40代でキャリアを見直す理由と、新しいキャリアパスの築き方
- キャリアを考える
- 公開日:2025年11月25日
40代はキャリアの分岐点。仕事・家庭・健康…多くの課題が重なるこの時期に、どう未来を描くべきかなのでしょうか?今回は、40代でキャリアを見直す理由と、新しいキャリアパスを築くための具体的なヒントを紹介します。
キャリアの転換期となる40代
40代といえば、人生100年時代の現代からすれば、人生折り返し地点に丁度差し掛かるところです。そんな40代は多くの人にとって、人生の大きな節目の年になっています。
例えば、仕事でいえば一定の経験やスキルが蓄積され、責任ある立場や役職になる方が多くなる年齢だと言えるでしょう。プライベートで考えてみても、子育てや親の介護といったライフイベントが重なることも多くなる年齢です。
そのため、40代では仕事と生活のバランスを考え直す必要性が出てくるのです。そこで、キャリアプランの見直しや、ライフプランの枠組みを俯瞰してみる方が増えるのが40代という年齢だといえます。
40代が陥りやすい!?「ミッドライフクライシス」とは
「ミッドライフクライシス」とは中年期特有の心理的危機、中高年が陥る鬱病や不安障害のことで、30代後半~50代にかけて陥りやすいといわれています。まさに、40代はこの「ミッドライフクライシス」真っ只中という年代。
仕事もある程度慣れたころ、周りの評価や社会の基準が具体的に見えてくる年です。そういった点から「このままでいいのかな」と、何となく漠然とした不安に襲われることが多くなる時期だとも考えられます。
ミッドライフクライシスを経験する多くの方は、これまでの人生やキャリアに対する疑問や不満を抱くようになります。そして、家庭でも育児に手がかからなくなってきて、女性でいえば再度、社会復帰を望むこともあるでしょう。
さらに、親の介護や子どもの将来を具体的に考えはじめたりと、多くの要素が重なるタイミングでもあります。子どもの教育費や介親の護費用といった何かとかかるお金や、ご自身の体力や気力の減退に悩み始め、40代で改めて自分の"生き方"を見直す人が多いのです。
データ元:マイナビ「中年期に陥りやすいミッドライフクライシスとは?原因と乗り越え方のヒント」
なぜ、40代でキャリアの見直しを行う人が多いのか
具体的に、なぜ40代でキャリアの見直しを行う人が多いのかについて考えていきます。
ライフステージの変化
40代を迎えると、子どもの成長や親の介護など、ライフステージが大きく変わる時期でもあります。そんな時期には自身のキャリアを見つめ直す必要が出てきます。今までとは同じ働き方ができなくなるのをきっかけに、キャリアについても再考する人が増えているというわけなのです。
セカンドキャリアを見据える
40代に差し掛かると、定年退職後のセカンドキャリアを見据える方も多くなってきます。セカンドキャリアでは、これまでの仕事とは大きく違うことにチャレンジしたり、趣味や関心のあった分野で起業したりと、人生の終盤に向けて思い切りキャリアの舵取りをする方も。そんな準備段階に入るのが40代だともいえるのです。
キャリアの限界を感じる
40代になると、会社内でのポジションがある程度明確になる年代でもあるでしょう。今の役職やポジションでは、これ以上キャリアアップは望めないことを知る時期にもなります。
そうしたキャリアの天井が見えている中で、今後のキャリアはどうしたらいいのだろうかと岐路に立たされる方も多いでしょう。そういったキャリアの限界を感じやすいのも、実は40代という年代なのです。
体力の問題
40歳になれば、体力が減っていきます。そのような体力問題や健康への懸念からこれまでの働き方でいいのかと疑念を持つようになり、キャリア形成をし直そうという方が増えていきます。年齢は誰でも平等に重ねるもの。そのため、体力減退や体の変化を感じる40代では、これまでとは違う働き方をしていきたいと思うようになるといいます。
家族関係のライフイベントがある
家族の介護が始まったり、子どもが独り立ちしたりと、40代では家族のイベントごとも増えていきます。自分のことだけを考えればよかった若年層とは異なり、家族のことも視野に入れてキャリアを考えていかなくてはならないため、40代ではこれまでと同様の働き方ができなくなってくるでしょう。
老後資金を意識する
老後資金についても、40代では多くの関心を集める事項です。65歳以降の平均余命は15~25年といわれています。そのため、老後資金を考えたときに転職を視野にいれたり、在宅ワークで長期間働けるような体制を整えたりと、自身のエンディングに向かってお金の管理を意識し始めるのが40代です。
40代のキャリア見直しで、新たなキャリアパスを築く
40代でのキャリアを見直すにあたり、考えるべきポイントを4つ紹介します。
管理職として活躍できるか
多くの会社では、組織をまとめるリーダーを40代以降の社員に求めることが多いでしょう。そのため、40代でキャリアの見直しを行う場合にマネジメントスキルがあることは非常に強みになります。管理職として会社にコミットできる実績があれば、40代でのキャリアチェンジを行う際にも背中を押してくれるスキルになりやすいのです。
専門分野がある
40代でスキルや専門知識がある場合はプロフェッショナルとして活躍することも可能でしょう。そのスキルをもって独立開業することもできますし、転職する際にもご自身の能力が身を助けてくれます。40代でのキャリアの見直しでは、専門知識や分野があるかどうかは非常に重要なポイントといえます。
ワークライフバランスを考える
40代では体力は若い頃に比べて落ちるかもしれませんが、それでも人生100年時代で考えるとまだまだキャリアの道のりは続いています。40代を節目とし、自身のライフスタイルに合った働き方を選択することで、心身ともに健康な状態で働き続けることができるでしょう。
現代ではフレックスタイム制や時短勤務など、様々な働き方を選択できる環境が増えているため、自身のスタイルに合った働き方はどれなのかと検討することが大切です。
40代でキャリアの見直しを行うには?
