共働き世帯はいくら稼ぐのが一番得?手取りを最大化する税金対策も紹介

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共働き世帯は年々増加しており、2024年では約7割が共働きであることがわかっています。物価高騰の影響も受け、世帯年収を上げようと考えている人は多いでしょう。しかし、世帯年収を上げても手取りが増えないというケースもめずらしくありません。今回は共働き世帯の年収から、得する金額や手取りとのバランスについて紹介します。また、手取りを増やすための対策なども解説しています。

共働きの世帯年収は平均800〜900万円程度

共働き世帯の1ヶ月の平均収入は74万7,053円です。1年間896万4,636円という計算になり、大体800〜900万円程度の世帯年収が多いとわかります。ここから、税金や社会保険料を引かれるため、手取りは約650万円前後、毎月の手取りは約54万円です。

世帯年収が高いとその分税金も高くなるので、年収900万円や1,000万円でも、手取りがあまり多くなく、家計が逼迫しているという家庭も見かけられます。

参考:総務省「家計調査報告|家計収支編2024年(令和6年)平均結果の概要|妻の就業状態,世帯類型別」

共働きの世帯年収による手取りの比較

世帯年収が1,000万円の場合と、600万円の場合での手取り額は以下の通りです。

世帯年収が1,000万円の場合
• 所得税:約83万円
• 住民税:約75万円
• 社会保険料:約120万円
• 手取り:約720万円

世帯年収が600万円の場合
• 所得税:約20万円
• 住民税:約30万円
• 社会保険料:約90万円
• 手取り:約460万円

年収で400万円の差があるため、手取り額でも300万円近くの差が出る計算になります。所得税率は年収600万円では20%、年収1,000万円では33%に上がりますが、それでも年収1,000万円の方が手取り額は多くなっています。上記の表だけを見ると、年収1,000万円の方が得だと思いますが、実際にはそうとは言い切れません。

給与所得を計算する際には、給与所得控除を年収から差し引いて行いますが、年収が895万円を超えると、控除額が195万円で固定となります。一方、年収600万円の場合の給与所得控除は、600万円×20%+ 44万円=164万円です。

また、子育てに関連する支援制度では、年収1,000万円は所得制限の対象となり、満額での援助などは受けられなくなることがあり年収600万円では、年収1,000万円の場合よりも手厚い支援を受けられる可能性もあります。

世帯年収と手取りのバランス

年収200〜1,000万円までの各税金額と手取り額は以下の通りです。

年収 所得税 住民税 社会保険料 手取り額
200万円 2万7,000円 5万4,000円 30万円 162万円
300万円 5万4,500円 10万9,000円 45万円 239万円
400万円 8万4,000円 16万8,000円 60万円 315万円
500万円 13万5,000円 23万3,000円 75万円 388万円
600万円 20万500円 29万8,000円 90万円 460万円
700万円 30万6,500円 36万7,000円 105万円 528万円
800万円 46万1,120円 444,310 117万6,900円 591万円
900万円 63万9,540円 533,520 1234,800 659万円
1000万円 827,960 627,730 1292,700 725万円

年収が700万円を超えると、あまり手取り額が増えなくなっていることがわかります。

世帯年収が増えるデメリット

世帯年収が増えることには、デメリットとも言える点がいくつかあります。今回は主な5つを紹介します。

保育料が高くなる

子どもの保育料は世帯の住民税の所得割額で決まるため、所得が高くなると保育料も高くなる仕組みです。3歳〜5歳の子どもは国制度で無償化されていますが、0〜2歳児は自治体によって異なります。

例えば、大阪市の保育園に0歳児を預けた場合、世帯年収600万円と1,000万円では保育料は以下ような差があります。年収によって同じ保育園でも、保育料が2万円ほど変わることがわかります。

世帯年収 保育標準時間 保育短時間
600万円 3万2,700円 3万2,300円
1,0000万円 5万3,000円 5万2,400円

高校授業料無償化に影響する

世帯年収が上昇すると、高校の授業料無償化に影響が出る可能性があります。現在、高校の授業料は、高等学校就学支援金によって実質無償化されています。所得による制限を一部撤廃し、国公立・私立に関係なく年間11万8,800円の支援金が支援されています。

しかし、私立に関しては授業料が高いため、年収が一定額未満の場合のみ上限が39万6,000円とされています。2025年時点で年収が~1,000万円の場合、公立であれば問題ありませんが、私立は授業料の負担が発生する可能性があります。

ただし、2026年度より所得による制限を撤廃し、すべての世帯で45万7,000円の支援がされる予定です。年収に関係なく学校を選べるようになるのは、大きな変化となります。

一部の子育て支援に制限がかかる

保育料や高校の授業料以外にも、教育に関連する支援では所得制限を設けている場合があります。例えば、大学授業料無償化・一部の奨学金・障害児福祉手当などです。児童手当などは所得制限が撤廃されていますが、まだ制限が残っている制度もいくつかあります。

世帯年収が高いことで、国からの支援が受けられない可能性がある点は知っておきましょう。ただし、自治体によっては独自の制度を用意しているケースもあるため、住んでいるエリアで利用できるものはないか確かめてみてください。

