シニアの方向け、履歴書の職歴欄書き方マニュアル!押さえるべき7つのルールとは?
- 転職・退職ノウハウ
- 公開日:2019年9月 5日
- 最終更新日:2020年6月25日
シニア世代にとって、履歴書の職歴欄を簡潔にまとめるのは至難の業。「全国津々浦々、いろんな会社を転々としてきたからなぁ」と感慨にふける方もいるのではないでしょうか? 職歴は、今まで歩んできた人生の集大成。きれいにまとめて、正々堂々と応募先に提出しましょう!
職歴は全部書いたほうが良いの?
長く一つの会社で働いてきた人も、職歴が多い人も、転職活動時に悩みがちなのが履歴書の「職歴欄」の書き方ではないでしょうか。特に転職歴が多い方の場合、記憶をたどるだけでも一苦労。「適当に書いちゃおうかな」と悪魔のささやきが聞こえてきても不思議ではありません。
しかしそれは禁物です。履歴書の職歴欄に書かれている内容がいい加減だったり、うそ偽りがあると、企業はあなたのキャリアを正確に判断できなくなってしまいます。正しい情報を的確に伝えるためにも、職歴欄のルールを抑えつつ、内容をまとめていきましょう。
【ルール1】会社や部署名は正式名称で記入
履歴書の職歴欄を見て、「書ききれない」と思わずうなってしまったあとに、「省略すれば書けるかも」と考えたあなた。会社名や部署名を省略することは、ルール違反です。
職歴が多い場合でも、勤務していた企業の名称や部署名は、省略せずに正しく書きましょう。法人格も(株)と略さずに正式名称を書くことが基本ルールです。
時系列に沿って、入社した年と会社名を書き、下の行に退社年と退職理由を書きます。西暦と和暦が混在しないよう、年号は履歴書のほかの欄と統一しましょう。
【ルール2】職歴はすべて記載する
たとえば、あなたがA・B・C・D社と、4つの会社に勤務していたとして、B社時代はあまり良い思い出がなかったとします。「B社は書かなくてもいいかなぁ」と、思わず省略したくなりますよね。
しかし、これもルール違反です。今まで勤務した会社名は、すべて略さず正式に書きましょう。そのうえで面接用に、B社について聞かれた時にどんな返答をすべきかを、あらかじめ考えておきましょう。
転職歴が多く職歴欄に書ききれない場合は、職歴欄を大きく取ってある履歴書を選ぶと良いでしょう。学歴は、義務教育機関であれば省略可能ですので簡潔にまとめ、職歴欄を大きくとる工夫をするとよいでしょう。
なお、正社員ではなく、派遣社員として勤務していた場合は、派遣会社名を記載しましょう。
【番外】職歴を偽ったことがばれてしまったら?
「多少、現実と違うことを書いても、ばれないだろう」と思っても、相手は採用のプロ。不自然な職歴は、見破られてしまいます。せっかく採用されたとしても、後に職歴を偽っていたことがばれて「採用取り消し」ということにもなりかねません。
記憶違いも有りえるので、職歴を書くときには、「入社年や退社年、勤務年数に間違いはないか」「勤務していた企業を省略していないか」の二つを必ず確認しましょう。
職歴詐称に関しては、以下の記事で詳しく紹介しています。
職歴にブランク(空白期間)があると不利になる?
