介護保険料とは?支払い開始時期や金額など疑問を解決
- ちょっと得する知識
- 公開日:2022年2月 1日
ミドルシニア層になると老後における介護について、少しずつ考え始めるのではないでしょうか。介護の負担を軽減するために制定された介護保険。今回は、その介護保険にかかる介護保険料の支払い開始時期や実際に支払う料金について詳しくお伝えしていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
介護保険料とは
介護保険料とは、その名のとおり介護保険にかかる料金のことをいいます。
介護保険は、介護が必要になった人やその家族の負担を軽減できるように2000年4月に作られた制度です。
その財源となるのは、介護保険料と税金。国民全体で保険料を支払うことで、将来必要になる介護のために備えるという制度です。
それでは、介護保険料の支払い開始時期はいつ頃で、支払い金額はいくらになるのでしょうか。次の項から詳しく見ていきましょう。
介護保険料の支払い開始時期
介護保険料の支払い開始時期は、40歳以上になります。もう少し具体的いうと「満40歳に達したとき(40歳の誕生日の前日)」ということになります。
また、介護保険料は支払い満了日がないので、生涯に渡り支払わなければいかないというのが特徴です。
【介護保険料の支払い開始時期(月)の例】
・誕生日が10月1日の場合
満40歳に達するのは前日の「9月30日」になり、支払い開始の時期は9月になります。
・誕生日が10月2日の場合
満40歳に達するのは前日の「10月1日」。月は変わらないので支払い開始時期は10月になります。
上記の例のように、誕生日が1日の人は誕生月の前月から支払いが発生するので、覚えておいてください。
介護保険料はいくらかかる?
介護保険料の金額は、第1号被保険者(65歳以上)の場合と第2被保険者(40~64歳)によって変わります。
それではまず、40~64歳の第2号被保険者から見てきましょう。
第2被保険者(40~64歳)の支払う介護保険料の金額
40~64歳の第2号被保険者は、働き方によって支払い方法が違います。
会社員の場合は毎月の給与から天引きされ、自営業の場合は国民健康保険料と一緒に納付することになります。
そして、支払う介護保険料の計算の仕方は国民健康保険に加入しているのか、それ以外の保険に加入しているかで変わります。
【会社員で国民健康保険以外の保険に加入している場合】
会社勤めをしており、会社経由での保険に加入している場合の計算式は以下のようになります。
■1ヵ月に納める介護保険料=(標準報酬月額+標準賞与額)×介護保険料率
・標準報酬月額
標準報酬月額とは、税金が引かれる前の給与額を健康保険で規定されている等級ごとに区分した金額のことです。これは各都道府県の健康保険組合ごとで違うので注意しましょう。
・標準賞与額
標準賞与額とは、支給された賞与の総額から1,000円未満の額を切り捨てた後の金額のことをいいます。例えば、賞与の金額が30万7,800円だった場合、標準賞与額は30万7,000円になります。
・介護保険料率
介護保険料率とは、協会けんぽ(全国健康保険協会)が設定している数値で、これは全国一律です。現行の協会けんぽが設定している介護保険料率は以下になります。
令和3年3月分(4月30日納付期限分)から 1.80%
それでは例として、標準報酬月額:19万円、標準賞与:30万7000円で計算してみましょう。上記の式にそれぞれの金額と料率を当てはめます。
■8,946円=(19万円+30万7,000円)×1.80%
結果、8,946円になりました。そしてこの8,946円を会社と折半するので、実際は半額の4,473円を負担するということになります。
【自営業などで国民健康保険に加入している場合】
国民健康保険に加入している場合は、以下の3つの項目により計算します。
・所得割額
前年の所得の額によって算出されるものです。
・均等割額
住民税の基本料金のようなもので、所得によって変動しない固定の金額になっています。
・平等割額
国民健康保険に加入している全世帯が平等に負担する金額のことです。
ただ、国民健康保険に加入している場合は、その計算方式は自治体によって大きく異なりますので、詳しくはお住まいの市町村にてご確認いただければ幸いです。
第1号被保険者(65歳以上)の支払う介護保険料の金額
次に65歳以上の第1号被保険者について。支払い方法は以下の2種類があります。
・普通徴収
口座振替や銀行振込で支払う。
・特別徴収
公的年金から保険料を天引きして支払う。
そして、支払う介護保険料は自治体ごとに異なります。ただ、基準となるのが、介護保険の運営を行っている市町村が3年ごとに策定をする「介護保険事業計画」です。
この同計画の予算のうち、およそ20%をその市町村に住んでいる第1号被保険者全員で支払い、それが介護保険料となるのです。
とはいえ、所得はそれぞれ違いますので、単純に予算20%を第1号被保険者の総数で割ってしまうと、人によって負担が大きくなってしまうことも。
その解決策として市町村は、所得に応じていくつかの段階分けを行い、所得が多ければその分多く支払い、逆に少なければ支払う金額も少額になるように定めました。
この段階分けですが、市町村によって異なり10段階以上分けているところもあれば、6段階しかないところもあったりします。
そのため、具体的な計算方式や金額などは、お住まいの市町村のホームページなどで確認してみてください。
介護保険料を滞納してしまうと
お伝えしてきたように、介護保険料は40歳以上になると必ず支払わなければならない義務が発生します。
この介護保険料を滞納してしまうと、延滞料金が発生したり、介護サービスを受ける際に制限がかかったりします。最悪の場合は財産の差し押さえもあります。
延滞料金は市町村によって異なりますが、保険料の数%~十数%が多いようです。このようなペナルティを受けないためにも、介護保険料を滞納しないように注意しましょう。
まとめ
ミドルシニアの年代になると考え始めるのが介護のこと。将来の介護のために40歳から支払い義務が発生する介護保険料には、65歳以上の第1号被保険者と40~64歳の第2被保険者によって違いがありました。
また、その支払い金額も各自治体によって異なります。ぜひ1度、お住まいの自治体のホームページや窓口で介護保険料の計算方法を確認し、シミュレーションを行ってみてください。