貯蓄型保険とは?中年世代ではじめても遅くない?メリット・デメリット、老後の資金作りのポイント
- ちょっと得する知識
- 公開日:2026年5月26日
銀行にお金を預けているだけでは、実質的な資産が目減りしてしまう時代となりました。こうした中で注目されているのが、保障と資産形成を同時にかなえられる「貯蓄型保険」です。一方で、ミドルシニア世代の中には「今からでは遅いのでは」と感じる方も少なくありません。本記事では、貯蓄型保険の仕組みやメリット・デメリットを分かりやすく解説するとともに、老後資金づくりに活用するためのポイントや注意点も紹介します。保険と資産形成について見直したい方は、ぜひ参考にしてください。
貯蓄型保険の仕組み
貯蓄型保険とは、保障と貯蓄の両方の機能を持った保険のことです。保険料の一部が積み立てられて、満期時や解約時にはお金が戻ってくるのが特徴です。
貯蓄型保険には、終身保険・養老保険・個人年金保険・学資保険などの種類があります。それぞれの特徴は以下の通りです。
終身保険
終身保険は、万が一死亡または所定の高度障害状態になった時に保険金が支払われる保険です。満期がないため、解約をしない限りは保障が一生涯続きます。
終身払いのタイプは定額で亡くなるまで払い続けますが、有期払いタイプは一定の年齢で払い終えるなど、商品によって特徴が異なります。
契約後は一定期間を経過した後から、途中解約が可能です。被保険者の死亡前に解約をすると、保険料を払い込んだ期間や金額に応じて解約返戻金を受け取れます。ただし、解約返戻金は払い込んだ保険料よりも下回るケースが少なくありません。
養老保険
養老保険とは支払った保険料が運用される、死亡保障と貯蓄の両方の機能を持った保険です。契約期間満了時には、満期保険金が支払われるのが特徴です。
もし、保険期間中に被保険者が亡くなった場合は、死亡保険金が支払われます。商品によっては、途中で解約して解約返戻金を受け取れる場合もあります。
個人年金保険
個人年金保険とは、老後資金の準備を目的とし、自分で用意をする私的な年金の役割を持った保険です。払い込んだ保険料の一部を運用して、あらかじめ決めた満期以降に年金として受け取れます。
一般的に、個人年金保険の保険料を支払っている期間に被保険者が亡くなった場合、払い込んだ保険料相当額の死亡保険金が受け取れます。
年金として老後資金の準備ができるので、将来に備えておきたい人に利用される商品です。払込期間は65歳や70歳など、定年退職前の年齢に設定されているケースが多くあります。
学資保険
学資保険とは、子どもの教育資金を備えるための保険です。加入時に決めた時期を迎えると、祝い金や満期保険金を受け取れるのが特徴です。例えば、15歳で払込満了、18歳〜22歳で学資金を受け取るなどを決められます。
保障機能もあるので、契約者が亡くなったり所定の高度障害状態になったりした場合は、それ以降の保険料の払い込みは不要、満期を迎えると保険金を受け取れます。
契約者が生存している場合は満期保険金を受け取れるので、大学などの進学費用として活用されるケースが多くあります。
掛け捨て保険との違い
保険には貯蓄型とは別に、掛け捨て型の保険もあります。貯蓄型保険は払い込んだ保険料が保障部分と貯蓄部分に分けられますが、掛け捨て型保険は払い込んだ保険料のほとんどが保障に充てられます。
掛け捨て型は貯蓄性がないため、同じ保障内容でも保険料が安くなるのが特徴です。必要な期間だけ保障を受けられるので、年齢に応じて保障内容や保険を見直しできるのもメリットです。ただし、保険期間が満了した時や解約時には、満期保険金や解約返戻金などは支払われません。
貯蓄型保険のメリット
貯蓄型保険のメリットや特徴を紹介します。
解約時に保険料の一部が戻る
