ミドルシニア・シニア世代を襲う突然の出費!特別費を上手に管理&資金を準備する方法
- ライフプラン・人生設計
- 公開日:2024年11月15日
ミドル・シニア世代は、突然の病気やリフォームなど、急な出費が必要な場面が増えてくる可能性があります。今回は普段の生活費とは別に必要となる、特別費の準備方法や管理方法をご紹介します。家計管理や急な出費に備えるために、ぜひご一読ください。
ミドル・シニア世代の生活で発生しやすい特別費の種類
どのような出費が想定されるのかを知り、事前に対策をしておくと、いざという時に慌てずに済みます。まずは、予想される特別な出費を把握しましょう。
医療費
ミドルシニア世代以降になると、病気や怪我のリスクが今までよりも高まります。保険に入っている場合は、入院や手術の費用などを軽減できますが、すべての医療費をすぐにカバーするのは難しいでしょう。
病気の種類によっては、自己負担額が高くなる場合もあります。また、事故で怪我をする場合や家族が病気になる可能性もあるため、ある程度の医療費は備えておくと安心です。
冠婚葬祭費
ミドルシニア以降の場合は葬儀や、子供の結婚、出産祝いや入学祝いなどの孫に関する費用が発生するでしょう。香典やご祝儀、お祝いを送るためのお金などを用意しておくといざという時に慌てずに済みます。
結婚式に出席する際は衣装代や交通費など、ご祝儀以外のお金も必要です。医療費などと同様に、突然発生する可能性が多いため、数回分の費用を事前に準備すると安心です。
家のリフォーム
持ち家で生活をしている場合、リフォームが必要となってくる可能性があります。お風呂やトイレ、キッチンなどの水回りの入れ替え、壁紙や外壁...工事が必要となる箇所もさまざまです。例えば、バスタブの交換は20万円前後、外壁材の重ね塗りは50〜150万円が必要となります。
もし、住まいの構造部分の修繕が必要となれば、より大きな金額が発生します。リフォームローンも利用できますが、少しでも将来の負担を軽くしたい場合は、早い内から用意しておきましょう。
参考:国土交通省 リフォームの内容と価格について
家具や家電の買い替え
住まいはもちろん、住まいの中で使っている家具や家電も寿命を迎えた場合は、買い替えが必要です。故障をした時は修理をする場合もありますが、買い替えでも修理でもまとまった費用がかかります。また、家電は突然壊れることもあり、買い替えを予定していた時期よりも早く必要となる場合も。
車の修理費や車検代
車を持っている場合は、車の修理や車検代なども発生します。車検は新車を購入後は3年目に、その後は2年に一度発生するため、出費の計画を立てやすいです。故障や事故が原因で修理が必要な場合、車両保険に加入していれば、修理費用を保険でカバーできるでしょう。
しかし、車両保険の種類や免責事項によっては、自身で支払いが必要な場合も。任意の自動車保険でも、次回の保険料に影響するなどの理由で利用しない場合もあるでしょう。
税金や年金に関する出費
忘れがちなのが、税金や年金に関する出費です。住民税や国民年金保険は、会社で天引きされる人もいますが、自営業の場合は自身での納税が必要です。また、早期退職をした場合なども、自分で支払いをする必要があります。
さらに、自動車を持っている人は自動車税、持ち家がある人は固定資産税が発生します。支払いが必要な時期や金額は人によって異なるため、去年の支払い情報などから、事前にある程度の予測を立てておきましょう。
ミドル・シニア世代が特別費を準備する方法
今から特別費を準備するための方法をご紹介します。見直しによって、コツコツと特別費を貯めましょう。
月々の収入から先取り貯金
まずは、毎月の給与が支払われた時に貯蓄や生活費とは別で、特別費を先取りで貯めましょう。月の生活費の残りから用意しようとすると、一定額を貯めるのは難しくなり、場合によっては0円になることも。
安定して特別費を貯めるには、前もって決めた金額を振り分けておきます。最初の年は、今年度分の特別費を支払いながら積立もするため、貯めるのは難しくなります。しかし、まずはコツコツと貯める仕組みを作りましょう。
少額でも早めに始めておけば、今後の生活が楽になります。また、ボーナスが支払われた時は、月々の積立分に上乗せをして特別費へ回しましょう。ボーナスとの組み合わせによって、より早く目標の金額に届きます。
固定費の見直し
特別費のために生活費が足りなくなっては意味がないため、生活費のなかでも固定費を見直しましょう。生活費を見直す場合は食費などの変動費に手を付けがちですが、変動費は節約の継続が難しい項目です。
固定費は見直しのハードルが低く、一度費用を下げられれば、節約の効果が大きくなります。特に、以下の固定費を最初に見直しましょう。
• 水道・光熱費
• スマホやインターネットの利用料
• 保険料
• サブスク代
• 車の任意保険
スマホやインターネットの利用料金は、現在と同じプランでも他社への乗り換えで、月の支払いが数千円下がる場合があります。また、車を持っている場合は任意保険の内容の見直しなどを行いましょう。
不用品の処分
一時的な費用の作り方ですが、自宅の中の不用品を処分する方法もあります。不要な本や使わなくなった趣味のグッズなどを、リサイクルショップやフリマアプリで手放せば、お金を作れます。また、数回着ただけのブランドの洋服やバッグなどは、高額で売れる可能性が高いです。
家の中をすっきりさせつつ、お金も作れるため、検討してみましょう。しかし、まとまった金額を定期的に作るには向かないため、他の方法との併用がおすすめです。
