50代から警備員への転職 失敗しないためのポイントは?
- 働き方を選ぶ
- 公開日:2019年1月11日
50代での転職となると、慎重になる人も多いことでしょう。さまざまな職種がある中で、中高年に人気が高いのが「警備員」の仕事です。ここでは警備職に転職するための成功のポイントをご紹介します。
50代でも転職は可能?
50代で転職を考える際、「この年齢からの転職は不利なのではないか」と、転職を躊躇する人もいるのではないでしょうか。しかし、「総務省発表の平成28年度労働力調査によると、全年代の転職者数は306万人で、そのうちの50万人は45~54歳が占めています。50代での転職が活発化しているその背景や現実をまとめました。
50代からの転職事情
もうすぐ定年を迎える50代の中には、働き盛りのころにがむしゃらに働き、会社の発展のために尽くしてきた人も多いことでしょう。不満があって転職というワードが頭に思い浮かんだとしても、「定年まであと少しだから我慢しよう」と、踏みとどまるケースもあるはずです。それでも現在、50代の転職が活発化しているのはなぜなのでしょうか。
平成27年転職者の実態調査の概況(厚生労働省)によると、50代の離職の理由で多いものは「自己都合」「倒産・整理解雇・人員整理による勧奨退職」です。
自己都合による離職の理由で50代に目立つのは、「労働条件(賃金以外)がよくなかったから」という回答です。「賃金が低い」という理由よりも労働条件がよくなかったことを理由に挙げる割合が多くなっています。提示されている勤務時間や休日、勤務地などが自身のライフスタイルの変化に合わなくなってきたことも挙げられるかもしれません。
また、50代というと、親が後期高齢者に入る人がほとんど。「介護・看護のため」という退職理由も50代は急上昇しており、介護せざるを得ない状況になったものの、今の労働条件では勤務し続けるのが難しいという状況も考えられます。
その他にも、自己都合の退職理由上位の中には「満足のいく仕事内容でなかった」「能力・実績が正当に評価されなかったから」という回答もあります。労働条件の折り合いがつかなかったという人以外に、仕事へのやりがいや、能力を評価してほしいという思いを持っている人も一定数いることがわかりました。こうした思いで転職を決意した50代を待ち構えている現実とは、どのようなものなのでしょうか。
50代からの転職の現実とは
50代の転職者を受け入れる企業は、どのような人材を望んでいるかというと、ずばり「即戦力になる人材」です。若年層は、経験は少なくても時間をかけて育てていくことができますが、ビジネスパーソンとして先が見えている中高年の場合は「経験値」が重視されます。
どのような経験が評価されるかというと、企業によってさまざまですが、実務経験に裏打ちされたキャリア、管理職としてのマネジメント能力、高い専門スキルを持っていること、社外での人脈などが代表的なものです。
例えば、「施工管理系の資格を所有している」「TOEIC900点以上」「大規模プロジェクトのリーダーとして、企画から立ち上げ、運営まで一貫して取り組んだ」など、誰が見ても価値があると捉えられる資格や経験がある場合は、大きなアピールポイントになるでしょう。
こういった経緯から、培った経験やスキルを活かせる仕事を優先するのが50代の転職のポイントといえます。とはいえ、「差別化できるほど抜きん出た実績や資格を持っている」人ばかりではありません。だからといって、今の会社に残る選択を選びたくない。未経験からでも挑戦できる仕事はないか。
という方が選ぶ職種の代表的なものが「警備員」の仕事です。
50代での転職で警備が人気の理由
マイナビミドルシニアにて50代の男性に希望する職種のアンケートを行ったところ、人気が高かったのは「オフィスワーク」が一番人気であるものの、「警備員」も一定の人気を集めていることがわかりました。
50代に人気の理由としては、中高年でも未経験を受け入れていることや、他の職種と比べて給与水準が高いこと、ワークライフバランスが取りやすいところにあるのかもしれません。
勤務日や勤務時間の調整が比較的柔軟に設定できるため、親の介護など家庭の都合と、仕事を両立させる必要がある方でも続けやすい仕事といえます。
また、長時間の立ち仕事や、寒い中の交通誘導など過酷で体力が必要な仕事をイメージする人も少なくありませんが、年齢が高い大人が対応することで安心感をもたらす中高年向きの警備の仕事もあります。同世代が多いため溶け込みやすいことなども50代におすすめの理由です。
警備の仕事に転職するときのポイント
50代に人気の警備の仕事。中高年でも受け入れる警備会社の求人案件を探し、面接をクリアしなければなりませんが、その前に警備の仕事についてしっかりと理解しておくことも重要です。警備とはどのような仕事なのか、採用されるために大切なことを解説します。
警備の仕事を理解する
警備員の仕事は、どのようなものなのでしょうか。警備業法上では以下の分類になります。
1号警備:施設警備など
2号警備:交通誘導など
3号警備:貴重品運搬業務など
4号警備:いわゆるボディーガード
一般的に募集される警備の仕事は、1号と2号警備。なかでも、1号警備の業務が、日本における警備業業務の半数を占めていると言われています。
活動する場所はどんなところ?
