55歳からの転職で叶えるキャリア!ほどほど社員で終わらない!
- キャリアを考える
- 公開日:2018年4月17日
仕事の第一線を退いて「あとはほどほど」「波風立てずに、目立たずに」と考えている中高年社員、あなたの周りにいませんか。「あんなふうにはなりたくない」「そのまま定年を待つのは寂しい」と感じているようなら、55歳からの転職で「やり直しキャリア」を考えてみましょう。
55歳で転職を考える人が多い理由は役職定年が大きな理由
多くの日本企業では役職定年制度を導入していますが、人事院の資料によると55歳で導入される企業の割合は45.3%と最も多くなっています。
そのため、55歳を区切りに管理ポストから外れる、給与が下がるといった変化がモチベーションを低下させて、問題社員化する人もいます。まだまだやれるという気分でいるのに、会社から「お疲れさま」とでも言われた気持ちになって、前向きな気持ちがそがれるためです。そのようにして徐々に、自ら仕事を探して成果を出したり新規の顧客を開拓したりと、期待を上回る貢献をすることがなくなっていきます。
もちろん、解雇されるわけではありませんし、雇用の安定は確保されているため、大きな問題にはなりません。ただ本人の心の奥にだけ「何となく物足りない」「がんばってきたのに、この仕打ち」という思いが生じて、モヤモヤした気持ちのまま、出社する毎日になってしまうでしょう。
腑に落ちない気持ちに蓋をしたまま働き続ける方法もあります。しかし、本当にそれでいいのでしょうか?こうした状況に置かれたときこそ、キャリアをやり直し、新たな道を歩んでいくのも一案です。55歳というと、昭和期でいえば定年退職の時期。社会人生活の締めくくりをどのように迎えたいのか、真剣に考え始める年齢に当たります。
転職には一定のリスクが伴いますが「不満を抱えながら働くよりは、気持ちを切り替えて、もうひと花咲かせてみよう」という考え方もできるはずです。どちらの生き方が自分に合うのか、よく考えて判断しましょう。
管理職からいきなり平社員になる戸惑い
課長・部長を任されて、真面目に働いてきたにも関わらず「明日から平社員」と言われたら、どんな気持ちになるのでしょうか。給料もキャリアも下がったことからやる気を一気に失うと、毎日出社して時間をつぶすことだけが目的になってしまう人もいます。がんばっても報われないならあえて苦しい思いをする必要はないと考えて、社内にいながら「ご隠居生活」を始めてしまう方も少なくないでしょう。
こうなってしまうと「働くこと」自体に対するモチベーションも下がるため、転職しようという気持ちも起きにくくなります。会社が期待するような若手人材のサポートを自ら買って出ることもなく、周囲との距離感が広がる一方です。
キャリアアップしていく過程では手本にする先輩がいて、目標達成に向けてどのように振る舞えば良いのかがある程度はわかりますから、会社の求める社員像・管理職を目指す社員の努力の方向性でミスマッチが生じるリスクを軽減できます。
しかし、役職定年制度が始まって間もない会社では、管理職を退いて縁の下の力持ちとして重宝されている先輩社員が身近に見つからないことで、努力の方向性をどのように設定すれば良いのかわからなくなりがちです。結果として、会社の求める「55歳の働き方」とのミスマッチが起こりえます。
役職定年を迎える社員を対象とした研修制度を始める会社もありますが、十分な準備ができているとは言い切れず、ギャップが広がる一方です。
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55歳の転職を成功させるポイント3つ
リスクをとって転職活動を始めるからには、後悔しない判断をしたいものです。55歳からの仕事探しを成功させるにあたって、意識したいポイントを紹介します。
・キャリアを活かした転職から考える
これまでの会社で経験してきた仕事、アピールできるスキルを今一度整理して、求人企業の求める人物像とのマッチング度合いを確認しましょう。マッチング度合いが高いほど年齢がネックになりにくく、転職後の現場でも歓迎される傾向があります。給与や勤務地といった待遇条件について希望を出すのは悪いことではありませんが、転職活動の軸ではないはずです。同じことの繰り返しにしないためにも、転職先の定年退職制度や給与の仕組みについて、あらかじめ確認しておくと安心でしょう。
・まだまだ長く働きたい意欲を見せる
55歳から転職活動を始める背景にはいろいろな理由があって、「月給・年収が少し下がってしまっても無理なく働きたい」と考える人もいます。スキルや経験を活かして生涯現役の働き方を目指すなら、まだまだ頑張る意欲を明確にアピールしましょう。採用活動を行う企業の求める人物像、働き方とのミスマッチを予防するためにも、お互いの認識合わせは大切です。
・転職理由はポジティブに話す
役職定年制度をきっかけに転職活動を始めると「管理職から外れた」「年収が下がった」など、ネガティブな退職理由になりがちです。伝え方を工夫しないと、「協調性がない」「プライドだけが高い」など人間性の評価が下がってしまうリスクもあります。会社の方針に対する理解を示しながらも「これからも現役として活躍したい」意向を示し、現場の一員として組織に貢献していきたい気持ちをアピールすると効果的です。活躍するフィールドとして応募先を選択した明確な理由があれば、転職理由と関連づけながら説明するのも良いでしょう。
まとめ:生涯現役で心と身体を老けさせない
役職定年を甘んじて受け入れて、脳を使う機会が減ってしまうと「何をしても楽しくない」「いつも決まったやり方でないと落ち着かない」「イライラしてしまう」といった心の変化が生じるリスクもあります。
すでにこんな兆候が出ている人は、平穏に生きることを選択した結果として、感情や意欲をコントロールしている前頭葉の働きが低下する「感情老化」を起こしているかもしれません。感情の老化は体力の衰えより早く始まるとも言われていて、私生活にも影響を与える重要な問題です。
会社の一員として仕事をすると多かれ少なかれストレスが出てきますが、豊かな心を維持して幸せに生きていくための活力としても機能します。55歳からの転職でもう一度「現役社員」に返り咲き、老けない心と身体を維持しましょう。