マイナンバーカードはやっぱり作るべき?メリット・デメリット、申請方法などを解説
- ちょっと得する知識
- 公開日:2024年6月25日
マイナンバーカードは、個人を識別するためのマイナンバーが記載された本人の顔写真付きのカードです。2016年より制度が導入され、現在では普及が安定してきていますが、中には未だ「作成に気が進まない」という人も。しかし、2024年12月2日に健康保険証が廃止され(※最長1年の猶予あり)、マイナ保険証の一本化となります。今回の記事では、こうした背景を含め、マイナンバーカードを作るメリット・デメリット、申請方法などをご紹介します。
マイナンバーカードを作るメリット
マイナンバーカードを作ると、今まで煩わしかった手続きや各種証明書の発行などが簡単にできるなど、さまざまなメリットがあります。ここでは、具体的に5つのメリットを紹介します。
本人確認書類のひとつになる
マイナンバーカードには、氏名、性別、生年月日、住所、顔写真などが記載されており、運転免許証やパスポートなどと同様に、公的な本人確認書類として使うことができます。子供の本人確認書類としても使えるため、携帯電話の契約やライブやイベント会場の入場時にも便利です。金融機関の口座開設や、就職時の身分証明もマイナンバーのみで可能になります。
コンビニで公的証明書を取得できる
住宅や自動車の購入や遺産相続など、重大な契約をする際に必要になる印鑑登録証明書や住民票。従来、これらの書類を取得するには、平日に役所を訪れなければなりませんでした。しかし、マイナンバーカードの発行によって、休日や夜間でもコンビニで取得可能になりました。
公的証明書の発行に対応しているコンビニでは、店舗に設置されているマルチコピー機から取得することができます。各店舗によって操作方法が多少異なりますが、基本的に以下の流れで簡単に手続きができます。
① メニュー画面内の「行政サービス」のボタンを押す
② 証明書交付サービスを選択する
③ 画面指示に従い、マイナンバーカードをマルチコピー機にセットする
④ 証明書交付市区町村を選択する
⑤ マイナンバーカード交付時に設定した暗証番号を入力する
⑥ 証明書の種別を選択し、証明書に記載する項目の有無を選択する
⑦ 部数を選択し、発行内容を確認する
⑧ 料金を支払い、印刷が確認できたら終了
※マイナンバーカードの取り忘れにご注意ください
ただし、全国の市区町村やコンビニエンスストアが対応しているわけではありません。お住まいの場所で利用可能か否かは、確認が必要です。
手間のかかる一部の行政手続きもオンラインでできる
マイナンバーカードがあれば、子育てや介護などに関連する手続きもオンラインでできます。市区町村によってサービスが異なりますが、児童手当の申請や、要介護・要支援の認定申請、税金や公共料金決済などが可能です。
迅速に給付金が受け取れる
マイナンバーカードに公金受取口座を登録しておくと、国や地方自治体からの給付金受け取りがスムーズです。預貯金口座情報の提出をはじめ、自治体での確認作業が不要になります。
対象となる給付金は、福祉手当や年金、高額療養費等、特別支援教育就学奨励費、児童手当又は特例給付、確定申告による所得税の還付金などです。なお、公金受取口座に登録できるのは、本人名義の預貯金1口座のみ、いつでも変更・削除が可能です。
確定申告が便利になる
マイナンバーカードを取得していれば、自宅からでもオンラインで確定申告ができます。「e-Tax」と呼ばれる国税電子申告・納税システムを利用し、本人確認にマイナンバーカードを使うことで、簡単に確定申告が完了します。
現時点では、マイナンバーカードを作成しなくても「ID・パスワード方式」でe-Taxでの確定申告は可能です。しかし「ID・パスワード方式」はあくまでもマイナンバーカードが普及するまでの対応策のため、将来的にも便利に確定申告を行いたい場合は、マイナンバーカードを発行しておくと良いでしょう。
マイナンバーカードを作るデメリット
マイナンバーカードを作るにあたって、考えられるリスクもあります。ここでは、具体的に3つのデメリットを紹介します。
更新手続きが必要になる
マイナンバーカードには有効期限が設けられているので、定期的な更新が必要です。有効期限は「発行日から10回目の誕生日」まで、電子証明書の期限は「5回目の誕生日」に設定されています。なお、未成年者の有効期限は「発行日から5回目の誕生日」までです。
有効期限の2~3か月前を目途に、有効期限通知書が送付されます。更新手続きを行わなければ、そのマイナンバーカードは失効扱いになり、別途申請が必要になるためご注意ください。
個人情報漏えいのリスクがある
マイナンバーカードを作っていない人の理由として多く挙げられるのが、個人情報漏えいのリスクでしょう。実際、昨年には、マイナンバーに別人の公金受取口座が誤登録されるミスが相次ぎ、個人情報が漏えいしたというニュースも取り上げられていました。
個人情報の漏えいの恐れがあるということは事実ですが、マイナンバーの漏えいによって、芋づる式に個人情報が漏れる心配はないとデジタル庁は発表しています。マイナンバー制度では、個人情報が共通のデータベースで管理されることはなく、国税に関する情報は税務署に、年金関連の情報は年金事務所にと、従来通り情報は分散して管理するようです。
紛失・盗難の恐れがある
パスポートなどの身分証明書も同様ですが、マイナンバーカードには、紛失や盗難の恐れがあります。万が一マイナンバーカードを紛失・盗難にあった場合には、総合フリーダイヤルに電話をかけて一時停止を依頼します。24時間365日受付しているため、紛失に気づいたらすぐに連絡を。
次に警察署に遺失届を提出します。遺失届に記載されている「受理番号」は、マイナンバーカードを再発行する時に必要になるので、必ず控えておきましょう。
