開始時期を考える
支出が分かった上で年金などの老後の収入を計算しておけば、どのくらいのお金が毎月必要になってくるかがわかるでしょう。公的年金は原則65歳から受給開始ですが、希望すれば60歳から受け取る「繰上げ受給」や、66歳以降に遅らせて受け取る「繰下げ受給」を選択できます。
繰上げ受給では、1ヶ月早めるごとに0.4%減額され、繰下げ受給では1ヶ月遅らせるごとに0.7%増額させることができます。75歳まで繰下げが可能で、最大で84%増額された年金額を受け取れることも。
健康であり長く働けるのであれば、受給時期を後ろ倒しにすることも、老後資金を増やすために考えておくべきかもしれません。
➂支出を見直す
単に収入を増やすだけでなく、支出を見直せば老後資金を多く用意しなくても暮らしやすくなります。例えば携帯電話の料金の場合、契約プランを見直したり、料金が安い格安スマホに乗り換えたりすれば、節約に繋げることができます。
また、住宅ローンが残っているなら、借り換えや繰り上げ返済をするとその後の利息を減らせますし、子どもが独立しているのであれば、保険などのプランも見直しておくと毎月の支払いを減らすことができるでしょう。
④投資は焦らず行うのが基本
資産運用では「積立年数×運用利回り」で必要な老後の資金を計算してみましょう。老後に月にいくらくらい不足してしまうかがわかれば、老後までの「積立年数」と「運用利回り」で毎月いくら積み立てれば目標を達成できるかが見えてきます。
このように具体的な数字を出すことで、漠然とした不安を解消することができるだけではなく、焦らずコツコツと投資をする心構えができるでしょう。
まとめ
60代からでもご自分の現状を見つめ、身の回りから少しずつ整理していけば、慌てずに収入を上げていけることがお分かりいただけたかと思います。次回は、60代でのちょうどいい働き方をご紹介していきます。








