お客さんを送迎するだけじゃない!?タクシー運転手の仕事内容とは?
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- 公開日:2019年2月 8日
タクシー運転手の仕事について、あなたは何を知っていますか? 客として利用することはあっても、勤務形態や収入、仕事内容については知らないことが多いのではないでしょうか。今回は、ひとつの仕事としてタクシー運転手を取り上げ、ご紹介します。
この記事の目次
タクシー運転手は何時間勤務?休憩や勤務形態とは?
タクシー運転手の勤務形態は「昼勤」「夜勤」「隔勤」の3パターンです。タクシー会社で働く場合には、基本的に「隔勤」と考えてよいでしょう。なかでも「昼勤」は、高齢者や既婚女性が多く、働きやすい勤務とされています。
・昼勤(日勤)
朝から夕方まで乗務する勤務形態です。会社によって就業時間は異なりますが、朝7時から夕方16時までの1日8時間、月曜から金曜まで勤務するのが一般的です。昼間の時間帯のため利用客は比較的見つけやすい反面、近距離が多く低単価になりがち。そのため、多くの客数を稼ぐことが重要とされています。
会社員のように、朝起きて出勤し夜には帰宅という生活ができますので、生活リズムに無理がないのがメリットです。
・夜勤
「18時から3時まで」のように、夜間を中心に翌朝まで乗務します。日勤に比べて利用客は少なくなりますが、終電を逃したり繁華街でお酒を飲んだ人の利用が見込め、その結果割増料金や長距離移動が多く、利用単価は高めとなります。
とにかく稼ぎたい人や、夜型の生活に慣れている人に向く勤務形態と言えるでしょう。ただし、稼げる時間帯だけ働くスタイルということで、仕事を始めてすぐの時期には担当できない会社が多いようです。
・隔勤
隔勤つまり隔日勤務は、最も一般的。ほとんどのタクシー運転手がこの形態で乗務しています。1回の乗務で3時間の休憩を挟みつつ、約19時間から21時間勤務し、勤務後には「明け」と呼ばれる20~30時間の休息を取るスタイルです。
体が慣れるまでは、眠気と戦いながらの長時間労働となりますが、慣れるのにさほどの時間は要しないそう。むしろ、仕事をした翌日は必ず休みになりますので、休日が多いことが隔勤のメリットにもなっています。
この他、会社によってさまざまな制度があります。固定曜日を休日にしたり、週に決まった日数だけ働く制度を設けていたり、完全歩合を選択できる会社では、短時間勤務も可能です。
収入はいくらぐらい?頑張り次第で稼げるタクシー運転手の収入について
タクシー運転手の平均的な収入は、月収で約26.3万円、年収では約333万円という数字が出ています。(平成29年一般社団法人全国タクシー・ハイヤー連合会調べ)
これはあくまで全国平均であり、人口の多い地域であればより稼ぐことは可能。東京を見てみると月間給与が約33.4万円、年収では約401万円という数字が出ています。もちろん、自分の働き次第では、月収50万円、60万円と稼ぐことも可能です。
このように頑張った分だけ収入が増えるのは、タクシー運転手の給料が歩合制だからです。普通の会社員のように毎月出勤したことで決まった給料がもらえるのではなく、どれだけお客さんを乗せたかによって収入が変わってくるということです。
歩合はいくらが一般的?
歩合の比率は会社によりますが、一般に売上の60%がタクシー運転手、残り40%が会社という形が多いようです。関東運輸局が公表する数字では、タクシー1台当たりの1か月の売上は平均54万円。これにより、60%がタクシー運転手の取り分とすると、月収は32.4万円ということになります。
なお、給与の制度は会社によってさまざまで、「固定給+歩合給+賞与」「完全歩合」「固定給+一定の売上を超えた場合発生する歩合給+賞与」など。このうち、最も一般的なのが「固定給+一定の売上を超えた場合発生する歩合給+賞与」です。いずれのパターンであっても、歩合制ですので、自分の頑張りが給与に反映されやすい仕組みといえます。
人によってこの収入を高いと見るかは異なりますが、60歳や70歳を過ぎても月に30万円以上を稼げる仕事は、そうあるものではありません。また、それは女性においても同様。
そうして「稼げるかどうかは自分の腕次第」という仕事に魅力を感じた人たちが、タクシー運転手へ転身を図っているのです。
タクシー運転手の一日の仕事の流れとは?
タクシー運転手は、一日をどのように過ごしているのでしょうか。具体的な仕事の内容をタイムスケジュールに沿って見ていきましょう。
ある日のタクシー運転手のタイムスケジュール
ここでは、隔日勤務で働くタクシー運転手の一日をご紹介します。
1) 運行前点検
6時頃出社し、健康チェックやアルコール検査を受け、運行管理者から安全運行・接客上の注意などの説明を聞きます。各種ランプ、エンジンオイル、バッテリーなど、車両の点検を必ず行います。
2) 営業開始
出庫します。朝は通勤のお客さんを中心に、10時以降はその日の状況に合わせて臨機応変に移動しながら営業します。
3) 食事・休憩
お客さんの少ない時間帯を利用して昼食。1回の乗務につき3時間の休憩を取る必要があります。
4) 営業再開
夕方は仕事帰りのサラリーマンが中心。20時から深夜までがピークの稼ぎ時となります。乗車率アップを目指して、いろいろな工夫をしながら営業します。
5) 納金
深夜2時ごろに営業終了。会社にもどって、その日の売上げの納金を行います。
6) 洗車
次に乗るドライバーのために、タクシーを洗車します。
お客さんを送迎する以外の仕事についても、合わせてイメージできたのではないでしょうか。なお、昼勤や夜勤の場合でも、基本的な仕事の流れに変わりはありません。
まとめ
タクシー運転手の仕事については、古いイメージからしばしば「働き方がブラックなのではないか」と身構えてしまいがちです。しかし実際には、自分に合った働き方ができる貴重な仕事かもしれません。
タクシー運転手の仕事内容や給与制度を詳しく知って、自分に適した働き方を検討していきましょう。
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