より健康に、より豊かに人生100年時代を生きるために!資産寿命の重要性
- キャリアを考える
- 公開日:2024年4月18日
人生100年時代を迎え、“より健康に、より豊かに生きるためにどう生きるのか”ということが私たちには求められるようになりました。本日は、それに関連する資産寿命の重要性についてお伝えしていきます。
資産寿命とは、資産が尽きるまでの期間
皆さんは、「資産寿命」という言葉を聞いたことはありますか?
資産寿命とは、老後の生活を営んでいく上で、今までの形成してきた資産が尽きるまでの期間のことを指します。
人生100年時代を迎えた今、健康で長生きするためには経済的な側面も非常に大切になってきています。厚生労働省によれば定年退職を迎える65歳の時点での平均余命は、男性がおよそ20年で、女性はおよそ24年です。この結果をみると、定年退職後に20数年間は年金と蓄えた資産や貯蓄で生きていかなければならないことになります。
さて、定年退職後の主な収入とは何でしょうか。多くの人は年金に頼って生活することになるでしょう。しかし、毎月の支出額が年金の額を上回ってしまえば、赤字となってしまいます。そのため、元気である現役世代のうちに資産運用を始めたり、貯蓄を増やしたりと老後の備えを始めていかなければなりません。
老後を快活に生きるためには、老後生活が始まる前からどのくらいのお金が必要になるのかを把握し、資産寿命を延ばすための行動をおこすことが大切になるのです。
※データ元:厚生労働省「令和4年簡易生命表の概況」
老後の生活を営むのに、どのくらいの資金必要?
では、実際に老後の生活を営むために必要な資金はどれくらいなのでしょうか。
総務省による統計によれば、65歳以上の無職である夫婦の実収入は25万円ほど。そして、支出額の合計金額はおよそ27万円となっており、差額分の約2万円は赤字であるという結果が出ています。
さらに、生活していると予期せぬ支出も考えられます。常に健康ならいいですが、怪我が病気にいつ何時罹ってしまうかもわかりません。また、冠婚葬祭の費用や、友人とお茶に行くなどの交際費も豊かな人生を送るためには必要になるでしょう。この赤字を補填するのが、貯金などの資産です。
少し前に、世間では老後資金には2,000万円が必要だと話題になりました。これは夫婦が無職であるとして「毎月の不足額の平均が約5万円」とし、「老後生活が20~30年継続する」と仮定した場合に1,300 ~2,000 万円が必要となるという試算で弾きだされた数字です。この試算だけでも、「お金が全然足りない...!」と不安を感じる方も少なくないかもしれません。
また、生命保険文化センターによれば、介護が必要になった場合の月々の介護費用は平均8.3万円。これでは余裕をみて老後の資金を備えたとしても、パートナーの一方に介護の必要性が出てしまえば、老後資金を2000万円貯めても足りなくなる恐れが出てくるのです。ゆとりのある老後生活を送ることを考えると、資産寿命を少しでも延ばす必要性があることがおわかりいただけるしょう。
※データ元:総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)」、公益財団法人 生命保険文化センター「介護にはどれくらいの費用・期間がかかる?」
資産寿命の延ばし方とは?