仕事を休んでいた期間が長い場合や「アルバイトやパートの経験はあるけれど、正社員として働いたことはない」という方もいらっしゃることでしょう。このような応募者に対して、採用担当者はどのような印象を抱くのでしょうか。
果たして、空白期間があると不利になってしまうのでしょうか。
【ルール3】3か月以内なら、空白期間は不利にならない
ブランク期間が3ヶ月以内であれば、多くの企業が「転職活動に要した時間」と受け取るため、特段悪い印象を持たれることはありません。そのため、面接時に空白期間について指摘された時も、「転職活動のため」と説明すれば、企業は十分に納得してくれるでしょう。
【ルール4】3か月を超えると不利になる可能性が。ただしフォロー可能
では、3ヶ月を超えた場合はどうでしょうか。
空白期間が余りにも長いと、「働く意欲が低いのか」というマイナスの印象を抱かれかねません。「転職活動のため」と説明しても、「次の仕事が決まるまで、そんなに時間がかかったのか」と、やはり悪い印象を抱かれてしまうかもしれません。
そのため、3ヶ月以上の空白期間がある方は、マイナスの印象を抱かれないような情報を職歴欄に書くことをお勧めします。
たとえば、「半年の空白期間では、日雇いや単発の仕事をしながら、資格の勉強に励んでいた」という場合はその旨を記載し、転職に向けたスキルアップの取り組みをしていたことをアピールしましょう。
職歴が少ない場合の書き方
職歴が少ない方や空白期間がある方でも、書き方を工夫することで採用担当者の注目を集める内容にすることができます。大切なのは、職歴欄がスカスカにならないように適度に情報を埋めること。そして、書く内容を吟味することです。
【ルール5】在籍中の在籍部署名や仕事内容を書く
これまで勤務した企業が一社のみの場合、在籍していた部署名や業務内容を書くことで、職歴欄の余白を埋めることができます。部署異動を数回経験している場合はもちろん、それぞれの配属先での業務内容も記してかまいません。
ただし、職務経歴書も併せて提出する場合は詳しく書かず、簡潔にまとめるのがベターです。職歴欄は、採用担当者が応募者の職歴をザッと理解するためのもの。「冗長になっていないか」「職務経歴書の内容と整合性がとれているか」を必ずチェックするようにしましょう。
【ルール6】学歴・職歴欄が小さい履歴書を選ぶ
職歴欄に書くことがない場合、学歴・職歴欄の枠が小さい履歴書を選ぶことはあながち間違いではありません。職歴欄が小さければ、余白がそれほど目立たずに済みます。
【ルール7】アルバイト経験を混ぜて書く
とは言っても、やはり適度に情報を盛り込んで、少しでも見栄えの良い履歴書にしたい、という思いがある方は、アルバイトやパート勤務の内容を記しましょう。
たとえば飲食店の接客に応募する場合に他業種の接客アルバイト経験を記載することはアピールにつながりますが、応募する求人とあまりにもかけ離れている経験はあまり意味がないので、控えた方がよいでしょう。
【番外】それでも書くことがない場合
空白期間のある方は、その期間に何をしていたか振り返ってみましょう。
■スキルアップに励んでいた
・資格取得
・自己啓発 など
■仕事を休まざるを得ない理由があった
・病気療養
・育児
・介護
・家業の手伝い など
これらの理由で空白期間がある場合は、職歴欄にその旨を書くことで、採用担当者が納得する内容にすることができます。
たとえば、病気療養をしていた場合は、以下のように書きます。
○○年○月 △△△△株式会社に入社
○○年○月 病気療養のため、退職
○○年○○月まで自宅にて療養。現在、就業には問題なし
病気療養の場合、採用担当者が一番知りたいのは、「仕事に支障があるかどうか」です。「病気療養をしていたが、現在は就業に問題がないこと」を必ず書くようにしましょう。
介護や育児をしていた方は、「介護のため退職」「育児のため退職」と書きましょう。
また、これらの理由は面接で質問される可能性があります。質問を受けたときに答えられるよう、返答内容を準備しておきましょう。
まとめ:人生で経験したことのすべてが、この先のキャリアに活かせる
職歴欄はその名の通り「職務の経歴」を書く欄ですが、応募者のスキルや人となりは仕事だけに限らず、様々な経験によって培われます。
「あの時、こんなことがあったよなぁ」「そういえば、こんな経験もしたよなぁ」と丁寧に過去を振り返っていくと、次のキャリアに生かせる「何か」が見つかるかもしれません。
長い人生ですから、良い時期もあれば、辛い時期もあるでしょう。辛い経験だって、人生の糧になりますよね。「これまでの人生で得た経験すべてを、この先の人生に活かしていこう」という前向きな気持ちで、転職活動に取り組んでみてください。