老後資金の不安は全世代共通!年代別の課題・今からできる対策

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老後資金に不安を抱えている人は、世代を問わず多くいます。今回は老後資金が不安と感じる理由や、老後の生活に必要なお金、老後資金を貯めるポイントなどを解説します。今から老後資金について知っておきたい人、老後資金を貯めたい人はぜひご一読ください。

老後資金が不安な理由

三井住友信託銀行が実施したお金のアンケートで、全世代の多くの人が老後資金について不安であると回答していたことがわかりました。不安だと感じる理由として、世代を問わず多く上がったのは「老後の生活費がわからない」という回答です。また、「どのくらいの余剰資金があればいいのかわからない」という回答も多く見られました。

老後に必要な毎月の生活費や用意しておくべき総金額など、具体的なイメージがつかないことが不安につながっていると考えられます。さらに20〜50代の間で半数以上が、公的年金の受給額がいくらになるかについてもイメージできていないと回答しており、収入の不透明さも不安につながっているでしょう。

老後の生活費はいくら必要?

実際に老後の生活にはいくら必要なのか、毎月の平均生活費と年金の平均受給額を見て計算してみましょう。

老後の生活費

老後の毎月の生活費は、夫婦2人で月額平均23.2万円です。ゆとりのある生活を送る場合は、月額平均37.9万円となっています。旅行やレジャーなどを楽しむ場合は、さらに費用が必要となるでしょう。また、老後の生活では医療や介護の費用が増えていきます。65歳以降の老後に必要な医療費は、約1,600万円です。自己負担額は60〜64歳で76,015円、月額だと約6,300円になります。

介護については在宅介護の場合で月に平均5.8万円、施設介護は月に平均12.2万円がかかります。老後の生活には、毎月20万円〜40万円ほどは必要になると考えておきましょう。そのほか子どもや孫への資金援助、自宅のリフォームなどがあれば、必要なお金は増えていきます。

年金の平均受給額

老後の収入の柱である年金についても、男女別に確認しましょう。

▼老齢基礎年金の平均額

全体 5万7,584円
男性 5万9,965円
女性 5万5,777円

▼厚生年金の平均額

全体 14万6,429円
男性 16万6,606円
女性 10万7,200円

参照元:厚生労働省「令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」

どちらの年金に加入していても、必要な生活費に対して毎月の収入が追いつかないことがわかります。特に女性は全体の平均額よりも少ないため、より入念に老後資金を用意しておく必要があるでしょう。

老後資金を貯めるためのポイント

年金だけでは足りない生活費を補うためには、老後資金を形成する必要があります。まずは貯めるために知っておきたいポイントをご紹介します。

収入と支出を把握する

老後資金を貯めるためには、現在の収入と支出を把握しましょう。どのくらいの収入があり、毎月何にお金を支払っているのかを確認します。大体のお金の流れがわかったら、必要のない支出を削っていきましょう。スマホの利用料や光熱費、保険などの固定費は一度見直しをすると節約効果が長く続きます。より安く利用できるプランはないか、年に一度など決まったタイミングで見直しをしましょう。

また、食費などの変動費も無駄がないか確認が必要です。コンビニやカフェに行く回数が多い、タクシーによく乗っている場合は、それらの回数を減らせるように工夫しましょう。ただし極端に削ってしまうと、ストレスを溜めてしまって長続きしなくなるため、無理のない範囲で徐々に回数を減らすようにするのがおすすめです。

資産運用を取り入れる

収入と支出を確かめたら、資産運用を検討しましょう。資産運用を行った方が、ただ貯蓄をするよりも目標金額により早く到達する可能性があります。資産運用を始めるなら、初心者でも始めやすい投資信託やNISA、iDeCoなどがおすすめです。

その他、資産状況や今後のライフプランを考慮して、株式投資や不動産投資なども検討しましょう。銀行の金利が低くなっている現在では、複利の力を使ってお金を増やす方法で老後資金を備えましょう。

健康維持

老後資金を貯めるためには、健康維持も重要なポイントの1つです。定年が60歳から65歳に引き上げとなっている企業が増えているほか、65歳以降も働きたいという人が増えています。しかし、健康でなければ定年まで働き続けることも、65歳以降まで働き続けることもできません。

働ける期間が長ければ、その分生活を維持しやすくなります。また、健康な期間が長ければ医療や介護にかかる費用も少なくなり、豊かな老後生活を送れる可能性があります。できるだけ健康にも気を遣うようにしましょう。

世代別老後資金を貯める方法

世代別に、老後資金を貯めるためのおすすめの方法をご紹介します。どの世代でも対策はできるので、老後資金に不安がある人は今のうちから確認をして取り入れてみましょう。

40代におすすめの老後資金の貯め方

40代は子育てやマイホームなど出費が多くなる一方で、昇進などで収入が増えやすい時期でもあります。しかし、ただ貯蓄をしているだけでは、必要な老後資金には届きません。余剰資金で資産運用を行い、資産を増やしていきましょう。40代におすすめの資産運用は、以下の通りです。

• iDeCo
• NISA
• 個人年金保険
• 株式投資
• 投資信託

40代の場合はコツコツと積み立てるiDeCoやNISAのほか、株式投資で攻めの投資を取り入れるのもおすすめです。ただしリスクを分散させる必要はあるため、投資銘柄を分けるなどの対策は行いましょう。

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50代におすすめの老後資金の貯め方

50代は子育てが落ち着いてくるタイミングかつ、必要な老後資金が具体的に見えてくるタイミングでもあります。定年前であれば、資産形成に回せる資金が増えてくる可能性があります。以下のような資産運用で、老後資金を備えていきましょう。

