資金ゼロでも起業できる!? 0円起業の実態と成功の秘訣
- 独立・起業
- 公開日:2025年11月 6日
令和に入り、第二のキャリアを迎えて起業するという選択肢を選ぶ人が増えました。しかし、起業には「リスクを負うのはちょっと…」という不安がつきものです。そこで今回は、起業に少しでも興味がある方に、リスクの少ない“0円起業”についてお伝えします。
元手をかけずに起業することは可能?
人生100年時代になった昨今、独立開業する方も多く見かけるようになりました。起業をして第二のキャリアをスタートし、中にはメディア等で取り上げられ、活躍しているシニアたちも。そんな同年代の方をみて自分も起業したいと思われる方も少なくないのではないでしょうか。
しかし、「まずは多くの資金が必要なのではないか」、「余剰資金がない私には無理かも...」と、始める前からあきらめてしまってはいませんか?実は、開業資金0円でも事業をスタートできる仕事は意外と多いのです。
また、資金は0円とまでは言わなくても、デスクやパソコンといった設備を購入するだけでそこまで元手をかけずに起業ができるような職種も増えてきています。その背景には、インターネットの存在が大きいと言われています。
インターネットやデジタル技術の発展により、無料や低価格でのオンラインプラットフォームやツールが多く登場するようになりました。これらを活用することで、起業コストを格段に抑えることができるのです。
たとえば、ネット上のオンラインショップであれば、店舗を持つことなく、在庫を抱えずに明日からでもビジネスができるというわけです。さらに、SNSやクラウドソーシングを利用した仕事の受注や発注も当たり前になったことも起業へのハードルを低くしている要因といえます。
0円起業とは?
老後の資金問題や物価高の影響で現在、元手をかけずに開業したいと考えている人も少なくないでしょう。では、具体的に0円起業とはどのようなものなのでしょうか。
0円起業とは、文字通り0円もしくはそこまで費用をかけずに起業することです。法人を立ち上げる場合は費用がかかりますが、個人事業主なら開業届の提出に費用はかからないことから、0円起業と言われはじめました。0円起業には大きく分けて二つの種類があります。
①自分の経験やスキルなどをお金に換える方法
例えば、英語が話せる、写真が撮れる、ウェブデザインができるといった、予め持っているスキルを活かしてお金に換えていくスタイルです。自宅でできる仕事であれば、インターネット一つあれば仕事が始められるため、0円起業に大変向いていると言われています。
②自己資金以外で起業する方法
初期費用が要らないフランチャイズへ加盟することです。最近では、加盟金や研修費が無料なフランチャイズも増えています。利益が出てからロイヤリティが発生するため、初期投資をかけずに事業をスタートすることができるというわけです。
ただし、初期経費がかからないフランチャイズの契約では、契約後に事業者に不利になるような条件が課されていることもあるため、始めるにはちゃんと吟味する必要があります。
0円で始められる業種とは?
では、具体的にどのような仕事で0円起業することができるのでしょうか。
ネットショップ
インターネット上で商品を販売するビジネス形態です。ハンドメイドの作品などがある場合、オンラインショップを開設すれば、すぐに販売することができます。また、自分で商品を持たなくても、卸業者から商品を仕入れ、ネットショップ上で販売することも。
オンラインサイトは専門知識がなくても作成できるものが揃えられていることが多く、手軽に始めることができ、0円起業に向いていると言えるでしょう。
アフィリエイト
SNSをやっている方は、アフィリエイトで収入を得ることもできます。アフィリエイトとは商品やサービスを自分のSNSアカウントやブログで宣伝し、その成果に応じて報酬を得る仕組みです。
収益になるまでに時間はかかると言われていますが、一度フォロワーが増えてしまえば、安定した稼ぎに繋がることから近年挑戦する人が増えています。
オンラインサロン
自宅での開業であれば0円で開業することができます。言語やマナーといったオンライン講座を開き、講師として活躍するシニアも増えています。これまでの経験やスキルを活かせるオンラインサロンで収益化できれば、ほぼコストはかかりません。
最近ではプラットフォームも充実しているため、手数料の有無などや使い勝手で自分にあった出店先を選んで手軽に開くことができます。
音声配信
ポッドキャストや音声配信も、近年注目を浴びている0円起業の事業の一つです。プラットフォームが増えていることや、顔出しせずに配信できることも人気に拍車をかけています。
アラフィフ、アラ還の友人らと趣味程度に始めた音声番組が人気になることも。ファンを地道に獲得し、人気番組になればスポンサーを得て広告収入を得ることができます。
ライター
世の中には、ブログ記事やニュース記事、レビュー記事といった様々な記事があります。文章を書いたり、まとめたりするのがお好きな方はライターとしてビジネスを始めてみることもできるでしょう。
インターネットとパソコンさえあれば事業をスタートすることができるため、手軽さからシニア起業家たちにも人気があります。場所や時間を問わず自由に働くことができ、未経験でも挑戦しやすい分野の仕事です。
観光ガイド
観光大国として近年多くのインバウンド需要がある日本。そんな中、観光ガイドとして起業すれば元手をかけずにビジネスをスタートできるでしょう。
通訳案内士の資格がない人でも、通訳ガイドができるようになった今、外国語のスキルがある人はもちろんのこと、言葉の壁があってもアプリやAIで問題なくコミュニケーションが図れることから、観光ガイドを始めるシニアたちが増えています。
ただし、気を付けなくてはならないのが親切からホテルや旅館などの宿泊先の予約・手配、運送手段のチャーターといったことはしてはいけません。これらの業務には、旅行業または旅行代理業の登録が必要になるので、覚えておいてください。
家事代行
クライアントの自宅などに訪問して掃除や家事を行うため、設備投資をしなくても身一つで始めることができます。また、家事が得意な人であれば稼ぐことができるので、シニアからも人気の事業となっています。
登録しておけば仕事がある場合だけ連絡がくる仕組みのサイトもあるので、自分の時間を大切にしながら働くこともできます。
ペットシッター
日本における犬の飼育頭数は約700万頭、猫の飼育頭数は約900万頭とも言われており、近年ではペットビジネスで起業する方も増えています。ペットシッターは飼い主の自宅を訪問し、その飼い主に代わってペットの世話をする仕事です。
ただし、ペットシッターとして開業するためには、第一種動物取扱業の登録をしなくてはなりませんから、登録料はかかると覚えておきましょう。
0円起業、選ぶ基準とは?
