ボーナスを損しない退職のタイミングは?スケジュールや知っておきたいポイント

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会社員のモチベーションの1つであるボーナスですが、退職をするとなるとボーナスがもらえないこともあります。今回はボーナスそのものの役割や、退職時にボーナスを受け取りたい場合のポイントについてご紹介。また、転職時期やスケジュールなども解説します。

退職時にボーナスをもらえるかは会社の規定による

退職時にボーナスをもらえるかどうかは、退職を検討している人の多くが気になる点です。退職を伝えるタイミングなどによっては、損をする場合もあるかもしれません。まずは、ボーナスをもらえる条件やボーナスの基本的な内容についてご紹介します。

支給日や支給要件を確認する

ボーナスの支給日や支給要件は、会社によって異なります。多くの企業では夏のボーナスを10〜3月、冬のボーナスは4〜9月の業績に対して支払われる形が一般的です。そのため、対象期間に在籍し、支給日までに在籍していればもらえると考えて問題ないでしょう。

ただし、支給の有無や支給額などは会社によって異なるため、就業規則などの確認が必要です。例えば、支給日に在籍している従業員をボーナスの支払い対象とする、といった支給要件などが定められている場合があるためです。

退職時や退職後にボーナスが支払われなかった場合は、賃金未払いの扱いになります。要件に当てはまっているにも関わらず、支給されなかった場合は会社への請求が可能です。なお、有休消化中であっても在籍の扱いになります。退職前に有給休暇を取得していても、要件を満たしているならば、ボーナスを受け取ることができます。

退職によってボーナスが減額される場合がある

退職をしても支給要件を満たしていれば、ボーナスを受け取れます。しかし、必ず満額を受け取れるとは限りません。就業規則などに「ボーナス支給後、〇ヶ月以内に退職予定の者に対して、〇割の減額とする」といった記載がある場合は、ボーナスが減額される可能性があります。もし、記載がされていない場合でも減額されるケースはあるため、事前に確認しておきましょう。

ボーナスは義務ではない

そもそもボーナスの支給は法律で決められていないため、支給は義務ではありません。そのため、最初からボーナス支給を設定していない会社もあります。ボーナスは給料とは異なり、あくまでも賃金の一部であるとみなされているためです。つまり、退職時にボーナスが減額されることや、そもそもボーナスを設定していないことも企業の自由となります。

ボーナスは普段の労いと将来の活躍を期待されてのもの

ボーナスの支給は義務ではないため、会社の任意で従業員に対して支給されているものです。義務ではないボーナスを支給する理由は、普段の業務への労いや将来の活躍への期待などが含まれています。

夏休みや年末年始などの物入りな時期の前に社員を労い、同時に家計も助けるというのもボーナスの役割の1つです。退職予定の人には将来の活躍を期待するという部分が反映されなくなるため、減額されるというケースは実際にあることを認識しておきましょう。

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ボーナスをもらってから退職をする方法

ボーナスをもらってから退職をしたい場合、どうするのが良いか悩んでいる人も多いでしょう。一般的に問題のない方法の1つとしては、ボーナスを受け取った後に退職の意思を伝える方法です。

すでに支給されたボーナスは、返還の義務がありません。そのため、ボーナスが支給された後に退職の意思を伝えても、ボーナスへの影響はないと言えます。もらってすぐに伝えるのは印象が悪くなる可能性もあるため、支給から2〜3週間ほど間を空けるとスムーズに話を進められるでしょう。

基本的にボーナス支給前に退職すると、ボーナスの支給対象とはなりません。しかし、支給前に辞めても、ボーナス支給の対象となる可能性があります。支給日在籍条項が定められていない場合や、会社都合での解雇だった場合などです。

自身がボーナスの支給対象となっているか、退職を決めた時点で1度就業規則などを確認しましょう。

ボーナスをもらって円満退職をするには

ボーナスをもらってから円満退職をするには、いくつか気をつけておくべきポイントがあります。退職を伝えてからも会社で仕事を行う期間はあるため、できるだけ退職までは円満に過ごせるようにしたいものです。今回は、3つのポイントをご紹介します。

早めに退職意思を伝える

円満退職のためには、早めに退職の意思を伝える必要があります。まずは直属の上司へ、落ち着いて話せるタイミングを見て、自身の意思をはっきりと伝えましょう。どうして退職したいのか、退職の意思が固い点を伝えておくと、引き止められる可能性が下がります。退職手続きの問題もあるため、いつまでに退職したいのか期日も伝えるとスムーズに進められます。

退職理由については、できるだけポジティブな内容を伝えましょう。ネガティブな理由を伝えてしまうと、「改善させるから待ってほしい、異動によって環境を変えるから辞めないでほしい」となる場合があるためです。たとえ本当の理由がネガティブなものであっても、うまく変換して引き止めにくい内容を伝えましょう。

また、退職理由を伝える際に退職願や退職届も用意しておくと、自身の意思を明確に伝えられます。その際トラブル防止のためにも、会社側にいつ提出をしたのか、書面やメールなどで記録を残しておきましょう。

引き継ぎをしっかりと行う

円満に退職するためには、自身が行っている仕事の引き継ぎを十分に行いましょう。自身が退職した後の仕事は、他の人が担当し今後も続いていきます。退職が決まってから、退職日となるまで、どのように引き継ぎをするのかしっかりとスケジュールを立てます。

資料の作成や各所への連絡など、通常業務以外に行うべき内容がいくつか発生します。最終出社日に終わっていないとなっては、周囲に迷惑をかけるため、入念にスケジュールを立てて引き継ぎが終わるようにしましょう。