• iDeCo
• NISA
• 生命保険

iDeCoに50代で加入する場合、老後の資金形成というメリットは得られない可能性があります。しかし、節税効果が得られるため、加入を検討してみてもよいでしょう。また、将来の病気や怪我の可能性を考慮して、生命保険も検討しておきます。より保障の手厚い保険へ乗り換えることで、万が一の時の不安を軽くできます。もし、まとまった資金がある場合は、株式投資などを始めるのもおすすめです。

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60代におすすめの老後資金の貯め方

60代は定年退職を迎え、安定した収入が無くなるため、40代・50代よりも守りの運用で資産を増やしていきましょう。60代の場合は、以下の方法がおすすめです。

• NISA
• 国債投資

これまでに形成した資産を減らさず、少しずつ増やすことが大事な60代以降の投資には、NISAや国債投資は最適です。退職金がある場合は、退職金を活用して株式投資や投資信託を始めるのも良いでしょう。

ただし大きな売却益を狙うのではなく、配当金を目当てにした投資にするなど、40・50代までとは異なる目的で行うのがおすすめです。また、老後のライフプランを検討した際に、貯蓄と投資だけでは足りないとわかった場合は、再度働き始めることも検討しましょう。

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老後資金の形成方法を紹介

老後資金の形成方法の詳細をご紹介します。それぞれのメリット・デメリットを知って、自分に合った方法を取り入れましょう。

貯蓄

老後資金の形成で多くの人が行うのが貯蓄です。普通預金の場合は、口座開設をしたらそこにお金を入れていくだけのため、手軽ですぐに行える点がメリットです。しかし、金利が0.1%前後となっており、お金を預けても増えないのがデメリットとなります。

定期預金の場合は途中の引き出しができない分、普通預金よりも高金利が設定されてます。しかし、5年定期でも0.3%前後と、投資と比較すると金利が高いとは言えません。老後資金を形成するには貯蓄は続けつつ、投資でお金を増やしていくのが良いでしょう。

iDeCo

iDeCoは個人で用意する年金制度です。国民年金保険や厚生年金保険とは別であり、個人が任意で加入できる制度になります。iDeCoは毎月の掛金で自分が選んだ商品を運用し、その運用益を非課税で受け取れる制度です。60歳まで引き出しができないため、老後の資金を貯めたい人にはおすすめです。

また、掛金は所得控除となるため、節税効果も期待できます。受給時にも所得控除を受けられるため、節税しながら投資もしたい人に最適です。掛金は雇用形態などによって、上限が以下のように設定されています。

加入資格 拠出上限額
第1号被保険者・任意加入被保険者
自営業者など
月額6.8万円(年間81.6万円)
国民年金基金または国民年金付加保険料との合算枠
第2号被保険者
会社員・公務員
・会社に企業年金がない場合:月額2.3万円(年間27.6万円)
・企業型DCのみに加入している・DBと企業型DC加入している・公務員:月額2.0万円(年間24.0万円)
第3号被保険者
専業主婦(夫)
月額2.3万円(年間27.6万円)

NISA

NISAは少額非課税投資制度のことで、売却益・配当金・分配金が非課税で受け取れる制度です。通常株式投資などで得た利益には、20.315%の税率が発生しますが、NISAの場合はそれが非課税になります。NISAにはつみたて投資枠と成長投資枠の2つがあり、片方のみの運用も、併用しながらの運用も可能です。

つみたて投資枠 成長投資枠
非課税保有期間 無制限 無制限
年間投資枠 120万円 240万円
非課税保有限度額 1,800万円 1,800万円(うち、成長投資枠は1,200万円まで)
対象商品 長期積立、分散に適した投資信託 上場株式、投資信託など
対象年齢 18歳以上 18歳以上

従来のNISA制度よりも非課税保有期間や年間投資枠の制限が増えており、多くの人が長期的な投資を行えるようになっています。コツコツとお金を増やすならつみたて投資枠、まとまって投資をする場合は成長投資枠を活用して投資しましょう。

保険

貯蓄型の保険は万が一の時の備えになるほか、資産形成にもつながります。貯蓄型の保険は解約時や、満期を迎えた際にお金を受け取れるためです。支払っていた保険金が無駄にならないため、病気や怪我に備えつつお金も用意しておきたい人に向いています。

ただし掛け捨ての保険と比較すると、月々の保険料が高くなります。加入する際は本当に必要な保険であるか、家計に影響を与えないかを検討しましょう。

投資信託

投資信託は自分が出資したお金を専門家に運用してもらい、その運用益をもらうという形の商品です。自分で運用をする必要がないため、知識がない初心者でも気軽に始められます。信託先によっては、月数百円と手頃な価格から始められるのもメリットです。ただし運用をプロに任せる分、手数料が高くなりやすい点はデメリットとなります。

また、運用知識は最低限身につけておかないと、ハイリスクハイリターンな投資を行っており、損が出ていたとなる可能性もあります。知識を身につけながら、投資を始めてみたいという人は、まずは少額からスタートしてみましょう。

まとめ

老後資金に不安を感じている人の理由や必要な老後資金、老後資金を貯めるポイントをご紹介しました。老後の生活費は月で20〜40万円ほど必要となり、医療費や介護費によってはさらにお金を用意しておく必要があります。お金の心配なく老後を過ごすためには、貯蓄と一緒にNISAやiDeCo、投資信託などを活用してお金を用意するのがおすすめです。

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