子育てと仕事の両立、よくある悩みとその解決法

  • ちょっと得する知識

子育てと仕事を両立する母親は、最近ではワーママなどと呼ばれ、増加傾向にあります。働き方改革の影響もあり、一昔前よりも注目される存在となりました。そんなワーママの最大の悩みとも言えるのが、子育てと仕事をうまく両立させること。有効な方法はどんなものがあるのでしょうか?

子育てママの悩みの種類

専業主婦世帯と共働き世帯の数は、この40年で逆転!

ミドルシニア層の多くが学生時代を過ごした1970~80年代。1980年の数字を見てみると、専業主婦(男性雇用者と無業の妻からなる世帯)は1,114万世帯。共働きは614万世帯と、圧倒的に世の中の主婦は専業主婦が多い時代でした。

しかし、1990年代後半から数字は逆転。2017年の数字を見ると、専業主婦は641万世帯に減少し、共働きの世帯は1,188万世帯に増加。つまり、1980年時の世帯構成が逆転しており、ワーママ達が世の中の主流を占めているといえます。

ワーママ達の悩みとその解決法

子育てと仕事のどちらかだけでも、ストレスや疲れが溜まり大変であるにもかかわらず、ワーママはその両方をこなさなければならないのですから、その大変さは計り知れません。ここではそんなワーママたちの、両立についての悩みの種類と解決法をご紹介します。

・時間がない

共働き世帯では、子育てと仕事に加え、家事など、日常生活に必要な仕事をこなすと、夫婦共に常に忙しい状態となり時間に余裕がなくなります。特に、子どもが相手となる子育てでは、子どもの機嫌や体調によって大幅に時間を食ってしまうこともあり、思った通りに予定が進まないこともしばしば起こります。

・子育てが上手くいかずイライラしてしまう

子ども相手の子育てでは、自分が思うように物事が進まずイライラしてしまうこと。その相手が幼児ともなるとなおさらです。よくママたちが口にするイライラの原因は、

・子どもの機嫌が悪く家事や仕事が進まない
・子どもが言うことを聞かない
・子どもが片付けをしない
・子どもが宿題をしない
・子どもや自分自身が体調を崩し、生活が乱れる

など、挙げればきりがないほど、子育てにはイライラがつきものです。日中仕事をして帰ってきて、たまった家事や残りの仕事があるにもかかわらず、子どもが言うことを聞いてくれない時などは、焦りや疲れも合わさって、イライラがピークを迎えてしまうこともあります。

子育てと仕事の両立で悩まないためのポイント

大変な子育てと仕事の両立ですが、いくつかのポイントを頭に入れておくだけで悩まずにすむこともあります。

・一人だけで頑張らない

ベテランママの多くは「育児は一人ではできない」と口を揃えて言います。そしてこれこそが、育児と仕事を両立させる最大のポイントなのです。家族や信頼できる知人がいる時は子どもを見てもらう、家族の中で家事の分担を決めるなど、母親が一人で頑張らなくてもいい環境を作りましょう。誰かに愚痴をこぼす、と言う些細なことも、ストレスを減らして両立ができるきっかけとなりますよ。

・職場の理解を得ること

子育てと仕事の両立には、職場の理解を得ることもポイントになりますが、重要なことは、ママも最低限の職場のマナーを守ることです。以下の4つを意識してみてください。

①仕事ができることに感謝する

忙しいと忘れてしまいがちですが、そもそも自分を必要としてくれ、仕事をさせてもらえることに感謝する気持ちを忘れてはいけません。卑下する必要はなく、この気持ちを持ち続けていると、自分自身が楽しく仕事をすることができます。

②周囲に感謝する

仕事と子育てを両立すると必ず自分だけでは出来ないことが出てきます。そんな時助けてくれるのは同僚や仕事仲間です。どんな時にも「あたりまえ」と思うことなく、感謝する気持ちを忘れないように、そしてその気持ちを表現するようにしましょう。

③仕事はきちんとこなす

あなたには、母親としてだけではなく、ひとりのビジネスパーソンとして仕事が与えられていることを忘れず、役割をきちんとこなすという意識を持つことが重要です。仕事を中途半場にしないためにも、出来ないことはできないと早いうちに伝える勇気も必要です。

