フリーランスが増えすぎた今、独立するメリットってあるの?

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フリーランスが増えすぎた今、独立するメリットってあるの?

働き方が多様になる中でフリーランスとして独立する選択をする人も増えてきた今、フリーランスとして生き残れない現実を目の当たりにし、会社員に戻るという選択肢を持つ方もいます。本日は、それでもフリーランスとして独立するメリットはあるのか、についてまとめていきます。

フリーランスの現状

2024年11月1日より、フリーランス新法が施行されました。
これは組織に属さず働くフリーランスが増えてきたために、企業などとの発注事業者間の取引を契約書等により適正化し、フリーランスの働き方を守ることが主な目的です。

内閣府によれば、日本における広義のフリーランス従事者はおよそ1,600万人に上り、労働力人口の4割に相当するといいます。コロナ禍を通じて日本のフリーランス人口は増加傾向にあり、2018年から2021年にかけて500万人以上の大幅な増加が見られました。

そして、フリーランスは専任も副業などの兼任も含めて、今後も増加すると見込まれています。世間でも定着してきている、フリーランスという働き方。法整備も進み、働きやすい社会ができているかと思えば、一方でフリーランスから会社員に戻らざるを得ない方も一定数いるのが現状です。

フリーランス白書2023のデータによると、フリーランスの年収は200〜400万円未満が大多数を占めています。しかしながら、1,000万円以上のフリーランスは全体の10%にも上ることには驚きを隠せません。この数字からもフリーランスの年収は会社員と比較しても低いとは言い切れないのです。

それなのにどうしてフリーランスから会社員に戻る方が一定数いるのでしょうか。数字上でみた場合、フリーランスの平均年収は何も問題ないように見えます。しかしこれはあくまでも統計にすぎません。多く稼ぐ専門的なスキルを持ったフリーランスが平均年収を底上げしているのです。

特に、ITエンジニア系やプログラマーといったIT分野で活躍できるスキルを持つフリーランスは、企業でもDX化が進んでいることもあり稼ぐことにあまり苦労していない反面、Webライターなど特にこれといった資格も必要なく始められる分野では、副業としてフリーランスを始める方も多いため巷では価格破壊が起こっているといいます。

このように、特にスキルが必要ではない職種のフリーランスが増えた結果、その分野で独立をしたフリーランスにとっては生活が苦しくなってしまったり、一つの案件を複数のフリーランスと競争で勝ち取らなくてはならなくなってしまった結果、フリーランス自体を続けられないといったことが増えてきているのです。

データ元:内閣府「要旨 日本のフリーランスについて」、フリーランス協会「フリーランス白書2023」

フリーランスが増えた理由とは?

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保障がない中でフリーランスとして働き続けることは、難しいことが年々わかってきています。しかし、それでもフリーランスの数自体は増加傾向にあります。ではなぜ、フリーランスがこんなにも増えたのでしょうか。その要因をみていきたいと思います。

・働き方改革が進んだ

2018年に働き方改革関連法が制定されてから、日本ではフレキシブルな働き方が受け入れられるようになりました。そのため、これまでは正規雇用者として企業を定年まで勤めるのが一般的でしたが、多様な働き方が認められるようになったことで、フリーランスという働き方にも注目が集まるようになりました。

・在宅ワークによる就業形態の変化

新型コロナウイルスの影響で在宅ワークが増えたことも、フリーランスが増えた要因の一つでしょう。在宅ワークが基本となったことで通勤時間がなくなり、残業の時間が短縮された結果、副業などの新しい職種を始める人が増えたのです。

・クラウドソーシングサービスが増えた

クラウドソーシングの浸透もフリーランスが増えた要因と言えます。これまでは営業をして自ら仕事や案件を獲得しなければならなかったのですが、現在はクラウドソーシングによって簡単に仕事を受注できます。オンラインで簡単に仕事を獲得でき、対面での人間関係を築くこともないため、ストレスなく仕事ができることもフリーランスとなる人が増えた理由でしょう。

フリーランスになるメリットとは?

