起業するにはリスクも抑えられる、スモールビジネスがおすすめ!

  • 独立・起業

働き方が流動的になってきた今、フリーランスという働きの存在感が高まってきています。本日は、そんなフリーランスとして独立するのにおすすめなスモールビジネスをみていきましょう。

スモールビジネスとは?

会社や特定の組織に所属せず、個人事業主などで働くフリーランスの数は年々増えている傾向にあります。国内での1年間の報酬総額は約20兆円で5年前と比べておよそ2倍となっており、人数は257万人で派遣社員を上回るといいます。

そんなフリーランスを本業に選ぶ人の多くは「自分の都合のよい時間に働きたいから」といった理由が半数以上を占めています。このように「働く」と「生きる」のバランスを取って働きたいという想いを持った人が令和にはより増えた印象です。また今年に入り、そんなフリーランスの身の回りの環境を守ろうと「フリーランス新法」が新たに制定されました。

様々な方面から注目を集めるフリーランスですが、新たに独立してビジネスを始めるには「スモールビジネス」がおすすめです。スモールビジネスとは、その名のとおり小規模なビジネス形態を指します。少ない資金で始められることからリスクを抑えやすい特徴があり、フリーランスだけではなく、中小企業をはじめ個人事業主や副業のこともスモールビジネスとカテゴライズされます。

※データ元:統計局「基幹統計として初めて把握したフリーランスの働き方~令和4年就業構造基本調査の結果から~」

スタートアップとの違いとは?

スモールビジネスと混同されがちなものに「スタートアップ」があります。
両者の違いは、ビジネスモデルや事業目的です。スタートアップは、革新的な新しいビジネスモデルを考え、新たな市場を提供して短期的に急成長させる会社のことをいいます。また、短期間での利益回収といった意識が強いことも大きな特徴です。

一方で、スモールビジネスとは少ない資金から事業を始め、既存のビジネスをベースに発展させたり継承したりしながら商品やサービスなどを提供するビジネスを指します。そのため、急成長や利益回収を一番に掲げるのではなく、息の長い事業を目指すビジネスモデルと言うことができます。

なお、巷で多く聞かれる「ベンチャー」は新しい事業を始めたばかりの会社という意味があり、一般的にはスモールビジネスやスタートアップの中に含まれる事業形態だと理解しておくとよいでしょう。

スモールビジネスのメリットとは?

スモールビジネスは、小規模事業形態であるために多くのメリットがあります。

初期費用を抑え、コストをかけずにスタートできる

小規模で事業を行うので、事業形態や職種にもよりますが初期費用やランニングコストを抑えて始めることができます。

例えば、ライターやデザイナー、コンサルタントといった職種はパソコンやインターネット環境、そして作業する場所があればいつでも仕事を始めることができるでしょう。また、飲食は一見費用がかかるように感じるかもしれませんが、キッチンカーやテイクアウト専門店といった小規模な展開をすることができるため、大手チェーンと比較して格段に初期費用を抑えることができます。

大規模事業では利益が大きい分、人件費や店舗運営費用にお金がかかってしまいますが、スモールビジネスであれば、元手もそんなにかからずにビジネスを始めることができるのです。

自由度が高い働き方ができる

スモールビジネスは多くの場合、自身に裁量権があるため自由な働き方ができると言えます。たとえば、エンジニアはパソコンさえあればプログラムの構築ができるため、場所を選ばずに働くことができます。そのため、近所のカフェや自宅といった自由度の高い場所で作業ができるのです。

大企業であれば決済を通すまでには所定の順序を踏み、最終的には責任者に認めてもらわなくては事業をスタートすることができません。しかし、スモールビジネスは1人当たりの裁量権が大きくなりやすく、様々なことを自分たちで決め、多くの経験を積むことができます。

また、就業時間や休日、場所といった働き方についても自分で決めることができるため、個人の裁量を活かして働くことができるのです。

低リスクで運営できる

スモールビジネスは、ビジネスを行う上で発生するリスクを抑えられるというメリットがあります。不測の事態や事業運営でリスクが生じても、損失を最小限に抑えることができることはスモールビジネスの良さの一つです。

また、起業したての頃はすぐに利益を出すことが難しい場合も。そんなときは、会社員としてまずは生活費をまかないながら、副業でスモールビジネスに取り掛かればよりリスクを抑えやすいでしょう。こういった点もスモールビジネスが人気になっている理由なのです。

仕事のやりがいを感じられる

スモールビジネスは多くの場合、少数の従業員や自身で事業を行います。そのため、事業の中で多くの業務に携わることができ、スキルアップはもちろんのこと短期間であらゆる経験を積むことが可能です。大企業などでは一つのプロジェクトを複数人で持ちまわることが多い中、スモールビジネスであれば大きな責任をもって仕事に関わることができます。

大手企業を辞め、スモールビジネスで独立した多くの人は「仕事のやりがいが増えた」と答える場合が多いと言いますから、仕事のやりがいを感じられるのもスモールビジネスのメリットでしょう。

スモールビジネスのデメリットとは?

