新NISAの成長投資枠って?成長投資枠を上手使いこなすポイント
- ちょっと得する知識
- 公開日:2026年4月 7日
2024年1月から始まった新NISAの枠は、成長投資枠とつみたて投資枠の2つあります。新NISAでは2つの投資枠の併用ができるようになり、投資の幅が広がりました。そのため、新NISAは成長投資枠の活用が成功の鍵となります。うまく成長投資枠を活用するための活用例や、運用する際の注意点などを解説します。
新NISAの成長投資枠の概要
従来のNISAとの違い
新NISAとは2024年1月からスタートした制度であり、従来の制度は2023年12月で新規の買付は終了となっています。しかし、その後も一般NISAは5年間、つみたてNISAは20年間非課税で運用可能です。
新NISAと前NISAの大きな変更点は、制度の併用ができる点と非課税保有期間の制限がなくなる点です。今まではできなかった制度の併用で、柔軟な投資が行えるようになりました。新NISAの成長投資枠は一般NISAの役割を引き継いでおり、上場株式や投資信託に投資が可能です。詳しい商品については、後ほどご紹介します。
つみたて投資枠との違い
成長投資枠とつみたて投資枠の違いは、年間の投資上限額や生涯非課税限度額などです。つみたて枠の年間の投資上限額は120万円まで、生涯非課税限度額は2つの制度を合わせて1,800万円までとなっています。
また、購入できる商品も違いがあります。つみたて枠で購入できるのは、現行のつみたてNISAと同様に投資信託の一部商品です。従来のNISAではつみたてNISAを選択すると、一般NISAとの併用はできませんでした。しかし、新NISAでは制度の併用ができるため、成長投資枠との使い分けも可能です。
成長投資枠で買える商品
成長投資枠では、買える商品と買えない商品があります。成長投資枠は、つみたて投資枠よりも購入できる商品が多くあります。ただし、以下の条件に当てはまる場合は、成長投資枠では購入できません。
• 整理銘柄や監理銘柄
• 信託期間20年未満の投資信託等
• 毎月分配型の投資信託等
• デリバティブ取引を用いた一定の投資信託等
整理銘柄とは上場廃止が決まっている企業の株式、監理銘柄は上場廃止の可能性がある企業の株式を指します。上場廃止のおそれがあると、長期的な保有には向かないとして、成長投資枠からは除外されています。また、信託期間が20年未満のもの、毎月分配型の投資信託も長期投資に向かないとされ購入できません。
成長投資枠ならではの商品には、個別株投資があります。中には好配当株への投資と、成長株への投資があります。好配当株は企業が成長し続けており継続的な利益があるため、配当を出せる余裕がある優良企業といえるでしょう。そのため、NISAで投資をすると配当金などを非課税で受け取ることができます。
成長株は今後大きく伸びていく株を発掘し、長期投資する方法です。値上がり益が非課税となるため、成長性の株に投資をしたい場合は、NISAを通して投資しましょう。そのほか、つみたて投資枠では購入ができないREITのみを対象とした投資信託や、債券ファンドなどの購入も可能です。
成長投資枠で銘柄を選ぶ前に知っておくべき点
成長投資枠を活用する前に、銘柄を選ぶ際のポイントを押さえておきましょう。
成長投資枠はつみたて投資枠と比較して、幅広いリスクレベルの投資信託が用意されています。そのため、初心者向けではない商品も含まれています。
反対につみたて投資枠では初心者向けの商品が多いため、比較的安心して利用できるでしょう。成長投資枠では幅広い人を対象としているため、商品によっては自分には合わない商品があると理解する必要があります。また、成長投資枠を利用する際は、どのように投資枠を使うのかを明確にします。
積極的なリスクを取るような使い方ではなく、つみたて投資枠との併用でバランスを取る使い方も可能です。つみたて投資枠の対象ファンドではカバーできない資産を取り入れると、資産の成長につながるでしょう。どのように活用をしたいのか、イメージを決めたうえで、どのような銘柄に投資をするかを決める必要があります。
新NISA成長投資枠の活用例
成長投資枠をどのように活用するか、迷っている方もいるでしょう。新NISAの成長投資枠の活用例をご紹介します。
成長投資枠とつみたて投資枠を併用
新NISAは成長投資枠とつみたて投資枠の併用が可能です。成長投資枠では、つみたて投資枠では購入できない商品の購入や、より大きな額の活用ができます。一括で成長投資枠を利用するのは難しい場合は、成長投資枠にて少しずつつみたて投資をするなどの使い方も可能です。
成長投資枠にまとまった資金を投資する
ある程度まとまった資金が手元にある場合は、一括投資することもできます。枠を最大限かつ、最短で活用したい場合は、月20万円ずつ投資しましょう。その場合は年間240万円の投資となり、成長投資枠(生涯上限1,200万円)を5年で使い切る形です。