マイナンバーカードの申請・発行に必要なもの
マイナンバーカードの申請時に用意するものは「個人番号カード交付申請書」と「顔写真」の2つです。また、手続きを行う際に23桁の申請書IDも必要ですが、個人番号カード交付申請書に記載されています。ここでは、マイナンバーカードの申請時に必要となる2点の要項とポイントを紹介します。
個人番号カード交付申請書
個人番号カード交付申請書とは、マイナンバー通知カードの下部分に付いている申請書類です。個人番号カード交付申請書を紛失してしまった場合は、再交付手続きを行います。
再発行に必要な個人番号カード申請書発行依頼書は、総務省のマイナンバーカード総合サイトや市区町村のホームページよりダウンロードすることができます。また、Web上で申請ができるフォームが用意されている場合もありますので、お住まいの市区町村に確認してみましょう。
顔写真
マイナンバーカードを申請するには、顔写真の準備も必要です。使用できる条件やサイズがあるため、事前に確認の上準備をしましょう。
使用できる顔写真の条件
・6ヶ月以内に撮影したもの
・無帽・無背景で正面から撮影したもの
・色合いはカラー、白黒どちらでも可能
サイズは申請方法によって異なりますので以下を参照してください。
<郵送申請の場合>
・縦4.5cm×横3.5cm
・写真の裏面に氏名、生年月日を記入
<オンライン申請の場合>
・ファイル形式はjpeg
・カラーモードはRGBカラー
・ファイルサイズは20KBから7MB
・ピクセルサイズは幅480から6000ピクセル、高さ480から6000ピクセル
※アプリなどで加工された写真は受付できない場合があります
マイナンバーカードの申請方法
マイナンバーカードの申請方法は4種類あり、自分に合った方法で申請できます。
スマートフォンから申請する
最初に、交付申請書にあるQRコードを読み取り「交付申請用のサイト」にアクセスします。メールアドレスと名前を登録すると、登録したメールアドレス宛に申請用URLが届きます。URLに飛んでから、スマートフォンのカメラなどで撮影した顔写真を登録、生年月日などの情報を入力すれば申請完了です。
パソコンから申請する
最初に、交付申請用のサイトにアクセスし、氏名・メールアドレス・交付申請書に記載されている23桁の申請書IDを入力します。登録したメールアドレス宛に届いた、申請用URLにアクセスしてからデジタルカメラやスマートフォンなどで撮影した顔写真を登録してください。次に生年月日などの必要事項を入力すれば申請完了です。
証明写真機から申請する
一部の証明写真機からでも、マイナンバーカードの申請が可能です。申請方法は、証明写真機のメニュー画面から「個人番号カード申請」を選択してバーコードリーダーに交付申請書のQRコードをかざします。その後は画面の指示に従って必要事項の入力、顔写真の撮影を済ませてデータを送信すれば完了です。
郵送で申請する
郵送で申請する場合は、通知カードの下部にある「個人番号カード交付申請書」に必要事項を記入します。個人番号カード交付申請書を紛失してしまった場合は、再交付手続きが必要になりますのでご注意ください。
マイナンバーカードの受取方法
マイナンバーカードの発行にかかる期間は、およそ1ヶ月。窓口または郵便にて受け取ることができます。
窓口受取
申請後1ヶ月程度で、住民票のある市区町村から「交付通知書」が送られてきます。マイナンバーカードを窓口で受け取る際には、この交付通知書に加え、本人確認書類または写真付きの住民基本台帳カードが必要です。必要書類を持ち、交付通知書に記載されている交付場所で受け取りましょう。受取時に、暗証番号の設定も行います。
郵送受取
マイナンバーの受取りは、原則本人が窓口で行う必要があります。郵送での受取りは、交付申請を窓口で実施して「本人確認と暗証番号の設定を行った場合のみ」に限られている自治体が大半です。Web申請&郵送受取といった、一度も窓口に行かない方法ではマイナンバーカードを作成することができません。
海外転出時にもマイナンバーカードの継続利用が可能に
これまでは海外赴任や留学をする場合、マイナンバーカードは失効していました。しかし、法改正によって、令和6(2024)年5月27日からは国外に転出後も継続して利用できるようになりました。継続利用の条件は、国内に住民票を置いていることです。また、日本国籍の外国居住者も利用可能ですが、平成27(2015)年10月5日以降に日本国内に住民票を置いたことのある、日本国籍を持つ人に限ります。
なお、転出予定日の前日までに手続きを行わなければマイナンバーは失効してしまうため、注意しましょう。失効後は、国外転出者としてカードの再申請を行わなければなりません。
まとめ
今回の記事では、マイナンバーカードを作るメリットやデメリット、申請・発行方法などを紹介しました。
マイナンバーカードを作るメリットは、本人確認書類のひとつになることや、コンビニで公的証明書を取得できること、手間のかかる一部の行政手続きもオンラインでできること、迅速に給付金が受け取れること、確定申告が便利になることなどが挙げられます。一方で、更新手続きが必要であり、個人情報漏えいのリスクや、紛失・盗難の恐れがあるため、ほかの身分証明書と同様に適切に管理が必要です。
手続きに必要な書類を準備し、パソコンや郵送などで申請すれば、約1ヶ月程度で受け取れます。懸念点もある制度ではありますが、海外転出時にもマイナンバーカードの継続利用が可能になるなど、日々利用者の利便性向上に向けてアップデートされています。いずれ迎える廃止に向けて、マイナンバーカードの詳細を改めて確認しておきましょう。廃止直前は窓口が込み合う恐れもあるため、早いうちから手続きをしておくと安心でしょう。