また、取引先の担当者などお世話になった方への連絡も大切です。後任が決まり次第、お客様先へ案内し、退職後も仕事が円滑に進むようにしましょう。

転職活動していることを周囲に伝えない

同僚や上司には、転職活動中であることを伝えない方が良いでしょう。転職活動をしていることが周囲に伝わると、自身では予想もしていなかった人にまで話が伝わってしまう可能性も。万が一転職せずに働き続けることにした場合に、周囲との関係が悪化し仕事を続けにくくなるなども考えられます。

転職活動は不安もあるため、周囲の人に話して解消させたいと考える人もいるでしょう。しかし、将来の関係性を良好に保つためにも、同僚には内定が出て退職が決まった後に伝えるのがベストです。

転職活動はボーナスをもらう時期に応じて考える

転職活動をする際は、ボーナスが支給される時期に合わせて検討しましょう。転職に有利な時期や、ボーナスをもらう前・もらった後に転職活動する場合の特徴についてご紹介します。

転職が有利な時期は3〜5月と9〜10月

転職活動に有利な時期は3〜5月と、9〜10月です。春先は退職によって人が抜けるタイミングであり、10月は期の変わり目であるため、人の動きがある時期となります。そのため、この時期は企業の求人が多くなり、自身が希望する求人が出てくる可能性が高いでしょう。

ボーナスの支給時期は一般的に6月下旬〜7月下旬、冬は12月です。つまり、ボーナスを支給されてから退職をした場合でも、有利な時期に転職できる可能性があります。

反対に2月や8月などは、求人が減る傾向にある時期です。接客業では閑散期にもあたる時期のため、求人はあまり多くありません。少しでもスムーズに転職を進めたい場合は、求人が増える時期を逃さないようにしましょう。

ボーナス支給前に転職活動をする場合

もし、ボーナス支給前に転職活動をする場合は、ボーナスの支給後すぐに転職ができる可能性があります。退職から間を空けずに新しい仕事を始められるため、ブランクを作りたくない人には向いています。

また、ボーナス支給前に活動を開始する人は少ないため、ライバルが少なくなります。少し余裕を持って活動をすることができ、内定を早めに獲得できるかもしれません。

ボーナス支給後に転職活動をする場合

ボーナスをもらった後に転職活動をする場合はボーナス支給後に辞めた人の補充として、求人が出ている場合があります。欠員補充のために求人が増える傾向になるため、転職活動は活発になります。

夏のボーナス支給後から動き始めた場合は、秋からの入社を目指す人にはいいタイミングとなるでしょう。12月にボーナス支給がされた場合は、年明け〜春先に向けて転職ができるため、やはり求人が増えて転職がしやすくなります。ただし、同じようにボーナス支給後に退職して転職をする人がいるため、ややライバルが多くなる時期でもあります。

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転職活動や退職までのスケジュール

転職や退職までには、最短でも数週間の時間が必要です。どのようなことに、どのくらいの時間がかかるのかをご紹介します。ある程度の時間がかかることを理解し、しっかりと準備しましょう。

転職活動のスケジュール

働きながら転職活動をするには、大体入社をするまでに3ヶ月ほどの時間がかかります。転職活動の開始から終わりまでの流れは、以下の通りです。

1. 情報収集
最初にするのは、情報収集と自己分析です。どういった企業が求人を出しているのか、企業の情報や業界の情報、現在の転職事情など知っておくべき情報はいくつもあります。

また、同時に自身のスキルや転職をする目的などを整理し、強みを改めて理解する自己分析も行いましょう。ここでしっかりと準備をしておくと、先のステップでブレずに転職活動を進められるようになります。

2. 書類作成と応募
自身の強みや転職事情などを理解した後は、実際に求人へ応募します。履歴書や職務経歴書の作成、その他求められている書類を作成し提出します。書類審査に通過した後は、面接に進みます。

3. 面接
面接の際には志望理由のほか、なぜ転職をしたいのか、活かせるスキルや経験も説明できるように準備しましょう。面接の際には、逆質問ができる時間が設けられているのも一般的です。企業について改めて情報を確認し、質問を用意しましょう。

4. 内定〜入社
内定が出た後は、本当に内定を受けるかどうかを判断します。その後、現在の職場に退職の意思を伝えて、実際に退職と入社のスケジュールを決定します。退職に関してトラブルがないよう、気を抜かずに必要な手続きなどを済ませましょう。

退職までのスケジュール

退職をするまでには、一般的に1ヶ月かかります。法律では、退職希望日の2週間前までに意思を伝えれば問題ないとされていますが、2週間では引き継ぎなどが終わらず退職できない可能性があります。会社側の負担を考慮して、最低でも1ヶ月前に退職したい意思を伝えましょう。退職までのスケジュールは、以下の通りです。

1. 退職の意思を上司に伝える
退職をすると決めたら、まず直属の上司に退職の意思と退職日などを伝えます。

2. 社内へ退職を伝える
具体的な退職日や手続きに関する内容などが決まったら、同僚に退職を伝えるタイミングなども決めましょう。担当している仕事の兼ね合いなどもあるため、なるべく早めに周知をできるようにする必要があります。

3. 業務引き継ぎ
自身が担当している業務を他の人に引き継ぎます。引き継ぎ資料の作成やお客様先への案内など、やることは多くあります。退職後に問題が起きたとならないよう、1つずつ丁寧に対応しましょう。

まとめ

退職時にボーナスをもらうには、ボーナス支給後の退職が良い方法となります。ボーナスは法律による支払い義務がないため、会社の規定によって支払い額や要件などは異なります。退職をしたいがボーナスももらいたい場合は、就業規則を確認し要件を確認しましょう。円滑な転職活動と円満な退職、損をしないボーナスのもらい方で新たな職場での仕事に取り組みましょう。

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