税金の負担が上昇する

世帯年収が増加すると、所得税・住民税・社会保険料などの負担も増加します。世帯年収600万円と1,000万円の場合では、所得税と住民税は倍以上も変わるケースがあります。社会保険料も数十万円は異なるため、年収が増えても引かれる金額の影響で手取りが増えないというデメリットが出てきます。

生活費などの全体コストが増える

世帯年収が増えるとその分生活費も増えやすくなるのも、デメリットの1つです。共働きかつ年収が高いと多忙なケースが多く、家事や食事を外部に委託することでコストが上昇する家庭もあります。

また、子どもがいる場合は塾や習い事など、教育に関する費用も増える傾向です。結果として、世帯年収が1,000万円でも支出が多いことで、損をしていると感じる可能性が出てきます。

手取りを増やす税金対策5選

少しでも手取りを増やすためにできる税金対策を、5つご紹介いたします。すぐに実践できるものがないか、確かめてみてください。

年収の壁を利用する

夫婦のうちどちらかがパート・アルバイトで働く場合は、年収の壁を利用してください。2025年では年収の壁の種類と内容は、以下のようになっています。

• 110万円:住民税の支払いが必要
• 106万円:一部の人で社会保険の支払いが必要
• 123万円:配偶者控除適用の範囲
• 130万円:社会保険の支払いが必要
• 160万円:配偶者特別控除が満額受け取れる
• 201万円:配偶者特別控除の配偶者の年収上限

例えば、扶養内で働く場合は123万円までなら課税されず、配偶者控除も利用できます。年収の壁を理解して、うまく壁の範囲内で収入をコントロールできれば、働いた分がそのまま家計にプラスできる可能性があります。

各種控除を活用する

税金額は、年収から各種控除分を引き、残った金額に税率をかけて計算を行います。誰でも適用される基礎控除などのほかにも、条件を満たしていれば利用できる控除が複数あります。

以下のような控除を利用できる条件に該当していないか毎年確認し、年末調整や確定申告を行ってください。うまく活用できれば、その分税額を抑えられる可能性があります。

• 生命保険料控除
• 地震保険料控除
• 住宅ローン控除
• 医療費控除
• 配偶者控除
• 配偶者特別控除
• 寄附金控除 など

iDeCo

iDeCoは個人で用意する年金制度のことで、掛金・運用益・受け取り時に税制上の優遇措置が設けられている制度です。掛金は所得控除の対象となるため、翌年の所得税や住民税が掛け金額に応じて軽減されます。

通常の投資商品などは20.315%の課税がされますが、iDeCoの場合、運用益は非課税です。また、60歳を迎えて受け取りができるようになった時も、公的年金等控除か、退職所得控除を利用できるというメリットが用意されています。老後資金の形成と節税もできるのが、iDeCoのメリットです。

新NISA

新NISAはつみたて投資枠と成長投資枠を利用して、投資を行って資産を増やす金融商品です。非課税保有限度額1,800万円、非課税の期間も無期限となっているため、運用益や分配金に課税されずに受け取れます。iDeCoよりも柔軟性が高いため、少額から始めたい、子ども教育資金などを形成したい場合に向いています。

ふるさと納税

ふるさと納税とは、実質2,000円の自己負担で自治体を応援し、返礼品を受け取れる制度です。寄付金額のうち2,000円を超える分は、翌年の所得税や住民税から控除されるため、税額負担を抑えながら返礼品も受け取れるのがメリットです。お米や野菜などの食料品を選べば、生活費の支出も抑えられます。

共働き世帯が損をしないためのポイント

共働き世帯が損をしないために、気をつけておきたいポイントは以下の3つです。

• 家計の見直し
• 資産運用
• 国の制度を使う

まずは家計の見直しを行い、収入に対して支出が多すぎないか確認してみましょう。スマホの利用料や保険料など、固定費から見直しをすると節約効果が出やすくなります。外食や家事代行サービスを利用する際は、費用対効果を見たり、自分たちでできる部分はないかを確認したりと、使い方を検討するのがおすすめです。

少しでも資産を増やすなら貯蓄のほかに、資産運用も検討してください。iDeCoや新NISAを活用すれば、税制上の優遇措置を利用しながら資産を増やしていけます。

そのほか、ふるさと納税や控除など国が用意している制度を、活用できないか確認し、利用できる場合は申請も行いましょう。所得税や住民税などの税額を抑えられれば、高い世帯年収でも手取り額を増やせる可能性があります。

まとめ

共働き夫婦の世帯年収について、紹介しました。世帯年収が1,000万円の場合は、税額控除が上限だったり、子育てに関する支援が受けられなかったりと、サポートが手薄になる可能性があります。せっかく手取りが増えても支出が増えてしまい、結果として家計が逼迫状態になるケースも考えられます。

世帯年収が600万円の場合は、世帯年収1,000万円の家庭よりも手取りは減りますが、税額控除や制度の所得制限をフル活用できるため、結果として余裕を持てる可能性があるでしょう。少しでも手取りを増やすなら、年収の壁や各種控除、資産運用などを活かして税額が抑えられるように取り組んでみてください。

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