履歴書で差がつく!シニア世代の応募書類、ここがポイント
- 転職・退職ノウハウ
- 公開日:2025年9月 5日
多様な働き方が広がる今、採用の現場では「応募書類」が変わらず重要視されています。特にシニア世代にとっては、職歴の多さやブランクの扱い方など、書き方に工夫が必要です。本記事では、履歴書・職務経歴書の基本から、転職歴の伝え方、採用担当者が注目するポイントまで、応募書類作成のコツをわかりやすく解説します。
意外と知らない、「応募書類」のあれやこれや
働き方改革によって多様な働き方が認められる世の中になりましたが、依然として変わらないものがあります。それは、採用においての「応募書類」です。近年では紙からウェブへと応募書類の形態は変化しつつありますが、その内容や企業から問われていることは何ら変わりません。
そんな応募書類も「どうやって書くのが正解か...」と頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。新卒からずっと同じ会社に所属していたり、転職してから長らく応募書類に触れていなかったりすれば、そう思うのも当然です。
シニア世代と若者たちの応募書類では、重視しなくてはならないポイントが少し異なります。それは、履歴書の「職歴欄」です。シニア世代は若年層と違い、職歴が多かったり、結婚や出産、介護といったライフイベントがあるためにキャリアにブランクができていたりと、応募書類に書くことが必然的に長くなる傾向にあります。
長年働いてきた分、多くの経験があり、履歴書の職歴欄が書ききれないなんてことも。また、短期間で転職した経験が多い場合はどのように書けば印象が悪くならないか、採用に繋がりやすい応募書類とはどのようなものだろうか...と、少し考えただけでも沢山の疑問が浮かんでくるかもしれません。
応募書類はよく、入社したい企業への"ラブレター"と言われることがあります。言葉の通りで、採用のシーンではちゃんとした応募書類を用意できるかどうかで採用が決まると言っても過言ではないくらい重要なものなのです。
シニアの応募書類は、要点を抑えることが重要
シニア世代の応募書類は、新卒の時や若手のときに用意するものとは異なる特色を出していかなくてはなりません。それは、企業から若年層とシニア世代では求められていることが違うためです。
シニア世代の採用においては、これまで培ってきた経験やスキルを活かすことができるかといった能力面から健康状態は問題ないか、周りと協調できる性格だろうかといった、人柄や内面の部分まで若者とは違った視点で評価されます。
これまでのキャリアを踏まえてその人物が評価されることが多いため、若手が求められることの多い、やる気や忍耐力といった若手特有のエネルギーやパワーよりも、職歴やスキル、志望動機といったポイントを重視される傾向にあるのです。つまり、そういった観点をしっかりとアピールできない場合は、採用において不利になりかねないのです。
どのようなことを念頭におけばいいのか
シニア世代が応募書類で意識しなくてはならないのは、大まかに3つです。このポイントを意識するだけで、簡潔でまとまりのある応募書類を作成することができます。
・履歴書に要点を書き、細かくは職務経歴書に書くこと
・過去20年以内の職歴を中心に書き、過去の職歴は簡潔にまとめること
・応募先に関連する職歴を優先的に書くこと
こうした整理された応募書類を用意することで採用担当者に対して自身の情報をスムーズに伝えることができます。職歴は時系列順(古い順)で書く「編年体形式」と、上記のような現在のキャリアから過去にさかのぼって書く「逆編年体形式」とがありますが、どちらで書いても間違いではありません。
本来は「編年体形式」の方がキャリアを履歴書と照らし合わせやすく、シンプルで読みやすいとされています。しかし、職歴が長い場合は、読み手に親切な印象を与えられることからも「逆編年体形式」の方が適しているといえるでしょう。
転職が多い場合、理由はどのように言えばいいのか
職歴が多くなってしまっている場合、応募書類をどのように書いたらいいのだろうと頭を抱えてしまうことも少なくありません。職歴が多い場合、採用担当者から「なぜ転職を繰り返したのか?」と質問される可能性があります。そういった場合は、事前にしっかりと準備をすることで転職経験を強みとしてアピールしていくことが重要となります。
・同じ業種の仕事を転々としてきた場合の例
多くの職場で多角的に経験を積むことで、幅広い業務にまで対応することができるようになった。
・異なる業種から業種への転職が多い場合の例
新しい業界に挑戦することによって新しいスキルを習得することができ、自身の目標とするキャリアアップに繋げられた。
・短期間の職歴がある場合の例
環境が合わない経験もしたが、それが活きたことで多くのことを学び、今の自分がある。
このように、転職が多いことも言い方一つでプラスのイメージに変えることができるのです。「転職が多くて採用されるのか心配...」という方は、自身のキャリアアップや人脈構築に繋げられていることをアピールできればよいでしょう。
少し昔であれば、【転職が多いこと=マイナス】といったイメージが強くもありましたが、多くのキャリアパスが認められる現代では、決してマイナスだとは言えなくなりました。むしろ、採用担当者に訳を聞かれた際に自分の言葉できちんと説明できることの方が大切なのです。
具体的な「応募書類」の書き方とは?