1号警備では「ショッピングモールやレジャー施設、スーパー、飲食店などの施設の警備」が主。2号警備では「人が多く集まるイベントなどで人を誘導する雑踏警備の仕事」「道路や工事現場などで人や車を誘導する交通警備の仕事」などが主となります。
いずれも、人がたくさん行き交い混雑する場所や、危険が生まれるおそれのあるところ。そのため、人や車が安全に通行できるよう警備や誘導を行います。事故や犯罪を未然に防ぐという重要な役割があるだけに、やりがいも感じられるでしょう。
また、配置される場所によっては、商業施設のスタッフや工事現場の作業員、子供などと話をする機会もあります。これまであまり話す機会がなかった人たちとのコミュニケーションも大きな刺激となります。中高年層は安心感をもたらす場合も多く、歓迎されがちです。
勤務時間はいつが多い?
勤務時間は昼だけでなく、夜もあります。これまでオフィスワークが中心で夜勤を経験したことがない人は戸惑いもあるかもしれませんが、場数を踏むうちに慣れてくるでしょう。
転職で不安に思うことの一つに収入面が挙げられますが、深夜シフトの場合、時給はやや高め。警備に関する検定資格を取得すれば、さらに賃金アップも望めます。
また、警備会社によって福利厚生や研修制度には差があります。「どこも似たり寄ったりだから」と思い込んで、リサーチ不足のまま転職してしまうと、思いがけない失敗をしてしまうことも。
配属される先や研修制度、資格取得の支援制度など求人原稿をしっかりチェックしましょう。退職金制度などが整っている会社もあるので、気になることがあれば面接の際に聞くのも良いでしょう。
選考の準備はぬかりなく!
50代でも採用されやすい警備員の仕事。だからといって応募すれば100%採用される訳ではありません。履歴書や職務経歴書も内容や書き方が適当であれば、「人間的に大丈夫か」という不安を抱かれることも
基本的なことですが、誤字・脱字がないかしっかりと確認し、面接で想定される質問や自己PRについては、スムーズに答えることができるよう考えておきましょう。
面接・書類でアピールするべきポイントは?
企業側は選考において、志望した理由や前職の仕事、社会常識、人柄を重視します。特に志望動機は履歴書にも書くことも多く、面接でもよく質問される項目です。
警備の仕事は、出勤日や時間がフレキシブルであることがメリットとして挙げられますが、そのような自分の都合に合っていることだけでなく、「人々の日常における安全を守る」「人々の役に立つ仕事がしたい」という社会貢献的な面に魅力を感じたのであれば、アピールしておくのもよいでしょう。
また、普段からランニングをしたり、ジムで運動をしている場合などは、体力アップに努めていることをアピールしてもいいかもしれません。未経験でのチャレンジとなる場合は、意気込みややる気などもしっかりと伝えましょう。
そのほか、面接の時間をしっかり守ること、清潔感のある服装で面接に挑むことなど、面接を受ける上での最低限のモラル・マナーを守ることは、いうまでもありません。
まとめ:万全な準備で面接にしっかりと備えよう
特別な資格は不要で、ニーズも多い警備員の仕事。中高年でも採用されやすい上、現在は人手不足なので、「採用されるだろう」と高を括って事前準備をしないまま面接に挑む人も少なくありません。
そのような人と差をつける意味でも、前もっての準備を整え、好印象を与えられるよう努めましょう。