では、多くの人のキャリアの選択肢に上がってきたフリーランスという働き方。そのメリットには一体どのようなものがあるのか、見てみましょう。

・働き方の自由度が高い

フリーランスの大きなメリットには、働き方の自由度が挙げられます。就業時間も規則もないため、自分らしく日々を送ることができます。会社のルールや役職ごとの縦社会などに縛られず、納品物のクオリティを上げるためだけに専心することができます。まさに、ワークライフバランスという言葉はフリーランスとして働くことで実現しやすいと言えます。

・収入は自分次第で増やすことができる

フリーランスは、単価も人それぞれです。時間給ではなく、成果物報酬になることが多いため、効率よく稼働できれば収入を増やすチャンスも多いと言えるでしょう。

ただし、クライアントのニーズを汲んでいく必要や日々のスキルアップも必要なので、一概に収入を増やすのは簡単だとは言えません。それでもフリーランスは組織で働くのとは異なり、自分次第で確実に収入を増やしていける働き方でしょう。

・煩わしい人間関係を築かずに済む

フリーランスは基本的には、自宅兼仕事場やオフィスを借りたりして一人で働くことになります。そのため、会社組織では必ずといっていいほどある、人間関係のしがらみはありません。人間関係に悩みやすい人にとっては、フリーランスとして人間関係に囚われずに自由に働くことがメリットと言えそうです。

ただし、フリーランスだからといって全く人と関わらないわけではなく、クライアントはもちろん、営業活動の一環で他業種の方と知り合う機会も多いため、マナーや一般的なルールをしっかり守れることが肝心となります。

・集中して一つのことに取り組める

会社員であれば年次と共に現場だけだはなく、マネージメントや職場全体を見渡す業務など自分の好きなことだけをしていればいいというわけにはいかなくなります。しかし、フリーランスであれば、自分が好きな仕事を追求できるというメリットがあります。得意としている分野やスキルを最大限に活かして仕事をすることで、ストレスなくキャリア人生を過ごしていけるのです。

フリーランスになるデメリットとは?

では、次にフリーランスから会社員に戻らざるを得ない要因ともいえるデメリットを見ていきましょう。

・オンとオフの切り替えが難しい

フリーランスは就業規則もないため、決まった時間、決まった曜日で働くことはあまりありません。そのため、納期が迫っている制作物がある場合は土日でも作業を行うことになりますし、クライアントからのOKがでなければ徹夜で稼働することも。また、仕事場も自宅兼であるケースが多いため、働くこととプライベートのオンとオフの切り替えが難しくなってしまうのです。

・収入面が安定しづらい

フリーランスはほとんどの場合、業務委託契約での案件が多くなります。そのため、契約が多いときは安定した収入を得ることができますが、クライアントからプロジェクトの中断を言い渡されてしまった場合などには、翌月からの収入は別の案件を獲得しなければならなくなります。

会社員であれば毎月決まった収入があるわけですから、フリーランスの働き方はやはり不安定だと言わざるを得ないでしょう。フリーランスは自ら収入を増やしていける反面、一歩間違えると不安定な生活を送らなくてはならなくなります。

そんなストレスから解放されたいと会社員に戻る人も多いのが実態です。さらに、将来受給できる年金額も会社員より少なくなってしまうため、貯蓄をしっかり行わなくてはいけないなど、老後の心配もある点も踏まえておかなくてはなりません。

・社会的信用が得られないことも

フリーランスは特性上、住宅ローンやクレジットカードなどの審査に通りづらいところがあります。金融機関の審査基準は明らかにされていませんが、やはり毎月収入に変動があるフリーランスにおいてはローンが組みづらいことは事実です。ですから、フリーランスとなって住宅や車、ライフプランとして大きな買い物を検討している場合には注意が必要になります。

・経理関係をしっかりと行う必要がある

フリーランスは毎年、確定申告を行う必要があります。会社員であれば会社の経理部門が経費や年末調整を行ってくれますが、フリーランスの場合は自身で確定申告をしなければならなくなります。

そのため、1月1日〜12月31日までの収支を記録し、経費計上や領収書の管理などを行う必要があるのです。フリーランスになりたての方にとっては、何が経費になるのか、何が経費にならないのか、そういった線引きも難しいでしょう。

また、会社員の場合は年金や健康保険料は会社が半分負担してくれますが、個人事業主では全て自己負担になるため、保険料の負担は重くなる傾向があります。収入を自分で伸ばしていけるからといって安心していると、トータルの手取りは少なくなってしまうといったことも起こり得るのです。