④ワーママを代表している気持ちを持つ

増加しているとはいえ、「総合職のフルタイムで3人の子どもを育てている」など、職種や子どもの人数によっては、まだまだワーママのパイオニアである人も多いです。常に「自分がワーママの代表である」という意識を持つことで、その他のワーママやこれからワーママになりたい後輩女性たちの良いモデルとなるべく、意識してみましょう。

参考記事
仕事と子育ての両立は難しい!? ワーママが知っておきたい両立10のコツ

子育てと仕事を両立できるスケジュール

子育てと仕事の両立には、それを可能とするスケジュールの設定も重要です。ここでは時短勤務やパートで働く場合と、フルタイムで働く場合とのスケジュール例をチェックして、スケジュール設定のコツを掴んでみましょう。

<時短勤務・パートの場合>

6:00 起床、部屋掃除・朝食準備・洗濯・夕食の下ごしらえ
7:30 朝食
8:00 保育園に子どもを送り、出社
16:00 退社、保育園お迎え・買い物
18:30 夕食
19:30 入浴
21:00 子ども寝かしつけ・就寝までは自由時間
23:00 就寝


<フルタイムの場合>

6:00 起床、部屋掃除・朝食準備・洗濯・夕食の下ごしらえ・仕事(残っている場合)
7:30 朝食
8:00 保育園に子どもを送り、出社
18:00 退社、保育園お迎え・夕食準備
19:00 夕食
20:00 入浴
21:00 子ども寝かしつけ・就寝までは自由時間
23:00 就寝

あくまで上記は一例で、家庭の環境や職種によって異なることもあります。多くの場合、フルタイムのママは、時短やパートのママに比べると帰宅後から寝かしつけまでの時間が限られるため、買い物は週末に済ませておくなどの工夫が必要です。

また、どちらのママにも言えることが、子どもが寝ている間に、夕食の下準備をしたり、残っている仕事を済ませたりして、有効に使っている点です。スムーズに子どもを寝かしつけ、起こすためにも、規則正しい生活を続けることが重要です。

・両立を助ける制度もチェック

働き方改革の動きも相まって、子育て世代の仕事と育児の両立をサポートする政策も増えています。こうした支援も積極的に受けるようにしましょう。

・育児休業制度

事業所に1年以上いる、子どもが1歳を超えても雇用される予定である、週3日以上働いている、といった条件を満たしていれば、産後休業の後も子どもが1歳になるまでは仕事を休むことができる制度です。

育児休業制度の詳細はこちら

・妊婦や1歳未満の子どもがいる女性が使える制度

1日に2回まで30分以内の時間で授乳など育児のための時間を請求できる「保育時間」や医師からの指示がある場合に、勤務時間内に妊産婦検診をうけることができる「母性健康管理措置」といった制度があります。

母性健康管理措置の制度についてはこちら

・3歳未満の子どもがいる女性が使える制度

原則として1日の所定労働時間を6時間にする「短時間勤務制度」や残業をしなくてもいい「所定外労働の免除」といった制度があります。

時短勤務制度の詳細はこちら

・未就学児の子どもがいる女性が使える制度

通常の勤務時間の始めか終わりに1日2時間以内の間で勤務をしない時間を設けることができる「育児時間」、残業時間が1ヶ月で24時間、1年で150時間を超えないようにすることができる「時間外労働の制限」、午後10時以降午前5時までの深夜勤務をしなくてもいい「深夜業務の制限」、そして子どもが病気や怪我をした際に1年に5日まで休暇を取得できる「子どもの看護休暇」といった制度があります。

時間外労働の制限の制度についての詳細はこちら

深夜業務の制限の制度についての詳細はこちら

子どもの看護休暇の制度についてはこちら

感謝の気持ちを持ちながら、周囲の協力を仰ぐのが両立のコツ

子育てと仕事、そして家事までをも女性が一人でこなすことは不可能です。両立のためには、パートナーや両実家、それに地域や国、時には子ども自身にも協力をしてもらう必要があります。周囲に気兼ねなく、そして感謝の気持ちを持って、子育てや仕事を共有することが、両立のコツと言えそうですね。

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