60歳以降も現役を目指す人が4割超|ブルーカラー職の将来性や転職のポイントとは
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- 公開日:2026年9月 4日
レバレジーズの調査によると、ブルーカラー職として働く人の約4割が「60歳以降も現在の職種で働き続けられると思う」と回答しました。また、年代が上がるほどブルーカラー職として働き続けたいと考える人の割合も高くなっています。この記事では、調査結果をもとにブルーカラー職の実態や将来性、働く人のキャリア観について解説します。あわせて、ミドルシニア世代がブルーカラー職へ転職するメリット・デメリットや注意点もご紹介します。
ブルーカラーとは
ブルーカラーとは、生産・製造、保守、運搬といった「現場作業」に従事する労働者を指す総称です。もともとは作業服の襟の色に由来しています。業務は肉体労働や手作業で行う場合が多く、工場での製品製造や物流の維持など社会を支える仕事が多くあります。代表的な仕事は、以下の通りです。
- 工場作業員
- マシンオペレーター
- 建設作業員
- 重機オペレーター
- 電気工事士
- トラックドライバー
- 清掃員
- 介護スタッフ
- 販売スタッフ
※介護スタッフや販売スタッフは、分類方法によってはサービス職に含まれる場合もあります。
60歳以降もブルーカラーとして働きたい人は4割超
レバレジーズが2026年3月24日から3月31日にかけて実施した「ブルーカラー職の将来キャリアに関する実態調査」では、ブルーカラー職に従事する人724人を対象にアンケートを行いました。回答者の業界別の内訳は「製造業」が45.4%と最も多く、「建設業」と「物流・運輸」がそれぞれ20.6%で続いています。
「60歳以降も現在の職種で働き続けられると思うか」の質問に対する回答は、以下のようになりました。
- 働き続けられると思う:39.8%
- どちらでもない:35.5%
- 働き続けられないと思う:24.7%
年代別に働き続けられると思うと回答した人の割合を見ると以下のようになっており、50代の意欲が高いとわかります。年齢を重ねるほど、自分の経験や技術を踏まえて長期的に働けると感じている人が多いとわかります。
- 20代:40.0%
- 30代:35.7%
- 40代:37.8%
- 50代:43.8%
今後のキャリアに関する考え方についても、全体の50.8%が「今の会社を続けたい」と回答していました。年代別に見ると、40代・50代になるほど回答の割合が増えているのがわかります。
- 20代:36.6%
- 30代:43.0%
- 40代:52.8%
- 50代:63.0%
現職か別職種かを問わずブルーカラー職として働き続けたい人を合計すると、年代が上がるにつれて、割合は8割近くに増えています。ブルーカラー職として、働き続けたいと考える人が多い傾向がうかがえます。
一方で、不安を感じている人も少なくありません。今後のキャリアについて不安に感じることを聞いた質問では、「加齢に伴う体力・健康への不安」が35.2%で最多となりました。次いで「会社の将来性」が26.8%、「収入が安定しない」が19.8%という結果です。
長く働き続けたい意向がある一方で、年齢を重ねた際の働き方や健康面に不安を抱える人も多くいるという現場で働く人特有の実態がわかってきます。
ブルーカラー職の将来性とは
ブルーカラーの仕事と聞くと、将来の姿が想像できない人も多いでしょう。今後も将来性があるのか、実態や実際に働く人の将来への考え方などをご紹介いたします。
ブルーカラーの実態
ブルーカラー業界が抱える課題は、少子高齢化に伴う人手不足です。特に建設業や物流業では、過重労働のイメージで若者の就業者が減少し、既存の技能者の高齢化が急速に進んでいます。長年培われてきた熟練の技術が、次の世代に承継されないまま失われそうになる「技術承継問題」は、日本のものづくり全体にとっての課題です。
また、検品作業・ピッキング作業・溶接作業といった単純な作業は、AIやロボットによる自動化が進みやすい仕事とされています。これまで人が行っていた定型的な肉体労働は、今後さらに機械へ置き換わっていくと予測されており、あまり将来性がないのではと感じている人も多くいるでしょう。
しかし、仕事の変化が直接ブルーカラーの仕事がなくなることにつながるわけではありません。単純作業が機械化される一方で、その機械を操作する人・メンテナンスをする人・データを管理する人といった、より高度な知識と技術を持つ人材の需要は高まっています。
ブルーカラーは物流やインフラなど、社会生活には欠かせないエッセンシャルワーカーです。人手不足が深刻になると社会生活に大きな影響が出るため、今後は年齢やライフステージに関係なく働けるよう、賃金改善や労働環境の見直しが進められる可能性があります。
ブルーカラーで働く人の将来に対する考え方とは
レバレジーズの調査を見ると、ブルーカラー職で働く人々は「仕事だから続けている」というだけではなく、長く現場で働き続けたいという積極的な意思を持っているとわかります。
調査では、60歳以降も働き続けるために必要な環境として、以下のような点が挙げられていました。
- 60歳以上のベテランが活躍している実績:38.5%
- 週3日勤務や短時間勤務などの柔軟なシフト制:37.8%
- 体力を要する作業から指示や教育に回るポジションの提示:22.0%
長く現場で働きたい希望を叶えられる環境や、体力やスキルと相談しながら柔軟に働ける環境を求めているとわかります。
ブルーカラーに転職するメリット
ミドルシニア世代がホワイトカラーからブルーカラーに転職すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。どのような変化があるか、ぜひ確認してみてください。
ストレスやプレッシャーが減る