・自分の身は自分で守らなくてはいけない

会社員であれば、雇用契約があるため労働法が雇用制度の保障をしてくれます。しかし、フリーランスには1日8時間、週40時間以内の法定労働時間の制約があるわけでもありません。ましてや有給休暇もないため、不慮の事故に遭った場合や身体を壊してしまった場合には自分の身は自分で守らなくてはならなくなります。

また、企業に従事する女性であれば出産・育児休暇がありますが、フリーランスにはそういった制度はありません。人によっては妊活をするためにフリーランスから会社員に戻ったという話も聞きますから、働き方の自由なフリーランスが実はライフイベントで考えてみれば不自由だという矛盾も孕んでいるのを覚えておきましょう。

フリーランスとして活動していくための要件

差別化できるスキルがある方にとって、フリーランスは生きやすいかもしれません。しかし、誰もが参入できる分野で独立を果した場合には、ある程度の覚悟が必要と言えそうです。どのようなことを念頭に置いておかなければならないのでしょうか。

・単価が安い

フリーランスとして独立してからまず悩むのが単価問題です。経験や実績が重視されるフリーランスにとっては独立して最初のころは単価が上がらない傾向にあります。また、近年は競合も多いため、単価を上げていくのは大変なことだと言えます。

そのことを念頭に入れずに独立してしまうと、後で「こんなはずじゃなかった...」という結果になってしまいますので、独立するには自信をもってスキルや経験をクライアントに提案できることが重要となります。

・自己管理をしっかり行う

フリーランスは自分自身の身体が一番の資本となります。そのため、規則正しい生活や仕事スタイル、生活リズムを徹底して行っていないと病気やケガをした場合に思うように働けなくなってしまいます。フリーランスになる方は会社員時代よりも、より徹底した自己管理が求められると言えるでしょう。

・差別化できるスキルの獲得を目指す

さきほどからお伝えしているように、現在フリーランスの数は増えています。そのため、フリーランスとして独立してからの方が競合に勝つためにも優れたスキルを身に付けなくてはならない事も多いです。例えば、クライアントへの営業方法一つをとっても、クラウドソーシングを利用したり、知り合いにアテンドを頼んだり、異業種交流会へ参加してみたり、と多岐に渡るでしょう。

煩わしい人間関係が苦手だからとフリーランスになっても、仕事を続けていくためにはやはり人と関わっていく必要があることを覚えておきましょう。フリーランスとして働き続ける以上、現在の自分の市場価値に足りないものは何なのかを常に頭にいれ、一歩先を見て行動することが大切になります。

・弱音や相談を言える相手を見つけておく

フリーランスとして働き続ける上で重要となるのは、相談できる相手を見つけておくことです。職場であれば一人や二人は相談にのってもらえる上司や同僚がいるかもしれませんが、独立してしまうとなかなか弱音や相談をする相手が見つからなくなってしまいます。

相談相手には、友人やパートナーはもちろん、税理士の方や同じフリーランスとして働いている人など、ご自身の立場をわかってくれる人がよいでしょう。一人で作業することが多いフリーランスは孤独に陥りやすいといえます。そんな中で悩みを打ち明けられる人物の存在はメンタルを保ち、生き生きと働くためにも想像以上に大切です。

このように、フリーランスとして生計を立てていくためにはある程度の覚悟が必要になります。しかも、フリーランスになったことで会社員時代と比べ、生活の満足度が下がったという人はおよそ5%と言われています。安直にフリーランスとして独立するより、フリーランスとして働き続けることの難しさを知ってから独立した方が、息の長いフリーランスになることができるでしょう。

また、フリーランスから会社員に戻ることは何も恥ずかしいことではありません。フリーランスとして"働く"を経験できたことは大きな財産になり、そこで培ったスキルを企業で活かすことも可能だからです。最近では、フリーランスから転職する方に向けたキャリアアドバイスをしてくれる転職エージェントも増えています。フリーランスを副業にしながら会社員として働くことも、多様性な社会にはぴったりかもしれません。

まとめ

社会的にも認められてきたフリーランスという働き方。しかし、覚悟ができていない場合や不安がある方は、まずは副業やアルバイトでフリーランスという働き方を体験してみましょう。本当にご自身が独立した方がいいのか、見定めることが大切だと言えそうです。

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