人生100年時代を送る私たち。なるべく早いうちから資産寿命を延ばすために動き出さなくてはなりません。では、どのようなことをしたらよいのでしょうか。
・働き続ける
長く働くことができれば、毎月の収入に余裕を持たせることができます。今は、定年延長制度や再雇用制度もありますので、そういった制度を使えば長く働くことができるでしょう。さらに、アルバイトやパートタイムの仕事をすることでも収入を補うことができます。
また、人によっては独立開業をする方も。自営業は定年の概念がないため健康である限り、長く働くことができるでしょう。このように、退職後に少しでも働くことで資産寿命を延ばすことが可能になるのです。
・無駄な支出を減らす
私たちはお金を増やすという観点では、ついつい収入を増やすことに目を向けがちです。しかし、無駄な支出を減らすことも資産寿命を延ばす工夫の一つです。例えば、固定費や食費、娯楽費、交際費などを見直してみると節約できるお金が見えてくるでしょう。
また、通信費に関しても格安スマホに乗り換えるなど、ちょっとしたことから日々の使い道を考えていくとよいでしょう。お金管理が苦手な方は、家計簿を付けてみるとより無駄な出費がわかりやくなります。
・資産運用を始める
昨今は銀行にお金を預けていても、利息は雀の涙ほどしか付かない超低金利時代であるため、預金だけの資産形成は難しいと言えます。資産運用の方法は沢山ありますが、確定拠出年金に加入するのも一つの手です。
iDeCoは公的年金とは別に給付を受けられる私的年金制度です。貯蓄だけでは不安という方はぜひ一度お近くの金融機関に相談してみましょう。また、新NISAへ加入することも資産寿命を延ばす方法です。従来のNISAよりも運用できる金額が増えたこともあり、節税のために始める人も増えています。
・貯金をしっかり行う
何といっても貯金は一番の資産寿命を延ばす要素です。貯金が苦手な方は、一定額の金額を先に貯金する"先取り貯金"がおすすめです。さらに、普通預金よりも利息が高い定期預金や、ネット銀行での貯蓄を活用する人も増えています。貯金は毎月の積み重ねが大切だと言えるでしょう。
・ポイ活をする
近年はキャッシュレス決済も進み、現金を使うよりもポイントが貯まりやすくなっています。貯めたポイントは買い物に使ったり、ギフトと交換したりとお得な使い方ができます。さらに、キャッシュレス決済は利用明細で何に使ったのかを一目で把握することができるので、支出の管理もしやすくなるでしょう。
・不用品を売る
フリマアプリで簡単に不用品を売ることができる現代。タンスの肥やしになっている洋服や使わなくなったものでも、誰かにとっては欲しいものになる可能性があります。また、そういった不用品を整理することで断捨離もできるため、部屋も気持ちも爽やかに過ごすことができるでしょう。
・外貨預金をする
日本円を外国通貨に交換して預金する、外貨預金も資産寿命を延ばす方法の一つです。外貨預金のメリットは、円預金より金利が高く、預入をした時点よりも円安のタイミングで払い戻せば、その差額が為替差益として利益となることです。
ただし、その反対に円高のタイミングで円に払い戻しをすると、元本割れとなってしまうので注意は必要です。円安の今だからこそ、外貨預金をすることで資産寿命を増やすことができるかもしれません。
・健康寿命を延ばす
資産寿命で軽視されがちなのが、健康寿命の重要性です。健康寿命を延ばし健康的に生きることは、それだけで医療や介護にかかる費用を節約できます。また、健康であれば長く働くこともできるため、健康寿命を延ばすことは資産寿命を延ばすこととイコールとなるでしょう。
60代から働ける職種には何がある?
さきほど、資産寿命を延ばすためには長く働くことがポイントだとお伝えしました。そもそも、60歳を過ぎても働いている人は、現代にはどのくらいいるのでしょうか。
内閣府によると、60代前半の男性は8割以上、女性は6割以上が収入を伴う仕事に就いているといいます。また、60代後半になると就業率は下がるものの、男性は6割以上、女性は4割以上の就労者がいます。その平均所得でみてみると、全世帯の平均年収が約550万円に対し、高齢者世帯は約310万円。歳を重ねれば重ねるほど、収入は減ってしまうことがわかります。
また、経済的な暮らし向きについて「心配である」割合はおよそ35%と、余裕のある暮らしをしている世代は、そこまで多くないといえるでしょう。つまり、人生100年時代を乗り切るためには健康なうちは年齢を重ねても働かなくてはなりません。では、60代以降も活躍できる職種にはどのようなものがあるのでしょうか。
