【50-54歳向け】転職理由や、決めた理由!データから見る転職事情
- 自分の相場を知る
- 公開日:2017年11月 6日
どの年代にとっても転職は難しいものですが、年齢を重ねればより難しくなるのはよくあること。しかし、50歳を過ぎても転職を決意し、成功させた人たちは多く存在します。ここでは50歳を過ぎてから転職を行った人たちのデータを紐解き、転職理由やどうしてその会社に決めたのかなどをお伝えしていきます。
50代前半の主な転職理由とは?
人それぞれの事情によって転職の理由は異なりますが、50代前半においてはどのような傾向が見えるのでしょうか。
離職の理由トップ5
- 1. 自己都合(72.1%)
- 2. 倒産・整理解雇・人員整理による勧奨退職(7.8%)
- 3. 契約期間の満了(6.0%)
すべての年代において理由のトップとなっている「自己都合」が、やはり50代前半においても最も多い離職の理由となっています。他の項目においても、40代での離職の理由と大きな変化は見られません。
自己都合による離職の理由トップ6
- 1. 労働条件(賃金以外)がよくなかったから(27.4%)
- 2. 満足のいく仕事内容でなかったから(23.8%)
- 2. 人間関係がうまくいかなかったから(23.8%)
- 4. 賃金が低かったから(21.3%)
- 5. 会社の将来に不安を感じたから(19.7%)
- 6. 能力・実績が正当に評価されないから(15.9%)
自己都合での離職理由は千差万別ですが、40代の離職理由と異なる点は「労働条件(賃金以外)がよくなかったから」がトップにランクされているところ。賃金そのものよりも、労働条件への不満が離職理由として上がっている背景には、介護が関係しているかもしれません。 それを証明するかのように、「介護・看護のため」の離職は7.9%に上昇しており、介護せざるを得ない事情が発生したのに会社側のサポートがなかった、介護支援に関する制度が整っていなかったなどの背景もあるかもしれません。
加えて、40代前半より若年層では低めの傾向にある「人間関係がうまくいかなかったから」の項目が高止まりしていることも特徴の一つです。これまでは我慢していた人間関係についても、定年が見えてきたことから「ストレスを感じながら働く」ということに見切りをつけた、という志向も見えてきます。
どうやって転職先を決めたの?
転職活動の方法トップ4
- 1. 公共職業安定所(ハローワーク)等の公的機関(38.7%)
- 2. 求人情報誌(27.0%)
- 3. 縁故(26.9%)
- 4. 民間の職業紹介(13.4%)
ハローワークで仕事を決めた方が最も多い結果となっていますが、厚生労働省発表の資料であることを考慮した方がよいかもしれません。しかし、意外かもしれませんが、若年層よりもハローワークを利用して転職先を決めた割合は低く、40代後半と比較しても8%程低い結果となっています。
その他にこの世代の特徴として挙げられるのは、「民間の職業紹介」サービスの利用が下がることです。これは、「自分の年令では登録もできないのでは」という先入観が働いていることが理由として考えられます。
直前の勤め先を離職してから現在の勤め先に就職するまでの期間
- 離職期間なし(23.7%)
- 1ヶ月未満(31.3%)
- 1ヶ月以上2ヶ月未満(13.1%)
- 2ヶ月以上4ヶ月未満(10.1%)
- 4ヶ月以上6ヶ月未満(4.9%)
- 6ヶ月以上8ヶ月未満(5.0%)
- 8ヶ月以上10ヶ月未満(1.3%)
- 10ヶ月以上(6.7%)
中高年者の転職はなかなか決まらない、という巷説がありますが、このデータを見る限りではそれは当てはまらないようです。多くの方は在職中に活動を行い、早期に次の仕事についていることが見て取れます。
次の仕事を決めたポイントは?
現在の勤め先を選んだ理由(3つまで回答)
- 自分の技能・能力が活かせるから(45.5%)
- 仕事の内容・職種に満足がいくから(44.9%)
- 転勤が少ない、通勤が便利だから(25.7%)
- 労働条件(賃金以外)がよいから(16.7%)
- 賃金が高いから(14.0%)
やはり、やりたいことができ、自分の経験を活かせるといった仕事を選んだ方が多い結果となりました。これらの項目を選択する割合は他の年代よりも高く、「働く条件」よりも「仕事の内容」を優先していることが見て取れます。
特筆すべきポイントは「賃金以外の労働条件」を重視する人の割合が、他の年代とくらべてガクンと下がること。それと「会社の将来性」に着目する人の率も低くなっていることから、長く働くことを前提とせず、自分のやりたい仕事ができる勤め先を選択していることが見て取れます。
転職における準備活動について
- 特に何もしていない(63.2%)
- 今の会社で役立つ資格・免許を取得した(33.0%)
- 産業・職業に関する情報の収集を行った(30.9%)
他の世代とくらべて大きな差が生まれているのは「今の会社で役立つ資格・免許を取得した」の項目。全年代中でトップでした。現時点で在籍している環境を活用して学ぼうとする姿勢は強いですが、反面学校に通う、通信教育で学ぶという項目は他の年代に比べて低いのも特徴です。
加えて、「キャリアコンサルティングを受けた」割合は全年代と比較しても低い結果が出ました。キャリアコンサルティングでは、厳しい意見を言われることもありますが、自分のキャリアの棚卸しや今後のキャリアプランについて、効果的なアドバイスをもらえることもあります。有効に活用することが転職の近道でもあるので、積極的な利用も検討しましょう。
まとめ:50代前半での転職のポイントは?
データを紐解きながら50代前半の転職事情をご紹介してきましたが、これらは統計的なものです。あくまで転職を行うのは個々の事情に基づくものであり、判断するポイントも個々で考えるべきものとなります。
50代前半での転職を成功させるうえで重要なことは、「やりたいことを追求する」のではなく、「なるべき自分」を明確化し、そのうえでこれまでの経験から導き出した「応募企業へ貢献できるポイント」をアピールすることです。
加えて、今いる環境から一歩外に飛び出し、様々な人の意見に耳を傾けたり、新たな知識・スキルを学ぶことは、成長のポイントとなるでしょう。
データ元:平成27年転職者の実態調査の概況より(厚生労働省調べ)