反対に、ゆっくり資金を投資したい場合は、毎年120万円ずつ10年間で活用する方法もあります。まとまった資金がある場合でも、必ず毎月上限額を投資する必要はありません。自身の生活スタイルなどに合わせて、使いやすい方法で投資をしましょう。
成長投資枠を運用する際の3つの注意点
成長投資枠は年間の限度額がつみたて投資枠よりも大きく、投資できる銘柄も多くあります。しかし、活用する際にはいくつかの注意点があります。以下でご紹介する3つの注意点を確認し、損をしないように活用しましょう。
①商品選びが難しくなる
成長投資枠の特徴として、商品選びがより難しくなる点があげられます。先述しているように成長投資枠は、投資先の選択肢がつみたて投資枠よりも幅広いです。さらに、投資経験者向けの商品も多くあり、初心者には難しい商品も扱っています。
自身で判断をしたうえで商品購入をする機会が増えるため、その分自身に合っていない商品を買う可能性も高まります。つまり、成長投資枠を利用する際には、つみたて投資枠よりも商品選びが難しくなるでしょう。
②売却判断がより難しい
新NISAは従来のNISAと比較して、今まで以上に売却判断が難しくなるでしょう。新NISAでは非課税期間に制限がなくなったため、資産を保有できる期間にも制限がありません。そのため、自身の保有資産をどのタイミングで手放すのか、売却のタイミングを自分で決める必要があります。
さらに、購入できる資産の幅も広がっているため、それぞれに合ったタイミングでの売却が重要です。いつ売却をするのか基準を明確に決めるか、証券会社の情報提供や開示資料などを参考にしましょう。新NISAは商品選びも、売却も今まで以上に難しくなる点が気をつけておきたい点です。
③運用時のリスク水準に気を付ける
成長投資枠はつみたて投資と比較して、1回に投資する金額が大きくなる傾向です。そのため、リスクの高い資産に投資をすると、価格が下落した場合に資産価値が大きく下がる可能性が高まります。その際に、運用期間が十分に残っている、長期投資である点を踏まえて判断できれば問題ありません。
ですが、中には予想以上の下落で慌ててしまい、売却する方が出てきます。しかし、NISAの運用の場合は、損を恐れて途中で運用をやめてしまうのはもったいない可能性が高いです。下落したからといってむやみに運用を止めるのではなく、長期的な投資である点を理解する必要があります。
下落が起こってしまった際に、慌てずにどの程度のリスク水準で運用を続けるのかを事前に決めましょう。また、自身の資産にどの程度影響を及ぼす可能性があるのか、常に情報収集を行いましょう。
成長投資枠はどんな人に向いている?
これまで紹介したように、成長投資枠は初心者向けとは言えません。どちらかと言えば、すでに投資の経験がある、知識を持っている中級者以上向けといえるでしょう。成長投資枠は幅広い商品があるため、日本株式・投資信託・REITなど状況に応じての知識を活用して、購入や売却を決める必要があるためです。
さらに、比較的まとまった投資資金を用意できる、多くの金融商品に投資をしたいといった方向けです。成長投資枠は年間240万円を投資できるため、より運用益の最大化が狙えるでしょう。
投資初心者である方、コツコツと投資を行いたい方は、つみたて投資枠からスタートしましょう。成長投資枠よりも年間の上限額が低い点や、初心者向けの銘柄が揃っているため、手間をかけずに進めたい人向けです。
先述しているように、新NISAはどちらの制度も併用が可能です。まずはつみたて投資で経験や知識を積み、後から成長投資枠も活用する方法もあります。新NISAを始めるにあたり、どのような効果を得たいのか、自分に合った使い方を考えたうえで決定しましょう。
まとめ
新NISAの成長投資枠は、2024年からスタートした新制度であり、2つある投資枠のうちの1つです。現行の一般NISAと同じような立ち位置ではありますが、非課税保有期間に制限がないほか、年間の上限投資額などが異なります。また、現行ではできなかった、つみたて投資枠との併用が可能です。
つまり、従来よりも幅広い投資の仕方で、将来の資産を備えられるようになるでしょう。さらに成長投資枠は、つみたて投資枠では購入できない商品を購入できます。個別株としての好配当株・成長株投資は成長投資枠でのみ可能です。より運用益を重視したい場合は、ハイリターンにつながる銘柄を選びましょう。
しかし、成長投資枠を活用するには注意するべき点もあります。非課税保有期間が無期限になった点や、購入できる商品の幅が広い点から、売買のタイミングがより難しくなりました。長期運用となるため、リスク水準についてしっかりと知っておく必要もあります。
成長投資枠は従来の投資経験を活かしたい、幅広い商品に投資をしたい方に向いています。投資初心者の場合は、つみたて投資枠からスタートする方が良いと言えるでしょう。
新NISAでは現行NISAとは異なり、成長投資枠とつみたて投資枠の併用が可能です。経験や知識を積んでから、成長投資枠の利用を開始するといった使い方で、将来への資産を備えましょう。