ホワイトカラーからブルーカラーへ転職すると、精神的なストレスが減るという効果があります。オフィスワークでは、複雑な人間関係・成果に対する評価・長時間労働など、精神的なストレスがかかる場面が多くあります。
一方、ブルーカラー職の中には、一人で作業に集中しやすい職種もあり、職種によっては人間関係のストレスが少ないと感じる人もいます。職場の人間関係でストレスを溜めやすい人や、気疲れしたくない人にとっては利点といえるでしょう。
仕事の成果が見えやすい
ブルーカラーの仕事は、製品や建物といったモノとして成果が目に見えやすいのが特徴です。そのため、仕事をしているという実感を得やすく、やりがいや達成感を得やすくなります。
反対に、ホワイトカラーの仕事はサービス・情報・仕組みなどが成果となっているケースが多く、定性的で目に見えにくい傾向があります。自分の仕事がどのようなゴールにつながっているかがわからないので、仕事のやりがいを感じられない人もいます。自分の作業した分だけ成果がわかるのは、ブルーカラーで働くメリットの1つです。
手に職を得られる安心感
ブルーカラーの仕事では、電気工事士や溶接技能者などの専門的なスキルや資格の習得によって、自身の市場価値を高めていけます。
一度技術や経験を身につければ、同業他社への転職もしやすくなり、年齢に関係なく求められる人材になれるのは魅力です。学歴を問わずに実力で評価されやすい点も、手に職をつけたいと考える人にとっては安心感につながります。
ブルーカラーに転職するデメリット
ブルーカラーへの転職には、デメリットもあります。どのようなデメリットがあるのか、代表的なものを3つご紹介いたします。
体力的な厳しさがある
ブルーカラーの仕事は、重いものを運んだり、高温や低温の環境で作業したりと、肉体的な負担がかかる仕事が多くあります。ホワイトカラーとしてデスクワークを中心にしていた人にとっては、特に最初のうちは体力的な厳しさを感じるでしょう。
シフト制の仕事に変わった場合は、これまでと異なる働き方について行けず、体調を崩す場面も出てきます。自分のコンディションを管理し続けること、仕事のための体力を作ることが大切です。
年収が一時的に減る
転職をすると職種などに関係なく、一時的に年収が減るケースも多くあります。職種や業界によっては、転職直後に年収が下がるケースがあります。ただし、知識やスキルを活かせる環境であれば、年収アップも難しくありません。
自分の強みや過去の経験を理解し、アピールができれば将来的に転職前よりも高い年収を得られる可能性もあります。転職直後は年収が下がるケースが多いこと、スキルなどによっては将来的な収入アップができる点は、事前に知っておくと安心です。
年下上司に教わることもある
中高年でブルーカラーへ転職した場合、現場での経験年数が浅いため、自分よりも年齢が若い上司や先輩から指導を受ける場面が出てきます。これまでホワイトカラーとして管理職やある程度の役職を経験してきた人ほど、立場の変化に心理的な抵抗を感じやすい傾向があります。
ミドルシニアからブルーカラーに転職する注意点
ミドルシニア世代が、ブルーカラーに転職する際に知っておきたい注意点をご紹介します。後悔なく転職するためにも、ぜひ一度ご確認ください。
教わる姿勢を持ち続ける
ブルーカラーの現場では、年齢よりも経験年数や技術力が評価の軸になるケースがほとんどです。転職をした後は、現場のルールや作業手順について年下の先輩や上司に素直に教えてもらう姿勢が欠かせません。常に学び続ける姿勢や謙虚な態度は、大切になってきます。
資格取得を検討する
未経験から転職する場合でも、電気工事士・フォークリフト免許・大型特殊免許などの資格を取得すると、活躍の機会を広げるチャンスとなります。
意欲の高さを伝えられるほか、資格手当を利用できるなどのメリットもあります。転職前や転職直後のタイミングで、必要な資格を取得しておくと、収入アップや安定した雇用にもつながるでしょう。
働く目的を明確にする
ホワイトカラーからブルーカラーへ転職する際、なんとなく「前職でやりがいを感じられなかったから」「ワークライフバランスを改善したい」という理由だけでは、失敗する可能性があります。
転職を考える際は、自分が何を求めてブルーカラーに転職するのかを明確にしておくのが重要です。収入・ワークライフバランス・スキルの習得など、自分が重視する項目を洗い出してみてください。目的が明確であれば、転職活動での軸がぶれにくくなり、入社後のギャップも小さくなります。
仕事内容を精査する
ブルーカラーといっても、工場系・建設系・物流系など職種は幅広く、それぞれ求められるスキルや体力などが異なります。自分に合わない環境の仕事を選んでしまうと、体力的な限界を感じて、後悔する場合もあります。
自分のスキルや体力に合った仕事を選ぶためにも、仕事内容は入念に精査してください。どのような仕事をするのか、勤務環境はどうなっているのかなどの見極めが、長く働き続けるために大切なポイントとなります。
年収減に対応できるだけの資金を確保する
転職直後は、一時的に年収が下がる可能性があります。特にミドルシニア世代の場合、教育費や住宅ローンなど固定的な支出が大きい時期と重なることも少なくありません。
転職を決断する前に、一定期間は収入が下がっても生活が成り立つよう、生活費の見直しや資金計画を立てておくと、安心して転職後の生活を送れるでしょう。思いつきで転職をして後悔しないよう、入念な資金計画を立ててみてください。
まとめ
レバレジーズの調査によると、ブルーカラー職として働く人の約4割が「60歳以降も現在の職種で働き続けられると思う」と回答しており、年代が上がるほどブルーカラー職を続けたいと考える人の割合も高くなる傾向がみられました。
一方で、体力面や健康面への不安を抱える人も多く、長く働き続けるためには労働環境の改善や柔軟な働き方への対応が重要になると考えられます。ミドルシニア世代がブルーカラー職への転職を検討する際は、仕事内容や必要な体力、収入面などを十分に確認したうえで、自分に合った働き方を選ぶことが大切です。