定年後でも働き続けるのはなぜ?メリットや満足度について

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定年が近づいてくると、「まだまだ働きたい」「家族との時間を大切にしたい」「趣味を楽しみたい」と退職後の生活を考えることでしょう。実は、定年後のキャリアとして最も多いのは“継続して働き続けること”です。今回は定年後も働き続ける理由やメリット、仕事への満足度が高い理由を解説。また、定年後の働き方や平均年収もお伝えしていきます。

定年後も働き続ける理由

定年後は、役職が変わったり収入が減ったりする可能性が高いにも関わらず、継続して働き続ける方が増加しています。総務省が実施した労働力調査によると、2021年の労働力人口比率は68.6%もいるのだとか。

また、明治安田生活福祉研究所が実施した調査「50 代・60 代の働き方に関する意識と実態」によると、定年前50~64歳の正社員8割が定年後も働くことを希望していることがわかりました。

では、なぜ定年後も働き続けたいと感じ、仕事に取り組むシニアが増加しているのでしょうか?

現在と将来の生活資金を確保するため

年金制度改正法により、2022年4月から年金受給開始上限年齢が75歳となりました。年金受給開始時期は、60歳から75歳まで自由に選択できます。しかし、多額な資金を確保して安心して生活していくためには、減り続ける年金だけでは厳しいですよね。そのため、定年後も働き続けるという選択をするシニアが多いのです。

健康維持のため

働くことで、規則的な生活をしたり、他者とコミュニケーションをとったりできます。加えて、仕事を通してやりがいや達成感を覚えられるため、精神的にも身体的にも良い健康状態を維持することができます。また、企業に所属していれば定期的に健康診断を受けられるため、病気の予防や早期発見も可能になります。

社会とのつながりを消さないため

退職すると、趣味や習い事、ボランティアなどのコミュニティに属さない限り、社会とのつながりが消失してしまいます。定年前までは職場という居場所があり、仕事を通して社会と接点を持っています。しかし、定年後は接点を持つことが難しいですよね。

社会とのつながりを持つことで、心が豊かになったり、何かに夢中になれたり、幸せを感じられたりします。イキイキと生活するために、働き続ける選択をしているのです。

趣味を楽しむため

内閣府が実施した「高齢者の日常生活に関する意識調査」によると、テレビ・ラジオや散歩のほか、旅行や食事、スポーツ、読書などお金が必要となる趣味に取り組みたいシニアが多いことがわかっています。また、友人と集まって喫茶店などでおしゃべりしたい方も多く、こちらもお金が必要なことがわかります。

このように趣味を楽しむためには、どうしてもお金が必要となってしまいますよね。特に旅行となると大きなお金が必要となりますし、食事でも回数が多ければそれなりの金額となるでしょう。そのため、趣味を楽しむためにも定年後も働き続けたいシニアが多いのです。

定年後も働き続けるメリット

働き続ける理由は理解できたものの、収入が減ると言われる定年後に働くメリットはあるのかと疑問に感じている方もいるでしょう。
この章では、定年後も働き続けるメリットを順に解説していきます。

仕事の負荷が下がる

リクルートワークス研究所が実施した「全国就業パネル調査」によると、50代に仕事量、60代に仕事の質が急激に下がるそうです。これによって、定年前より定年後の仕事の幅は小さくなり、仕事の負荷が下がると言えます。また、定年後には権限も低下するため、背負っていた重荷をおろして働くことが可能です。

定年後も、これまでと変わらずしっかり働きたい人にとってはデメリットかもしれません。しかし、仕事の拡張を目指す定年前の社員と比較すると、どうしても老化による能力の差が生まれてしまいますので、仕事の縮小を受け入れざるを得ません。

病気の予防につながる

シニアがかかりやすい病気・症候群のひとつに「認知症」があります。認知症にはさまざまな原因がありますが、日常生活内の動作が少なくなることにより身体・精神機能が低下することも原因だと言われています。

働き続けることにより、意欲が向上し身体・精神機能にいい刺激を与えることができます。仕事に取り組む中と、考えたり、記憶したり、集中したり、コミュニケーションをとったりしますよね。それらの行動が認知症予防につながります。

年金の受給額が増える

60歳以降も働き続ければ厚生年金の加入期間も伸びます。結果として、厚生年金の老齢給付・遺族厚生年金などの金額が増加し、受給額を増やすことができるのです。また、企業の健康保険にも継続して加入できるため、医療費の負担の少ないこともメリットだと言えるでしょう。

定年後の仕事への満足度が高い理由

前述した通り、定年後は責任や仕事量が減少します。企業内の役職や社会的地位、給与など外側を見ればデメリットに感じられるかもしれませんが、定年後も働き続ける多くの方が満足感をもって仕事に取り組んでいます。

その理由は、自分で仕事のやり方を決めることができ、他人に影響を与える仕事が多くあるからです。定年前の仕事は難しくやりがいを感じやすいものの、自分のやり方で仕事を進めることができない場合もあります。