掛け捨て型の保険は貯蓄性がないため、ほとんどの商品は解約をした時にお金は戻ってきません。しかし、貯蓄型保険は解約した時に、払い込んだ保険料の一部が解約返戻金として戻ってきます。
保険期間が経過すると解約返戻金の金額が増加するので、保険の種類や解約時期によっては、払い込んだ金額以上の解約返戻金を受け取れる可能性もあります。ただし、解約返戻金が払い込んだ保険料より下回るケースもある点は、知っておいてください。
さまざまな資金に備えられる
貯蓄型保険には、終身保険・養老保険・個人年金保険・学資保険などの種類があり、貯蓄をしながら老後の資金や教育費用など、さまざまな資金を備えられるのが魅力です。例えば、学資保険は子どもの大学費用など、必要な時期に合わせて満期保険金の受け取りが可能です。
終身保険の場合は満期はありませんが、お金が必要な時に解約をして返戻金を受け取れます。自分の目的に合わせて保障を選びつつ、貯蓄も自動的にできるので、資金が必要な時期が決まっている時に向いています。
税制優遇を利用できる
貯蓄型保険や掛け捨て型保険は、支払った保険料が「生命保険料控除」の対象となり、所得税や住民税の負担軽減を受けられます。一般生命保険料控除・介護医療保険料控除・個人年金保険料控除の3つの枠があり、貯蓄型保険は一般生命保険料控除に該当します。
生命保険料控除は1つの種類につき、所得税が最大4万円、住民税が最大2.8万円の控除、3つ合計では所得税12万円、住民税7万円が上限です。保障・貯蓄・節税もできるのが、貯蓄型保険のメリットです。
自動的に貯蓄できる
貯蓄型保険は支払った保険料の一部が貯蓄されるので、自動的にお金を貯めていけるのがメリットです。
口座から保険料を引き落とす設定をしておけば、どうしても貯蓄が苦手、お金があると使ってしまうという人でも、貯蓄ができます。貯めたお金の引き出しには時間や手間もかかるので、つい使ってしまうことも避けられます。
契約者貸付を利用できるケースがある
貯蓄型保険のなかには、解約返戻金を担保に保険会社からお金を借りられる「契約者貸付」を利用できるケースがあります。保険を解約したくないが、契約者貸付を利用すれば、保険を契約したまま資金の用意が可能です。
また、積み立ててきたお金をもとに借りる仕組みのため、審査は不要です。ただし、契約者貸付は利息が発生するため、利用の際には詳細を確認しておいてください。
貯蓄型保険のデメリット
貯蓄型保険はメリットが多いですが、デメリットもあります。契約してから後悔しないためにも、事前に確認しておきましょう。
掛け捨て保険より保険料が高い
掛け捨て保険は保険料の大半が保障に回されますが、貯蓄型保険は保障と貯蓄の両方に分かれるため、保険料が高くなるのが特徴です。
保障は充実していますが、場合によっては高すぎる保険料を支払い続けるのが難しくなり、途中で意図せずに解約しなければならなくなる可能性があります。解約返戻金が払い込んだ保険料よりも下回るケースが多く、払った費用を全額回収はできません。
また、商品によっては保険料を払い込んでいる期間中は、解約返戻金を通常より少なく設定している「低解約返戻金型」の保険もあります。途中解約をするケースも考慮して、保険を決めておくのがおすすめです。
利回りが他の投資商品より低い
貯蓄型保険は、銀行にお金を預けるよりは高い利率でお金を貯められますが、他の投資商品と比較すると利回りが低い傾向にあります。低くなる理由は、保険料に保障コストや保険会社への手数料などが含まれることで、運用に回せる費用が少なくなるためです。
お金を増やすことを重視したい人にとっては、利回りが低くなる貯蓄型保険は魅力が少なく見えます。資産形成の効率性を重視するなら、別の投資商品の方がいいケースもあるでしょう。
資金の流動性が低い
貯蓄型保険は、銀行に預けている時のようにすぐにお金を引き出せるわけではありません。強制的にお金を貯めるという点ではメリットですが、必要な時にすぐに現金化ができない流動性の低さは、場合によってはデメリットでもあります。