一方、メリットが多いスモールビジネスにもデメリットは存在します。

1人の仕事量が多い

スモールビジネスのデメリットとしては少人数で仕事を回しているため、人が減ると業務がまわらなくなるリスクが考えられます。例えば、自分が病気やケガでダウンした場合は仕事を進めることができませんし、信頼していた従業員が急に辞めた場合、大きな痛手を受けることになります。

このように、スモールビジネスにおいては1人あたりの仕事量が増えるため、誰1人としてプロジェクトから抜けられなくなってしまったり、日々の残業が増えてしまったりすることも。そして最悪の場合は、ビジネス運営ができず、収入が途絶えることも考えられます。

スモールビジネスを行う場合には、小規模企業共済などの保険に加入などして倒産やまさかの時に備えるリスクヘッジをしておかなくてはなりません。

仕事の幅や量に限界がある

スモールビジネスは個人の裁量が大きくなる一方、個人の能力に合わせて仕事の幅や量に制限ができてしまうことも。また、1人で事業を行った場合は帳簿付けや営業活動といったビジネス全体を見渡す業務もあります。そのため、慣れないことも行う必要があることを覚えておきましょう。

独立してから経理や法務、マネージメントなど本業とは別の観点で悩んでしまう方もいますから、やれること・やれないことを予め把握して自身で難しい場合にはプロに手伝ってもらうことも必要になります。

信用度が低くなってしまうことも

スモールビジネスは1人や少人数で行っているため、多くの人が働いている大企業と比べると、社会的な信用度が低くなることも。たとえば、金融機関からの融資を受けることが難しい点はその典型的な問題でしょう。

また、大手と新規で取引をする場合、競合に大企業があると、競合負けしてしまう場合も考えられます。スモールビジネスは大企業に比べてスケールメリットが感じられにくいことがあります。

生産性が低くなり収入が不安定になる場合も

スモールビジネスは収入が不安定になってしまうリスクがあります。たとえば、ウェブデザイナーとしてホームページ制作をしている人の場合、取引が同時に行える企業数は限られてしまい一定金額以上の売上を立てることは難しいといえます。また、個人事業主やフリーランスとして活動する場合、案件が継続しない場合があるため、収入が安定しないことは大きなリスクと言わざるを得ません。

さらに、一人ないし少人数で事業を行うことが多いため、仕事の依頼が多くても受けられる仕事の数は限られてしまいます。そのため生産性が上がらないといったリスクも予め考えておかなくてはならないでしょう。

スモールビジネスを始めるにあたって押さえておくべきこと

スモールビジネスを始めようとする場合、考えておかなくてはならないポイントがいくつかあります。

市場規模やニーズの把握

市場規模やニーズを把握することで、自社の商品やサービスが他社と比較してどのような優位性があるのかを知ることができます。いざ、起業しても需要がなければ仕事を永続的に行うことは難しいでしょう。

市場規模やニーズを把握することにより、一定の売上やおおよその利益の目安を立てることができます。市場規模やニーズを把握し、事業運営できるのかを小規模事業だからこそ考えておかなくてはならないのです。

利益率を高くする工夫

スモールビジネスは少人数で事業を行うため、受けることができる仕事量が限られています。そのため、利益率の高い仕事を受けることも大切になります。なぜなら利益率が高ければ、最小限の受注で高い利益を得ることが可能だからです。

ただし、単発の案件の利益率で考えるのではなく、長期的にどのくらいの利益が出るのかを考えておくのがポイントでしょう。人数や規模の関係で制限が設けられるスモールビジネスで事業を継続させていくには、いかに利益率を上げられるかを意識しておくのが大切な観点になります。

スキルのアップデート

スモールビジネスでは、起業や開業の準備、営業活動といった事業に関わる全てを自分や少人数の従業員で行う必要があります。個人の裁量が大きくなる分、苦手な分野も行う必要が出てきます。そのため、知識を入れるための学びやビジネスにおけるスキルのアップデートを欠かさないことが大切になります。