元手のかからないビジネスは、初期費用0円でも起業可能ですが、成果につながるまで期間のかかることがあるため、ビジネスの選び方が大切になってきます。どのような点を重視して選べばいいのでしょうか。
モチベーションややりがいのある仕事
0円起業では元手をかけない分、収益化までに時間が要するものも。そんなとき、モチベーションがあるのとないのとではビジネスの成功に左右するといえるでしょう。仕事を選ぶ際は、自分がその仕事がしたいか、年間や月間でどれだけの売上が出したいかなど、目的を前もって立てておくことが大切です。
また、ご自身が何にやりがいを感じるかを予め見定めておきましょう。報酬や環境...などやりがいは人それぞれですから、仕事を選ぶ前に自己分析することも0円起業では求められます。
スキルやキャリアが活かせる仕事
0円起業の場合、自分の得意分野やスキル、実績を活かせる仕事を選ぶとスムーズに起業できます。自分のスキルや実績は、これまでご自身が蓄えてきた資産です。
そんなキャリア資産を活かして起業することはある意味、未経験で起業する方よりもアドバンテージになります。さらに、これまでの人生で備えてきた、知識や知見が備わっている業種を選ぶようにすると、起業リスクも減らすことができるでしょう。
0円起業で成功するためには
0円起業で、成功するためにはどのようなことを意識しておけばいいのでしょうか。
法律や税金について知っておく
0円起業といってもビジネスを行う以上、法律や税務、お金の基本的な知識は必要になります。適切な届出や許可の取得を怠ると、罰金や罰則の対象となってしまうことも。消費税や所得税などの納税義務にも注意を払っておきましょう。
脱税はクライアントへの心象を悪くするだけではなく、後々ご自身が損をすることになってしまいます。少しでも不安がある方は、早めに専門家へ相談するようにしましょう。
ネットサービスに強くなる
インターネット上には多くの無料ツールがあるため、0円起業では元手をかけないためにもこういったサービスを利用するのが賢いです。ECサイトの構築から顧客管理、会計ソフト...と、巷にはあらゆる無料で使えるネットサービスがあります。
オンラインでのビデオ会議ツールはあらゆる企業で使われているので、時代に乗り遅れないためにも把握しておくようにしましょう。また、こうしたサービスを使うことで少しでも経費を抑え、効率的に事業運営を行うことができます。
YoutubeやTwitterなどのSNSを利用することは、費用をかけずに起業に役立つ情報を収集できることにも繋がります。苦手だからと奥手にならず、ネットに詳しくなることが0円起業を成功させる秘訣だといえるでしょう。
低リスクでも備えておくと安心!
いくら0円起業といっても、ある程度のお金は備えておかないとなりません。想定外の事故や病気になってしまうことも人生では無きにしも非ず。そうした時のことを想定して事業運営が保てるくらいの運転資金は用意しておくのが一般的です。
起業後に予想外の出費が重なることも。そのため、預貯金や生活防衛費は必ず用意してから起業するようにしましょう。また、「思い立ったが吉日!」と、いきなり起業するのではなく、起業家などに事前に話を聞いておくのもリスクヘッジになります。
そうした知り合いがいない方は、起業向けのサロンなどに参加して人脈を広げてみるとよいでしょう。実際に、起業し成功した人にアイデアや事業運営について聞いておくだけでも、起業後のことをより鮮明にイメージすることができます。
事業をスタートさせ存続させていくためには、0円で気軽にビジネスがスタートできるからと胡坐をかかずに、スキルや方法をしっかりと学ぶ必要があるのです。
抑えておこう! 転ばぬ先の融資先
さきほど0円起業では、資金の確保も大切だと述べました。しかし、このご時世、新型コロナウイルスのような世界的パンデミックも起こらないとも限りません。そんな局面では、慌てずに公的機関を頼るようにしましょう。
日本政策金融公庫
創業や継承、海外展開など、様々な事業目的に合わせた融資制度がある機関。起業時には「新規開業資金」をチェックしてみましょう。
保証協会付き融資
信用保証協会が保証人となって金融機関から融資を受ける制度です。中小企業や小規模事業者が日本の企業全体に占める割合は99.7%で、その数は全国で336.5万者です。そのうち、信用保証の利用企業数は約148.3万者と、公的金融機関の中でも利用者が多いのが特徴です。
データ元:日本政策金融公庫HP、 全国信用保証協会連合会「初めての融資と信用保証」
まとめ
元手をかけずとも起業ができるようになった今。それでもリスクヘッジや日頃からの備えが事業存続には非常に重要です。元手をかけないからこそ、綿密に事業のことを考えることが成功への近道かもしれません。