50代から都市部を卒業するという選択肢。地方で花を咲かすためには

  • 100年時代のライフデザイン

新型コロナウイルスの影響によってリモートワークが普及し、働き方の選択肢も増加した2021年。従来なら住居選びの基準は、雇用の集まる都市部一択だった人も、考え方に変化が生じているのではないでしょうか。そこで今回は、ミドルシニア層が地方で働くメリットやデメリット、アフターコロナにおける地方で花の咲かせ方(新しい生き方や働き方)をご紹介します。

ミドルシニアが地方で働くメリット

まずはミドルシニア層が地方に移住し、働くメリットを紹介します。

1.生活費を抑えられる

老後の生活も見据え始めるミドルシニア層にとって、生活費を抑えられることは非常に大きなメリットのひとつです。地方は都会と比べて物価が安い傾向にあり、特に家賃や住居費はその差が顕著です。

地方では、7万円もあればファミリータイプのマンション(駐車場付き)を借りられる地域も珍しくありません。もちろん、戸建て・マンションの価格も都会と比べて格段に安い傾向にあります。

2.満員電車のストレスから解放される

押し込まれるように乗った満員電車に揺られ、会社に着いた時にはすでに疲れているような経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。地方では車通勤を許可する企業も多いので、満員電車とは無縁です。
電車通勤の場合でも、都会のように人が溢れておらず、ゆとりを持って通勤できます。

3.豊かな自然の中で健康的な生活ができる

地方では豊かな自然が身近で、心穏やかな暮らしができます。空気が新鮮で水はおいしく、都会のように人混みで苦労することもありません。
自分が選択したコミュニティの中で、気心の知れた人たちとまったりとした時間を過ごすことができます。

ミドルシニアが地方で働くデメリット

メリットと一緒に押さえておきたいのが、地方で働くデメリットです。
地方移住によって懸念されるポイントもあらかじめ理解しておくと、移住した際に大きなギャップを感じることなく、心健やかに過ごせるでしょう。

1.転職先が限られる

昨今では新型コロナウイルスによって、大企業の郊外化が進んだというニュースもよく耳にするようになりましたが、都会と比べるとまだまだ求人数が少ない傾向です。

特にWebやIT系の職種では求人数が少なめ。地方移住を望み、地方での転職を希望するのであれば早めに求人をチェックしておく必要があるでしょう。

2.収入が減少する恐れがある

物価が安い地方では、給与も低い傾向にあります。あなたの経験やスキル、実績によっては転職することによって年収が上がる可能性もありますが、減少する場合が大半ですので念頭に置いておく必要があります。

3.利便性に欠ける

地方は豊かな自然がある分、お店や施設が少なめで、建物と建物の距離が遠いというデメリットもあります。都会であれば会社帰りに徒歩でスーパーやコンビニに寄れていた人も、車を数十分走らせなければ買い物ができないような地域も。
都会での生活スタイルとは大きく変化することを理解しておきましょう。

アフターコロナにおける地方での花の咲かせ方

生活費が抑えられたり、通勤のストレスから解放されたりと、たくさんのメリットがある地方。しかし同時に複数のデメリットもあり、人によっては苦労を感じる場合もあります。

では、「地方で働いてよかった」「移住してよかった」と満足するためには、どのようにすれば良いのかを解説していきます。

1.二地域居住(デュアルライフ)にする

二地域居住とは、2つの地域に拠点を持って生活すること。都市に住む人が本人・家族のニーズ等に応じて、多種多様なライフスタイルを実現するための手段のひとつです。たとえば、平日は都市部で労働・生活をし、週末は地方の拠点でスローライフを満喫するような2拠点を往来するライフスタイルを指します。

2拠点持つことによって、都市部で感じるストレスと地方で感じる不便性を中和させられ、心の健康を保つのに非常に優れたライフスタイルを形成できます。もし地方での生活が肌に合うようなら、徐々に地方移住にシフトしていけるのも二地域居住(デュアルライフ)の魅力です。

