パートとアルバイト、社会保険に違いはあるの?【社労士監修】

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育児も一段落ついたし、ガッツリ働いて家計を助けるぞ!――そう思ったのはいいけれど、社会保険に入る場合、パートとアルバイトのどちらが有利なの? 社会保険の仕組みはなんだか複雑で理解しにくいですよね。そこで、パートとアルバイトの違いや、パートやアルバイトが社会保険に加入する条件などをわかりやすくご紹介します。

パートとアルバイトで社会保険はどう違う?

パート・アルバイトの違いは、○○だけ!

求人広告に記載されている、「パート大募集!」「アルバイト急募!」などのコピーを読んでいると、パートとアルバイトには明確な違いがあると捉えてしまいがち。しかし実際は、パートとアルバイトの違いはただ1つ。名称の違いがあるだけ。法律上の区分はされていないのです。

パートとアルバイトの違いが法律で定義されていないため、社会保険の適用に関しても両者に違いはありません。どちらも、同じ条件を満たすことで社会保険の加入対象となります。

パート・アルバイトが社会保険に加入するための条件

では、具体的にどのような条件を満たせば、パートやアルバイトが社会保険の加入対象となるのでしょうか。

これまで、パートやアルバイトなどの短時間労働者が社会保険に加入する条件として、「一週間の所定労働時間及び1か月の所定労働日数が正社員の4分の3以上」を満たす必要がありましたが、2016年10月、社会保険加入の適用範囲が広がり、これまでの条件を満たさなくても、以下の条件のすべてを満たせば社会保険に加入できるようになりました。

(1)週の労働時間が20時間以上
(2)1か月の賃金が88,000円以上(年106万円以上)
(3)雇用期間の見込みが1年以上ある
(4)学生ではない
(5)以下のいずれに該当する
 1 従業員501人以上の会社に勤務
 2 従業員500人以下の会社に勤務し、社会保険加入について労使合意がされている

パート・アルバイトは、扶養控除や有給の制度も同じもの!?

パートとアルバイトを区別している理由

前述の通り、パートとアルバイトの違いは名称だけです。法律上の定義は、どちらも正社員より労働時間が短ければ、短時間労働者となります。

週の所定労働時間が正社員より短い労働者を、「パートタイム労働法(正式名称は「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」)」で「短時間労働者(パートタイム労働者)」と定義しています。つまり、正社員が1週間に40時間働く会社であれば、パートやアルバイト以外の雇用形態であっても週の労働時間が40時間未満の従業員は全員、パートタイム労働者となります。

では、法律上の違いがないのに、なぜパートとアルバイトを区別しているのでしょうか。これは、社会的イメージによるところが大変大きいです。「パート=主婦(が多く働く)」「アルバイト=学生(が多く働く)」という社会的なイメージがあり、企業が人材を募集する際、このイメージを踏まえて応募内容を決めることが多いのです。

有給や育休、扶養控除などの適用も同じ?

「パートタイム労働法」は、パートタイム労働者の公正な待遇を確保し、納得して働くことができるように定められた法律です。社会保険の適用以外にも、有給休暇や健康診断、育児休業や介護休業など、労働に関する制度が定められています。パートもアルバイトも、正社員より労働時間が短ければ、同じ短時間労働者ですから、パートタイム労働法で定められたこれらの制度は、すべて同様に適用されます。

もちろん、扶養控除も同じです。配偶者控除や配偶者特別控除を受けられる条件は、パートもアルバイトも変わりありません。

履歴書の内容は?

ここまで読んでくださった方ならもうおわかりだと思いますが、パートとアルバイトで履歴書の書き方を変える必要はありません。繰り返しになりますが、「パートとアルバイトの違いは名称だけ」なのです。

そのため、過去にパート・アルバイトの経験を記載する際も、どちらを記載すればよいか迷う必要はありません。当時働いていた職場での名称がパートであればパートを記載すればよいのです。それでも迷った場合には、今回応募する職種の表記を合わせておけば問題はないでしょう。

パートやアルバイトとして働く際にチェックしておくべきポイント

次に、パートやアルバイトの求人に応募する際の注意点をご説明します。

企業がパートやアルバイトのイメージを踏まえて募集をかけるということは、両者の社会的なイメージを理解することで、企業がどのような人材を求めているかを推測することができます。そこで、パートやアルバイトに対する社会的イメージを以下にまとめてみました。

[パートの社会的イメージ]

主婦が多く働く
勤務期間が長期に及ぶ
正社員に近い業務も任される

[アルバイトの社会的イメージ]

学生やフリーターが多く働く
短期間~中期間働く
マニュアル化された仕事を任される

このイメージをもとに、「パートだと、長期間働くことを期待されているかもしれない」「アルバイトだと、若い人が多く働いているのかな」といった具合に、働き方や職場の環境を推測した上で、事前準備をしてみましょう。たとえば前者のイメージを抱いたら、「面接で『長期間働けますか?』と質問されるかもしれない」と想定することができますし、質問の回答をあらかじめ用意しておくことができます。

まとめ:マイナビミドルシニアでお仕事探しを始めよう!

パートもアルバイトも法律上の違いはなく、社会保険や扶養控除、福利厚生などすべて同じ条件で適用されるので、「扶養控除を外れて、社会保険に加入したい」という方も、「扶養控除内で働きたい」という方も、安心して仕事探しを行いましょう。マイナビミドルシニアでは、40・50・60代の主婦・主夫の方に向けたお仕事情報をご紹介しています。ぜひ、仕事探しに活用してください。

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