清掃員
特別なスキルや資格がなくてもすぐにスタートできる清掃員の仕事は、シニア世代におすすめの職種です。また、経験を積むことによりプロフェッショナルな清掃スキルを身につけられます。
勤務場所は、デパートなどの商業施設やオフィスビル、公共施設と多岐に渡ります。ある程度の体力は必要なことですが、人と接するのが苦手な方にとって作業を黙々とできることはメリットでしょう。
警備
建物の出入管理や巡回、建物内部の各種モニタリング、防災センター業務など、多くの場面で求められる警備の仕事。一概に警備員といってもあらゆる分野の警備があり、資格取得でキャリアアップも図れます。
また、防災の観点からも今後も非常に重要視される仕事のひとつです。職場によっては夜勤があるため、応募の際には事前に確認しておくとスムーズに仕事が始めやすいでしょう。
軽作業
ピッキングや軽作業はシンプルな作業がメインとなるため、未経験の方でも始めやすいでしょう。倉庫や工場などで仕分けや梱包作業をするので、体力に自信のない60歳以上の方も挑戦しやすい職種です。
また、工場でつくられた製品や倉庫から出荷する製品に問題がないかチェックする検品や検査の仕事もあります。。衣料品の場合は針の混入や糸のほつれがないかをチェックしたり、食品の場合は異物が入っていないかなどをチェックしたりします。
調理・調理補助
学校や社員食堂などで調理を行う仕事です。調理補助であれば、食材を切ったり盛り付けたりと比較的簡単な業務もあるため、未経験でも始められるでしょう。働きながら調理師免許の資格取得も目指せるので、キャリアアップを目指しながら日々の業務をすることができるのも特徴です。
家事代行
クライアントの自宅の掃除や片づけなどを手伝います。業務内容としては、掃除や洗濯、アイロンがけや料理などの家事全般です。中には、子ども送迎なども仕事に含まれる場合もあるので、臨機応変に動けるのが条件となるでしょう。
依頼主には仕事が忙しかったり、産後などで家事が困難な人であったりと家事の時間が取れない人がメインになります。信頼されれば指名されることもあり、やりがいのある仕事だといえます。
コールセンター
電話でのお客さま対応をする仕事です。座り仕事なので、体力に自信のない方でも働きやすいのが特徴です。具体的には、お客様からの問い合わせや発注、申し込みなどに対応したり、商品の紹介やアンケートを行ったりもします。
また、コールセンターの業務には、お客様からの電話を受信するインバウンドと、お客様に電話を発信するアウトバウンドの2つがあり、それぞれ業務内容が異なります。
60代が輝ける仕事とは人生経験やこれまで積み重ねてきたキャリア、そして成熟したコミュニケーション能力が活かせることがおわかりいただけたでしょうか。また、時間的にも融通が利くといった点も、シニアが企業にとって採用されやすいポイントとなっています。
※データ元:内閣府「令和4年版高齢社会白書(全体版)」
60代からの仕事探しはWeb活用!
では、実際に60代の方が求職活動をする場合、どこで求人を探せばよいのでしょうか。
求人サイト
求人サイトは、希望条件や年齢といった条件で絞りこんで仕事を検索できるため、仕事探しに活用したいツールです。巷には様々な求人サイトがありますが、それぞれに特徴があり、強みも異なるので、まずはご自身に見合ったサイトを見つけることが大切です。
シルバー人材センター
シルバー人材センターは、高齢者の社会参加を促すために設立された団体です。原則として市(区)町村単位に置かれており、地域に密着した仕事や高齢者向けの仕事を豊富に取り扱っています。
ハローワーク
ハローワークは、全国に展開している公共職業安定所で60歳以上の求人も幅広く扱っています。また、対面での相談も可能ですので、インターネットを使った求人探しに不安がある方におすすめです。相談をしながら、条件や希望を伝えることで、自身に合った求人を紹介してもらえます。
地域情報誌
地域情報誌には、地域ごとの求人情報が掲載されています。地域に密着した会社や雇用情報を中心としており、他の求人媒体にはない情報が掲載されていることも。地域密着型の採用に力を入れている企業も多いため、近くで働きたいという希望があれば、フリーペーパーなどの地域情報誌を見てみると良いでしょう。
まとめ
人生100年時代を生きるためには、資産寿命をしっかりと延ばす努力をする必要があります。資産寿命に余裕があれば、実生活もゆとりのある生活を送ることができるでしょう。