タクシー業界に変化の兆し!なぜあえて大卒者は乗務員の仕事を選ぶ?

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1社で100名を超える新卒者を採用するなど、大手タクシー会社を中心に人材の大量獲得に乗り出す動きが本格化してきました。ポイントは若い人がタクシーの乗務員を選択しているということ。中高年としても知っておきたい、タクシー業界の快進撃の裏側を知り、仕事選びのヒントとしましょう。

なぜ、新卒者がタクシーの仕事を選ぶのか?

都心部でタクシーに乗車した時、20代・新卒者とも思われるほどフレッシュな若者や女性がドライバーをしていて、驚く場面も増えています。

大学卒業を目前に控えた就職活動で、学生優位の売り手市場にも関わらず、あえてタクシーの仕事を選択する若者が増加傾向にあり、乗務員としてのキャリアを歩み始める時代です。ひと昔前までは「脱サラした中高年の方が就く仕事」といったイメージも強かった業界が、現在変化の時を迎えています。

新卒者がタクシーの仕事を選択する理由として、柔軟な勤務体系があげられます。大手タクシー会社の働き方を例に出すと、夕方から翌日のお昼前まで働くことで休日をたくさん確保できる「隔日勤務」が特徴的です。業界では「かっきん」などと呼ばれる隔日勤務で働いた場合の法定最大乗務数は月に13日以内の出勤となるため、週4日弱という計算でしょう。

一般的には「きつい」「長時間拘束」と思われがちな仕事ですが、実は休日を一般的な会社員よりも多くとることが可能なのです。しかも、「事故を起こさない」ことが最優先される仕事であるため、勤務時間や可能な残業時間が厳密に定められています。

そのため、自分の生活リズム次第ではプライベートを充実させることが可能なので、実情を知り「こんなにホワイトな仕事はない」と感じる学生も多いようです。

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広まりを見せるタクシードライバーの活躍シーン

タクシードライバー業界が注目される理由として、市場の需要拡大が背景にあります。具体的にタクシーが必要とされるシーンを順番に見ておきましょう。

○外国人旅行客の観光ガイド

国土交通省が主体となって、外国人旅行客に観光地の魅力を伝えるタクシードライバー育成事業が広がっています。空港からホテル、主要観光地への送迎だけでなく、外国語で名所の案内を行ったり文化を紹介したりして、日本を満喫してもらう取り組みです。とくに需要が高い都市では、認定資格を設けることでスキルアップを促す仕組み作りも進んでいます。

○高齢者サポートも担う仕事

高齢者の通院、外出サポートもタクシードライバーの仕事です。公共の交通機関を活用したくてもバス停や電車の駅まで行くのが大変で、外出機会が減ってしまう方もいます。ドア・ツー・ドアで移動ができるタクシーを日常の足として使ってもらうことにより、社会との関わりを維持してもらうねらいです。

○災害時にも頼りにできる交通機関

電車やバスが運行できない状況でも、市民のライフラインとして、できる限りのサービスを提供します。震災を経験した時、タクシーに救われた方も多いのではないでしょうか。もしもの時に頼りにされる交通手段として一定の地位を得つつあり、社会的な意義を感じながら仕事ができます。

タクシー乗務員の仕事の流れ

仕事の流れの例として、昼勤務乗務員の1日を見てみましょう。

事務所に出社したら、予約をいただいているお客様のところへ向かいます。午前中は予約で埋まることも多いため、予定していたスケジュールの通りに進めましょう。予約がひと段落したところで昼食をとります。昼食をとりながら残りのスケジュールを確認、空いている時間帯は流し営業にあててください。

流し営業では、お客様の需要が高いエリアを予想、売上目標を達成できるように戦略をたてます。各乗務員の腕の見せどころでもあるので、状況に応じた判断が必要です。営業成績に応じて給料が変わる会社なら、やり方次第で年収アップを目指すこともできます。経験を積むと需要が高い場所・時間帯の関係がわかってくるため、戦略的に動くことが可能です。流し営業の合間に会社から予約連絡を受けて、迎車に向かう日もあります。

夕方になると再び事前予約中心の時間帯です。スケジュールをきちんと把握して、約束に遅れないように目的地へと向かいます。勤務時間終了の時間になったら洗車を行い、日報を提出して、その日の業務は終わりです。

タクシー乗務員に求められるスキルとは

お客様の命を預かる仕事なので、責任感が強い人は適しています。天候が悪い日、暗い夜道はとくに事故を起こしやすいため、危機管理能力は大切です。目的地までお客様を連れていくことだけが仕事ではなく、車内をいつも清潔にしておく・明るい声で挨拶するといった気配りも求められます。

お客様との距離が近いため、髪型や服装にも配慮しましょう。女性なら、お客様に不快感を与えないナチュラルメイク、長い髪は一つに束ねるなどが注意点です。

観光ガイドを担当する仕事なら、語学力や地域や文化に対する深い理解が問われます。海外からのお客様と接する際には日本を代表してガイドしている気概で対応し、すてきな想い出を残してもらえるように工夫しましょう。ちょっとしたコミュニケーションの中で行ってみたい場所、関心があるアクティビティーについて話があったら、柔軟な対応をすると喜ばれます。会社によっては語学に関する研修を受講、入社後にスキルアップしていくこともできますので、キャリアプランの目標とするのも良いでしょう。

高齢者がメインのお客様になる地域では、タクシーの乗り降りが安全にできるようにサポートするなど、介護に関する経験やホスピタリティが重宝されます。高齢者とのコミュニケーションの取り方や健康管理に関わる知識を身に付けていけば、他の乗務員との差別化要因になるはずです。体調が急変した場合には、介護関係者や医療機関のスタッフと連携した対応が必要になるかもしれません。どんなことが起こっても臨機応変に動ける対応力、状況をわかりやすく伝える力なども求められます。

なお、タクシー発祥の地と言われるイギリス・ロンドンのタクシーは「ブラックキャブ」と呼ばれ、世界中の旅行者から親しまれています。その運転手となるには「世界一難しい試験」とも呼ばれるナレッジ試験を突破しなければならないこともあり、運転手は市民から尊敬を集める存在となっています。

まとめ

着実な運転技術とホスピタリティあふれるサービスを武器に、周囲から称賛を集めるタクシー運転手を目指してみるのも、ミドルシニアの道かもしれませんね。

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