ここからは、具体的な応募書類の書き方について触れていきましょう。
履歴書
履歴書と一概にいってもJIS規格のものと、それ以外のものがあります。パートやアルバイト応募では簡易版の履歴書を使うこともしばしばですが、規定がなければJIS規格のものを使用しましょう。最近では、多様性に考慮した性別欄の記入が任意となっているものもあります。
履歴書は文具店や量販店で手に入れることができますが、インターネット上のテンプレート(Word、Excel)を使用して応募先に提出することも増えてきました。手書きでもパソコン上で作成するにしても、誤字脱字はしないように留意しましょう。もし、書き損じてしまった場合は、修正テープ等を使ったり二重線で消したりせず、最初から書き直すようにします。
職歴>学歴の割合にする
シニア世代の応募書類では職歴を重視して書くようにし、学歴は簡潔に記載するようにしましょう。基本的には、高校以降を記入するようにします。職歴では会社ごとで何をしてきたかがわかるように、業務内容は簡潔に書くようにしてください。
志望動機はアピールできる内容で書く
志望動機はご自身の経験をもとに、企業へどのくらい貢献できるのかを書いておくと採用に繋がりやすくなります。「なぜこの会社なのか」、「入社後、経験をもとに何ができるか」の2点を意識して書きましょう。
例)
私にはこれまで2社での営業経験があります。扱っている商材は違ったものの、営業としてクライアントにとって役立つことは何なのかという観点をもって向き合ってきました。その結果、前職の会社では年間売上を40%向上させた実績があります。また、同時に部を束ねるマネージャーとして従事してきました。御社では個人の数字よりも部や班単位で数字が求められるとお聞きしましたので、マネージメント経験とこれまでの営業で培ってきたスキルを存分に発揮して貢献していきたいと考えています。
ポイントをおさえておく
応募書類の書き方で迷う場面も多いはず。特に備考には「何を書けばいいの?」と思っている方も多いでしょう。以下の細かいポイントをおさえておきましょう。
| 日付 | 提出する日を記入 |
|---|---|
| 氏名 | 戸籍に登録されている字体で記載し、姓と名の間にスペースを空ける |
| 生年月日・年齢 | 西暦もしくは和暦で統一し、現在の(満)年齢を記入 |
| 住所や連絡先 | 都道府県や建物名は省略せず記入 |
| 証明写真 | 直近3ヵ月以内のバストアップ写真を用意する |
| 通勤時間 | 移動手段と併せて明確に記入 |
| 扶養家族数 | 扶養している人数を記入 |
| 本人希望記入欄 | 西暦もしくは和暦で統一し、現在の(満)年齢を記入 |
採用者はここを見る! 細かい点にも注意が必要
採用担当者は言わば、応募書類のプロとも言える存在です。そんなプロはしっかりと細かい点も見ていることを忘れないようにしましょう。
誤字脱字
誤字脱字は厳禁です。誤字脱字がある場合、確認を怠るだらしない人と思われたり、知的レベルが疑われてしまったりすることも。丁寧に確認すれば気付ける点だからこそ、提出までは何度も見直すようにしましょう。
応募書類から伝わる人柄や健康状態
履歴書で重要視されるのは職歴の記載ですが、シニア世代の場合には人柄や健康状態なども評価の対象になります。職場の人間と上手くやっていけるかどうか、長く安定的に働いてくれるかどうかを採用担当者はチェックしています。たとえ、介護等のライフイベントでキャリアブランクがあっても、人柄が認められれば採用に繋がることも十分あります。
また、健康状態についても書いておくと採用担当者や現場の社員たちにも安心感を与えることができます。身体を動かす仕事の場合、健康状態を気にされることがほとんどなので、問題ない場合はしっかりとアピールしておきましょう。
健康面は歳を重ねれば本人の責任ではないところで不調をきたすこともあります。持病がある場合や無理な働き方ができない場合は、職場とのミスマッチを防ぐためにも事前に伝えておくようにしましょう。
資格・免許
資格や免許に関しては、忘れずに記入しましょう。普通自動免許などは当たり前だからと書かない方もいますが、免許は働く上で大事なスキルになります。記入漏れがないように確認しましょう。
持っている専門資格等は見る人のことも考えて、同じカテゴリーのものを近くに書いておくと親切です。特に、応募先の職場で活躍できる資格を持っている場合は、書類選考で有利になることが多いので躊躇なく記入しておくようにしましょう。その際に、取得年もあわせて記入します。
自己PR
シニアの採用においては「職場になじみやすいか」「チームプレーができるか」なども重視されます。そのため、「自己PR」欄でアピールしておくと、採用に繋がりやすくなります。
まとめ
採用に大きく影響する、応募書類。応募先へのラブレターとも言われるほど、自分をアピールもしてくれる大切なものです。「これくらいいいだろう」と安易に考えず、最終チェックを怠らず、丁寧に仕上げていきましょう。