また、情報収集のために横のつながりを増やしておくことも重要です。たとえば、起業セミナーに参加したり、起業家同士の集まりに行ってみたりするのもおすすめです。

専門性に長けている分野で行う

スモールビジネスを成功させるためには、これまで培ってきたスキルや、専門性を活かすことが重要です。もちろん、起業して新しい分野でビジネスを成功させることも可能ですが、新たに開拓する分野へ参入するには、事前に学ぶ内容が多いです。

そのため、収益化するまでに時間がかかったり、成功確率が下がってしまったりする恐れがあります。そうならないためにも、なるべく自身が培ってきたスキルや分野を活かしてスモールビジネスを始められるとよいでしょう。

収益を生む仕組み作り

スモールビジネスを始める上では、継続して受注を受けられることが重要になります。例えばホームページ制作の場合は、ホームページを作るだけではなく、メンテナンスやネット広告の運用などがあると毎月コンスタントに収入を得ることができます。このように、継続的に仕事の発注を受けられ、売上が立つ仕組みを作ることがスモールビジネスでの成功への近道だと言えます。

スモールビジネスに向いている業種とは?

ここで、スモールビジネスで収益を立てやすい業種の例に触れていきます。

ECサイト

最近では、特別な技術がなくてもネットショップを開設できるようになりました。また、ECサイトの種類も増えたことで、自身のサービスや商品にあったサイトを選んだ上で簡単に売ることができるように。

人件費やテナント費用を考えずに運営することができるのもECサイトのメリットでしょう。さらに、初期費用や月額費用をかけずに、売れたらその分に応じて手数料が発生するというサービスも多くあります。

ホームページ制作

WEBデザインやプログラミングスキルのある方なら、まずはホームページ制作からスタートするのがおすすめです。様々な企業や個人は今、ウェブ戦略を考えています。そんな時代において、HPが作れるだけで仕事を受注することが可能でしょう。さらに、デザインは自分で行い、プログラミングはプログラマーにやってもらうなど、タッグを組んでスモールビジネスを始めるのも面白いかもしれません。

講師

英語が得意な人は、英会話講師になるのもおすすめです。また、インバウンド事業は年々市場拡大しているので、英語を話せる人材を企業側が求めていることも。英語が話せるだけでフリーランスとして起業することができるでしょう。

また、日本語教師になる人も年々増えています。日本語教師になるには、資格を取る道や文化庁の420時間養成講座を受けるなどの方法があります。こちらも海外からの人材が増えたためにニーズが増えている職種です。

フードトラックや屋台

調理師免許を持っている場合は、フードトラックや屋台などのスモールビジネスを検討してみるのもおすすめです。車代やスペースが必要ですが店舗を構えるほど資金が必要でもないため、スモールビジネスとして始めるにはもってこいです。

また、未経験者でも料理が好きなら始めやすいのが特徴です。その際には営業許可を取る必要はありますが、比較的自由度の高い仕事だと言えます。

イラストレーター

イラストを描くのが好きな人はお絵かきソフトとPCやタブレットがあれば気軽に始められるイラストレーターの仕事。クラウドソーシングサイト等ですぐにでも始められるところもスモールビジネスとして有利な点です。

ヘアメイク

意外と商売になるのがヘアメイクです。コロナ禍では落ち着いていた結婚式やお出かけも増え、SNS映えをしたいからとポイントメイクやヘアセットのニーズが増えています。

パーソナルトレーナー

スポーツジムやフィットネスクラブでの勤務経験がある方は、パーソナルトレーナーとして独立するのもおすすめです。ダイエットや健康に関心のある方は多いですから、今後も需要のある分野でしょう。

家事代行

家事の経験があればできるのがこの家事代行サービスです。フリーランスとしてサイトに登録し、単発の時間で働くことも可能です。忙しい現代では、家事代行サービスを使う人が増えています。しゅふスキルがあればすぐにも始められる点や単身の高齢者のニーズも増えていることからも社会貢献度のある仕事としても人気となっています。

まとめ

スモールビジネスは、自分の裁量が大きな環境で働け、コストを抑えながら収益を上げられるといったメリットがあります。起業したい方は、まずはスモールビジネスを皮切りにフリーランスになってみるのはいかがでしょうか。

関連記事

独立起業に失敗しないために。よくある失敗の原因やリスク・対策を紹介 多様な価値観が重視される今。これからの働き方を考える 働き方が自由な現代で、定年制がないフリーランスとして生きる!

記事をシェアする

あなたにあった働き方を選ぶ