では、40代でキャリアの見直しを行うには具体的にどのような行動をすればよいのでしょうか。
これまでの経験とスキルの棚卸し
40代は、これまでの職業経験やスキルを活かして新しいキャリアを築くための重要な時期といえます。そのため、まずはこれまでの経験やスキルの棚卸しをしてみましょう。
例えば、これまで管理職として働いてきた方でしたら、リーダーシップや組織の運営スキルを基に今後どのような仕事ができるかを考えてみるのです。棚卸しでは、これまで担ってきた仕事や成果、職場内での役割などを細かく挙げ、自分のキャリアを客観視することが求められます。
自身の価値観を定める
40代では、自身の価値観を見直すことも重要となります。年齢を重ねるごとに価値観は変化し、これまで大切にしてきたコトやモノへの優先順位に変化がおきることもあるでしょう。自分が何を大切にし、どのような働き方や生き方を追求したいのかを改めて問い直すことが必要となります。
例えば、若い頃は報酬を最優先にして仕事を求めていた方も40代になれば家族の時間を充実させたり、生きがいや趣味に生きていきたいといった方も。そこで、価値観の再確認を行うことは、自分が本当に求めるキャリアのビジョンを具体化することに繋がるのです。
専門性を高めるためのスキルアップ
40代ではさらに専門性を高めることも必要になってきます。例えば、営業であればIT分野の知識を深めたり、経理の資格を取ったりと専門性を高めていきましょう。
営業としてトッププレイヤーで活躍してきたとしても、体力が衰える40代では攻めと守りのどちらもできるスキルを身に付ける必要があります。スキルを身に付けておけば、将来的にキャリアチェンジで悩むことも少なく済むでしょう。
リスキリングを行う
これまでのキャリアでは満足度が低いという方は、キャリアチェンジやリスキリングを積極的に検討してみましょう。最近ではオンラインでの学びも増えているため、仕事をしながらでもリスキリングがしやすい環境が整っています。そういったサービスを利用して新しい分野の知識を身に着けることは、新たなキャリアチェンジの扉を開く可能性を持ちます。
起業や独立という選択肢をもつ
40代は経験と人脈が充実している時期でもあるため、起業や独立を選ぶ方も少なくありません。自分の専門性や情熱を活かして新しいビジネスを構築することで、やりがいを追求する人生を歩むことができます。
ただし、起業にはリスクも伴うため、まずは安定的な収入確保を目指して副業からスタートさせるといった選択も。あらゆる可能性や選択肢がある昨今だからこそ、40代からのキャリアを考える際に起業や独立という選定も大いにあり得ます。
独立後のキャリアプランは入念に練るようにし、身近に独立や起業した知り合いがいれば一度話を聞いてみるのも、独立や起業へのイメージをより深められるでしょう。
健康管理を徹底する
意外と見過ごされがちなのが健康管理です。キャリアと健康管理は密接に繋がっています。また、体力面の健康もありますが、メンタル面での健康も保つことが重要になります。
心身ともに健康でいなければ、キャリアの見直しをする前向きな気持ちも生まれてこないだけではなく、健康を損なっては楽しい人生も送れません。定期的な健康診断はもちろんのこと、運動習慣や趣味の時間をきちんと確保し、オンとオフの切り替えをしっかりと行うことも重要です。
まとめ
定年までにまだ時間的な余裕があり、体力的にも問題ない40代はまさにキャリアの見直しの入口に立っています。将来の可能性を踏まえ、キャリアについて真剣に考えはじめるのに適した年齢なのです。