もし、短期間で解約となれば元本割れとなり、収益がマイナスになる場合もあります。自由にお金の出し入れができない点は理解しておき、銀行口座での貯蓄とバランスを取りながら利用をするのがおすすめです。
利率固定タイプはインフレリスクに弱い
複数ある貯蓄型保険のなかでも、将来受け取れる保険金が決まっている利率固定タイプは、インフレに弱いのがデメリットです。インフレが起こってしまうと、契約時には充分な価値があると思っていても、受け取り時には相対的に価値が下がってしまいます。
受け取れる保険金の額が決まっているのは安心ですが、価値が下がる可能性があるのはデメリットです。少しでも将来のために備えたい場合は、変動保険などインフレに強い商品への加入を検討してみてください。
貯蓄型保険を老後資金作りに使う時のポイント
貯蓄型保険を老後の資金作りに使う時には、注意しておきたいポイントがあります。今回は、4つのポイントをご紹介いたします。
①必要な資金を把握する
保険に加入する前に、「老後生活に必要な資金がいくらなのか」を計算しましょう。毎月の食費や住居費などの支出と、現在の貯蓄・退職金・年金の金額を計算し、どの程度の差があるのかを確かめます。必要な金額が分かれば、保険選びや将来の資金計画をしやすくなります。
②目的に合わせて商品を選ぶ
ライフスタイルなどに応じて、自分に合った商品を検討してください。死亡保障を重視するなら変額タイプの終身保険、年金形式で受け取りたいなら個人年金保険など、目的に合わせて選びましょう。
外貨建て商品なら為替レートの変動によって、解約返戻金受け取り額の円換算額が変動しますが、長期的に保有していれば平均的な水準に戻る可能性があります。それぞれの特性とリスクを把握して、自分に合った保険を選んでください。
③余剰資金で行う
投資商品は経済状況や解約のタイミングなどによっては、元本割れを起こすリスクがあります。また、保険は払込期間中に必要な金額を支払いますが、高額な保険であれば継続的な支払いが難しくなります。
家計を圧迫しないように、老後の生活に必要な資金を確保した後の余剰資金で行うことを検討してください。
④定期的に計画を見直す
保険は一度入ったら終わりではなく、その後も保障内容が自分に合っているか、保険料は適正かなどを、定期的に見直してみてください。ライフスタイルが変化すると、必要になる保障や資金計画も変わっていきます。年に一度などタイミングを決めて、見直しをしておきましょう。
貯蓄型保険はミドルシニア世代で始めても遅くない?
40代・50代の人にとって、今から貯蓄型保険に加入してもメリットがあるのか気になっている人も多いでしょう。ミドルシニア世代で、貯蓄型保険に加入するのがおすすめの人、向いていない人の特徴を紹介します。
加入がおすすめなのは、貯蓄が苦手な人や万が一に備えて保険も入りたい人です。一方で、資金効率を重視する人や短期での投資を行いたい人には向いていません。特に50代での加入は、保険料が高いうえに元本の回復までに時間がかかりやすくなります。
払込期間が短く、年間の保険料負担が重くなりがちのため、老後資金形成の観点でいくとあまり優先度が高いとは言えない商品にはなります。しっかりとした保障と貯蓄を両立させたい人は、貯蓄型保険の加入をご検討ください。
まとめ
貯蓄型保険の仕組みやメリット・デメリットなどを紹介しました。貯蓄型保険は、万が一の時の保障と貯蓄の両方の機能を持った保険です。満期や解約時に保険料が戻ってきたり、税制優遇を受けられたりすることがメリットです。
しかし、保険料が割高な傾向にあったり、流動性が低かったりなどのデメリットもあります。今回ご紹介した内容などを含めて、今後どのように資金を確保したいのかを考慮しながら、貯蓄型保険の加入を検討してみてください。