しかし、定年後の仕事は単調である一方、他人の役に立っていると実感を得ることができます。そのため、夢中になって仕事に取り組んだり、イキイキと働いたりすることができるのです。

定年後の働き方

定年後の働き方は「再就職」「再雇用」の2つがあります。この章では、それぞれの意味やメリット・デメリットを解説します。

再就職

再就職とは、所属していた企業を退職し、新しく職場を見つけて就職することを言います。ハローワークやシルバー人材センター、再就職支援サービス、転職サイトなどを利用して自分で求人を探す必要があります。

再就職のメリット
再就職では65歳以降も継続して働ける可能性があることが大きなメリットだと言えます。また、職場が変わることで新しく人間関係を構築できます。同年代の友人ができたり、同じ趣味をもつ方と関係を構築できたりするかもしれません。

さらに、定年後にしたいことがあればそれを仕事にすることもできます。自分の意思で仕事を決められるため、さまざまな業界・職種に挑戦することが可能でしょう。再就職に取り組んでいる際には失業手当、就職できれば再就職手当がもらえることもメリットでしょう。

再就職のデメリット
再就職は1から就職先を探す必要があります。60歳以降の人材を募集する求人数は限られているため、希望の条件に合う仕事が見つかりにくいデメリットがあります。また、退職してから仕事を探す再就職では、就職活動中に給料をもらえません。失業手当以外に収入がないため、就職活動が長引くと厳しい面が出てくる可能性があります。

再就職に人気の職業
新しく職場を見つけて就職できる再就職では、経験を活かした職業にも、これまでに経験したことのない職業にも就ける可能性があります。下記では、再就職に人気かつ始めやすい仕事をご紹介しています。年齢・経験不問の求人も多いので、ぜひ参考にしてみてください。

定年後はどうしても体力が低下してしまうため、無理せず働ける職種を選ぶことが大切です。自分のからだと相談しながら再就職活動を進めてみましょう。

再就職を検討する場合には、定年前から求人を探し、定年前に条件を決めておくことをおすすめします。さまざまな求人を見ることで条件を比較でき、譲れない部分と妥協できる部分を明確にして条件を決定できます。

また、必要収入の計算も行っておきましょう。定年後はどうしても給与が下がってしまう可能性が高いです。生活水準を維持できる収入がどの程度なのかを把握すれば、不安を感じず定年を迎えられます。

施設誘導や交通誘導などの警備:求人はこちら

未経験・無資格から働ける介護スタッフ:求人はこちら

点検や管理、受付や共用部の清掃などを行うマンション管理人:求人はこちら

配達・配送や送迎などのドライバー:求人はこちら

商業施設や飲食店での販売・接客:求人はこちら

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体に負担がかかりにくい事務:求人はこちら

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再雇用

再雇用とは、定年後も所属する企業から継続して雇用されることです。その中でも「再雇用制度」が代表例で、退職後に再び同じ企業(子会社やグループ会社を含む)に雇用されます。同じ企業に所属とはいえ、定年退職は認められるため退職金を受け取れることが特長です。

再雇用のメリット
再就職の1番のメリットは、同じ仕事をする可能性が高いことです。新しい職場で新たに仕事を覚えることに不安を感じる必要はありません。

また、定年後すぐに働けることもメリットのひとつ。定年退職後に就職活動をする再就職と異なり、休職期間がありません。そのため、これまで通りの気持ちで働けるでしょう。

再雇用のデメリット
高年齢者雇用安定法に基づき、65歳までの勤務が可能となります。しかし、70歳までの雇用は努力義務であるため、働き続けられるかは企業次第。働ける年数に期限があることはデメリットだと言えます。

また、仕事内容は同じでも役職が変わる可能性があることに不満を感じる方もいるかもしれません。役職が変わると部下が上司になったり、担当プロジェクトから外されたりすることもあります。さらに、再雇用制度では給与が下がることが多いです。再雇用契約を結ぶ際にしっかりと話し合いを行うことが大切です。

定年後の平均収入

国税庁が実施した「民間給与実態統計調査」では、年齢階層別の平均年収を発表しています。

年齢 男性の平均年収 女性の平均年収
60~64歳 537万円 262万円
65~69歳 423万円 216万円
70歳以上 369万円 210万円

厚生労働省が発表した「令和3年賃金構造基本統計調査の概況」によると、定年前(55~59歳)の平均年収が413万円と1番高く、60歳以降は下降していることがわかっています。

まとめ

収入が減る定年後でも多くの方が働き続けることには、生活資金を確保や健康維持の目的があり、さまざまなメリットがあることがわかりました。また、ストレスを感じにくいことで仕事に対して高い満足感を覚え、イキイキと働くシニアが増えていることもご理解いただけたのではないでしょうか?

働き続けること、引退すること、どちらを選ぶとしても、お金に関係する制度など必要な情報を集めることが大切です。自分らしくイキイキと暮らしていくために、今から少しずつセカンドライフについて考えてみませんか?

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