アルバイトや副業
特別費に回すお金を増やすのに、手っ取り早いのは収入を増やすことです。アルバイトや副業で収入を増やせれば、その分特別費を早く用意できるでしょう。アルバイトでも体力を使わずに済む在宅の仕事を選ぶ、ポイ活で生活費の負担を減らすなどの方法があります。
ただし、本業とのバランスを取らないと体調を崩す原因となるため、体力や時間を考慮する必要があります。月の出費を見直し、どうしても収入を上げる必要がある場合は、アルバイトや副業もご検討ください。
支払いの猶予や分割を検討
お金が必要な時に、どうしてもお金がない場合は、他の支払いの猶予や分割ができないか検討しましょう。クレジットカードの請求金額を利用後に変更する、税金の支払いを申請によって延納に切り替えるなどの方法があります。
特に年金や健康保険料、税金などは未納にすると将来受け取れるお金を受け取れなかったり、追加で多額の支払いが必要になったりします。まずは、猶予制度を利用できないか検討しましょう。
ミドル・シニア世代が特別費を管理する方法
特別費を管理するための方法を3つご紹介します。自身に合う方法で、必要な特別費を貯めましょう。
口座を分けておく
特別費を貯める・管理する際は、貯蓄や生活費用の口座とは別の口座に分けて管理しましょう。さらに、できるのであれば、目的や期限別に口座を分けておくと管理がしやすくなります。専用の口座があれば、そこに積み立てていくだけのため、大きな手間はかかりません。
やり方は、毎月給与が入ったタイミングで特別費の口座に金額別に振り分けて、家計簿などに記録するだけです。もし、特別費に該当する買い物をクレジットカードで行った際は、特別費の口座からクレジットカードの引き落とし口座へ振替しましょう。
ネットバンキングを使えば、来店不要で口座開設ができるため、すぐに口座開設したい人や少ない手間で管理したい人は口座を分けて管理しましょう。
封筒管理
口座だけでの管理には不安がある、一度給与を全額引き出してから仕分けしたい人は、封筒管理がおすすめです。やり方としては用意した封筒に項目と金額を書いて、入れるだけです。特別費が必要な時に銀行に行く必要はなく、項目ごとにいくらあるかをすぐに確認できます。
ただし、手元で全てを管理するため、紛失や盗難のリスクが高まります。また、手元にあるので、他の費用が足りない時に手を出しやすい点もデメリットです。
ある程度の金額が貯まったら、専用口座に移すようにすると、手元で管理している感覚と安全性を取れるでしょう。口座管理と比較して、どちらが自分に合っているのかを検討しながら、利用してみてください。
出費の時期を把握する
税金の支払いや車検などの発生する時期や、おおよその金額がわかるものについては、詳細を事前に把握しましょう。先に金額や時期がわかっていれば、直前になって慌てることはありません。
また、家電の寿命が近くなってきた、水回りのトラブルが増えてきたなど、事前のサインが出てくるタイミングから必要な時期と金額を計算しましょう。まだ使えるからとそのまま放置すると、壊れたときにお金が足りずに十分なものを購入できなかった、となる可能性があります。お金の後悔を減らすためにも、まずいつお金が必要となるのかを明確にしましょう。
特別費を管理するメリット
特別費を管理するメリットについても、以下でご紹介します。特別費を利用して、家計全体をうまく管理しましょう。
来年以降の予算を把握しやすくなる
特別費を管理すると、来年必要になる金額を大まかに把握できます。いつにいくら必要になるのかがわかるため、お金の準備計画を立てやすくなります。いつまでにお金を用意すればいいのかが分かれば、お金が足りない!と焦る必要もありません。特別費の管理ができれば、イレギュラーな出費でマイナスになることもなくなります。
使いすぎ防止につながる
特別費の管理を始めると、家計全体の見直し、使いすぎ防止にもつながります。家計を見直すと、美容や健康に関する出費が大きすぎる、固定費が想像以上に高かったなどに気づけます。無駄な出費の部分を適切な予算に直せば、特別費も問題なく出せる様になるでしょう。
また、限られた金額で生活を送るようになるため、使いすぎ防止につながります。特別費の管理は、家計全体の管理となるため、徐々にお金の心配が少ない生活を送れるようになるでしょう。
収入を増やすか節約を検討するきっかけになる
特別費の管理を始めると、今の家計では十分に用意できないという問題が出てくるでしょう。
具体的な経済状況を把握し、目標の特別費の額を貯めるのが難しいと分かれば、今後のために収入を増やすか、節約の検討につながります。副業を始めるのか、転職をするのか、節約をして出費を減らすなど自分に合った方法を検討しましょう。
まとめ
ミドル・シニア世代が、急な出費に対応するための特別費についてご紹介しました。特別費には急な怪我や病気に備える医療費や、冠婚葬祭費・家のリフォーム・車の修理や車検代などがあります。備えておかないと、急な出費で家計が赤字になる場合もあります。
まずは、月々の家計を見直して無駄な出費がないか確認しましょう。固定費の節約から始めると、特別費を貯めやすくなります。特別費の管理は、現在の家計状況を正しく把握し、今後の対応策を検討できる機会です。
収入を上げるのか、節約をするのか、来年までに必要な金額などの方針を決められます。専用口座による管理や、出費の時期の洗い出しで、必要な特別費を用意しましょう。