往来する交通費や2拠点分の維持費など、費用面では負担が大きいですが、生活の充実度であったり、健やかな心身を育んだりするのを望む人には、おすすめしたい方法です。

2.フルリモートの会社に転職する

さまざまな企業の郊外化が進んでいる傾向にありますが、都会に比べるとまだまだ求人数は少なく、地方に移住してから転職先を探すとなると、選択肢は自ずと少なくなります。そのため、転職先を移住先の地方で限定して探すのではなく、フルリモートを導入している全国の企業に広げるのがおすすめです。

3.副業を視野に入れる

地方転職のデメリットのひとつとして懸念される収入の減少。地方は都会に比べて物価も低いことから給与も低い傾向にあります。そのため、企業によっては都会で働いている時よりも収入が減少する可能性も大きいのです。

地方に移住しながら現在の収入を確保し、ゆとりのある生活を送りたい場合には、副業を検討するのもひとつの手段です。在宅でできる副業は、データ入力やカスタマーサポート、プログラミング、デザイン、執筆などさまざまな種類があります。副業は会社によって禁止されている場合もありますので、事前に確認してから始めるようにしましょう。

ダブルワーク歓迎の求人を探す

4.地域の人との交流を大切にする

都会暮らしでは、近隣に住む人の名前や顔を知らないということも珍しくありません。しかし、地方では近隣に住む人たちとのコミュニケーションは不可欠です。都会と比べて地方活動も活発なことが多く、そうしたコミュニティへの参加も必須である場合がほとんど。

地域移住を楽しく充実したものにするためには、そうした環境への適応力やコミュニケーション力が必要です。煩わしく感じてしまう人もいるかもしれませんが、助け合いながら温かい関係性を築いていけるのも地方に移住する醍醐味です。

まとめ

自然豊かでのんびり過ごせる地方は、ミドルシニアにとって住居地としても働く場所としても素晴らしい場所です。
しかしメリットと同様、さまざまなデメリットがあることも事実。「残りの人生をどんな風に生きたいか」を念頭に置いて、都市部を卒業するということも、今後の選択肢のひとつとして検討してみてください。

関連記事

ワーケーションってどんな働き方?メリット・デメリットや導入事例を紹介 人生100年時代!今すぐ始められる、新しい働き方とは?

記事をシェアする

あなたへのオススメ記事

2024年11月国家資格試験スタート!注目の"日本語教員" 自分らしく活きる年齢不詳?の日本語教師|人生100年時代のライフシフト

大手精密機器会社で40年余、定年延長の期限まであと1年。全く向き合ってこなかった“この先の自身のキャリア”。貯えも十分ではなく「最低でも10年は働きたい!」と考える私の“この先“に向けて、背中を押したのは妻からの情報提供でした。

  • 100年時代のライフデザイン
  • 2024年12月10日

「セカンドキャリア発見フェア」をきっかけに就職!求職者の気持ちが分かる採用担当者に|株式会社マイスター60

今回は、株式会社マイスター60で人財開発部長を務めていらっしゃる、江口和哉(えぐち かずや)さんにお越しいただきました。江口さんは2023年6月開催「セカンドキャリア発見フェア」への参加をきっかけに、出展企業であった株式会社マイスター60へ入社されました。本日は、江口さんにセカンドキャリアや、働くことについてお伺いします。

  • 100年時代のライフデザイン
  • 2024年9月11日

"命"と向き合うことで価値観が変化。生涯のシゴトと出会いました|人生100年時代のライフシフト

株式会社セノンで警備隊員から警備隊長を経験、そして現在は全社の社員教育を担う小林 英仁さん。前職エンジニアとしての激務から、40代で未経験の警備業への転職を決めた経緯をうかがいました。

  • 100年時代のライフデザイン
  • 2024年8月15日

あなたにあった働き方を選ぶ